コンビニやファミレス、ネットショッピングでおなじみになった「共通ポイントカード」。特定のお店や企業でしかためられない「自社ポイントカード」とは異なり、共通ポイントはさまざまなジャンルのお店でためられ、支払いの際に使えるのが大きな特徴です(ためることのみ、使用のみの店舗も一部あります)。
いろいろなお店で使えるからこそ、提携している店舗をしっかり把握していないと、共通ポイントをお得に使いこなすことはできません。
ここでは、4大共通ポイントと呼ばれる「Tポイント」「Pontaポイント」「楽天スーパーポイント」「dポイント」、そして電子マネーを決済するときに獲得できる「nanacoポイント」「WAONポイント」の計6つについて、提携店とお得なため方・使い方、そしてより多くのポイントを獲得できるクレジットカードもあわせて紹介します。
(左上から時計回りに)「Tポイント」「Pontaポイント」「楽天スーパーポイント」「dポイント」「nanacoポイント」「WAONポイント」のポイントカード
共通ポイントの先駆けとして、2003年にスタートした「Tポイント」。最大の魅力は提携店舗数で、共通ポイント最多の94万店を誇っています。「TSUTAYA」「ファミリーマート」「ガスト」「吉野家」「ENEOS」など、おなじみの全国チェーンのお店と提携しており、ポイントのためやすさ、使いやすさはピカイチです。
なお、マイル交換する場合は、Tポイント500ポイントでANA250マイルに交換できます。
ネットショッピングで効率よくためるには「Yahoo!ショッピング」と、日用品が充実している「LOHACO」での利用が効果的。通常は100円で1P獲得ですが、毎月5日、15日、25日にアプリを通じて買うと、100円で5P獲得できる「5のつく日キャンペーン」など、さまざまなキャンペーンを実施しています。
ソフトバンクユーザーにはさらなる優遇策も。「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」では、いつでも100円ごとに10P獲得できるほか、通信料1,000円ごとに5P、2年契約を更新する際に1,000P(初回更新時は3,000P)が付与されます。
Tポイントをもっとためたい、という方向けのクレジットカードは「Yahoo! JAPANカード」(年会費無料)。カード利用100円ごとに1Pたまるのが基本ですが、「Yahoo!ショッピング」「LOHACO」で商品購入すると、いつでも100円で3P獲得できます。ちなみにこのカード、カードで購入した商品の破損や盗難した際に補償される「ショッピング保険」が付帯しているのも特徴になっています。
Tポイントの主な提携先
リアル店舗:ファミリーマート、サークルK・サンクス、TSUTAYA、ガスト、吉野家、ENEOS
ネットショッピング:Yahoo!ショッピング、LOHACO
最も有名な提携店は「ローソン」です。提携店は約20万店で、「ケンタッキーフライドチキン」「ゲオ」「コジマ」「高島屋」「昭和シェル石油」など多彩なジャンルの店と提携しており、使いやすさは申し分ありません。「UR賃貸住宅」とも提携し、毎月の家賃500円ごとに1Pたまります。
なおマイル交換する場合は、Pontaポイント2ポイントでJAL1マイルに交換できます。
家電からファッション、食品などを販売するネット通販「ポンパレモール」で買い物すると還元率3%で、通常の3倍以上のポイントがたまります。商品によっては5%を超えることもあり、欲しい商品がないかチェックするといいでしょう。
ローソンの店頭にある端末「Loppi」からお試し引換券を発券すると、Pontaポイントとお酒やジュース、お菓子などの商品と交換できます。交換できる商品は毎週火曜と金曜に追加され、2018年11月16日の内容では203円(税込)のお酒が90Pで、130円(税込)のヨーグルトが40Pで交換できます。1ポイントあたり2〜3円で交換できる点は大きなメリットです。
Pontaポイントをさらに効率よくためたい、という方には「シェル-Pontaクレジットカード」(年会費1,350円、初年度無料)。ローソンでの100円の買い物ごとに2P、昭和シェル石油で1リットル給油するごとに2Pを獲得できます。昭和シェルで年1回このカードを使って給油すれば、年会費が無料になります。
Pontaポイントの主な提携先
リアル店舗:ローソン、ケンタッキーフライドチキン、高島屋、ゲオ、丸善ジュンク堂書店、昭和シェル石油、UR賃貸住宅
ネットショッピング:ポンパレモール、じゃらんnet
