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増えてきた「コト消費型」の返礼品も紹介

人気の「ふるさと納税」で新制度がスタート。変わったのはどんな点?

自分が応援したい自治体へ寄付をし、手続きをすれば、自己負担の2,000円を除いた全額が控除の対象となり、所得税・住民税が軽減される「ふるさと納税」(控除される寄付金額には、収入や家族構成などに応じて上限が定められています)。さらに、各自治体が用意した返礼品をもらうこともできるため、人気を集めています。

この「ふるさと納税」に、2019年6月1日から新しい制度が導入されました。今回は、新制度によって変わった点と、それにともなう注意点を紹介します。

自己負担は2,000円で、寄付のお礼に返礼品をもらえる「ふるさと納税」

ふるさと納税は「納税」という言葉が使われていますが、実際には自治体へ「寄付」をする制度です。手続きは以下の流れで進めていきます。

(1)自分が応援したい自治体(出身地や、ゆかりがなくてもOK)に寄付
(2)寄付をした自治体から、希望をすればお礼の品「返礼品」が届く
※返礼品を受け取らないこともできます。また災害復興支援などを目的とする場合、はじめから返礼品を用意していない自治体もあります
(3)寄付をした翌年、確定申告をすれば、自己負担の2,000円を超えた分が控除されます
※1年間に寄付した自治体が5つ以内であれば、確定申告をせずに、より簡単な手続きで控除が受けられる「ワンストップ特例制度」を使えます
参考:ふるさとぷらす「ふるさと納税とは?」

なお、控除の限度額は年収や家族構成によって異なります。この限度額を確認するのに便利なのが、「ふるさとぷらす」にあるシミュレーション。年収や家族構成などを入力すると、限度額の目安を計算してくれます。
参考:ふるさとぷらす「控除限度額シミュレーター」

新制度の背景には、返礼品競争に歯止めをかけたい国の意向が

今回なぜ、ふるさと納税に新制度が導入されたのでしょうか。
2008年に創設されたふるさと納税は、年々規模が拡大してきました。2008年度の寄付額は約81億円だったのに対し、2017年度の寄付額は約3653億円にまで拡大。ふるさと納税による控除を適用された人は2018年度には295万人にものぼりました。

ふるさと納税に人気が集まるのにともない、できるだけ多くの寄付を集めたい自治体間の競争が激化。返礼品にギフト券など換金性の高い商品を用意する自治体も出てきました。制度を管轄する総務省は、過度な返礼品競争は「応援したい自治体に寄付をする」という本来の趣旨から外れるとして、こうした自治体にやめるよう再三指導してきました。

しかし、こうした競争はその後も続いたことから、ルールを徹底化するため、強制力のある法律改正という手段を取ることになり、2019年6月1日から新制度が導入されました。

新制度では、返礼品を「寄付の3割以下の地場産品」に限定

新制度による変更点は以下のとおりです。
(1)寄付額に対する、返礼品の調達にかかった金額「返礼割合」を3割以下とする
(2)返礼品を地場産品とする
(3)(1)、(2)について総務省が調査し、ルールを守っている自治体を総務省が対象に指定

これまでは、どの自治体もふるさと納税に参加することができましたが、新制度では、総務省の事実上の「認可制」になりました。2019年6月1日以降の寄付分から、総務省指定の自治体に寄付をすれば、これまで通りふるさと納税の控除を受けられるいっぽうで、指定外の自治体に寄付をしても、この控除が受けられなくなりました。

“ルール違反”と認定された一部自治体を対象外に。寄付をしても控除を受けられず

また、総務省は新制度の基準に照らして、2018年11月〜2019年3月の各自治体の返礼品の状況を調査。過度な返礼品で多額の寄付金を集めたとして、一部の自治体(大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町)を指定から外したことを発表しました。この自治体については、少なくとも2020年9月までは指定から除外するとしています。

さらに、上記の4市町ほどではないものの、手法に問題があると判断された43市町村については、2019年6月から9月までの4か月間の期間限定で指定対象としました。その後、総務省は2019年9月に、これら43市町村について10月以降も参加できるようにしたことを発表しました。寄付をする際は、その自治体が総務省に指定されているかどうかを確認する必要があります。
参考:総務省報道発表資料「ふるさと納税に係る総務大臣の指定について」

指定自治体に寄付をすれば、税控除を受けられる点は従来と同じ

制度は新しくなりましたが、指定自治体に寄付をすれば「税控除を受けられる」「返礼品をもらえる」点はこれまでどおりです。新制度でルールが徹底化されることにより、各自治体が地域ならではの返礼品の開発に力を入れていくことも予想されます。

お墓の管理や、空き家見回りを返礼品とする自治体も

各自治体はここ数年、地域の観光資源を生かした体験や、福祉の視点を取り入れたものなど、「モノ消費型」ではなく「コト消費型」の返礼品を増やしてきました。
たとえば「ふるさとぷらす」には、下記のような体験や福祉サービスを取り入れた返礼品が掲載されています(紹介した返礼品は2019年10月29日時点の情報です)。

秋田県にかほ市「秋田の観光地・元滝伏流水ガイドサービス」
にかほ市の観光地で、平成の名水百選にも選ばれている「元滝伏流水」をガイド付きで観光
福岡県鞍手町、群馬県安中市、兵庫県市川町など「みまもり訪問サービス(6か月間)」
寄付先の自治体に親が暮らしている場合、郵便局社員が毎月1回、親の自宅を訪問し、生活状況を確認し、その結果を家族に知らせる
秋田県男鹿市、長野県須坂市「空き家見回りサービス」
寄付先の自治体に家族や親族が住んでいた場合、住んでいた空き家を見回り、雑草や家屋の老朽化状況などを報告
長野県須坂市「お墓の管理サービス」
須坂市内にお墓があれば、清掃を行い、お花を供えるなどして、状態を写真で報告

一例を紹介しましたが、今後は「モノ」ではなく、体験型やサービス型の返礼品が一層増えていくことが考えられます。寄付をしようとしている自治体が、総務省の指定を受けているかどうかの確認は不可欠になりますが、「控除が受けられる」「返礼品がもらえる」点は従来と変わりません。「ふるさとぷらす」も活用しながら、その地域ならではの魅力的な返礼品を発掘してみてはいかがでしょうか。

価格.comマネー編集部

価格.comマネー編集部

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