増やす
ベールに包まれたその実力やいかに

全世界で70億枚発行! 国際ブランド「銀聯カード」の特徴と保有メリットを紹介

おなじみの銀聯カード(Union Pay)のロゴ

おなじみの銀聯カード(Union Pay)のロゴ

家電量販店や百貨店、コンビニなどで「銀聯(ぎんれん)カード(Union Pay)」のロゴを見ることが珍しくなくなってきました。とはいえ、「中国からの旅行者が使うカード」という漠然としたイメージはあっても、多くの方にとってその実態はまだまだベールに包まれていることでしょう。

そこで、約70枚のクレジットカードを保有する"クレジットカードの達人"、株式会社ポイ探の菊地崇仁さんに、銀聯カードの特徴と、保有するメリットについてお話をうかがいました。

テストテスト

クレジットカードの達人
菊地崇仁さん

北海道札幌市出身。98年に法政大学工学部を卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。02年に退社後、友人と起業したシステム設計・開発・運用会社を経て、06年にポイント交換案内サービス「ポイ探」の開発に携わり、11年3月代表取締役に就任。以後、ポイント、クレジットカード、マイレージに関する豊富な知識を生かし、テレビや雑誌などでも活躍中。

銀聯はカードの国際ブランドの1つ

――まずは、銀聯カードの基本について教えてください。

菊地さん:「銀聯カードは中国の金融機関『中国銀聯』の国際ブランドがついたカードのことです。VISAやMastercard、JCB、アメックス、ダイナースクラブに続く、第6の国際ブランドとなっています。

銀聯カードの多くは、中国の銀行が発行するデビットカードです(あとで説明しますが、これには中国国内のカード発行事情がからんでいます)。日本では、クレジットカード会社がクレジットカードとして銀聯カードを発行しています。

銀聯カードの誕生は2002年のこと。それまで中国では銀行をまたいだ現金のやり取りが難しく、利用者にとって不便でした。そこで、銀行同士のネットワークを構築する目的で、中国国内の銀行が共同で中国銀聯を設立したのです。これにより銀行同士が銀聯の銀行間決済システムを通じてつながり、同時に銀聯カードが国内外のさまざまな商品・サービスの決済に使えるようになったんです」

発行枚数は、驚きの70億枚

菊地さん:「中国銀聯によると、現時点で50の国と地域で発行されており、171の国と地域で利用が可能です。

2017年末時点で、全世界5,100万の加盟店があり、257万台のATMがあります。そのうち、中国大陸をのぞく地域では、2,300万の加盟店、164万台のATMがあります。日本に限っても70万店の加盟店、7万台のATMと、かなりグローバルに展開をしていることがわかります。

2018年10月時点で70億枚発行されており、このうち、中国本土以外で発行されたカードは1億枚を突破したそうです」

――先ほど、中国国内のカード発行事情についてお話がありましたが……

菊地さん:「中国の銀行でキャッシュカードを発行すると銀聯のデビットカード機能が付帯してきます。これが、中国国内で69億枚も発行されている大きな理由です。

クレジットカードは与信審査が必要になり、発行できる人が限られます。多くの人が気軽にキャッシュレス決済ができるよう、銀聯カードが続々と発行されたようです。中国でのネットショッピングの急速な拡大も、銀聯カードの普及を後押ししました。支払方法はカード払いがメインですからね」

中国人の海外への現金持ち出し制限をカバー

菊地さん:「中国人が旅行などで海外に出掛ける際、国外に持ち出せる現金は2万元(約32万円)以内に制限されていて、外国の現金でも5,000米ドル以内と定められています。いっぽう、銀聯カードの年間利用上限額は1人当たり10万元(約160万円)なので、現金の不足分をカバーする役割もあるのです。

中国人の海外旅行者数は年々増えていて、2007年に約4,000万人だったのが、2017年には1億3,000万人を突破しました。

日本への旅行者も2007年の約94万人から2017年には約735万人、2018年は838万人と急増しています。彼らにとって銀聯カードは便利でしょうし、迎える日本側にも訪日客のニーズを取り込むメリットがあるため、加盟店が広がっていったわけです」

