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「キャッシュレス派」と「現金派」。それぞれにピッタリのアプリは?

消費増税の今こそ知りたい、家計簿アプリ活用術! おすすめの5つのアプリも紹介

2019年10月1日から消費税の税率が10%にあがりました。多くの家庭では負担が重くなるため、これを機に家計の見直しに本腰を入れよう、と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。家計の状況を「見える化」して、家計改善につなげるツールとして「家計簿」がありますが、日々の出費を紙で記録して管理するのは結構面倒なもの。

でも、スマホの家計簿アプリは無料でインストールできるものも多く、日々の出費や収入、そして家計の状態を効率よく把握できます。今回は、そんな家計簿アプリの上手な使い方や選び方などを、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞いてきました。

〈取り上げる家計簿アプリ〉
【1】Zaim:地域独自の給付金・控除の検索が可能
【2】マネーフォワード ME:多数の証券口座とも連携可能で、資産管理に役立つ
【3】Moneytree:無料版での利用範囲が広く、登録後のデータをすべてさかのぼれる
【4】Dr.Wallet:オペレーターが行う、高い精度のレシートの読み取り機能が特徴
【5】レシーピ!:レシートを撮影すると、購入食材をもとにしたレシピを提案

風呂内 亜矢(ふろうち あや)さん
1978年生まれ、岡山県出身。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、全国銀行協会 金融経済教育活動懇談会委員。
大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。マンションの販売会社を経て、2013年、ファイナンシャルプランナーとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。

家計簿のアプリのメリットは「記録」の部分を省力化できること

――家計簿アプリでは、どんなことができるのでしょうか?

風呂内さん:「家計簿アプリは現在、さまざまな機能がついたサービスが登場しています。シンプルに手入力で支出や収入を記録するものや、レシートを撮影し、送信すればアプリ上の家計簿に自動で登録してくれるもの、あるいは、銀行口座やクレジットカードと連携し、これらを利用するごとに自動で入力してくれるタイプがあります。

のちほど紹介しますが、上記の基本的な機能に加え、決済事業者のキャンペーンを落とし込んだカレンダーを見られたり、自分が撮影したレシートに基づき、最適なレシピを提案してくれたりと、付加価値がついているものもありますので、自分がどういった機能を必要としているかを考えたほうがよいでしょう。」

――家計簿アプリのメリットはどこにあるのでしょう?

風呂内さん:「アプリであろうと、紙であろうと、家計簿をつける目的は以下の3つになります。
(1)家計のお金の出し入れの記録をする
(2)家計の現状を把握し、改善点を見つける
(3)改善点を行動に移す

(1)のステップには直接的な効果はなく、家計の収支を改善し、貯蓄を殖やす(赤字を減らす)ために重要なのは(2)と(3)の過程になります。紙の家計簿だと(1)で多くのエネルギーを消耗しがちですが、家計簿アプリであれば(1)のステップについて、かなりの部分、自動化・省力化できるため、(2)と(3)に注力できるのが大きなメリットになります。毎月の収支をグラフ化してくれる機能も多くのアプリに備わっており、そちらも(2)と(3)を行うときに役立ちます。」

家計簿アプリでは、毎月の出費などをグラフ化してくれる

家計簿アプリでは、毎月の出費などをグラフ化してくれる

「キャッシュレス派」か「現金派」で選ぶアプリも変わってくる

――多くのサービスがある中、家計簿アプリを選ぶポイントについて教えてください?

風呂内さん:「まずは、クレジットカードなどのキャッシュレスの支払いが多いのか、現金派なのかで選ぶべきアプリは変わってきます。キャッシュレスの支払いが多ければ、クレジットカードや銀行口座の連携数が多いものを選ぶとよいでしょう。いっぽう、現金での支払いが多ければレシート読み取り機能がすぐれたものや、手入力しやすいアプリが候補になります。ただ、のちほど紹介しますが、両方に向けたサービスをバランスよく配置しているアプリもあります。

デザインや操作性が自分に合うかどうかも大事

長く続けるためには、操作性やデザインが自分に合うかどうかも大事になります。また、これを言っては元も子もありませんが、多くのユーザーが使っている、というのも基準のひとつです。多くのユーザーが使っていれば、それだけたくさんの要望が寄せられ、改善もされていきますし、すぐれた機能が備わっている可能性も高くなります。家計簿アプリのサービスは競争が激しくなっていますが、多くのユーザーがいるアプリなら突然サービスが中止になる、というリスクも減ります。」

