メモやノートに関して、基本「書ければ何でもいいでしょ」と考えている人は多いと思います。もちろん大枠はそれで間違っていないんですが、とは言え、「書ける」と「書きやすい」にはかなりの開きがあるのも、また事実です。
わかりやすいところで言えば、適正サイズの問題。たとえば、手元で素早くメモを取りたいとき、B4のスケッチブックは明らかに大きすぎて無駄。これに対して、会議の議事録を取るのに小さなハンドメモを使うと、ページが何枚あっても足りません。
つまり、作業に合わせてちょうどいいサイズの用紙を選ぶのは、誰にとっても必要というわけです。であれば、「Web会議をしながらメモを取る」といった、PC作業とマッチするメモ帳は、一体どういったサイズになるのでしょうか?
限られたデスクのスペースは、できるだけ有効活用したいもの。しかし、ノートPCと紙資料、ペンケース、マグカップ……と物を置いていくと、いつの間にか「もうほとんど隙間ナシ!」状態に陥ることって、よくあるんじゃないでしょうか。
そんな場合に試してみてほしいのが、オキナ「プロジェクトペーパーB5ハーフ」です。
B5用紙を半分にした、スリムな「プロジェクトペーパーB5ハーフ」(オキナ)。本体サイズは91(幅)×257(奥行)mm
実は、ここしばらく手帳・ノート界隈で流行っているのが、いわゆる「ハーフサイズ」と呼ばれるジャンルの製品です。用紙を半分に断ち切ったような、スリムな形状が特徴です。
「プロジェクトペーパーB5ハーフ」は、この形状を生かして、デッドスペースになりがちなノートPC下の空間を有効活用できるというわけです。
写真のように自分とPCの間に横向きで置くと、無駄なくメモを取るスペースが確保できます
しかし、実はこの製品が真価を発揮するのは、ノートPCの隣に縦置きにしたときなんです。10cm以下の隙間に置けて、なのに書ける面積はたっぷり! もちろん、自分の利き手側に置くことでよりメモが取りやすくなるというのも大きなメリットです。
利き手側に縦置きすると、これまた省スペースで便利! 奥行きは257mmあるため、ノートPCのサイズによっては少しはみ出てしまいますが、特に書きにくさは感じないレベルでしょう
製品ジャンルとしてはレポートパッドに当たるため、使い終わって不要になったページは、天のりからピリッと剥がせるのもいいところ。まさにデスクメモ感覚で、気楽に運用できると思います。
ちなみに用紙は、2022年で発売40周年を迎えたという超ロングセラーのレポート用紙「プロジェクトペーパー」(5mm方眼)なので、書き味も間違いありません。
罫線は5mm方眼なので、向きの縦横は問題なし。用紙自体も高品質で気持ちのよい書き味です
表紙カラーのラインアップは、タンザナイト(青)、インカローズ(赤)、エメラルド(緑)、ムーンストーン(グレー)と、鉱石の名前から取られた4種類を展開しています。
鉱石の名前を冠した、オシャレな4色のラインアップ
また、中身の方眼罫も、表紙カラーと同系色になっているのがポイント。好みのカラーの表紙を選んで買えば、同じく好みの罫線が自動で付いてくるという仕組みです。
方眼罫の色は、表紙カラーを淡くしたものが使われています。赤系の方眼罫はちょっと珍しいかも
もうひとつユニークなのが、表紙のデザイン。天のりを上下左右どちら向きにしても成立するよう、文字が配置されているんです。つまり、横配置でも縦配置でもばっちり使えるということ。
これは地味に重要で、たとえば、横向きデザインのノートを無理に縦向きに使っていると、だんだん「微妙にしっくりこないな……?」と、違和感に我慢できなくなっていくことも意外とあるんです。表紙の文字配置ひとつで、そういうモヤモヤをため込まずに済むなら、ありがたいわけです。
横使い・縦使いがそれぞれ便利な製品だけに、メーカー側のこういう工夫はうれしいところ
革新的なアイデアや斬新な使い方といった、目立つような特徴はなく、率直に言えば“すっごい地味”。しかし、全体に施された細かな気遣いや工夫を考えると、地味なれどオンリーワンな製品と言えるのではないでしょうか。正直、1度使い慣れたら、もうほかのメモ帳やノートに移行できなくなるかもしれません。
最新機能系から雑貨系おもちゃ文具まで、何でも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は大手文房具店の企画広報として企業ノベルティの提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。