節約
4大銀行の優遇内容と適用条件を整理

「ATMや振込の手数料が無料」など4大銀行の優遇サービスを受ける条件とは?

「自分の口座からお金を引き出すだけなのに……」

銀行を使って手数料がかかると損した気分になりませんか? たとえばATMの手数料。1回あたりの金額は108円や216円など少額ですが(金額は2019年3月21日現在)、積もり積もると大きな金額になってしまいます。また、振り込みにかかる手数料もばかにならないですよね。
そこで、前回「メインバンク」「サブバンク」を銀行の種類によって賢く使い分けるノウハウを教えてくれたFPの坂本綾子さん(詳細な経歴は本記事最後に掲載)に、銀行のATMや振り込みの手数料を節約する方法について聞くことにしました。

銀行の「会員向け優遇サービス」を活用せよ!

――坂本さん、今回はズバリ、ATMや振り込みの手数料をなるべくかけない方法を教えてください。

坂本さん:「答えを先に言うと、各銀行が用意している会員向け優遇サービスをうまく使うことですね。目立たないサービスなので、意識して使っている人は少ないかもしれません。でもこの『超低金利時代』の中で、手数料を節約する効果は大きいので、ぜひうまく活用してください」

■銀行の「会員向け優遇サービス」とは?


給与振り込みや、クレジットカード代金の引き落しなど、その銀行との取引内容に応じて受けられる優遇サービスのことで、メガバンクを中心に各社が導入している。基本的に、取引額が大きくなるほど、受けられる優遇が大きくなる。優遇の内容は、ATM手数料や他行への振込手数料の割引など。各社によって名称はまちまちだが、本記事では総称して「会員向け優遇サービス」と呼ぶ。

手数料を賢く節約しよう!

手数料を賢く節約しよう!

4大銀行のサービス内容をチェック

坂本さん:「今回は、下記の4大銀行の会員向け優遇サービスについて見ていきます。

【1】みずほ銀行「みずほマイレージクラブ」
【2】三菱UFJ銀行「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」
【3】三井住友銀行「SMBCポイントパック」
【4】りそな銀行「りそなクラブ」

優遇の内容は似ているものの、各銀行で仕組みが異なります。ぜひ、ご自身のライフスタイルの中で使いやすいものを選んでみてください」

【1】みずほ銀行「みずほマイレージクラブ」

――まずはみずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」ですね。

坂本さん:「今回紹介する4つの銀行の中では、仕組みが一番シンプルでわかりやすいかもしれません。優遇の内容と、それを受けるための条件を見ていきましょう」

■「みずほマイレージクラブ」の優遇内容

・【優遇1】みずほ銀行のATMおよびイオン銀行のATMの時間外手数料が無料
・【優遇2】コンビニATM(イーネットATM、ローソンATM、セブン銀行ATMが対象)の手数料が月4回まで無料
・【優遇3】みずほ銀行本支店宛ての振込手数料が無料。他行宛ての振込手数料も最大月4回まで無料
・【優遇4】新規・切り替え・再発行時のカード発行手数料が無料

■「みずほマイレージクラブ」の優遇を受けるための条件

まず、すべての人が下記の【条件1】を満たす必要があります。

・【条件1】みずほダイレクト(インターネットバンキング、モバイルバンキング)、またはかんたん残高照会(インターネット残高照会)の初回登録をする

【条件1】を満たしたうえで、下記の【条件2】〜【条件8】のいずれかひとつを満たすと、
翌々月から上記の【優遇1】〜【優遇4】が受けられる仕組みです。

・【条件2】みずほマイレージクラブカード(クレジットカード)もしくは、みずほJCBデビットの利用
・【条件3】給与の受け取り(通帳の取引内容欄に「給与」、「賞与」と記載されている場合)
・【条件4】25歳未満の学生の場合
・【条件5】引き落とし口座をみずほ銀行に設定しているオリコカードの毎月の利用(3,000円以上)
・【条件6】みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券の資産運用商品の月末の最終残高がある
・【条件7】みずほ銀行の借り入れ(住宅ローン・カードローンなど)の月末残高がある
・【条件8】みずほ銀行・みずほ信託銀行の各種預金の月末合計残高および、みずほ銀行・みずほ証券のMMF・MRFの月末合計残高が30万円以上

坂本さん:「【条件6】の投資運用や【条件7】の住宅ローンなどはハードルが高いかもしれませんが、【条件3】のように給与振込口座として使うだけなら、無理なく優待を受けられる方が多いと思います」

――なるほど、私の場合はフリーランスのため【条件8】の"30万円以上の預金"を意識するとよさそうです。

【2】三菱UFJ銀行 「スーパー普通預金(メインバンクプラス)」

――次は三菱UFJ銀行ですね。どんな特徴がありますか?