インバウンドの中国人旅行客の存在が普及を後押し

インバウンドの中国人旅行客が銀聯カードの日本での普及を後押し

〈参考記事〉
中国人の海外旅行の拡大と旅行先としての日本(日本政策投資銀行)
https://www.dbj.jp/ja/topics/report/2016/files/0000026691_file2.pdf

中国に行く時は必携。アジアに行く機会が多い人も持っていて損のない一枚

――国内でも使える場面が増えたので、日本人でも銀聯カードが気になっている人がいると思います。

菊地さん:「残念ながら、現状、日本国内で日本人が銀聯カードを使って得られるメリットはほぼないと考えていいでしょう。

中国銀聯は優待クーポンサービスの『優計画(u-plan)』を中国人向けに始めていて、ここでは中国系オンライン旅行会社の『Ctrip(シートリップ)』や"中国版Googleマップ"の『Baidu Map(百度地図)』、銀行などと提携したクーポンをスマホで発行しています。日本国内ではラオックスやマツモトキヨシの免税店舗で使えるクーポンがありますが、基本的に日本人は使うことができません。

日本人でも使える優待として、東武百貨店で5%OFFのキャンペーンを行っていますが、そのほかは免税店程度です(2019年1月25日現在)。またポイント還元率も高くありません」

――日本人が保有するメリットはなさそうでうね……。

菊地さん:「ところが、海外では事情が変わってきます。まず、当然ながら中国本土への出張や旅行の際に大活躍します。中国では紙幣の信用に問題があり現金が使いづらく、また、他の国際ブランドのカードが使えないケースも少なくありません。銀聯カードを持っていると安心です。

加えて、最近はアジア各国で使える優待が増えているようです。たとえば、シンガポールであれば、人気観光地のセントーサ島の『マーライオン公園』の入場料が15%オフ、世界一高い観覧車の中で食事ができると人気の『スカイダイニング』で銀聯カードを使いオンライン予約すると食事代が15%オフになるばかりか、優先的に入店することもできます。

これは昨年の『銀聯国際』(中国銀聯の子会社)の調査なのですが、シンガポールで7万円使った場合、すべて現金で決済する場合と、すべて銀聯カードで決済する場合を比べると、後者が6,221円も安くなったそうです」

――それは大きいですね!

菊地さん:「中国系資本が進出している地域では、今後も、銀聯カードを使った際の優待が増えていく可能性は考えられます。中国に限らず、アジア旅行が好きな方にとっては、メリットのあるカードと言っていいと思います」

アジアへの旅行で実力を発揮

アジアへの旅行で実力を発揮

〈参考記事〉
アジア旅行は、現金よりクレジットカード(Union Pay)のほうが6,221円お得に楽しめる! “現金” と“Union Pay(銀聯)カード” で検証!#アジタビ部 シンガポールツアー 実施レポート
https://www.unionpay-campaign.com/ajitabi-report-001/

――銀聯カードの今後について、菊地さんはどう見ていますか?

菊地さん:「最近はスマホでQRコード決済をする『Alipay(支付宝)』や『Wechat pay(テンセント)』にやや押されている感があります。銀聯カードも非接触決済の『QuickPass』やQRコード決済を始めるなど、より利便性を高める取り組みが始まっていますので、今後もその動向に注目しています。

また、今年2019年のラグビーワールドカップ、来年2020年の東京五輪を目前に控え、訪日する観客の利便性を上げることが急がれているので、国内の銀聯カードの加盟店はさらに増え、中国人向けのサービスも拡充されていくと思われます。

一方、日本人が持つメリットについては、前述のとおり、アジアで優待が広がっていく可能性がありますので、出張や旅行の多い人は一度検討してみる価値があるのではないでしょうか」

日本国内で作れる銀聯カードを紹介

(以下、ライター大正谷)最後に、日本国内で発行できる銀聯カードを紹介します。大きく分けて、銀聯カード単独で発行できるもの(1〜3)既存カードの追加カードとして発行できるもの(4〜6)の2つのタイプが存在します。

発行・更新手数料なども見ながら、保有するメリットがあるかどうか、ぜひ見極めてください。(2)の「Trip.comグローバルカード」はクーポンや国内提携ホテルでの優待など、銀聯カードの中ではお得度が高い1枚と言えそうです。

