クレジットカード、電子マネー、QRコード決済……。めまぐるしく変化を続けるキャッシュレス決済の動向をコンパクトに伝える連載企画「おトクの真相! 月刊キャッシュレス展望」。過去1か月のキャッシュレス関連のニュースの中から、マネー編集部員やマネー担当ライターが気になったニュースをピックアップしてお届けします。記事の最後には、記事公開時点で参加可能なキャッシュレス関連のキャンペーン情報も掲載していますので、おトク情報の取りこぼしがないようこちらもぜひチェックを。この連載は、毎月月初の公開予定です!
今月は、NTTドコモと三菱UFJ銀行の業務提携の話題から紹介します。
2021年5月11日、NTTドコモと三菱UFJ銀行が、デジタル金融サービス分野における業務提携契約を交わしたと発表しました。これにより、NTTドコモの顧客基盤と、三菱UFJ銀行の金融サービスが組み合わさり、新サービスなどを企画・開発する合弁会社の設立や、住宅ローン開発・資産運用サービスでの協働などが進められる予定です。
NTTドコモの8,000万人の会員基盤と、三菱UFJ銀行の金融サービスが組み合わさり、どんな変化が?
今回の両社の業務提携ですでに明らかになっているのが、「dポイント」が貯まる新たなデジタル口座サービスの提供です。三菱UFJ銀行のバンキング機能を活用した、ドコモユーザー向けの口座サービスを両社で共同開発し、2022年中に提供する予定。この新口座では、具体的に下記のようなサービスが検討されているといいます。
・ドコモの通信料金や、「dカード」の支払い口座に設定すると毎月dポイントを付与
・口座の利用状況、dカードや「d払い」の利用履歴、dポイントの明細を連携し家計を見える化
・三菱UFJ銀行の預金口座機能を活用した安心・安全なデジタル口座サービス
NTTドコモと三菱UFJ銀行が予定している新たなデジタル口座サービスでは、ドコモのdポイントを核とした展開が検討されています
また、現在は対応していない、d払いへの三菱UFJ銀行の口座からのチャージにも、2021年度上期を目途に対応することがあわせて発表されています。
今回の発表の中でNTTドコモは、「お客さまの豊かな生活を実現するスマートライフ事業に取り組んでおり、中でも金融領域をスマートライフ事業の柱とすべく、当該領域の取り組みを拡大しております」(プレスリリースより)と、金融領域に注力する姿勢を明らかにしています。
昨今は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの通信キャリア4社が、それぞれ「ネット経済圏」と呼ばれる多様なサービス群を提供し、ユーザーを囲い込む動きが活発です。その中でドコモ経済圏は、これまで金融領域でほかの3つのネット経済圏に後れを取っていました。今回の三菱UFJ銀行との提携には、この弱点を補完し、ドコモ経済圏を成長させる意味合いがありそうです。ユーザーにとっては、dポイント獲得のチャンスが広がることになり、ドコモ経済圏の既存ユーザーを中心に、両社の今後の動きが注目されそうです。
2021年5月は、クレジットカード会社数社から新しいカードが発行されました。この中から、今の時代に即した特徴を持つ2券種を紹介します。
三越伊勢丹系のエムアイカードは、社会貢献型のショッピングサイト「KURADASHI(クラダシ)」と提携し、「KURADASHI Clubエムアイカード」を2021年5月27日から発行しました。
KURADASHI Clubエムアイカード。年会費:初年度無料、2年目以降550円(ウェブ明細+年1回以上カード利用で2年目以降無料)、国際ブランド:Visa、付与されるポイント:エムアイポイント、ポイント還元率:0.5%
KURADASHIは、フードロス削減に賛同するメーカーから提供された商品を最大97%OFFで販売し、売上の1〜5%を社会貢献活動団体に寄付する社会貢献型のショッピングサイトです。味の素、伊藤園、エスビー食品などの大手メーカーを中心に、幅広い企業が協賛しています。
KURADASHI Clubエムアイカードは、年会費初年度無料、2年目以降550円(ウェブ明細+年1回以上カード利用で2年目以降無料)のカードで、貯まるポイントは「エムアイポイント」です。基本還元率は0.5%ですが、以下のような特典が用意されています。
・KURADASHIプレムアム会員費のカード決済でポイント進呈
KURADASHIプレムアム会員費(月額550円)を同カードで支払うと、会員費の6か月分に相当する3,300ポイントが付与されます。「入会月を含めて3か月以内にプレムアム会員費の支払いを開始」「支払い開始から6か月間継続利用」「支払い開始から6か月間でカード利用5万円以上」の会員が対象です。
・KURADASHI利用でポイント進呈
毎年4月・10月にKURADASHIでカードを使うと、購入額合計の10%相当のエムアイポイントが付与されます。