おすすめの5つの家計簿アプリを紹介

――多くの家計簿アプリがありますが、使いやすかったり、特徴的な機能が備わっていたりする家計簿アプリを教えてください。

【1】Zaim:地域独自の給付金・控除の検索が可能

風呂内さん:「まずは、総合力にすぐれたアプリとして株式会社Zaimが提供する『Zaim(ザイム)』があげられます。デザインが中性的で、レイアウトも見やすいものとなっています。金融機関やクレジットカードなどとの連携数が1,500あるいっぽう、レシート読み取り機能もついている。そうした意味で、キャッシュレス派にも、現金派にも向いたアプリと言えます。

住宅など各種ローンのシミュレーション機能もあり、これを使えば繰り上げ返済や借り換えをした場合の、利息総額の比較ができます。私が最も特徴的だと思うのは『わたしの給付金』という機能。地域独自の給付金や手当・控除の検索が可能で、自分が給付金・控除の対象かどうかを調べることができます(税込480円の有料版だと、プロフィールに合致する可能性がある地方自治体の給付金を自動抽出してくれます)。

また、アプリユーザーに限らず一般公開しているサービスにもユニークなものがあります。今、スマホ決済事業者などが、期間限定のキャンペーンを相次いで展開していますが、各社の情報を落とし込んだカレンダーを提供していて、重宝しそうです。」

各種のスマホ決済事業者が行っているキャンペーンをカレンダーで見られるのも、「Zaim」のサービスのひとつ

各種のスマホ決済事業者が行っているキャンペーンをカレンダーで見られるのも、「Zaim」のサービスのひとつ

参考:「Zaim」公式サイト

【2】マネーフォワード ME:多数の証券口座とも連携可能で、資産管理に役立つ

風呂内さん:「『マネーフォワード ME』は、東証マザーズに上場する株式会社マネーフォワードが運営するアプリです。レシートの読み取り機能も備わっていますが、最も特徴的なのは、金融機関の連携数が2,600以上にのぼることです。銀行口座やクレジットカード、電子マネー、各種ポイントはもちろん、多くの証券口座とも連携しており、キャッシュレス派の人に向いたサービスです。保有するマンションの推定成約価格も確認できるなど、中長期の資産管理に役立てることもできます。

予算作成にあたって、収入や家族構成など、自分と状況が似たユーザーの予算を参考にできる機能もあります。目安を示してくれるので、どういった予算を立てればよいかわからない、といった方には利便性が高そうです。初めて家計簿アプリを使う人にとっては画面レイアウトが複雑に感じるかもしれませんが、細かく資金管理したい人に向いたアプリと言えます。」

家計作りにあたって、家族構成や収入などが似た家庭の家計を参考にすることができる

家計作りにあたって、家族構成や収入などが似た家庭の家計を参考にすることができる

参考:「マネーフォワード ME」公式サイト

【3】Moneytree:無料版での利用範囲が広く、登録後のデータをすべてさかのぼれる

風呂内さん:「マネーツリー株式会社が提供する『Moneytree(マネーツリー)』は画面も機能もシンプルで、無料版で利用できる機能が幅広い点に特徴があります。金融機関との連携数は約2,600と『マネーフォワード ME』に匹敵する数が用意され、キャッシュレス派向けのサービスと言えます。

無料版では、参照できる過去のデータを1年分などと制限しているアプリが多い中、『Moneytree』では無料版でも登録してからのデータをすべてさかのぼることが可能です。『広告非表示』『11か所以上の金融機関との連携』といった、ほかのアプリで有料としている機能も、こちらでは無料で利用可能です。また通知機能にすぐれ、登録した銀行口座から入出金、カード代金の支払日、代金などが確定すると、知らせてくれるのは重宝しそうです。ただ無料版では、レシート読み取り機能がない点は留意しましょう。」

「Moneytree」には、クレジットカードの支払日や支払い金額が確定したら通知してくれる機能も備わっている

「Moneytree」には、クレジットカードの支払日や支払い金額が確定したら通知してくれる機能も備わっている

参考:「Moneytree」公式サイト

【4】Dr.Wallet:オペレーターが行う、高い精度のレシートの読み取り機能が特徴

――「現金派」向けの家計簿アプリについても教えてください。

風呂内さん:「『現金派』の方には、スマホ向けアプリの開発を手がけるBear Tail Xが提供する『Dr.Wallet(ドクターウォレット)』というアプリが候補のひとつになります。こちらは、金融機関との連携数は上記3つのアプリと比べて少ないですが、そのいっぽうで、レシート読み取り機能がすぐれているのが最大の特徴です。レシート読み取り機能はほかのアプリでも備わっていますが、読み取りは機械で自動に行うことが一般的です。これだと、金額に誤りが生じたり、品目を正しく読み取れなかったりすることが少なくありません。

