増やす
コツコツ派も、一攫千金派も……

「貯蓄から投資へ」 投資未経験者に伝えたい、お金を増やす6つの方法

かつて日本には、低いリスクでお金を増やす環境が整っていました。1980年当時、郵便局(現:ゆうちょ銀行)の貯金の金利はなんと4.56%(!)もあったのです。しかもこれは、積み立てや定期ではなく、普通預金の金利です。

仮に、1980年に100万円を郵便局に預けた場合、1年後には104万5,600円となったのですから、コツコツ働き、コツコツ貯めれば、やがて一財を成すことができたわけです(もちろん、その間の物価上昇は考慮する必要があります)。日本人は貯金好きと言われますが、その理由のひとつに、こうした高利回りの預け入れ先の存在があったと言えるでしょう。

今は、自分でお金を増やす必要がある!?

しかし時代は変わりました。現在、ゆうちょ銀行の金利は0.001%。100万円を預けた場合、1年後に100万10円にしかなりません。もしも40年間ずっと預けても、利子はたったの400円……。ほかの銀行も軒並み似たような金利で、お金を増やすには貯金以外の選択、つまり投資をする必要があります。

日本政府はNISAやiDeCoなどで投資を後押ししています。これまで貯金しかしてこなかった人にとって、投資は未知の世界で怖さを感じるかもしれません。しかし、ひと口に投資と言ってもリスクやリターンが異なるさまざまな種類があります。この記事では投資未経験者に知ってもらいたい6つの投資方法を紹介します。自分に合った投資を見つけるヒントにしてください。

◆長期運用でじっくり増やすタイプの投資
1. 個人向け国債
2. 投資信託
3. おつり投資
◆リスクの許容範囲に応じて、投資の選択肢が広がる
4. 株式投資
5. IPO投資
6. FX投資

自分でお金を増やす時代に

自分でお金を増やす時代に

◆長期運用でじっくり増やすタイプの投資

1. 個人向け国債
⇒国が元本と利子を保証。1万円ずつ買える、リスクの低い投資

「損をしたくない」「確実に元本保証でリターンが欲しい」。投資に絶対はありませんが、個人向け国債はこうした要望をほぼかなえられる、唯一と言える投資先です。銀行、証券会社、ゆうちょ銀行などで買うことができます。

個人向け国債には、固定金利の3年満期型5年満期型と、変動金利の10年満期型の3つがあります。どれも発行後1年が過ぎれば、いつでも解約、現金化が可能です。

現在の金利は固定金利、変動金利とも0.05%で推移していますが、これはネット銀行の定期預金の中でも高めの金利レベルとほぼ同等です。「変動金利型ならもっと下がるのでは?」と思うかもしれませんが、現在の0.05%は金利の下限であり、これより下がらない点も安心です。また利子は年2回受け取ることが可能です。銀行預金の場合、銀行が破綻すると1000万円を超える分は戻りませんが、国債は国が財政破綻しないかぎり安全で、石橋をたたいて渡るタイプの方にはおすすめの投資先となります。

個人向け国債のどれを選ぶかですが、筆者は変動金利タイプをおすすめします。安倍政権が目指すインフレ率2%を達成できれば長期国債の金利が上昇し、それにともなって、個人向け国債の金利も上昇が見込めます。0.05%という数字は運用と言うにはリターンが少ないですが、証券会社によっては、購入金額に応じたキャッシュバックキャンペーンを行っているところもありますので、これらをうまく活用してください。

国債はリスクの低い投資(画像はイメージです)

国債はリスクの低い投資(画像はイメージです)

2. 投資信託
⇒投資先をプロにまかせられる。少額の積み立ても可能

投資信託(投信)とは、簡単に言えば資金を専門家に運用してもらう金融商品です。一般的に投資と言うときに思い浮かべる「株式投資」は、投資先企業を自分で選び、買い替えなども必要ですが、投資信託であれば投資先の入れ替えなどが自動的に行われます。また世界中のさまざまな金融商品に分散して投資するのが特徴で、旬の株式、債券、為替など見直しも行われます。つまり、基本的にほったらかしで運用してもらえるということ。日々忙しい人の強い味方となります。

また証券会社によっては100円や500円といった少額での積み立ても可能で、コツコツ長期に投資をすることができます。しかし、もともとの投資信託の投資対象も重要です。堅実な債券に投資するものや、新興国の株式などさまざま。また分配金、手数料の有無なども異なりますし、価格変動による元本割れもありえます。投資信託ならなんでもOKではなく、どれを選ぶかが重要ということは覚えておくといいでしょう。