以前は「楽天市場」などネットショッピングが、楽天スーパーポイントの主な活用の場でしたが、今や提携店は約70万店に増加。「マクドナルド」「ミスタードーナツ」「コスモ石油」「ツルハドラッグ」などリアル店舗との提携も増やし、使い勝手はアップしています。
マイルについては、楽天ポイント2PでANA1マイルと交換できます。
とは言ってもやはり、楽天スーパーポイントを効率よくためられるのは「楽天市場」をはじめとした楽天グループのサービスです。「楽天ブックス」「楽天トラベル」「楽天銀行」「楽天ビューティ」など、生活のさまざまな場面に対応するサービスを展開しており、これらのすべてで楽天スーパーポイントを活用できます。2018年10月から「楽天西友ネットスーパー」が始まり、西友の商品を購入するのにも楽天スーパーポイントを使えるようになりました。
ポイントをためるのに、フル活用したいのが楽天グループの多彩なキャンペーン。楽天市場では通常、100円につき1Pたまりますが、「楽天市場アプリを使っての購入」「楽天イーグルスの買った翌日に購入」「楽天トラベルを利用した月に購入」でそれぞれ、ポイントが+1倍になるなど、さまざまなキャンペーンを用意。楽天モバイルと契約するとポイントが常に+2倍になるなど、楽天のさまざまなサービスを使えば使うほど、ポイントが多くたまる仕組みになっています。
楽天スーパーポイントと相性抜群のクレジットカードは、言うまでもなく各種の「楽天カード」。年会費無料の「楽天カード」は、楽天市場でいつでも100円で3P獲得(還元率3%)できます。キャンペーンを駆使すれば、還元率10%を超すことも可能です。年会費2,160円の「楽天ゴールドカード」を使えば、100円ごとに5P獲得(還元率5%)にアップし、より多くのポイント獲得が可能になります。
楽天スーパーポイントの主な提携先
・リアル店舗:デイリーヤマザキ、マクドナルド、くら寿司、大丸、松坂屋、コスモ石油、ツルハドラッグ
・ネットショッピング:楽天市場、楽天ブックス、楽天トラベル、楽天銀行、楽天ビューティ
2015年にドコモポイントから、共通ポイントに移行したdポイントは、ドコモユーザー以外のメリットも広げようとしています。提携店も約3万7000店となり、「ローソン」「マクドナルド」「マツモトキヨシ」「ノジマ」「丸善」などで使うことができます。「Pontaカード」と同様、ローソンの端末「Loppi」から発行されるお試し引換券を利用することができます。
dポイントの特徴の1つは、Pontaポイントと相互交換できることです。Pontaポイントからdポイントへの交換は、手数料がかからず100Pから交換できる一方で、dポイントからPontaポイントへの交換には、5,000P以上からで、別途手数料が250P必要になるなど条件が厳しくなっています。
マイルについては、dポイント5,000PでJAL2,500マイルと交換できます。
家電や日用品を買えたり、ピザのデリバリーを注文できたりする「dマーケット」では、100円ごとに1P獲得できます。曜日や商品によってポイントを優遇するほか、デリバリー商品を割引するキャンペーンも実施。ポイントが一定程度たまったら、電化製品やホテルの宿泊券などと交換するサービスも行っています。
もともとがドコモユーザーのためのポイントだったため、一番ためやすいのはドコモのサービスを使うことです。ドコモの携帯およびドコモ光の利用1000円につき10Pがたまるほか、これらを2年更新するごとに3000Pプレゼントするサービスも行っています。
よりポイントがたまりやすいのは、年会費1,350円(初年度無料)の「dカード」。基本のポイント還元率は1%ですが、ローソンで利用するとカード代金請求時に3%オフになるのに加え、2ポイントが付与されるので、還元率は実質5%にアップします。
年会費10,800円の「dカードGOLD」はこれらの特典に加え、ドコモの携帯およびドコモ光の支払いで1,000円につき100Pたまるので、ドコモユーザーなら、年会費のもとは十分に取れるでしょう。
dポイントの主な提携先
・リアル店舗:ローソン、ライフ、マクドナルド、マツモトキヨシ、ノジマ、丸善
・ネットショッピング:dマーケット
nanacoポイントは、「nanaco」カードにあらかじめお金をチャージし、電子マネー「nanaco」で決済することでポイントがたまります。たまったポイントは「nanaco」に交換して使えるようになります。「nanaco」カードが使える代表的なお店はセブンイレブンとイトーヨーカドーで、基本は100円で1Pたまります。「デニーズ」「ビックカメラ」「西武・そごう」「エッソ」をはじめ、2017年から「マクドナルド」で使えるようになるなど、利便性もアップしています。
