節約
各種決済にひもづく"キャッシュレスの土台"

国際ブランドや還元方法の違いなど ポイント還元事業に役立つクレカの基礎知識

10月から始まった「キャッシュレス・ポイント還元事業」(以下、ポイント還元事業)の活用方法をお伝えする短期集中企画の3回目。今回は、ポイント還元事業でクレジットカードを使う際の仕組みや注意点を解説します。

▼キャッシュレス・ポイント還元事業 短期集中企画
1. これならわかる!「キャッシュレス・ポイント還元事業」の直前"集中解説"
https://kakakumag.com/money/?id=14329
2. ポイント還元事業を体験した記者が正直レビュー ネックは「対象店探し」
https://kakakumag.com/money/?id=14500

成人1人あたり2.7枚保有。クレカの圧倒的普及率

皆さんはクレジットカードを何枚持っていますか? 一般社団法人日本クレジット協会の調査によると、2018年3月末時点の日本国内のクレジットカード発行枚数は2億7,827万枚で、成人ひとりあたり2.7枚保有している計算になるそうです(※1)。ある調査ではQRコード決済を利用しているユーザーは成人の4人にひとりと言われていますし(※2)、交通系電子マネーの代表格であるSuicaの発行枚数も約7,500万枚です(※3)。これらの数字と比較すると、日本国内のキャッシュレス決済の中でクレジットカードは圧倒的と言っていいほど普及していることがわかります。

※1 一般社団法人日本クレジットカード協会「クレジットカード発行枚数調査」より
https://www.j-credit.or.jp/information/statistics
※2 株式会社ヴァリューズ調べ
https://manamina.valuesccg.com/articles/549
※3 JR東日本公式サイトより
https://www.jreast.co.jp/investor/factsheet/pdf/factsheet_06.pdf

クレジットカードは各種キャッシュレス決済の土台

また、クレジットカードは普及率が高いだけでなく日本国内のキャッシュレス決済の中で重要な位置を占めています。たとえば、急速に普及が進むQRコード決済の場合、現金をチャージして使うこともできますが、主流はクレジットカードを登録して支払い方法とする使い方。現金を用意する必要がなく、支払った分は後でクレジットカードに請求される仕組みです。ほかにも、電子マネーのSuica、QUICPayなどもクレジットカードをひもづけて使うのが便利です。クレジットカードは、言わばキャッシュレス決済の土台になっているとも言えるでしょう。

ご存じのとおり、10月から国のポイント還元事業が始まり、クレジットカードもこの事業の対象の決済方法のひとつです。対象店舗で5%(ないしは2%)のポイント還元を受けることができます。どうすればポイント還元事業でクレジットカードを使えるのか、具体的に見ていきましょう。

ダミー

「国際ブランド」と「発行会社」の違いを知ろう

ポイント還元事業でクレジットカードを正しく使うには、カードの「国際ブランド」と「発行会社」の違いを理解しておく必要があります。

▼国際ブランドは、どこで支払えるかを示すマーク
国際ブランドとは、クレジットカードの決済ネットワークのことを指します。現在国際ブランドとされているのは、「Visa」「Mastercard」「JCB」「アメリカン・エキスプレス」「ダイナースクラブ」「銀聯(ぎんれん)」「ディスカバー」の7つですが、店舗にこれらのマークが表示されていれば、「この店舗では、このマークのついたカードで決済できます」ということ意味します。”国際”という名のとおり、世界中で決済することができ、「Visa」「Mastercard」の2つだけで世界の取引シェアの約7割を占めています。なお、デビットカードにも国際ブランドと提携したものがあります。

▼発行会社が会員へのサービスを提供
実際にクレジットカードを発行するのは、発行会社と呼ばれる会社です。「JCB」「三井住友カード」「クレディセゾン」などが有名ですね。各社は、国際ブランドと提携してカードを発行します。こうすることで自社で決済ネットワークを構築することなく、世界中でそのカードが使えるようになるわけです。また発行会社は消費者へのポイント付与や補償といったサービスの提供も担っています。実際には国際ブランドの会社がカードを自社で発行することもあるので少々ややこしいのですが、国際ブランドと発行会社は別物ということをここでは覚えておいてください。

なお国際ブランドについては、価格.comマガジンの下記の記事でも詳しく解説しています。

参考記事:クレジットカードの国際ブランドとは!? 何を選ぶべき?

ポイント還元事業で使えるクレジットカードの調べ方

クレジットカードはポイント還元事業の決済方法のひとつではありますが、「すべての店舗ですべてのクレジットカードが対象」ではなく、「店舗によって対象となるクレジットカード(ブランド)が異なる」という少々複雑な状況になっています。国際ブランドと発行会社を使ったチェック方法を解説します。

▼チェック1:発行会社が本事業に参加しているかどうか?