貯まったポイントは、1,000ポイント=1,000円相当で、KURADASHIで使えるクーポンコードに交換できるほか、三越伊勢丹グループの百貨店での利用、提携先のマイルやポイントへの交換ができます。近年はSDGsへの取り組みが加速し、特にフードロスは社会的な問題として注目されています。この課題の解決に資するサービスと連携したクレジットカードは、時代に即した1枚と言えそうです。なお、現在KURADASHI Clubエムアイカードは、期間中の入会で1,000円相当のクーポンがもらえるキャンペーンを実施しています(詳しくは記事の最後で紹介)。
UCカードは、同カードの最上位カードとなる「UCプラチナカード」の発行を2021年6月1日から始めました。国際ブランドはVisaでタッチ決済機能も搭載。貯まるポイントは「UCポイント」で、基本還元率は1%(1,000円につき2ポイント=10円相当)です。
UCプラチナカード。年会費:16,500円、国際ブランド:Visa、付与されるポイント:UCポイント、還元率:1%
UCプラチナカードは、UCカードが初めて発行するプラチナカードになります。一般的にプラチナカードの年会費は5万円以上程度かかりますが、UCプラチナカードは16,500円とかなりリーズナブルに抑えられています。
UCプラチナカードには、プラチナカードではおなじみのコンシェルジュサービスやグルメサービスが付帯します。このほかにも、巣ごもりで需要が高まっている、ネットショッピング、取り寄せ、デリバリーなどでの優待や、テレワークなどで利用機会が増えているスマホやパソコンなどの通信端末の修理費用を補償する保険(年1回、最大3万円まで)が付帯しており、ニューノーマルを意識した特典が特徴となっています。
また、基本のポイント還元のほか、以下のようなボーナスポイントも用意されており、貯まったUCポイントは、200ポイントから所定のアイテムなどに交換ができます。
・当年10月〜翌年9月の間にポイント付与月10回以上で100ポイント付与
・上記を達成+UCポイント累計が1,000ポイント以上でさらに150ポイント付与
現在、UCプラチナカードは、期間中のポイント還元率が20%に上がる入会キャンペーンを実施中です(詳しくは記事最後で紹介)。
2021年度から導入された「中学校新学習指導要領」では、技術・家庭科において、「計画的な金銭管理」に関する内容が新設されています。これにともない、キャッシュレス決済を含む多様な購入方法・支払方法を、子どもたちが理解することが求められます。
こうした状況を受け、ソニーは、イオン、NTTドコモ、JCB、セブン・カードサービス、JR東日本、楽天Edyといった、FeliCa(フェリカ)陣営の企業と共同で、中学生向けのキャッシュレス決済教育プログラム「電子マネーから学ぶ キャッシュレスと経済の仕組み」を無償提供すると発表しました。
本プログラムは、企業と連携した授業づくりを専門とする、「NPO法人企業教育研究会」と協力して実施されます。2021年6月から中学校単位での応募を受け付け、2022年3月までに首都圏の計12校を対象に出張授業(新型コロナの状況などよってオンライン開催)が開催される予定です。
本プログラムでは、「キャッシュレスってなんだろう」「利便性や価値」「注意点や対処法」など、キャッシュレス決済に関する幅広いカリキュラムが用意される予定
期間中に楽天証券で、楽天カードを使った投信積立を始めると、初回積立額に対して「+1%」(通常ポイントとの合計で2%)の楽天ポイントが付与されます。キャンペーンに参加するには、楽天証券口座にログインし、当月の積立締切日(毎月12日)までに「楽天ポイントコース」の設定を行う必要があります。獲得ポイントの上限は、1IDごとに500ポイントまで。また、すでに楽天カードで積立注文をしたことがある人はキャンペーン対象外です。
キャンペーン期間:開催中〜2021年7月12日まで
公式サイト:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/campaign/creditcard/
期間中にKURADASHI Clubエムアイカードに入会すると、社会貢献型ショッピングサイトのKURADASHIで利用できる、1,000円相当のクーポンがもらえます。なお、クーポンを利用するにはKURADASHIへの会員登録が必要です。
キャンペーン期間:開催中〜2021年9月30日まで
公式サイト:https://www2.micard.co.jp/campaign/210527_krds.html
期間中にUCプラチナカードに入会すると、2021年8月末日までのショッピング利用金額の20%相当のボーナスポイントがもらえます。キャンペーン対象となる利用金額の上限は5万円で、ポイントは10月以降に順次付与されます。
キャンペーン期間:開催中〜2021年6月30日まで
公式サイト:https://www2.uccard.co.jp/uc/platinum/?company_cd=000002
(執筆協力:大正谷成晴)
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