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就業規則を必読、生命保険は不要……。ベテランFPが厳選した7か条

新社会人、必見! 4月から実践してほしい「マネーの心得」7か条

この春から新社会人になる学生の皆さん、卒業おめでとうございます。
これから先、皆さんは親の扶養から外れてひとりの社会人として生きていくことになります。これまで、いろんな知識や経験を蓄え、それが評価されて内定を勝ち取ったわけです。そのことは十分に自信を持ってほしいし、その自信を胸に多くのことに挑戦していってほしいと思います。
でも、実は皆さんがまだ知らないこと、十分に教えてもらっていないことがあります。

そのひとつは「お金の知識」です。
皆さんの親が、日々の生活の中でいかに苦労しながらお金のやりくりをしてきたのか、いかに学費を準備するためにコツコツと積み立ててきたのか、それらの苦労を何年かたった後に強く実感することになると思います。

今回は、皆さんが新社会人としてスタートするにあたって、すぐにでも実践してほしい7つのお金の心得を紹介します。私がファイナンシャルプランナーの資格を取ったときに、「これだけは25歳になる前に知っておくべきだ」と思った、とっておきの7か条です。新卒社員だけではなく、入社2、3年目の方にも参考になる情報があるはずです。ぜひご覧ください。

心得1:仕事上のルールブック。就業規則や賃金規程は必読
心得2:「自分の価値を高める=時給を上げる」ことを意識しよう
心得3:「手取りの90%=支出」という黒字体質を目指そう
心得4:楽に確実に貯める、最適な手段は「天引きで貯蓄」
心得5:独身なら生命保険は不要。言い訳を使ってでも断ろう
心得6:「損」する買い方。クレカのリボ払いは借金と同じ
心得7:毎月数百円、数千円からでもOK! 投資を始めてみよう

心得1:仕事上のルールブック。就業規則や賃金規程は必読

まず、お金の知恵としてアドバイスしたいのは、勤める会社の「就業規則」や「賃金規程」を知っておくべき、ということです。就業規則には労働時間や休暇制度などについて、賃金規程には賃金の計算方法や昇級などについて、それぞれ書かれています。全文を暗記する必要はまったくありませんが、そこに書かれていることがあなたの会社の基本ルールです。

ゲームをやるのにルールを知らずにプレイする人はいません。お金がからむなら、なおさらです。しかし、会社で仕事をしてお金をもらっているのにもかかわらず、その会社のルールブックに無関心な人はたくさんいます。

昇給や昇格の仕組みなど、年収アップのヒントがたくさん掲載

就業規則や賃金規程にはたくさんの情報が盛り込まれています。社内にはどんな階級や役職があるのか、どういうルールで昇格昇給があるのかなどを知らずに仕事をしていては、能力を十分に発揮できないかもしれません。
また、どんなルールで有給休暇が付与されるのか、ボーナスや退職金の計算はどういったルールで行われるのかなど、働く環境について、知っておいてまったく損はありません。

たいてい社内のイントラネットにPDFファイルなどで保管されて、社員なら誰でも閲覧できます。それほど長いものではありませんから、ざっと目を通しておきましょう。保管場所がわかりにくい場合は、ショートカットを作ったり、手元にコピーしたりしておくといいでしょう。

心得2:「自分の価値を高める=時給を上げる」ことを意識しよう

あなたがもし年収を増やしたいと考えた場合、単純に方法は2つあります。ひとつは「長い時間を働く」というアプローチ、もうひとつは「高い時給で働く」というアプローチです。

「長時間働いて年収を増やす」というのはアルバイトの発想法

しかし、「長時間働いて年収を増やす」というのはアルバイトの発想法です。今は、残業時間を少なくすることが推奨される時代です。

それよりも大事なことは自分のプライス、価値を高めて年収を上げる方向で考えることです。社内の昇格試験があるならそれをクリアすれば給料がアップします。最短コースは何かを考えてみてください(先ほど紹介した就業規則、賃金規程にはそのヒントが書かれているはずです)。
また、仕事に使える資格があれば取っておくと、給料がアップすることがあります。資格給などの制度がないか賃金規程をチェックしてみましょう。

業務直結の資格なら給与増に加え、取得費の補助や人事評価がアップすることも

業務に直結する資格の場合、会社が取得のための補助金を出してくれることがあります。受験費用やテキスト代を負担してもらえるうえ、かつ合格後は給与がアップすれば、一石二鳥になります。もちろん、資格を取った人のほうが人事評価もよくなるでしょう。一石三鳥になるかもしれません。

