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アプリによって販売手数料に6%以上の開き。電子マネーとの連携にも注目

PayPayも参入した「フリマアプリ」 不要品をお金に変えやすいのはどれ?

年末と言えば大掃除。服や家電、趣味のグッズなど「いらなくなったモノ」がたくさん出てくる時期ですよね。これらをお金に変えたいときに便利なのがフリマアプリです。今ではすっかりおなじみの存在ですが、PayPayが参入したり、電子マネーとの連携が進んだりとさまざまな変化が続いています。

そこで今回は「PayPayフリマ」「ヤフオク!」「メルカリ」「ラクマ」の4つのフリマアプリの最新情報を売り手の視点から比較してみました。これに加え、”フリマアプリ・ネットオークションの達人”として活躍されている川崎さちえさんにうかがった「各アプリを賢く使うコツ」もご紹介します。
(本記事内の手数料等の表記は「税込」で統一しています)

川崎さちえさん。ネットオークション暦15年、フリマアプリ歴5年。ユーザーの立場から、実践できるノウハウを日々構築中。ネットフリマの達人として、NHK「あさイチ」をはじめとする多数の情報番組や、ウェブ、雑誌、書籍等で幅広く活躍

1. PayPayフリマ

2019年に登場した最新フリマアプリ

2019年10月にサービスを開始。記事執筆時点で最新のフリマアプリです。ヤフー株式会社(以下、ヤフー)が運営しています。同じくヤフーが運営しているヤフオク!で一定の条件(フリマ形式で出品する、PayPayフリマで使える配送方法をヤフオク!でも選ぶ、など諸条件あり)を満たした商品は、PayPayフリマにも自動的に掲載される仕組みになっています。

PayPayフリマのインターフェイスはメルカリにも似たオーソドックスな作り

PayPayフリマのインターフェイスはメルカリにも似たオーソドックスな作り

売り上げを直接PayPayにチャージできる

PayPayフリマでは商品が売れた際にかかる販売手数料は10%です。ユニークなのは送料を必ず出品者が負担するルールで、これはほかのアプリにはないシステムです。そのため、送料を考慮した値付けが必要です。売上金の受け取りは、PayPayで使えるPayPay残高に無料でチャージすることが可能。PayPay残高はPayPayに対応した店舗やネットでの支払いに使えます。売上金は銀行口座に振り込むこともできますが、その場合は1回につき100円の振込手数料がかかります(ただし、ヤフーと同じくソフトバンクグループのジャパンネット銀行への振り込みは手数料無料)。

「価格交渉」がシステム化

フリマアプリでは購入希望者が値下げを希望する価格交渉がよく行われています(ヤフオク!ではあまり見られませんが)。後ほど紹介するメルカリやラクマの場合は、出品者と購入希望者の間でコメントをやり取りして価格の交渉が行われますが、PayPayフリマは値下げの価格交渉を「価格の相談」という機能でシステム化しているのが特徴です(公式サイトでも、コメントではなく「価格の相談」を使って価格交渉するよう明記されています)。購入希望者が値引き後の希望金額を入力し、出品者がそれを承諾する場合に限りボタンを押して値下げする仕組みになっています。

売れた商品の配送方法は、ヤマト運輸と提携した「ヤフネコ!パック」か日本郵便と提携した「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」の2つから選べます。いずれも匿名配送(出品者・購入者ともに個人情報を開示せずに配送ができるサービス)となります。宅急便やゆうパックの送料は一番小さなサイズのもので600円からとなっています(ただし、一部の商品で2020年1月から値上げが予定されています)。

PayPayフリマの「価格の相談」機能は、購入希望者が値下げ希望額を入力して出品者に打診する仕組み。その際、メルカリやラクマにあるようなコメントは必要なく、純粋に値段だけの交渉となります。この機能は、ヤフオク!から出品され、PayPayフリマに掲載された商品では使えません

川崎さんのワンポイント解説:大型キャンペーンに注目

「フリマアプリの最後発(記事執筆時点)ということで、既存アプリとの違いを出してきている印象です。そのひとつ『価格の相談』機能は、コメントをやり取りするのが好きな人からすると少々ドライな印象を受けるかもしれませんが、逆に何度もコメントのやり取りをしなくて済む『わずらわしさのなさ』を好む人もいるでしょう。