3. おつり投資
⇒生活の中で無理なく習慣化できる投資

スマホの家計簿アプリと連動させた「おつり投資」が静かなブームです。これはアプリ上で買い物時に支払うお金の単位を決めておき、そこで発生するおつりを積み立てるもの。事前に100円、500円、1,000円という具合に設定し、たとえば1,000円支払い設定で800円の買い物をしたら、おつり200円が発生、それを投資にまわすイメージです。塵(ちり)も積もれば山となるタイプの投資で、徐々に投資額が積み上がっていきます。またクレカのポイントで投資できるサービスもあります。

現在、ドコモ、楽天、トラノコ、マネーハッチ、マメタスといった会社がサービスを提供していますが、自分ですることはどのサービスを選ぶか、設定金額はいくらか、リスク許容度をどうするかといったことぐらい。後はロボアドバイザー、または投資のプロが勝手に銘柄選びからメンテナンスまで自動で行い、運用してくれます。

運用報酬は月額で、預かり資産の0.3〜1%となるため投資額が少ないうちは大きな負担にはならない設計です。ただし、あくまで投資であるため、元本割れするリスクは当然あります。またおつりとは言っても、買い物の回数を重ねると端数が次々積み立てられていきます。知らぬ間に投資額が月数万円になる可能性も……! 生活に影響を及ぼさないよう、設定が必要です。

おつりを自動的に投資できる仕組みが人気に(画像はイメージです)

おつりを自動的に投資できる仕組みが人気に(画像はイメージです)

◆リスクの許容範囲に応じて、投資の選択肢が広がる

4. 株式投資
⇒個別の企業に投資。企業の成長に応じてリターンを得る

投資と聞くと、企業の株式投資を思い浮かべる人も多いでしょう。成長しそうな企業を見つけ、株価が安いうちに投資をする。その後、企業の成長にともなって株式の価格が上がるのを待って売却益を狙うのが基本です。また、株式を保有することで配当金や株主優待を得ることができる銘柄もあります。

しかし、株式投資には意外とまとまったお金が必要となります。たとえば、最近何かと話題のZOZOの株価は1,670円(※)ですが、1単元(株式を売買する際の単位のこと。各企業が決める)が100株なので16万7000円が必要です。ユニクロのファーストリテイリングは株価4万7780円(※)、1単元100株なので477万8000円。株主優待が人気の日本マクドナルドホールディングスは株価4,720円(※)、1単元100株で47万2000円が必要となります。

これに加えて手数料も発生するので、いきなり1単元で株式投資をスタートするのはなかなかハードルが高くなります。

実は、ごく少額で始めることもできる

そこで、元手が少ないけれど株式投資をしたいという人におすすめしたいのが、一部証券会社で取り扱っている単元未満株です。総称して「ミニ株」と呼ばれることもありますが、商品名は各会社で異なります。この単元未満株なら、1単元100株でなければ買えなかった株も、1株から買うことが可能です。上の株価を基準に考えるなら、ZOZOは1,670円、ユニクロは4万7780円、マクドナルドは4,720円でOK。

安く買えるだけでなく、長期で毎月同じ金額分だけ買っていくと、株価が高いときには少ない株数、株価が低いときには多くの株数を買うことができます。単元株で一度に買ってしまうより、単元未満株を積み重ねていくと平均の購入単価を平準化することができ、リスクの分散になります。

また各証券会社が提供している株式累積投資、通称「るいとう」では毎月1銘柄につき1万円以上1,000円ずつ買い付けすることができます。銀行引落もできるので忙しい人も毎月一定額を投資することが可能です。なお、ミニ株、るいとうとも保有数に応じて配当は得られます。株主優待は基本的にもらうことはできませんが、一部ミニ株でももらえる企業があります。

株式投資は会社が業績を伸ばし、成長すれば株主としてリターンを得られます。いっぽう、不祥事や業績不振があれば株価が大きく下落することも。大げさと思われるかもしれませんが、株式投資は会社と命運を共にする覚悟が必要です。リスクを認識したうえで投資をしましょう。

※株価はいずれも2019年2月8日終値

5. IPO投資
⇒当たると大きい宝くじ感覚の投資

IPOとは、Initial Public Offeringの略語です。日本語では「新規公開株」「新規上場株」と訳されます。企業が証券取引所に上場し、発行している株式を誰もが取引できるようにすることを言います。

この仕組みを利用したのがIPO投資です。新規で市場に上場する前に、公募価格で株を手に入れ、上場した後に初値で売ることで利益を狙います。公募価格より初値が上回れば利益になりますが、下回ればマイナスになります。