二十代の後半に入っても全然年収が上がらない会社の場合、飛び出して転職することも考えてみましょう。そのとき、公的資格は対外的にもあなたを評価してもらえることになり転職にも役立ちます。

心得3:「手取りの90%=支出」という黒字体質を目指そう

新卒社会人の手取りの給与は、生活をするには足りない金額だと思うはずです。しかし稼いだ額以上に使っていては、生活は確実に破たんします。

まずは、携帯電話料金や家賃などの固定費を把握しよう

「収入>支出」となるよう毎日の家計のやりくりに慣れていきましょう。携帯電話料金や、(ひとり暮らしなら)家賃や光熱費など、毎月必ずかかる「固定費」をリストアップしましょう。手取りの給与額から、固定費を引いた額が、食費やレジャー費といった1か月の日常生活費の枠です。これを単純に30で割れば1日あたりの使っていい金額のイメージができます。ここには食事や日用品代も含みますからほとんど余裕はないでしょう。でも、それがあなたの収支ラインになります。

特にひとり暮らしの場合、基本的にはカツカツの生活が何年かは続くことになると思われますが、まずは収入の範囲でやりくりすることを意識しましょう。
自宅から仕事に通う人や、少しずつ年収が増えてきた人は「手取りの90%」=「支出」になるようコントロールしていきます。これができるようになれば、手取りの10%を貯められる体質になったということです。それは社会人としての本格的な一歩目です。

心得4:楽に確実に貯める、最適な手段は「天引きで貯蓄」

さて、毎月の家計をバランスよく整えられるようになってきたら、貯金の貯め方についても考えてみましょう。以下の2つの方法のうち、どちらが確実に貯まるでしょうか?
(1)最終的に目標額が貯まるように、毎日やりくりを行う
(2)目標額を先に“天引き”(確保)しておき、残った額で毎日のやりくりを行う

答えは当然(2)です。貯金は「後払い」と「前払い」でいえば、後者のほうが確実に貯まります。「給料日の翌日」のようなタイミングで先に貯めておくのと、「給料日の前日」のようなタイミングで最後に残った額を貯めるようなケースでは、同じ金額を貯めているはずなのに絶対に先払いのほうが確実に貯められ、精神的にも楽になります。

積立定期預金を活用しよう! 「残高不足で引き落とせない」うっかりミスも防げる

具体的には、給与振込口座のある銀行に行って「積立定期預金」を設定します。窓口での手続きが必要な銀行が多いですが、オンラインで設定できる銀行もあります。自分の初任給を踏まえ、5,000円貯められそうなら5,000円、積立定期預金を設定します。引き落とし日は給料日の翌日にしておくといいでしょう。

ちなみに定期預金を持っていると、心強いセーフティーネットが用意されます。もし、普通預金の残高が自動引き落としなどでマイナスになった場合も、定期預金を担保に定期預金額の90%相当額まで融資してもらえる仕組みがあります。これを当座貸越と言うのですが、ほとんどの銀行では自動的に対応してもらえる仕組みです。これがあれば、「クレジットカードの引き落としがあったけど、口座の残額が3,000円足りなくて、引き落としができなかった。ブラックリストに載ったらどうしよう?」といった心配がなくなります。
ぜひ、積立定期預金を利用した“天引き”で目標額を貯めてみてください。

心得5:独身なら生命保険は不要。言い訳を使ってでも断ろう

新入社員になると、会社で生命保険の勧誘を受けることがあります。職場の席までやってくる場合もあれば、エレベーターホールで声かけしてくる場合もあります。どっちにしても新入社員は重点的に狙われます。

このとき、「社会人になったら生命保険に入るもの」と考える必要はありません。「親が自分の分も入ってくれていて、今は必要ないと言われている」などと言い訳して逃げてもかまいません。じきに根負けして声かけされなくなります。

健康保険で保障は十分。心配なら保険料が安い「県民共済」を検討しよう

実は皆さんの会社で加入する健康保険制度(健康保険証をもらいます)は月8万円程度で自己負担を打ち止めにしてくれますし(高額療養費制度)、病気で長く休むときは給与の3分の2相当を最大で1年半の間、払ってくれます(傷病手当金)。仕事でケガした場合などは、労災があるので自己負担なく治療ができます。それに20歳代で病気になる確率はもともとかなり低いのが現実です。

もし心配なら、商品内容がシンプルで、保険料も安い都道府県民共済(銀行やコンビニにチラシがある)に月2,000円程度の保険料を払っておけば、保障内容としては十分でしょう。

日本人は世界一生命保険に加入していると言われていますが、加入しすぎの感があります。結婚して子どもが産まれたとき、子どもの学費分をカバーできるくらいの保障が備わった保険に入れば十分だと思います。