マイルについては、nanacoポイント500PでANA250マイルと交換できます。
セブン&アイの総合通販サイト「オムニ7」では、電子マネーに交換することなく、nanacoポイントのまま買い物ができます。オムニ7は、セブンイレブンやイトーヨーカドー、そごうなどで扱っている食料品や衣類をはじめ、デニーズのデリバリーを注文することができます。
イトーヨーカドーは毎月8日、18日、28日は「nanaco」の使用で商品が5%オフになるキャンペーンを実施。またこの日は、専門店街の買い物でも、ポイントが+1倍になります。セブンイレブンでも対象商品を購入すると、ボーナスポイントをもらえるキャンペーンを行っています。
nanacoポイントをお得にためられる代表的なクレジットカードは「セブンカード・プラス」(年会費500円、初年度無料)です。セブンイレブンやイトーヨーカドーでは還元率1.5%になるほか、クレジットカードからnanacoにチャージすることでも200円につき1ポイントためることができます。通常、税金や公共料金をコンビニで支払ってもポイントはつきませんが、セブンカード・プラスでnanacoにチャージし、nanacoで税金を支払うことで、実質的に支払額の0.5%をためることができます。
nanacoポイントの主な提携先
・リアル店舗:セブンイレブン、イトーヨーカドー、マクドナルド、ビックカメラ、西武・そごう、エッソ
・ネットショッピング:オムニ7
電子マネー「WAON」で決済すると獲得できる「WAONポイント」。たまったポイントは電子マネー「WAON」に交換して使えるようになります。イオンに特化としたポイントと思われがちですが、イオン系列以外の提携店も増えており、使い勝手も向上しています。「ファミリーマート」「ミニストップ」「吉野家」「コジマ」など、提携社は120社を超えています。NEXCO東日本・西日本・中日本のサービスエリアでも使えます。
マイルについては、WAONからマイルの交換はできませんが、「JMB WAONカード」を使えば200円ごとにJAL1マイルがたまります。
もちろん、イオンで使うことが、最も効率よくためることができます。200円ごとに1ポイントが基本ですが、毎月10日は200円で5ポイントになる「ありが10デー」を開催。毎月20日、30日は5%オフになる「お客さま感謝デー」も実施しています。
クレジットカードの「イオンカード」は券種も豊富にそろっていますが、WAONポイントをためるのにお得なカードは「イオンカードセレクト」。このカードは通常の還元率は0.5%ですが、電子マネー「WAON」の機能もそなわっており、イオンで買い物をするとオートチャージの際に200円で1ポイント、支払いの際に200円で1ポイントと、ポイントの二重取りが可能となり、還元率は1%にアップします。
WAONポイントの主な提携先
・リアル店舗:イオン、ミニストップ、ファミリーマート、ローソン、マクドナルド、ビックカメラ、NEXCO東日本・西日本・中日本
紹介した6つのポイントの主な提携店についてまとめた表は以下のとおりです。
今は複数のポイントに対応する店舗が少しずつ増えています。例えば、ローソンでは「Pontaポイント」「dポイント」「WAON」、マクドナルドでは「楽天ポイント」「dポイント」「nanaco」「WAON」に対応しています。会計の際、使えるのは1つだけのため、どのポイント獲得を優先するかを決めておくべきでしょう。マイルへの交換を予定している場合は、交換できる航空会社で優先順位をつけてもよいでしょう。
マツモトキヨシなど、自社ポイントと共通ポイントを同時にためられる店舗も増えてきましたが、まだまだ少数派です。時には、共通ポイントよりも自社ポイントの方が、より多くポイントをためられる場合があります。
例えば、ビックカメラでは、購入の際にビックポイントが原則、10%還元されますが、楽天スーパーポイントでは5%にとどまります。幅広い商品の購入やサービスに使える、という意味では楽天スーパーポイントに分がありますが、ビックカメラでその後も商品を購入する予定があれば、ビックポイントを選択したほうがよいかもしれません。
また、共通ポイントは一定期間使わないと消滅してしまいます。有効期限を頭に入れておくのも大事ですが、「まとめて使う」より「コツコツ使う」ほうが、賢い使い方といえるかもしれません。
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