自分が持っているクレジットカードがポイント還元事業の対象かどうかは、そのカードの「発行会社」が本事業に参加しているかどうかによって決まります。まずはそれを調べてみましょう。

1. カード裏面で発行会社を調べる

普段はあまり意識することはないかもしれませんが、クレジットカードの裏面に、そのカードの発行会社が記載されています。

2. 公式サイトに発行会社名を入力して検索

ポイント還元事業の公式サイト内で、1で調べた発行会社名で検索をかけます。対象の場合は検索結果に示されます。注意したいのが、発行会社の正式な表記を入れる必要があること。たとえば「JCB」では検索結果はゼロですが、「ジェーシービー」だと正しい検索結果が得られます。そのためにも、まずカードの裏面で発行会社の正式な名称を調べる必要があります。

ポイント還元事業公式サイトの「消費者の皆様」→「キャッシュレス決済サービスを探す」→「クレジットカード/デビットカードを探す(Jデビットは除く)」と進み本画面へ(https://cashless.go.jp/consumer/bin-settlement-company-typeA.html)。カードの発行会社で検索をかけると、ポイント還元事業に参加しているかどうかがわかります。

ポイント還元事業に参加していない発行会社もある?

編集部で実際に調査した結果、主なカード発行会社はほぼ本事業に参加していると考えて間違いはなさそうです。ただし、地方を地盤とする信販会社などの中に、本事業に参加していない会社が数社あることも確認できました。ぜひ、お手持ちのカードで調べてみることをおすすめします。

▼チェック2:対象店がどの国際ブランドに対応しているか調べる

次に、「どこのお店でどのカードが対応しているか」の調べ方です。ここで必要なのが「国際ブランド」です。

1. 調べたい地域の対象店舗を検索

公式サイトで、ポイント還元事業の対象店を探します。

JR恵比寿駅近辺でポイント還元事業の対象の店舗を検索

JR恵比寿駅近辺でポイント還元事業の対象の店舗を検索

2.「クレジットカード」 → 「国際ブランド」で絞り込む

「クレジットカード」のチェックボックスをチェックすると、
・VISA
・Mastercard
・JCB
・AMERICAN EXPRESS
・Diners Club
・JCB PREMO(※)
の項目が開きます。自分が使いたいクレジットカードの国際ブランドにチェックを入れ、「検索結果をみる」をクリックするとその国際ブランドでの決済に対応した店舗が残ります。ただしこの絞り込みのシステムは完ぺきではないようで、最初の検索結果では表示されなかった店舗が表示されるなどのケースがあるようです(下記画像キャプション参照)。

※JCB PREMOは厳密には国際ブランドではありませんが、ポイント還元事業のサイト内では他の国際ブランドと同列に扱われています。

画面左の「クレジットカード/デビットカード」にチェックすると、いくつかの国際ブランドが表示されます。調べたい国際ブランドにチェックして「検索結果をみる」をクリック。その国際ブランドに対応した店舗に絞られます(実際は、最初の検索結果よりも店舗が増えるケースもあり、絞り込みのシステムは完ぺきではない点は注意が必要です。このケースの場合、地図上右端の3店舗と左端の2店舗は最初の検索結果になかったもの)

使える1枚は見つかりましたか?

ここまでで、クレジットカードをポイント還元事業で使うところまで説明してきました。皆さんのお手持ちのクレジットカードが、お目当ての店舗で使えるかどうかわかったでしょうか。もしポイント還元事業で使いたい店舗がお手持ちのカードの国際ブランドに対応していない場合は、下記のページなどを参考に新しいクレジットカードを検討してみてください。

クレジットカードで買い物した後のポイント還元方法は?

ここからは、買い物後に還元されるポイントに焦点を移します。今回のポイント還元事業では、決済手段によってポイント還元方法が異なるケースがあり消費者を混乱させる一因になっています。たとえば、PayPay、楽天Pay 、LINE PayなどのQRコード決済の場合は、還元されるのは各社のポイントです。同様に、交通系マネーも各社のポイントが貯まります。いっぽうで、今回のテーマであるクレジットカードの場合、還元方法は各社ほぼ横並びで、下記の2つのルールでポイント還元がなされるケースがほとんどです。

▼ポイント還元は「請求時の値引き」方式
店舗の買い物で還元されるポイントは、すぐには貯まらず、毎月の引き落とし日に利用金額と相殺される形で還元されます。ポイントを貯めてもなかなか使う機会がなく有効期限が切れてしまう、という心配はありません。

▼月の還元上限は15,000円
その月にもらえる上限は、クレジットカード1枚あたり15,000円です。つまり、還元率5%の場合は、合計30万円までがポイント還元事業の対象ということになります。

以下に、主だったクレジットカード発行会社の還元方法、還元上限、ポイント還元事業特設サイトへのリンクを記載します。

株式会社ジェーシービー
ポイント還元方法:引落時相殺(利用月の翌月請求時)
還元ポイントの上限:15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.jcb.co.jp/service/basic/cashless.html

三井住友カード株式会社
ポイント還元方法:引落時相殺(利用月の翌々月請求時)
還元ポイントの上限:15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.smbc-card.com/mem/cardinfo/cardinfo4010244.jsp

株式会社クレディセゾン
ポイント還元方法:引落時相殺(利用月の翌々月請求時)
還元ポイントの上限:15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.saisoncard.co.jp/services/cashless1908.html

