マネー連載
身近なお金の失敗談

自分名義のクレカで恋人が借金250万円! お金にズボラな25歳の金欠人生

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お金で失敗した人のリアルな体験談を根掘り葉掘り聞き、その経験から得た反省や学びを語ってもらう本連載。今回お話を伺ったのは、さいたま市に住む飲食店従業員のMさん(25歳)。細身で背が高く、モデルのような頭身。顔もなかなかハンサムで女性にもてそうだ。そんなMさんの悩みは「給料をすぐに使い果たしてしまう」こと。毎月の給料20万円を計画的に使えず、前借りでしのぐ「自転車操業」に陥ってしまっているという。

ワイルドなファッションに身を包むMさん。あまりお金に困っているようには見えない

ワイルドなファッションに身を包むMさん。あまりお金に困っているようには見えないが……

(※人物の特定を避けるため、エピソードの一部を加工しています)

月給20万円のうち17万円が外食費とパチンコ代で消える

さいたま市内のアパートで一人暮らしをしているMさん。職場は自宅から徒歩圏内の居酒屋。月給は手取り20万円ほどで、特別に薄給というわけではない。男ひとりの生活には十分に思える。

しかし、「常に金欠です」とMさんは顔をしかめる。ここ数か月は、翌月分の給料から常に5万〜7万円を前借りしてしのぐ状態が続いているそうだ。いったい何がそこまで家計を圧迫しているのだろうか? 内訳を聞いてみると……

「固定費は家賃が4万5000円、水道光熱費が1万3000円、携帯代が1万円くらい。まあ、普通ですよね。突出しているのは食費とパチンコ代です。食べ歩きが好きで、少々高めの店でも、ためらわず入ってしまいます。お酒も好きなので1食あたり6,000円を超えることもしばしば。ひと月の外食費は8万円くらいじゃないでしょうか。パチンコは勝つこともありますが、平均すると月6万〜7万円のマイナスかな」(Mさん、以下同)

このほかにも日用品や洋服代などが加算され、収支は大幅にマイナス。給料が出た直後にパチンコとガールズバーでほぼ全額を散財してしまったこともあるという。

買っても負けても関係なく、パチンコの後は必ず飲みに行く

買っても負けても関係なく、パチンコの後は必ず飲みに行く(写真はイメージ)

財布にお金があれば、あるだけ使ってしまう

「生活費としてこれくらい残しておこうとか、そういう計画性はまったくないですね。財布にお金があれば、あるだけ使ってしまう。休みのたびに朝からパチンコ屋に並んで、勝っても負けても飲みに行く。朝まではしごして3万円くらいひと晩で散財してしまうなんてことも多いです。さっき外食代は8万円くらいって言いましたけど、たぶん10万円は超えてますね」

聞くたびに数字が変わり、収支を把握できていない様子がうかがえる。もとより、把握する気もないのかもしれない。宵越しの金は持たず、「飲む・打つ」。現代風の風貌に似合わず、昭和的な破天荒を地で行くMさん。当初は貯金を切り崩してしのいできたが、それもすべて溶かしてしまった。いまは給料を前借りして何とか生活を回している。家計管理はずさんで、自転車操業のような現状を脱する道筋は見えていない。

恋人に財布ごと渡したらいつの間にか借金250万円

ただ、幸か不幸か「クレジットカードはとある事情で作れないので、カードで際限なく浪費してしまうようなことはありません」とMさんは言う。

どんな事情か尋ねると、「実は一時期、250万円の借金があったんです」と告白し、そのいきさつについて重い口を開いた。

250万円の借金を背負ったいきさつを話すMさん

250万円の借金を背負ったいきさつを話すMさん

「ハタチのときに10歳年上の彼女がいて、約1年同棲していました。当時はパチンコにもハマっておらず、食事も基本的に彼女が作ってくれていたので、お金を使うことはなかったんです。あまりにも使わないので、給料は全額彼女に預けていました。財布ごと渡して、交通費とかランチ代とか、その日に必要な分だけもらう感じでしたね」

しかし半年後、「事件」が起きる。

「ある日、僕宛てに黄色い封筒が届いたんです。開けてみると債権の回収、つまり借金を返せみたいなことが書いてあった。もちろん身に覚えはまったくないので、まあ放置ですよね。架空請求の類か、何かの間違いだろうと。でも、それが毎月届くようになり、4か月目以降は朝晩2回、毎日電話がかかってくるようになった。さすがにおかしいぞと思って彼女を問い詰めたら、僕のカードでキャッシングしていたことを白状しました……」
(関連記事:クレジットカードが作れない!?ブラックリストに載ってしまう理由とは?