また、PayPayフリマはユーザー獲得のキャンペーンに積極的です。すでに送料0円キャンペーン(2019年10月7日〜11月30日まで実施)やPayPayフリマの購入で最大20%還元(2019年11月1日〜12月25日まで実施)などを行い、スタートして2か月で200万ダウンロードを達成しています。現時点ではまだ客層が定まっておらず、売れやすい商品の傾向などは見えていませんが、今後ユーザーが増えてくると、ほかのアプリとの違いが明らかになってくると思います」(川崎さん)

PayPayフリマ
・サービス開始:2019年10月
・ユーザー数:200万ダウンロードを突破(2019年12月時点)
・出品者の販売手数料:10%
・スマホ決済との連携:PayPay
・振込手数料:指定銀行口座への振り込み1回につき100円。ジャパネット銀行への振り込みとPayPay残高へのチャージは無料
・配送方法と送料:「ヤフネコ!パック」宅急便…600円〜1,500円(60〜160サイズ)か「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」ゆうパック…600円〜1,700円(60〜170サイズ)。どちらも匿名配送で送料は全国一律

2. ヤフオク!

サービス開始から20年を超えた老舗

ヤフーが運営するヤフオク!は、1999年にスタートしたネット売買の老舗です。出品カテゴリー数が約4万あり、常時6,480万点の商品が出品されている巨大市場となっています(2019年7月時点)。客層は30代40代の男性がメインと言われており、コレクターアイテムもよく目にします。

アプリのトップ画面にもあるようにヤフオク!は「1円出品」が特徴のひとつ(ほかの3つのアプリは最低300円から出品が可能)

アプリのトップ画面にもあるようにヤフオク!は「1円出品」が特徴のひとつ(ほかの3つのアプリは最低300円から出品が可能)

フリマ形式での出品も可能

ヤフオク!は、その名のとおりオークション形式の出品形式からサービスを開始しています。欲しい人が買ってもいい値段を入札し合い、一番高い金額を入札した人に売る仕組みは皆さんにもおなじみでしょう。したがって厳密には「フリマアプリ」と言い切れない面もありますが、2017年に「フリマ形式」(定額での出品)での出品も可能となっていることから本記事でも取り上げています。ちなみに2019年7月現在、出品物の構成比はオークション形式が4割、フリマ形式が6割と、フリマ形式での出品が多くなっています。

販売手数料は10%。ただし、Yahoo!プレミアム会員(月額508円)なら8.8%と優遇されます。送料は出品者または購入者のいずれかが負担します。売上金の受け取りは、PayPayフリマと同じくPayPay残高へのチャージが可能(手数料無料)。銀行口座への振り込みは1回につき100円の手数料がかかります。また、PayPayフリマと同じく、ジャパンネット銀行への振り込みは手数料無料です。

一部の商品はPayPayにも掲載される

売れた商品の配送方法は、PayPayフリマで説明した「ヤフネコ!パック」や「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」のほか、レターパック、普通郵便、クリックポスト、ゆうメールなど幅広く用意されています。

なお、PayPayフリマの項でも触れたとおり、ヤフオク!で出品した商品のうち「フリマ形式で出品」「PayPayフリマでも扱っている配送方法を選択」など、いくつかの条件に当てはまる商品については、自動的にPayPayフリマにも掲載される仕組みになっています。ただし、販売手数料などはヤフオク!のルールに準拠します。

ヤフオク!ではいくつかの条件を満たした出品商品がPayPayフリマにも掲載される仕組みです(画像はヤフオク!公式サイトより)

川崎さんのワンポイント解説:オークション形式の強みを生かしたい

「4つの中で、ヤフオク!は唯一オークション形式が使えるアプリで、それを生かした売り方が強みです。たとえば『洋服のまとめ売り』などさまざまな商品をセットで売りたい場合、ほかに類似商品がないので価格を自分で決めるのは難しいですよね。そんなときは欲しい人が競り合うオークション形式が便利です。このように『自分で相場を判断できない品』を売るときはヤフオク!のオークション形式が助かります」(川崎さん)