坂本さん:「取引内容に応じて、会員を『ホワイト』、『プラチナ』、『シルバー』の3つのステージに分けて、それぞれ優遇内容に差をつけている点が特徴です。後者になるほど優遇内容が手厚くなります。それぞれのステージの優遇内容と適用条件を見ていきましょう」

■ステージに関係なくすべての人が満たす必要がある条件

・【条件1】三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)の契約および初回登録
※三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)を使うと、三菱UFJ本支店宛ての振込手数料が、ステージに関係なく無料になる。

【条件1】を満たしたうえで、下記の【条件2】〜【条件12】のいずれかを満たせば、ステージに応じた優遇を受けることができます。各ステージの優遇内容と適用条件は下記のとおりです。

■「ホワイトステージ」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・三菱UFJ銀行のATM手数料が無料

【適用条件】
・【条件2】三菱UFJデビット(三菱UFJ銀行が発行するデビットカード)の利用代金の引き落し
・【条件3】Eco通帳(インターネット通帳)の利用
・【条件4】給与の受け取り(通帳の取引内容欄に「給与」、「賞与」と記載されている場合)

■「シルバーステージ」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・三菱UFJ銀行のATM手数料が無料
・提携先コンビニATM(イーネットATM、ローソンATM、セブン銀行ATM、ゆうちょATMが対象)手数料が月2回まで無料

【適用条件】
・【条件5】給与の受け取り(1回あたり10万円以上/月)
・【条件6】NISA・つみたてNISAでの「投信つみたて(継続購入プラン)自動振替」
・【条件7】MUFGカードなどクレジットカード利用代金の引き落とし
・【条件8】預金残高など合計が30万円以上

■「プラチナステージ」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・三菱UFJ銀行のATM手数料が無料
・提携先コンビニATM(イーネットATM、ローソンATM、セブン銀行ATM、ゆうちょATMが対象)手数料が月3回まで無料
・「三菱UFJダイレクト」他行宛て振込手数料が月3回まで無料

【適用条件】
・【条件9】MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード利用代金の引き落とし
・【条件10】住宅ローンの利用
・【条件11】借入残高が500万円以上
・【条件12】預金残高の合計が500万円以上

坂本さん:「みずほ銀行の『みずほマイレージクラブ』と比べると、ステージが3つになる分複雑になりますが、ATM手数料無料を狙うなら、まずは『シルバーステージ』を意識するのがいいでしょう」

【3】三井住友銀行「SMBCポイントパック」

――三井住友銀行は「ポイント」制ですか?

坂本:「会員を優遇する仕組み自体は、みずほ銀行の『みずほマイレージクラブ』に似ています。それに加えて、銀行を利用することで『SMBCポイント』という独自のポイントが貯まる仕組みがセットされているのが『SMBCポイントパック』の特徴です。
『SMBCポイント』は銀行を使うごとに細かくポイントが加算されていきます。たとえば、三井住友銀行本支店のATMでの出入金1回で10ポイント加算、SMBCダイレクトにログインすると5ポイント加算といった具合です。
また、貯めた『SMBCポイント』は三井住友カード(クレジットカード)のポイントサービスである『ワールドプレゼント』のポイントに交換することができます」

■「SMBCポイントパック」の優遇内容

【優遇1】三井住友銀行のATMでのATM時間外手数料無料
【優遇2】コンビニ等ATM(イーネットATM、ローソン銀行ATM、セブン銀行ATMが対象)の手数料が月3回まで無料
【優遇3】各種取引でSMBCポイントが貯まる

※参考:SMBCポイントの貯め方と使い方の解説(三井住友銀行ホームページ)
https://www.smbc.co.jp/kojin/sougou/point-pack/howto/
※三菱UFJ銀行と同様、インターネットバンキングのSMBCダイレクトを使うと、三井住友銀行本支店宛ての振込手数料が無料になる。