『Dr.Wallet』では送られてきたレシートをオペレーターが目視、データ化し、アプリ上の家計簿に登録してくれます。公式サイトでも、入力の精度を「99.98%」と強調しています。レシートの月間送信枚数は100枚まで。また、ポイントをもらえるサービスもあります。購入履歴などをもとによく買う商品に類似した商品のクーポンを発行。このサービスに参加登録したうえで、実際に対象商品を購入後、レシートを撮影すると、ポイントがもらえます(ポイントは300P=Amazonギフト券300円分と交換可能)。このように、買い物をちょっぴり楽しめる工夫が施されているのも、うれしいところです。」

「Dr.Wallet」ではクーポンが発行され、対象商品の購入、レシート撮影でポイントがもらえる

「Dr.Wallet」ではクーポンが発行され、対象商品の購入、レシート撮影でポイントがもらえる

参考:「Dr.Wallet」公式サイト

【5】レシーピ!:レシートを撮影すると、購入食材をもとにしたレシピを提案

風呂内さん:「続いては、レシート読み取りにユニークな付加価値をつけたサービスを紹介します。
大日本印刷が提供する『レシーピ!』はかわいらしいデザインで、機能も非常にシンプルに設計されています。こちらも、レシート読み取り機能に特徴があります。撮影したレシートを送信すると、そのレシートで買った食材にあった食事のメニューを提案してくれます。毎日料理をつくる中で、献立に悩むことは意外と多いので、便利な機能です。

また、対象の商品を購入後、レシートを撮影・投稿すると、『dポイント』『nanacoポイント』などのポイントがもらえるのもメリット。ただ、銀行口座やクレジットカードなどとの自動連携の機能はありません。複雑な機能がない半面、非常に使いやすい設計になっているので、家計簿アプリで家計管理に初めて挑戦してみたい、という方におすすめのアプリです。」

かわいらしいデザインも特徴的な「レシーピ!」

かわいらしいデザインも特徴的な「レシーピ!」

参考:「レシーピ!」公式サイト

毎月の給料日後などに「定点観測」して、収支をチェック

――家計簿アプリは使い始めた後、毎日ログインし、チェックしたほうがよいのでしょうか?

風呂内さん:「家計簿アプリは長く使ってはじめて、効果を得られます。そのためにも、無理なく自然体で使い続けることが大事になってきます。自営業やフリーランスの方は、収入や支出の時期が毎月一定ではないため、ある程度の頻度で見る必要がありますが、会社勤めの方ならば毎月1回程度でも問題ありません。

ただ大事なのは、毎月チェックする日を決めて『定点観測』することです。候補になるのは給料日、あるいはクレジットカードの引き落とし日になるでしょう。毎月の決まった日に定点観測して思うように貯金が増えていない、あるいは予想外に減っている、と気付いたら、さかのぼって日々の支出に問題がないか見ていくべきです。ちなみに、住居費や保険料、通信費などの『固定費』はまず見るべきチェックポイントです。これらの固定費は、一度改善すれば継続的に削減できるので、家計改善の効果が大きくなります。」

いきなり有料版を使うのではなく、まずは無料版で

――多くの家計簿アプリは無料でインストールできるいっぽう、有料版も用意されています、毎月500円程度を支払えば、追加機能なども利用できるようになりますが、これについてはどう考えればよいでしょう?

風呂内さん:「有料版では毎月の費用が発生するので、それを上回るメリットを得られるかどうかについて慎重に検討する必要があります。まずは無料で使える範囲で利用してみて、口座の連携数が無料版では足りないときなどに、有料版に加入するのがよいと思います。また同じ無料版でも、スマホのアプリでは使えない機能も、パソコンでログインするとできる、といったケースもあるので、それらの点もチェックしましょう。」

まとめ

今回取り上げた5つの家計簿アプリの特徴を表にまとめました。

家計簿アプリは、家計を改善するための便利なツールです。ただし、継続的に使っていかなければ効果を発揮できないので、自分に合った使いやすいアプリを選ぶのが大切なポイントになります。

筆者も今回取り上げた5つのアプリをダウンロードして、少し使ってみました。そこで実感したのは、風呂内さんが強調していた「操作性やデザイン」の重要性。アプリの機能が大事なことは言うまでもありませんが、「操作性やデザイン」の第一印象が、無理なく使い続けられるかどうかを左右すると感じました。そのため、まだ使っていない人は、無料版のアプリをいくつかダウンロードし、使い勝手を確認してから本格的に始めてみる、というのもアリかもしれません。

価格.comマネー編集部

価格.comマネー編集部

投資・資産運用・保険・クレジットカード・ローン・節約に至るまで、マネーに関する情報を毎日収集。「知らないで損するなんてもったいない」をモットーに、読者のためになる記事を制作します!

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