ヤフオク!
・サービス開始:1999年9月
・ユーザー数:不明
・出品者の販売手数料:10%(Yahoo!プレミアム会員は8.8%)
・スマホ決済との連携:PayPay
・振込手数料:指定銀行口座への振り込み1回につき100円。ジャパネット銀行への振り込みとPayPay残高へのチャージは無料
・配送方法と送料:「ヤフネコ!パック」宅急便…600円〜1,500円(60〜160サイズ)か「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」ゆうパック…600円〜1,700円(60〜170サイズ)。どちらも匿名配送で送料は全国一律

3. メルカリ

フリマアプリの代表格

メルカリはフリマアプリの代表格と言ってもいい存在でしょう。2013年に登場後、国内では累計7,500万ダウンロードを達成し、月間利用者1,350万人以上、累計取引回数5億回以上の市場規模を誇ります(2019年9月時点)。

メルカリのトップ画面。2019年2月に実装された決済サービスのメルペイは、画面右下のメルペイをタップすることで利用可能

ユーザー間のやり取りに独特の文化

メルカリ内で販売手数料は10%。送料は、出品する側が「送料込み」か「着払い」のどちらかを選びます。メルカリの特徴のひとつがユーザー間のコメントのやり取りが活発なこと。商品に対する質問はもちろん、販売価格の値下げ交渉も当たり前に行われています。そのため、出品する際は許容できる値下げ分を織り込んで値付けすることが大切になってきます。

売れた商品の配送方法は、メルカリ独自のサービスもあって充実しています。たとえば、家具などの大型商品の集荷・梱包・搬出を宅配業者にすべてお任せで配送できる「大型らくらくメルカリ便」がそのひとつ。通常の商品は、ヤマト運輸提携「らくらくメルカリ便」と日本郵便提携「ゆうゆうメルカリ便」で対応し、宅急便やゆうパックの送料は一番小さなサイズのもので700円からとなっています。

2019年に決済サービス「メルペイ」をリリース

メルカリは独自の決済サービスであるメルペイを2019年2月にリリースしました。メルペイはQRコードを表示させるコード払いに加えて、FeliCaを用いたiDにも対応しており幅広い店舗やネットでの支払いに対応しています。売上金の受け取りは、メルペイの電子マネーであるメルペイ残高へのチャージなら手数料無料で可能。銀行口座への振り込みは金融機関問わず、1回につき200円の手数料がかかります(翌営業日に振り込まれる「お急ぎ」の場合は400円)。以前は1万円以上の振り込みの場合は手数料無料でしたが、2019年4月にルールが変更されています。

メルペイはさまざま店舗やネットでの支払いに使えます

メルペイはさまざま店舗やネットでの支払いに使えます

川崎さんのワンポイント解説:抜群の「売れやすさ」

「メルカリの利点は、圧倒的に多いユーザー数を背景に、あらゆる商品が比較的早く売れてしまう点です。極端な例だと、ハンドクリームなどの『使いかけのコスメ』などもよく取引されています。女性の『ちょっと試してみたいニーズ』があるんですね。どんなモノでもまずは出品してみるのがいいと思います。

そのいっぽう、同じ商品を売っているユーザーも多く、売るための競争の激しさもありますので写真などで『よく見せる』工夫も必要になります。私の場合、写真は自然光で撮るのを大切にしていて、夕方や夜は撮影しません。価格を設定する際は、まず自分が出品する商品を検索しほかのユーザーの価格動向を探ります。ケースバイケースですが、相場を知ったうえで値下げ分を加味して最初は”やや強気”に価格設定するといいと思います」(川崎さん)

メルカリ
・サービス開始:2013年7月
・ユーザー数:7,500万ダウンロードを突破
・出品者の販売手数料:10%
・スマホ決済との連携:メルペイ
・振込手数料:銀行口座への振り込み1回につき200円(お急ぎ振込の場合は400円)。メルぺイ残高へのチャージは無料
・配送方法と送料:「らくらくメルカリ便」宅急便…700円から1,600円(60〜160サイズ)、「ゆうゆうメルカリ便」ゆうパック…700円から1,000円(60〜100サイズ)。そのほかの配送方法含め送料は全国一律料金

4. ラクマ

楽天が運営するフリマアプリ

ラクマは株式会社楽天(以下、楽天)が運営するフリマアプリ。累計2,000万ダウンロードを突破しています。もともと女性向けフリマアプリ「フリル」を前身とするため(2014年にサービス開始。2016年に楽天が買収)、女性のユーザーが多いのが特徴です。

