台所のお掃除=油汚れとの闘い、とも言えます。
しかし、毎日こまめに、汚れるたびに掃除するのはかなり大変です。
そこでふと思ったのです。
「焼き鳥やお好み焼きなど、毎日毎日油汚れが発生しそうなお店の人はどうやって掃除しているのだろう……?」
毎日同じ人がいるわけではないだろうし、学生アルバイトさんが厨房を担当することもあるはず。特殊な技術を必要としない掃除方法があるのではないでしょうか。
そこで近所の「油汚れキツイ系」飲食店の人に、日々行う厨房の油汚れを掃除する方法を聞いてみました。
常に油を使う鉄板系のお店は、きっと油汚れもひどいはず……
※写真はイメージ
「2週間に1回『オイルスイーパー』(油汚れに効く強力な業務用洗剤)を1/2に薄めたもので拭き掃除をしています。外せるパーツはオイルスイーパーをお湯で5%に薄め、ひと晩漬け置くこともあります。大変ですが、毎日拭き掃除をすることで換気扇の目詰まりを防ぎ、店内の汚れも減ると実感していますね」(もんじゃ&お好み焼き店店員)
揚げ物を提供するお店は、もろに油との闘いを強いられそうです
※写真はイメージ
「毎日業務用のアルコールスプレーをキッチンペーパーに塗布し拭き掃除をしています。アルコールスプレーで落ちないときは、『グリースカッターEX』(業務用強度油汚れ除去剤)で拭き掃除を行います」(居酒屋店員)
焼き鳥専門店の厨房も、汚れがつきやすそう……
※写真はイメージ
「毎日『マジックリン』で拭き掃除を行っています。家庭用の洗剤なのでそこまで強くはありませんが、毎日行えば『マジックリン』でも落ちますよ」(焼き鳥専門店店員)
【結論】
「オイルスイーパー」「グリースカッターEX」「マジックリン」などの洗剤で拭き掃除をしている
そこで、実際に家庭でもこれらの洗剤を使って油汚れが落ちるのか試してみることにしました。話に出てきた洗剤は3種類ですが、ネットショップで探したところ「オイルスイーパー」は業務用の一斗缶しかなかったため一般家庭では難しいと判断し、今回は「グリースカッターEX」「マジックリン」の2種類で試してみます。
まずお掃除用洗剤売り場でもおなじみの「マジックリン」
トイレ用・ガラス用などありますが、今回は油汚れに特化したキッチン用を使用します
「台所まわりのしつこい汚れ」を落とすのが得意で、「換気扇やガスレンジなどの、しつこい油汚れを浮かせて分解する」とうたわれています。除菌もできると書いてあるのがいいですね。成分は界面活性剤(1%/アルキルアミンオキシド)・泡調整剤・アルカリ剤です。
もうひとつの「グリースカッター EX」 は、業務用の油汚れ除去用洗浄剤です。
こちらが「グリースカッター EX」
「従来の油汚れ除去用洗浄剤と比べて、汚れの落とし跡や落とし残しが少ない」「ステンレスの表面が変色することもありません」と書かれています
界面活性剤が汚れに浸透し汚れを浮き出すとともに、焦げ付き汚れにはアルカリ成分が作用し除去してくれるのだそう。原液〜10倍に薄めて使用します。成分は水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・溶剤・非イオン系界面活性剤です。
今回はこの2種類を使用して、台所の換気扇のレンジフードカバー部分の油汚れを掃除していきたいと思います。
ご家庭のキッチンはこのタイプの換気扇が多いのではないでしょうか
最近の換気扇はこのタイプが多く、カバーの中にフィルターが貼られていることもあり、内部はそこまで汚れません。しかし、油を含んだ空気が接しやすいカバー部分には、よく見ると油汚れが……。
パッと見はキレイそう。でも、意外と汚れている……
そこで、左半分に「グリースカッターEX」、右半分に「マジックリン」を使用していきます。使い方はどちらも同じで、洗浄個所にスプレーし5分程度放置、そのあとスポンジなどでこすり、水拭き・水洗いをします。今回は両方ともスプレーから原液で使用しました。
ポタポタ垂れてきそうなのが気になったので、キッチンペーパーにそれぞれの洗剤を十分に染み込ませ、パックしました。
キッチンペーパー全体をしっかりと湿らせるのが落ちてこないコツです
5分放置したあとではがしたキッチンペーパーはこのとおり! 右の「マジックリン」のほうはキッチンペーパーの表面が変わらずですが、左の「グリースカッターEX」のほうには油汚れや焦げと思われる汚れがかなり付着しています。浮かせた汚れが付着したのでしょう。
「グリースカッターEX」のほうが明らかに油汚れや焦げが付着しました
そのあと、スポンジでくるくるとこすり、雑巾で水拭きを行いました。
くるくると円を描くようにこするのがポイントです
すると……あれ? 「グリースカッターEX」のほうがかなりムラになってしまっています。よーく見てみると、「マジックリン」のほうは落ちていない汚れもあるけれど、ムラはなし。「グリースカッターEX」のほうはかなり汚れが落ちているけれど、キッチンペーパーが密着できていなかった部分は汚れが落ちず、さらに色ムラが発生してしまいました。これではキレイになってもちょっと見栄えが悪いですよね。
左の「グリースカッター EX」のほうはムラになってしまった……
そこで、今度はレンジフードカバー全体に「グリースカッターEX」を再度パックしていきます。今度はムラが発生しないように密着させることに注意して……。
今度はムラにならないようにしっかりと密着させます!
同じように5分放置し、スポンジでこすり、雑巾で水拭きしました。すると……、かなりキレイになりました。完全にムラができないわけではありませんが、これなら合格ではないでしょうか。
ムラにならずかなりキレイになった!
IH部分も掃除してみたのですが、こちらもかなりキレイに。ただし、長年こびりついた焦げ部分は少し残ってしまいました。
IH部分もキレイに。ただし、しつこい焦げは残ってしまった
洗剤使用に際して、ひとつだけ注意点があります。当たり前のことなのですが、皮膚や目には絶対に触れないようにすること。洗剤本体にも注意書きがあります。
筆者は手首まである薄手のビニール手袋を使用していたのですが、スプレーをする際に飛んだ洗剤が手首に付着し、かなり赤くなってしまいました。ひじあたりまでカバーできる長さの分厚いゴム手袋を使用すべきだったと反省です。筆者の場合はすぐに流水でしっかりとすすいだので数時間で治まりましたが、皮膚の弱い方などは特に注意してくださいね。
ピリピリとして痛かった……。しかし対策をしなかった自業自得です
2種類の洗剤を使用してみて、当たり前のことですが、どちらにもよし悪しがあると感じました。
「グリースカッターEX」は強力に落ちるが、ムラや取り扱いなどに注意しなければならない。
「マジックリン」は汚れを落とす力こそ若干落ちるものの、一般家庭用に売られているので日常的に使える。
そこで……
・毎日の拭き掃除には「マジックリン」を使用し、気になったときにすぐに使う
・数か月に1度の大掃除や来客の前など、気合いが必要な際には「グリースカッターEX」でしっかりと汚れを落とす
と、使い分けるのがよいのではないかと思いました。
油汚れに悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください!
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA