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投資家デビューに最適! 簡単・少額な「スマホ証券」サービスの選び方をプロが解説

口座開設から取引までスマホ上で完結できるスマホ証券サービスの人気が高まっています。そのひとつ「LINE証券」は、2022年10月に150万口座を突破したことを発表。この数字は、「ネット証券」大手の「auカブコム証券」(約148万口座・2022年10月)や「松井証券」(約139万口座・2021年度末)に匹敵するもので、2019年8月にサービスを開始した「LINE証券」の急成長ぶりが見て取れます。

同証券を含め、スマホ証券の各サービスは主に投資初心者層をターゲットにしており、「簡単に取引できる」「取引画面がシンプル」など、従来型の証券サービスとは異なった特徴を打ち出しています。そこで今回は、自身もスマホ証券サービスのひとつである「PayPay証券」で取引している経済ジャーナリストの頼藤太希さんに、スマホ証券サービスの魅力や、サービスを選ぶ際のポイントをお聞きしました。

投資に興味が出てきた人必見。スマホ証券サービスの魅力と選び方を解説します

投資に興味が出てきた人必見。スマホ証券サービスの魅力と選び方を解説します

投資のハードルが低いスマホ証券サービス

「株式投資」と聞くと、折れ線グラフなどのチャート類や、株、投信といった無数にある投資対象など、「複雑で難しそう」という印象を持つ人が多いのではないでしょうか? 投資の上級者にとっては、「高い機能性」や「豊富な選択肢」が満足度を高めることにつながるかもしれませんが、投資未経験者・初心者にとっては、逆に投資から遠ざかる一因になっているようにも思えます。

「スマホ証券サービスがユニークなのは、インターフェイスがシンプルだったり、サービス側があらかじめ投資できる対象をしぼり込んでいるなど、従来の証券会社とは異なる特徴を持っている点にあります。たとえば、投資できる対象が最初から限られていれば、選択肢は減るものの、選ぶ手間は省けますよね。このようにして投資のハードルを下げたことで、『投資は敷居が高い』と感じていた層を取り込むのに成功している印象です」(頼藤さん。以下同)

取材協力・解説 頼藤太希(よりふじたいき)さん
(株)Money&You代表取締役/経済ジャーナリスト。中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。資産運用・税金・Fintechなどに関する執筆・監修、書籍、講演などマネーリテラシー向上に努めている。日本証券アナリスト協会検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。「定年後ずっと困らないお金の話」(大和書房)、「1日1分読むだけで身につくお金大全100」(自由国民社)、「はじめての資産運用」(宝島社)、「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)など著書多数

証券会社などがスマホ証券サービスに参入

「これに加えて、株の取引がスマホ1台で済む点も見逃せません。今は、PCを持っていない人も増えていますが、スマホだけでサービスが完結するので、こうした層にもリーチできています。そんな背景から、近年、証券会社など各社がスマホ証券サービスに参入しています。

2020年2月に『One Tap BUY』からリニューアルし、ソフトバンクとみずほ証券が共同経営する『PayPay証券』をはじめ、LINEと野村證券がタッグを組んだ『LINE証券』、証券・保険など金融ビジネスのプラットフォーム開発などを手がける株式会社スマートプラスの『STREAM(ストリーム)』、大和証券グループの『CONNECT(コネクト)』などがしのぎを削っている状況です。そんな中、再編の動きも出てきており、2022年9月、人気のスマホ証券サービスだった『SBIネオモバイル証券』が、2023年3月に『SBI証券』に吸収合併される形で経営統合されることが発表されました」

「SBIネオモバイル証券」は、「SBI証券」とCCC(カルチュアコンビニエンスクラブ)グループが組んで2019年4月に誕生。月額手数料を支払うことでその月内に何度でも取引できるサブスク型の手数料体系で人気を呼び、約60万口座を抱える存在となっていました。

しかし、もうひとつのウリだった「Tポイントを活用した投資」については、「SBI証券」側でも複数の共通ポイントに対応したことで独自性が薄れ、「SBI証券」との違いがわかりにくいといった指摘もあり、今回の経営統合につながったものと見られています。既存ユーザーは経営統合後も、「SBI証券」内の独立サービス「ネオモバコース」でこれまでと同様のサービスを受けられるそうですが、「SBIネオモバイル証券」の新規の口座開設は2022年10月7日をもって終了となっています。

これにより、現在の主なスマホ証券サービスは、「PayPay証券」「LINE証券」「STREAM」「CONNECT」の4サービスと見られています。各サービスの特徴は後ほどご紹介します。

スマホ証券サービスの5つの特徴

スマホ証券サービスには、具体的にどんな特徴があるのでしょうか? 頼藤さんにポイントをまとめてもらいました。

特徴1:スマホだけで”いつでもどこでも”株取引が可能

「スマホ証券サービスならネットにつながったスマホが1台あれば”いつでもどこでも”株取引が完結できます。従来の証券会社でもスマホアプリで取引できるサービスはありますが、必ずしもスマホに最適化されておらず、PCがないと不便なケースが少なくありません。その点、スマホ証券サービスの場合は最初からスマホでの取引が前提で、スマホで操作しやすいよう工夫されています。これが第1の特徴と言えます」

特徴2:投資先を選びやすく取引画面もシンプル

「前出のとおり、投資先が各サービスによってあらかじめ厳選され、初心者でも選びやすいよう、各サービスとも工夫を凝らしています。たとえば、『PayPay証券』であれば、国内・米国の個別株の優良企業や、ETF、REITなど約330銘柄にしぼり込まれています。日本企業であれば『トヨタ』や『任天堂』、米国企業であれば『アップル』『アマゾン・ドットコム』『テスラ』などのよく知られた企業の株に投資することができます。 また、難しい操作でユーザーを迷わせないよう、取引画面がシンプルなつくりになっているサービスがほとんどで、投資初心者でも株を買いやすくなっています」

特徴3:少額から投資ができるサービスが多い

「個別株の場合、売買単位(単元株)は100株なので、投資をするには最低でも数万円、高いと1銘柄を買うのに100万円以上することもあります。たとえば、ユニクロなどを展開する『ファーストリテイリング』(東証1部:9983)の株価は1株84,140円(2022年10月26日時点)ですので、基本的に840万円以上ないと購入することができません。 これに対して、スマホ証券サービスの中には、1株単位、あるいは100〜1,000円といった少額から個別株を購入できるところがあり、投資資金に乏しい人でも挑戦しやすいと言えます(※)」

※スマホ証券サービス以外の証券会社でも1株単位で売買できる会社もあります。

<関連記事>
「単元未満株」なら超有名企業の株にも手が届く! 株を1株から買える証券会社はどこ?(価格.comマガジン)

特徴4:手数料が安いサービスもある

「株の取引には手数料がかかりますが、スマホ証券サービスはこの点でも魅力があります。たとえば、『STREAM』は現物取引の売買手数料を無料にしています。また『LINE証券』は、現物取引の場合、売買時に55円(5万円まで)〜1,070円(3,000万円超)かかりますが、投資信託やIPOの購入手数料は無料です。 このように、株取引にかかるコストが安いのは大きな魅力でしょう」

特徴5:ポイントを投資に使えるサービスもある

「ポイントを投資資金に充てられるスマホ証券サービスもあります。たとえば、LINE証券は『LINEポイント』、『CONNECT』は『dポイント』と『Pontaポイント』を、 1ポイント1円として国内株式などの購入費用に充てることができます。投資には元本が減るリスクがあるので、『身銭を切ってお金を投じるのは不安』という人は、まずこれらのスマホ証券サービスで、手持ちのポイントを使って投資を経験してみるのも、ひとつの選択肢になるのではないでしょうか?」

スマホ証券サービスの特徴を、一般的な店舗型証券、ネット証券の特徴と比較したもの

スマホ証券サービスの特徴を、一般的な店舗型証券、ネット証券の特徴と比較したもの

注目のスマホ証券サービス4 種を紹介

ここからは、代表的な4つのスマホ証券サービスを、各サービスがウリとしているポイントを中心にご紹介します。記事内のリンク先から口座開設できるサービスもあるので、気になるサービスがあったらぜひチェックしてみてください。

1. PayPay証券

「PayPay証券」は2022年5月にアプリのデザインを一新。それまでのグリーンをベースとしたデザインから、白を基調としたシンプルなデザインに(画像はプレスリリースより)

「PayPay証券」は2022年5月にアプリのデザインを一新。それまでのグリーンをベースとしたデザインから、白を基調としたシンプルなデザインに(画像はプレスリリースより)

サービス開始:2016年6月
口座数:約32万口座(2022年3月時点)
投資対象:日米の主要企業の株式など
購入単位・金額:1,000円から
ポイント投資:2022年8月より「PayPay資産運用」機能でPayPayボーナスが利用可能
取引手数料:売買時点の基準価格に0.5~0.7%のスプレッド

日米の優良銘柄に投資ができる!

「PayPay証券で投資できる銘柄は、日本と米国企業の優良銘柄が計330銘柄ほど(ETFやREITを含め) 。日本株なら『トヨタ自動車』や『任天堂』、『JR東日本』など、米国株なら『アップル』や『アマゾン』、『アルファベット(Google)』など、誰もが知る会社が名を連ねています。こうした会社に、1,000円から1,000円単位で投資ができます(たとえばトヨタ自動車を5,000円分買う、という買い方が可能)」

PayPay証券では、あらかじめ同証券が定める「基準価格」に対して、手数料相当額(スプレッド)が上乗せされた価格が取引価格として提示されます。買う場合はスプレッドが加算された金額となり、売る場合はスプレッドが減算された金額が取引価格となります。

国内の銘柄のスプレッドは「0.5%」。ただし、日本時間9時〜11時30分、12時30分〜15時以外の時間帯は「1.0%」です。米国株の場合は、日本時間の23時30分〜6時(夏時間の場合は日本時間22時30分〜5時)は「0.5%」で、これ以外の時間帯は「0.7%」になります。

2. LINE証券

ユニークな取り組みで若年層から支持を集めるLINE証券。画像は、口座開設時にかんたんなクイズに正解すると、キャンペーン対象銘柄の3株分の株の購入代金がもらえる「初株チャンスキャンペーン」の時のもの

ユニークな取り組みで若年層から支持を集めるLINE証券。画像は、口座開設時にかんたんなクイズに正解すると、キャンペーン対象銘柄の3株分の株の購入代金がもらえる「初株チャンスキャンペーン」の時のもの

サービス開始:2019年8月
口座数:約150万口座(2022年10月時点)
投資対象:日本株、投資信託、ETF、IPO
購入単位・金額:1株から/投資信託は100円から
ポイント投資:LINEポイント
取引手数料:売買時55円〜1,070円(現物取引) など

個別株のタイムセールなど独自サービスが魅力!

「東証約3,800銘柄、投資信託は厳選した30銘柄が投資対象で、購入にLINEポイントを充てることもできます。単元株だけではなく、1株単位で取引できる『いちかぶ(単元未満株)』も1,500銘柄ほどあり、今回紹介するサービスの中で単元未満株取引の手数料がもっとも安くなっています(0.35%のスプレッド。『PayPay証券』は0.5%〜、『CONNECT』 は0.5%)。 株式が最大7%安く注文できる『株のタイムセール』を不定期に開催するなど、独自のサービスも光ります」

そのほか、上級者向けに現物取引だけではなく信用取引(現金や有価証券を担保に、証券会社から資金や株式を借りて売買する取引)ができるのも特徴。また、LINEのメッセージアプリから証券への導線(「ウォレット」⇒「証券」)が設置されているなど、LINEユーザーの人が気軽に挑戦しやすいような工夫もなされています。

3. STREAM

STREAMのデモ画面。現物株が手数料無料で取引できるほか、SNS機能などでユーザー同士の交流もはかることができる

STREAMのデモ画面。現物株が手数料無料で取引できるほか、SNS機能などでユーザー同士の交流もはかることができる

サービス開始:2018年4月
口座数:非公開
投資対象:日本株、米国株、ETF、REIT
購入単位・金額:単元株(100株)単位、米国株は1株単位
ポイント投資:なし
取引手数料:無料/信用取引の金利は1.89%〜 など

手数料無料で何度でも取引できる!

「STREAM(ストリーム)は現物株の取引手数料が完全無料のサービスです。取引所よりも有利な価格で取引が成立する『SMART取引』(※)もあり、その場合は有利になった差額の半分が手数料になります。また、信用取引も可能で、その場合は金利が1.89%からかかります。そのほか、STREAMはSNS機能など、ユーザー同士が交流しやすいのも特徴。オンラインコミュニティでは、ログイン・役立つ・フォロー・コメントなどのアクションがポイント化され、これに応じてクラスが決定。クラスによって信用取引の金利優遇が受けられる仕組みもあります」

手数料無料やユーザー同士の交流機能が魅力のSTREAMですが、今回紹介するスマホ証券サービスの中で唯一、単元株でしか株を購入できない点には注意が必要です。この点は、まとまった金額を投資したくない・できない人にとっては、ややハードルが高いと言えるかもしれません。

※ダークプールと呼ばれる、証券取引所を通さず、投資家の売買注文を証券会社内でつけあわせて約定させる取引の仕組みを利用。

4. CONNECT

大和証券グループが運営するCONNECT。シンプルかつやさしい雰囲気のデザインが印象的

大和証券グループが運営するCONNECT。シンプルかつやさしい雰囲気のデザインが印象的

サービス開始:2020年7月
口座数:非公開
投資対象:日本株、米国株、ETF、REIT、IPO
購入単位・金額:1株から/まいにち投信なら毎日100円から
ポイント投資:dポイント、Pontaポイント
取引手数料:月10回までクーポン利用で無料(信用取引口座開設者は20枚)。余った分は翌月まで持ち越しも可/以降は約定代金の0.033%〜上限660円(現物株の場合) など

大和証券グループの運営で取引商品が豊富!