ラクマにはフランスの高級メーカー「モンクレール」のダウンなど、高価なアパレルも多数出品されています

手数料の安さが魅力

ラクマはもともと販売手数料無料が大きな売りでした。2018年にルールが変わり、販売手数料がかかるようになりましたが、それでも3.85%と、ほかのフリマアプリが軒並み10%の手数料がかかる中で最も低い手数料を保っています。送料が出品者または購入者の負担なのは、ヤフオク!やメルカリと同じです。また、価格交渉をコメントでやり取りする点はメルカリと同じです。

売れた商品の配送方法は、ヤマト運輸・日本郵便と提携した「かんたんラクマパック」が用意されています。宅急便やゆうパックの送料は一番小さなサイズのもので800円からとなっており、4つのアプリの中ではやや高めに設定されています。

売上金は楽天Payの支払いに使える

売上金の受け取りは楽天キャッシュへのチャージ(手数料無料)が可能です。楽天キャッシュは楽天の各サービスで使える電子マネーで、楽天のスマホ決済「楽天ペイ」を介して街中やネットでの買い物にも利用できます。銀行への振り込みもできますが、1回につき210円の手数料がかかります(売上残高1万円以上で楽天銀行への振り込みの場合は手数料無料)。

川崎さんのワンポイント解説:高価な品を売る場合は手数料の安さが大きな魅力に

「ラクマの客層は女性が多く、出品アイテムはアパレル系を中心に、コスメ、美容、ホビーなどが目立ちます。傾向としてはメルカリに近い印象です。ただし、メルカリより市場が小さいからか『どんなものでも早く売れてしまう』という印象はなく、ブランド品など、ある程度固定ファンが付いているものを売るのに適していると思います。またラクマの魅力はなんといっても手数料の安さ。売る商品の値段が高くなるほど販売手数料の重みが変わってきますので、その意味でも、比較的高価なブランド品などを売る際にはまずラクマに出品してみるのがいいのではないでしょうか」(川崎さん)

ラクマ
・サービス開始:2014年11月
・ユーザー数:2,000万ダウンロード突破
・出品者の販売手数料:3.85%
・スマホ決済との連携:楽天キャッシュ
・振込手数料:銀行口座への振り込み1回につき210円。1万円以上の金額を楽天銀行に振り込む場合と、楽天キャッシュへのチャージは無料
・配送方法と送料:「かんたんラクマパック」宅急便…800円から1,500円(60〜160サイズ)、ゆうパック…800円から1,500円(60〜170サイズ)。そのほかの配送方法を含め送料は全国一律料金

まとめ:「電子マネーとの連携」という大きな流れが明らかに

4つのフリマアプリの比較表。今後は電子マネーと絡めた使い方がカギになりそうです

4つのフリマアプリの比較表。今後は電子マネーと絡めた使い方がカギになりそうです

2019年の”フリマアプリ業界”は、メルカリの決済サービスであるメルペイとPayPayフリマの登場により、電子マネーとの連携が進んだ年と言えそうです。これにより、4つのフリマアプリすべてで、売り上げをそれぞれが連携している電子マネーにチャージすることができるようになりました。国の「キャッシュレス・ポイント還元事業」もあって電子マネーで決済できるシーンが急速に拡大していることから、銀行振込やフリマアプリ内での買い物が主流だったときと比べ、「フリマアプリで売って、それを買い物に使う」という流れが格段にスムーズになったように感じます。

また、これによって「売った後」のことも考えてフリマアプリを使う必要性も出てきました。「PayPay、楽天ペイ、メルペイで支払った際、どれくらいポイント還元があるか」「自分がどの電子マネーを使う機会が多いか」なども、どのフリマアプリを使うかを決める際の判断基準になっていきそうです。

※本記事は、取材者及び執筆者個人の見解です。
百瀬康司

百瀬康司

フリーランスライター。副業をはじめ、投資、貯蓄、節約などマネー企画全般を取材。ビジネスや働くママのジャンルでも取材経験豊富。雑誌、Web、夕刊紙、書籍などで執筆。「真に価値ある情報提供」を使命とする。

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