実家のリフォーム計画が借金返済で立ち消えに…

いま思えば「予兆」はあったとMさん。“共働き”で生活費には余裕があったはずなのに、食卓は「もやしを炒めただけのおかず」など、不自然なほど質素。Mさんがたまの「おこづかい」を求めても、渋るようになったという。しかし、それでもなお、不信を超える愛情がMさんの目を曇らせた。気付けば、Mさん名義の借金は250万円に達していた。

「使い道については最後まで口を割りませんでしたが、おそらくホストとか、別の男に貢いでたとか、そんなところでしょうね。実際、浮気されたことも一度や二度じゃなかったので。ある日プツンと彼女への気持ちが切れて、以降は何とか彼女からお金を取り戻そうと試みました。親同士も巻き込んで、うちの母から向こうの母親に電話をかけたりもしたんですけど、まったくの無視。訴訟も考えましたが大ごとにしたくないという母の意向もあり、いったんこちらがすべて被ることになってしまった。もちろん僕に返済できるわけもなく、たまたま満期になっていた僕と妹の学資保険の保険金を支払いに充てました。実家をリフォームする予定もあったらしいんですが、それも僕のせいでパアになってしまいましたね」

「母や妹には、いまだに顔向けできません」と、反省は深い

「母や妹には、いまだに顔向けできません」と、反省は深い

25歳の誓い! 母に少しでも返済できるように

しかしMさん、250万円もの授業料を支払ってなお、給料の前借りという形で新たな「借金」を重ねている。なまじ大きな負債をかかえてしまったことで、かえって借金への耐性がついてしまったのかもしれない。そこに追い打ちをかけるギャンブル狂い。出口の見えない金欠スパイラルは続く。

ただ、Mさんもいまの状態が褒められたものでないことは、強く自覚している。自分を変えたい、変わらなければという意気込みも、少なからずあるようだ。

金欠人生に強烈な焦り。休日は自宅に引きこもることに

「3月が誕生日だったんです。25歳になりました。友人は結婚して子どもがいたり、マンション買ってるやつもいたりして……。それに比べて俺はなにやってんだろうって。自分ひとりの生活すらままならず前借りなんかして、もしかして馬鹿なんじゃないかって。このところ、強烈な焦りを感じるんですよね。25歳になってからはパチンコの回数も減らしたし、ガールズバーやキャバクラ通いからも足を洗いました。そうそう、こないだ初めてTSUTAYAの会員になったんですよ。休日は自宅で映画でも見て、外でお金を使わない引きこもりになろうと思って」

「お金のかからない趣味ないですか?」とMさん。どこか憎めない雰囲気がある

「お金のかからない趣味ないですか?」とMさん。どこか憎めない雰囲気がある

まずは前借り分をきっちり精算し、毎月の給料の中でやりくりする健全な家計に戻すこと。それができたら、「母に肩代わりしてもらった250万円を、少しずつでも返していきたい」とMさん。親の助けに甘え、うやむやにするつもりはないようだ。実際、いずれは実家に戻り、現在のアパートの家賃と光熱費分くらいは返済に回していきたいという。

正直なところ、その思考、言動、行動には大いなる不安を感じさせるところもあるが、自らが招いた借金に責任を持とうとする姿勢には、せめてもの良心とプライドを感じた。彼は、まだ手遅れではないかもしれない。

友達の忠告は素直に聞いたほうがいい

最後に、同じくやりくり下手な人たちに、教訓やアドバイスはありますか? そう聞くと「教訓を得ていたらこんな状態になってないし、むしろこちらがアドバイスをもらいたい」とごもっともなお答え。しかし、「1つ言えるとすれば…」と、自分なりの考えを述べてくれた。

「友達のアドバイスは“意外とあてになる”ってことかな。250万円を巻き上げられた彼女と付き合っていたときも、周りの友達はみんな『あいつはやばい。すぐ別れろ』って忠告してくれていた。彼女のことはずっと一緒にいる自分が一番わかっていると意固地になっていたけど、当事者よりも他人のほうがよっぽど見えてることもあるんだなと、いまは素直に思えます。それ以来、僕は友達から定期的に“ダメ出し”してもらうようにしていて、それで何とかこの程度(の借金)で収まっているんだと思います」

取材を終えて…

毎月の収入の範囲内で家計を回すのは生活の基本。Mさんの無計画ぶりを笑う人もいるだろう。しかし、いざとなれば給料の前借りができる、あるいは実家からの援助がある。そういう「裏ワザ」を一度覚えてしまうと、経済的に自立することが難しくなってくるのかもしれない。Mさんは「まずは前借りをやめたい」と語ったが、それには相当に強い気持ちが必要になる。せめて慢性的な金欠体質が染みついてしまう前に、気づくことができればよかったのだが…。

取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
ツイッター: @noriyukienami
ホームページ:https://www.yajirobe.me/

榎並紀行

榎並紀行

雑誌やウェブコンテンツを製作する「やじろべえ」という会社で働いています。だいたい19時に帰って22時に寝ます。Twitter:@noriyukienami

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