■「SMBCポイントパック」の適用条件

SMBCポイントパックを契約のうえ、下記の【条件1】〜【条件5】のいずれかを満たすと上記の【優遇1】〜【優遇3】が受けられます。

・【条件1】給与受け取りまたは年金の受け取り(通帳の取引内容欄に「給与」、「賞与」、「年金」と記載されている場合)
・【条件2】クレジットカードの利用代金の引き落とし
・【条件3】30万円以上の預かり資産残高
・【条件4】Web通帳の契約
・【条件5】SMBCデビットの契約

坂本さん:「仕組みが似ているみずほ銀行と比べると、優遇の内容自体はわずかに見劣りがしますが、『SMBCポイント』の魅力がそれを補っています。『ワールドプレゼント』に交換できるという点で、三井住友カードをよく使う人にはお得感が強いサービスと言えるかもしれませんね」

【4】りそな銀行「りそなクラブ」

――最後はりそな銀行の「りそなクラブ」ですね。

坂本さん:「『りそなクラブ』の特徴は、銀行の利用で独自のポイントである『りそなクラブポイント』が貯まり、その貯めたポイント数によってステージ(りそなクラブでは『ステータス』と呼称)が分けられることです。ステージごとに優遇内容が変わります。その意味で、三菱UFJ銀行と、三井住友銀行のそれぞれの要素をあわせもったサービスと言えます。
『りそなクラブポイント』は汎用性が高いのもうれしいポイントです。20以上のパートナー企業が提供するポイントに交換できます。たとえば、Tポイント、dポイント、ヨドバシゴールドポイント、楽天スーパーポイント、ANAマイルなどですね」

――各社のいいとこ取りで、とても魅力的なサービスに聞こえます。

坂本さん:「ところが、若干仕組みが複雑なんです。そこが評価を分けるかもしれません。順を追って説明していきましょう」

■「りそなクラブ」の4つの特徴

(1)「りそなクラブ」に加入すると、銀行の各取り引きに応じて「りそなクラブポイント」が貯まる
(2)「りそなクラブポイント」には“ステータスポイント”と、“普通のポイント”の2種類が存在する。これらを総称して「りそなクラブポイント」と呼称
(3)会員は、ひと月で獲得した “ステータスポイント”の数によって「スタンダード」、「パール」、「ルビー」、「ダイヤモンド」の各ステージに分けられ、各ステージに応じた優遇を受けることができる
(4)「りそなクラブポイント」は“普通のポイント”と、“ステータスポイント”ともパートナー企業のポイントと交換ができる(※)

※例えば、20ポイントの"ステータスポイント"と、80ポイントの"普通のポイント"を保有している場合、合計100ポイントをパートナー企業のポイントと交換ができる。

■「りそなクラブポイント」の貯まり方の例

りそなクラブポイント(ステータスポイント)が貯まる取引例
・給与の受け取り → 20ポイント獲得
・年金の受け取り → 20ポイント獲得
・りそなカードの利用代金の引き落とし → 10ポイント獲得
・積立定期の預入 → 5ポイント獲得

りそなクラブポイント(普通のポイント)が貯まる取引例
・投資信託の購入 → 3ポイント(1万円ごと)獲得
・りそなデビットカード(VISA)の利用 → 5ポイント(1,000円ごと)獲得

※そのほかの取引については下記をご参照のこと。
参考:ポイントを貯める(りそな銀行ホームページ)
https://www.resonabank.co.jp/club/save/

■「りそなクラブ」の各ステージの優遇内容と適用条件

・「スタンダード」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・設定なし

【適用条件】
・ステータスポイントが20ポイント未満

・「パール」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・りそなグループATM手数料無料

【適用条件】
・ステータスポイントを20〜99ポイント獲得

※上記に満たない場合でも、新規入会の場合はパール以上のステータスが1年間保証される。同様に、25歳以下の会員は、パール以上のステータスが保証される。

・「ルビー」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・りそなグループATM手数料無料
・コンビニATM(イーネットATM、ローソン銀行ATM、セブン銀行ATMが対象)が月3回まで手数料無料
・他行宛ての振込手数料月3回まで半額
・「りそなクラブポイント」の対象取引のポイント還元率が10%アップ(住宅関連ローンを100万円以上借りている場合は20%アップ)