最近では2018年末に上場したソフトバンクが記憶に新しいところです。ソフトバンクは公募価格1,500円に対して、初値1,463円と、残念な結果になりましたが、ここ数年は約8割以上の銘柄で、初値が公募価格を上回っています。ちなみに、2018年で最も利益が高かったのはHEROZ(ヒーローズ)で、公募価格4,500円に対し、初値4万9000円と10倍以上の価格となり、100株当たりの利益は445万円という結果になっています。

公募価格を下回るリスクはあるものの、リターンが魅力的なIPO投資。実は、買うには抽選に当選する必要があります。上場の主幹事(取り仕切っている)証券会社で抽選申し込みをしますが、当選は難しく、取引実績のある上客、または抽選が有利になるIPOポイントを持っている、複数の証券会社から申し込んで抽選の口数を増やすなど、狭き門をくぐり抜ける努力が必要です。また、証券会社に預けてある資金に余裕がないと、そもそも申し込めません。これらの難関をくぐり抜けてIPOに当選したとしても、本当に公募価格よりアップするかは誰にもわかりません。以上のことから、まさしく宝くじのような投資方法と言ってよいでしょう。

6. FX投資
⇒一攫千金の可能性もあるが、リスクも大きい

最後に紹介するのがFX(外国為替証拠金取引)です。この記事は投資未経験者の方を対象にしているので、いきなり挑戦するのは難しいと思いますが、リスクが大きい分、高い利益を狙える代表的な投資と言えます。

FXを簡単に説明すると、円やドル、ユーロなど、通貨の売買によって発生する利益(為替差益)を得ることを目指す投資です。通貨の価値は日々変化するので、ある通貨を安いときに買い、高いときに売れば利益が出ます。逆に、値下がりしたときに売ると損失となります(そのほかにも、高いときに売り、安くなったときに買い戻して利益を得る方法や、2つの通貨の金利差で稼ぐ方法などもありますが、ここでは省きます)。

また、FXにはレバレッジという仕組みもあります。これは、少ない元手(証拠金)で大きな取引を行うことを言います。国内のFXの場合、最高で25倍までレバレッジをかけることが可能です。仮に10万円の資金があった場合、最大250万円分の投資ができることを意味し、儲(もう)けも損失もその分大きくなります。

たとえば、250万円が270万円に値上がりすると、20万円の利益です。元手の10万円以上に儲けることができるわけです。逆に230万円に値が下がると、マイナス20万円。元金の10万円を超え、20万円の損失となります。FXでは急激に通貨価格が動くことがあるので、予期せず大きな損失を抱える可能性があることは忘れてはいけません。

もちろん、うまくすれば短期で大きなリターンを得られる可能性はあります。また、値動きのテクニカル分析、政治経済のファンダメンタルズ分析を行うなど、奥深い側面もあります。突き詰めていけば、上手にリスクをコントロールしながら資産を増やしていくことが可能です。

若い人も、中高年以上も、資産や時間、経験に見合った投資が可能!

自分が取れるリスクに見合った投資を選びましょう

自分が取れるリスクに見合った投資を選びましょう

20代、30代であれば老後はまだまだ先のことであり、それよりも目先の生活で精いっぱいかもしれません。しかし、若い人には時間があります。20歳の人が利回り5%で毎月1万5000円ずつ積み立てていくと定年を迎える65歳には約3000万円の資産を作れます。

40代の方で、それなりの額を投資にまわせるなら、毎月50,000円ずつ、利回り5%で積立てていけば、やはり65歳で約3000万円を作ることが可能です。

50代、60代、現役を退いた世代の方で、まとまった預金がある方は、IPO投資や、従事してきた業種の株式投資などの方法が考えられます。このように、元手やかけられる時間、取れるリスクによってふさわしい投資方法が変わってきます。

最近では投資の入り口として、アプリで気軽に少額で始められる商品も増えてきました。こうした投資先を見つけて、まずは月1,000円程度からスタートしてみてはいかがでしょうか? お金が増えることを実感すれば、より自分にあった投資を見つけるモチベーションになり、投資成績も向上していくはずです。長い目で見て、将来いくら欲しいのかを考えて投資先を選べれば、脱・投資初心者です!

※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。

西村有樹

西村有樹

オフィスクイック代表。1990年より編集・ライターとして出版業界に携わる。リクルート、小学館、講談社ほか多数の出版社の各媒体にて、主に企業取材、企業人インタビューを手がける。1999年の金融ビッグバンを機に金融・保険を自身の専門分野として確立。ユーザーの視点からの、わかりやすい記事を多数執筆。

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