「CONNECT(コネクト)は2020年7月にスタート。今回紹介する4サービスの中で最も新しいサービスで、大和証券グループが運営しています。日本株を100株単位で取引する現物取引だけではなく、信用取引、IPO、積立投資など取扱商品が豊富で、1株から購入できる『ひな株(単元未満株)』もあります。取引手数料の無料クーポンが毎月10枚もらえるので、月に10回までは無料で取引ができ、あまったクーポンは翌月に持ち越せます。シンプルなデザインが特徴ですが、アプリ内に銘柄のチャート機能がないので、その点は注意が必要です」

そのほか、「Pontaポイント」や「dポイント」をひな株などの買付に充当することもできます。1ポイントから使えて現金とも併用可能なので、少し余っているポイントを有効活用したい場合にも便利です。 また、NISAやIPO投資にも対応していて、ほかのスマホ証券サービスと比べて機能が充実している点が特徴になっています。

スマホ証券サービスを選ぶ際の4つのポイント

スマホ証券サービスにもいろいろと種類があることがおわかりいただけたと思います。では、投資未経験者・初心者は、スマホ証券サービスをどのように選べばいいのでしょうか? 頼藤さんは下記の4つのポイントを提案します。

「株を買ってみたい会社」からスマホ証券サービスを選ぶのもひとつの手

「株を買ってみたい会社」からスマホ証券サービスを選ぶのもひとつの手(画像は「PayPay証券」)

ポイント1.「 株を買ってみたい会社」を手がかりにしてみる

「PayPay証券で一部の有名日米株を扱っているように、スマホ証券サービスによって扱っている金融商品や銘柄が異なります。初心者の方であれば、まずは『身近なサービスを提供している会社』や『好きな会社』など、『株を買ってみたい会社』を、スマホ証券サービスをしぼり込むきっかけにしてみては? さらに、単元株でその会社の株を買うのが難しい場合は、単元株未満で買えるサービスを選ぶといいでしょう」

ポイント2. 自分の取引スタイルで手数料が安く済むサービスを選ぶ

「通常、株の取引回数が多くなればなるほどコストはかさみます。なるべく手数料の安い証券会社を選ぶことが重要です。スマホ証券サービスは基本的に手数料が安く抑えられていますが、CONNECTのように月10回無料、STREAMのように原則無料と、ルールが異なります。自分が月にどの程度取引するか思い浮かべ、各サービスの手数料のルールと照らし合わせて判断するといいでしょう」

ポイント3. 最低購入金額にも注意

「初心者の方だと、いきなり多くの金額を投資に投じるのは難しいでしょう。その点、STREAMは単元株単位での取引になるので、それなりの資金が必要なので注意が必要です。そのほかのスマホ証券サービスの場合、1株単位で購入できたり、100円、1,000円から買い付けられるサービスもありますので、自分がいくら投資に使えるかを考えたうえで、サービスを比較検討するといいでしょう」

ポイント4. ポイントが使えるかどうかもチェック

「買い物などで貯まっているポイントがあるなら、そのポイントでの投資に対応しているサービスを選ぶ手もあります。これなら、いきなり現金を投資に使うのは不安という人でも、比較的抵抗感なくチャレンジでできるのではないでしょうか」

今回紹介した4つのスマホ証券サービスの比較表。上記4つのポイントを参考に、自分に合うものを検討してみましょう

今回紹介した4つのスマホ証券サービスの比較表。上記4つのポイントを参考に、自分に合うものを検討してみましょう

スマホ証券サービスは「投資の入り口」として魅力的

筆者はこれまでネット証券を使って株取引をしてきた経験があります。本記事の取材をきっかけに「LINE証券」の口座を実際に開いてみましたが、ネット証券が提供する豊富な機能にはおよばないものの、気になる銘柄を売買する範囲では十分に機能するサービスだと感じました。また、ネット証券の取引画面に慣れた身からすると、スマホ画面に特化したシンプルなインターフェイスも新鮮です。

これから投資を始めてみたいという人にとって、スマホ証券サービスは投資の入り口として魅力的なサービスと言えます。気になった方は、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか?

大正谷成晴

大正谷成晴

フリーランスの編集・ライター。資産運用、ビジネス、クレジットカード、副業、医療・介護などのジャンルで取材・執筆。企業の女性活用に関する記事も多数。 著書に「決定版 1万円からはじめるFX超入門」など。

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