【適用条件】
・ステータスポイントを100〜199ポイント獲得

※上記に満たない場合でも、住宅関連ローンの利用残高が100万円以上だとルビー以上のステータスが保証される。

・「ダイヤモンド」の優遇内容と適用条件

【優遇内容】
・りそなグループATM手数料無料
・コンビニATM(イーネットATM、ローソン銀行ATM、セブン銀行ATMが対象)が月3回まで手数料無料
・他行ATMの手数料が月3回まで無料
・他行宛ての振込手数料が月3回まで無料
・「りそなクラブポイント」の対象取引のポイント還元率が30%アップ(住宅関連ローンを100万円以上借りている場合は60%アップ)

【適用条件】
・ステータスポイントを200ポイント以上獲得

――なるほど、ほかの3行に比べると仕組みがやや複雑に感じます。

坂本:「ポイントをコツコツ貯めるのが好きだったり、貯めたポイントを工夫して上手に使うのが好きだったりする人なら、楽しめる面もありそうです。でも、そうではないなら、まず給与振込口座として使うので十分でしょう。最低限『パール』ステージの20ポイント(ステータスポイント)は獲得できますからね。まずはその使い方から始めて、徐々に取引範囲を広げてみてはいかがでしょうか?」

優遇サービスをうまく使えば、大きな節約効果が!

優遇サービスをうまく使えば、大きな節約効果がありそうです

まとめ:ライフスタイルに合わせて上手に活用を

――銀行によって仕組みが異なりますね。どうやって選べばいいでしょうか?

坂本さん:「基本は、メインバンクとして使っている口座を使いこなすべきでしょう。会社員の方であれば毎月の給与振込口座にするだけでATM手数料無料の優遇はクリアできますので、その口座に取引を集約することで、節約につながります。前回の記事でも提案させていただきましたが、たくさんの口座を持って用途を分散しすぎてしまうのは避けたほうがいいでしょう」

――注意すべき点はありますか?

坂本さん:「銀行のサービスはいつまでも続くとは限りません。改訂されることもあるので、そこはチェックが必要です。たとえば、優遇系のサービスなら、無料でATMを使える回数が変わることもあります。ポイント系の場合は、ポイント換算の仕組みが変わり、旧ポイントに有効期限がついてしまうケースもあります」

――今回はATM手数料の節約にボリュームを割いて説明してもらいましたが、振り込み手数料を節約したいという人もいると思います。

坂本さん:「4大銀行については、上記の優遇サービスや、インターネットバンキングをうまく使っていただくのがいいでしょう。振り込みの回数が多いという人はネット銀行を視野に入れてください。ネット銀行の多くは、他行宛ての振込手数料でも特徴を出しています。代表的な銀行は次の2つです。
住信SBIネット銀行の会員向け優遇サービスである『スマートプログラム』では、会員のステージ(住信SBIネット銀行ではランクと呼称)によって、他行宛ての振込手数料が月に最大15回まで無料になります。
新生銀行の会員向け優遇サービスの『ステップアッププログラム』でも、ステージに応じて、他行宛て振り込み手数料が月に最大10回まで無料になります。
また、ネット銀行は、提携ATMでの口座の入金は無料ですし、毎月定額の自動入金(他行自分名義の口座からの入金)を無料にするサービスもあります。これらを使えば、給与振り込みに使っているメインバンクからのお金の移動も無料でできますので、ぜひ調べてみることをお勧めします。ただし、ネット銀行のこうしたサービス内容も、変更になることが少なくありませんので、注意が必要です」

――ありがとうございました。つい見落としがちな銀行の会員向け優遇サービスですが、ちゃんと使うと節約効果が大きいことがわかりました。読者の皆さんにもぜひ活用してもらえればと思います!

【教えてくれた人】坂本綾子さん。日本ファイナンシャル・プランナー協会認定CFP。記者としてマネー記事を多数執筆。お金とのよりよい関係を築くための提案がモットー。著書に『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)など

【坂本さんの前回の記事】
"休眠預金"になる前に覚えたい「銀行の種類」と銀行口座の賢い「使い分け」

※本記事は、執筆者個人または執筆者が所属する団体等の見解です。
佐野裕

佐野裕

フリーランスのライター。マネー誌、ビジネス誌などで一般ビジネスパーソンから著名人までを多数取材。ビジネス、自己啓発、副業、歴史など幅広いジャンルで記事を執筆している。「活字で活力を与えたい」と日夜奮闘中。

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