イオンクレジットサービス株式会社
ポイント還元方法:引落時相殺(利用月の翌月請求時)
還元ポイントの上限:15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.aeonbank.co.jp/aeoncard/cashless/

独自の還元方法のクレカもある

いっぽう、数は限られるものの上記ルールと異なる方法でポイント還元を行うクレジットカード発行会社もあります。たとえば楽天カードの場合、還元されるのは独自の楽天スーパーポイント。このように独自のポイントで還元し、それをいつ、どのように使うかをユーザーにゆだねる会社もあります。また、月の還元上限についても、月間15,000ポイントを超える上限を設定している会社もあります。下記に、筆者が調べた「独自の還元方法を採用しているクレジットカード」を紹介します。ご自身の利用状況を踏まえて、どのクレジットカードを使うかを考えてみてはいかがでしょうか?

▼還元方法が異なる発行会社

三菱UFJニコス株式会社
ポイント還元方法:同社発行のカードブランドにより異なる。MUFGカード→請求時相殺 DCカード→還元ポイントが貯まる NICOSカード→還元ポイントが貯まる など
上限ポイント 15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.cr.mufg.jp/cashless/member/index.html

楽天カード株式会社
ポイント還元方法:楽天スーパーポイントで還元
上限ポイント 15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.rakuten-card.co.jp/cashless/point-back/?l-id=corp_oo_top_to_cashless_point-back_pc

ポケットカード株式会社
ポイント還元方法:同社発行カードのカードによって異なる。ファミマTカード、Tカードプラス→Tポイント(特別ポイント)で還元 それ以外のカード→引落時相殺(利用月の翌月請求時)
上限ポイント 15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.pocketcard.co.jp/cashless/

株式会社エポスカード
ポイント還元方法:エポスポイントで還元
上限ポイント 15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.eposcard.co.jp/cashless/index.html

株式会社オリエントコーポレーション
ポイント還元方法:オリコポイントもしくは提携先独自ポイントで還元
上限ポイント 15,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.orico.co.jp/campaign/1910010630_cashless/index.html

▼還元上限のルールが異なる発行会社

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド
ポイント還元方法:引落時相殺(利用月の翌月請求時)
上限ポイント:135,000ポイント(ポイント還元事業の期間中)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.americanexpress.com/jp/benefits/events-offers/cashless.html

▼還元方法、還元上限ルールともに異なる発行会社

ワイジェイカード株式会社
ポイント還元方法:PayPayボーナスライトで還元
上限ポイント 25,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://card.yahoo.co.jp/campaign/promotion/cashless/index.html

東急カード株式会社
ポイント還元方法:TOKYU POINTで還元
上限ポイント:50,000ポイント(月間)
ポイント還元事業特設サイト:https://www.topcard.co.jp/services/cashless/index.html

注意! 大手コンビニではクレジットカード利用でも「即時割引」

これまで説明してきた還元方法の例外が大手コンビニです。大手コンビニでキャッシュレス決済をすると、2%がレジで即時割引されます(本事業に参加していないコンビニを除く)。これはクレジットカード、QRコード決済などすべてのキャッシュレス決済で統一されています。先に「決済手段によってポイント還元方法が異なるケースがある」と書きましたが、なぜコンビニという「業種」によって還元方法が決まってくるのでしょうか?

ポイント還元事業において、消費者にポイント還元を担っているのは「決済事業者」と呼ばれるプレイヤーです。今回紹介したクレジットカードの発行会社やQRコード決済の提供企業がそれに当たります。大手コンビニはポイント還元事業において決済業者(※)として参加しています。そのため、ポイント還元方法を独自に設定しているというわけです。やや複雑ですが、大手コンビニでクレジットカード決済した場合は即時割引されることを覚えておきましょう。

※参考:登録決済事業者リスト(ポイント還元事業公式サイトより)

大手コンビニは決済事業者としてポイント還元事業に参加(画像はイメージです)

大手コンビニは決済事業者としてポイント還元事業に参加(画像はイメージです)

還元方法と使い勝手でチョイスしよう

以上、キャッシュレス・ポイント還元事業におけるクレジットカードの活用法についてまとめました。ポイント還元事業の還元率はクレジットカードによって違いはありません。本事業でどのカードを使うかは還元方法がひとつの指標になりそうです。多くの発行会社が採用している「請求時相殺」は、使い忘れを防ぐと言う意味で堅実なポイント還元方法と言えそうですし、いっぽうでポイントを貯めることにより大きな喜びを感じる人もいることでしょう。また、国際ブランドによって本事業の対象となる店舗が絞られますので、この2つの指標を参考にクレジットカードを有効にご活用ください。

また本記事では触れませんでしたが、ポイント還元事業をユーザー獲得の好機ととらえ、独自のポイント還元キャンペーンを行っている発行会社もあります。下記の記事で詳しく触れていますのでこちらもチェックしてみてください。

参考記事:利用額の20%、1万円還元も! まだ間に合うクレカ、デビットカードの3つのキャンペーン

(執筆協力:西村有樹)

価格.comマネー編集部

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