▼単独で発行できる銀聯カード

(1)三井住友銀聯カード

単独で発行できる銀聯カードです。カードの券面はパンダと中国大陸の好きなほうから選択が可能。ショッピング利用額は80万円まで。

発行会社:三井住友カード
年会費:無料
カード発行手数料:無料(更新時は1000円+税)
ポイントサービス:1000円利用でワールドプレゼント1ポイント

(2)Trip.comグローバルカード

「Trip.com」会員向けの銀聯カード。新規入会時にホテル予約代金10%オフクーポン、毎年誕生日特典としてホテル予約代金6%オフ、各シーズン特典としてホテル予約代金5%オフの割引コードがもらえるなど旅行系サービスが充実しています。

発行会社:三井住友カード
年会費:無料
カード発行手数料:2019年3月31日申し込みまでは無料(通常時2000円+税、更新時は1000円+税)
ポイントサービス:1000円利用でワールドプレゼント1ポイント

(3)NEO MONEY 銀聯

13歳以上の日本在住者が申し込めるプリペイドタイプの銀聯カードです。利用可能額は100万円で、あらかじめチャージして使います。海外の銀聯加盟店で利用が可能です。

発行会社:クレディセゾン
年会費:無料
カード発行手数料:無料
ポイントサービス:なし

▼既存カードの追加カードとして発行できる銀聯カード

(4)三井住友銀聯プラチナカード

三井住友プラチナカードを保有している人が発行できる追加カードで、このカードのみ発行することはできません。ショッピング利用額は300万円まで可能。

発行会社:三井住友カード
年会費:無料
カード発行手数料:無料
ポイントサービス:1000円利用でワールドプレゼント1ポイント

(5)ANA銀聯カード

ANA VISA/マスターカード、ANA VISA Suicaカード、ANA TOP&ClubQ PASMO マスターカードを持っている人が発行できる追加カード。このカードのみ発行することはできません。
1,000円利用ごとにワールドプレゼントのポイントが1ポイント貯まり、ANAマイルに交換する場合、1ポイントを5マイルに交換可能です。(1)の三井住友銀聯カードのポイントをANAマイルに交換する場合は1ポイントで3マイルなので、ANAマイルを貯めたい人向けのカードと言えます。

発行会社:三井住友カード
年会費:無料
カード発行手数料:無料(更新時は1000円+税)
ポイントサービス:1000円利用でワールドプレゼント1ポイント

(6)三菱UFJニコス 銀聯カード

三菱UFJが発行する各種のMUFGカードを持っていると銀聯カードを追加で発行することができます(単独での発行はできません)。
還元率やポイントプログラムは、すでに保有しているMUFGカードと同じになるのが特徴で、たとえば「リクルートカード」の場合は元々の還元率1.2%が銀聯カードでも適用となります。還元率が高い銀聯カードを保有したい人はリクルートカードの追加カードとして銀聯カードを申し込むのがいいでしょう(※)。

※リクルートカードではVISA、Mastercard、JCBのいずれかの国際ブランドが選べますが、このうちJCBブランドでは銀聯カードが発行できないので注意が必要。これは発行会社が異なるのが理由。リクルートカードのVISA、Mastercardは発行会社が三菱UFJニコスなのに対し、リクルートカードのJCBは発行会社がJCBになります。

発行会社:三菱UFJニコス
年会費:無料
カード発行手数料:1000円+税
ポイントサービス:各種MUFGカードに準拠

大正谷成晴

大正谷成晴

フリーランスの編集・ライター。資産運用全般、ビジネス、クレジットカード、副業、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆している。企業の女性活用に関する記事執筆も多数。 著書に『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)など

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
ご利用上の注意
  • 本記事は情報の提供を目的としています。本記事は、特定の保険商品や金融商品の売買、投資等の勧誘を目的としたものではありません。本記事の内容及び本記事にてご紹介する商品のご購入、取引条件の詳細等については、利用者ご自身で、各商品の販売者、取扱業者等に直接お問い合わせください。
  • 当社は本記事にて紹介する商品、取引等に関し、何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとします。
  • 当社は、本記事において提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
  • 本記事には、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
  • 本記事のご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、価格.comサイト利用規約(http://help.kakaku.com/kiyaku_site.html)にご同意いただいたものとします。
関連記事
クレジットカード・ローンのその他のカテゴリー
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る