心得6:「損」する買い方。クレカのリボ払いは借金と同じ

クレジットカードは便利な道具のひとつです。社会人になったら1枚か2枚作るのはかまいません。しかし、上手な使い方をしてください。
まずは、支払い方法です。「一括払い」(1回払い)にすると利息はゼロでポイントをもらえます(還元されます)。還元率は標準的なカードで0.5%、つまり200円ごとに1ポイントがもらえ、多くの場合、1ポイントに1円の価値があります。これはお得な買い物の方法と言えるでしょう。

しかし、「分割払い」や「リボ払い」を選択すると利用残高に対して利息がかかり、借金をしているのと変わりありません。これは年率10%以上になることが多く、どんなに高いポイント還元率でも、差し引きでは「損」な買い物です。それこそ10%高い買い物をするようなものと考えてください。

キャッシングも同じく、損する機能。安易な借金は極力避けよう

クレジットカードにはキャッシング機能もついていて、手軽に借金ができますが、これも高利で損する機能です。どうしても家計が苦しいなら親に頭を下げて少し借りるなどして、ボーナスで返せるようにやりくりしましょう(ボーナスが出たら、親への返済にあてれば金利はゼロで、一番お得なお金の借り方です)。

住宅ローンが何千万円も借りて年1%程度の利息しか取らないのは、「家」という担保があるからです。それ以外の借金は極力しないよう心がけましょう。

心得7:毎月数百円、数千円からでもOK! 投資を始めてみよう

最後にお伝えしたいことは「投資」についてです。
投資と聞くと、「ギャンブルと一緒でしょ」と思う方もいるかもしれません。しかし、投資は本質的には、経済成長をサポートし、その恩恵として、みずからのお金を増やす行為です。そもそも経済活動があって皆さんの給料がもらえるのですし、皆さんの勤めている会社の多くはおそらく株式会社ではないでしょうか。投資は私たちの生活とつながっていますし、他人(ひと)事ではないのです。
参考HP:「投資でもうけるのはズルいこと? 長期の投資なら3つの『得』を生み出せる」

また、株式投資を実際に始めてみると経済ニュースを見る目も違ってきます。仕事に役立つことも少なくありません。ぜひ投資をスタートしてみましょう。

少額から分散投資できる「投資信託」が初心者向き

最初は、手数料の安いネット証券に口座を開き、少額から分散投資できる「投資信託」からスタートしてみるのがいいでしょう。実は毎月100円からでも、世界中の株式にまんべんなく投資できる商品があります(バランス型ファンドと言います)。ネットで「積立投資信託 100円」で検索をしてみてください。

なお、FX(外国為替証拠金取引)は投資というより、投機的(ギャンブル的)な要素が色濃くなります。実際のお金の何倍もの売り買いをするので(レバレッジと言います)リスクも倍増します。100万円の軍資金を一晩で簡単にゼロにしてしまうこともあるくらい危ない仕組みです。新社会人は手を出さないのが賢明です。

会社が確定拠出年金を導入していたら、積極的に利用しよう

また、皆さんが入社する会社が退職金として、「確定拠出年金」(企業型)を導入しているかもしれません。これは、企業が掛け金を拠出し、従業員がみずからの責任で運用していく制度です。現在、確定拠出年金を採用する企業が増え、働く人の5〜6人に1人はこの制度を利用していると言われています(中小企業での導入も増えています)。

導入されていた場合、入社時に説明会があります。確定拠出年金は投資への一歩を踏み出すのに適した制度です。加入するか、しないかを問われたら加入に「○」をつけ、毎月の掛け金(最初は数千円程度)で投資をしてみましょう。バランス型の投資信託で株式投資比率の高いものに全額預けてもいいでしょう。

投資をすると短期的には値下がりすることがありますが、長い目で見れば回復し、大きな利回りを得るチャンスがあります。あなたの資金を増やす方法のひとつとして、投資も活用してみてください。

まとめ

7つの「お金の心得」について解説してきました。お金との付き合い方について、学校で教わる機会は少なかったのではないでしょうか。また今後、会社の上司や先輩もなかなか教えてくれません。自ら積極的に学ぶ姿勢が大切になってきます。失敗することもあるでしょうが、ここで紹介した心得も生かして、皆さんがより楽しく、豊かな社会人生活を送ってくれることを、一先輩として願っております。

山崎俊輔

山崎俊輔

フィナンシャル・ウィズダム代表。FPとして、現役世代のお金と幸せのバランスについてユニークな視点でアドバイスする。連載多数。アニメもゲームも愛するオタクで、マンガの蔵書は約4,000冊。

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