オフィスや自宅の近くにたくさんあり、手軽に利用できるコンビニ。筆者はコロナ禍でテレワークが増えたせいか、コンビニでよくスイーツを購入するようになりました。そこであらためて注目して利用し始めたのがコンビニの公式アプリです。使ってみると、アプリを利用することでコンビニの買い物がおトクに、そして便利になることがわかりました。
そこで今回は、主要3社のコンビニアプリを使い比べてみました。ローソンの「ローソンアプリ」、セブン-イレブンの「セブン-イレブンアプリ」、ファミリーマートの「ファミペイ」の3つのアプリの仕組みや、おトクに使うためのちょっとしたコツをお伝えします。
左から、「ローソンアプリ」、「セブン-イレブンアプリ」、「ファミペイ」
※記載のクーポンやキャンペーンなどの情報は2022年3月時点のものです。クーポンの配信状況やキャンペーン内容などは時期によって変わります。
コンビニアプリを利用する一番のメリットは、おトクなクーポンが手に入ることだと思います。まずは、それぞれのアプリのクーポンの魅力から紹介していきます。
今回紹介する3つのアプリの中で一番クーポンが充実していると感じたのが「ローソンアプリ」。「クーポン」ページを見ると、「ウチカフェ(ローソンのスイーツブランド)スイーツ各種20円引き」、「パスタ各種50円引き」、「まちかど厨房(一部店舗に設置されたキッチンで作るお弁当)の弁当各種50円引き」など、すぐに使えるクーポンが毎日配信されています。
クーポンのトップ画面(左)と、お試し引換券の一覧の画面(右)
使いたいクーポンがあれば、それぞれの項目に表示されている「クリップマーク」をタップすることで、アプリ内の「MY BOX」に保存することができます。MY BOXは、連携したポイントカードや(後述)、保存したクーポンなどを表示できる画面のこと。複数の商品を買う際に、複数のクーポンを使いたい時も、レジでまとめてバーコードを表示できるので便利です。
クーポンには「お試し引換券」もあり、これは、ローソンアプリが連動できる「Pontaポイント」や「dポイント」を使って、話題の新商品やおすすめ商品などをおトクに試すことができるもの。たとえば、「からあげくん各種」の場合、販売価格は216円ですが、この引換券を使うと、Pontaポイントかdポイント110ポイント分(110円相当)で交換することができます。
欲しい商品をタップすると「引換券を予約する」ことができ、クーポンと同様にMY BOXに保存できます。なお、お試し引換券の予約期限(利用期限)は24時間なので、その間に使うようにしましょう。お試し引換券は、MY BOX内に3枚まで保存できます。
MY BOX画面(左)。ここで、アプリに保存しているクーポンのバーコードをまとめて表示できます(右)
「セブン-イレブンアプリ」の「クーポン」ページにも、「サンドイッチ・ロールパン30円引き」、「中華まん30円引き」といったクーポンが用意されています。ただし、前出のローソンアプリと比べると、使えるクーポンの選択肢はかなり少なめです。
その代わり、買えば買うほどおトクになる抽選キャンペーンが随時行われています。たとえば、2022年3月の記事執筆時点で開催中のキャンペーンでは、一度に700円以上の買い物をすることで1日1回の抽選に参加でき、お茶やコーヒーなどの人気商品の半額クーポン1枚が必ずもらえます。このほか、九州フェアの対象商品を買うごとに、同フェアで使える30円引きクーポンがもらえたり、お酒を買うと対象のビールの無料クーポンがもらえるキャンペーンなどもあります。
クーポン情報はホーム画面右上のベルのマークのお知らせで確認できるので、今、どのようなキャンペーンが行われているのか、マメにチェックするといいでしょう。また、これらのクーポンは「まとめて使う」を選ぶことで、複数枚を一度に表示させて使うことができて便利です。
クーポン画面。ローソンアプリに比べると選択肢は少なめ(左)。クーポンや開催中のキャンペーンの情報は、「お知らせ」でチェックすると取りこぼしがありません(右)
ローソンアプリと同じく、獲得したクーポンはまとめて表示できます
ほかにも、「セブンカフェを10杯買うごとに1杯無料クーポン」がもらえるなど、購入数によるクーポンもあります。
筆者はその中でも、「エシカル対象商品」を積極的に購入するようにしています。エシカル対象商品とは、nanacoで購入すると、nanacoボーナスポイントが通常より多く付与される、食品ロスの削減を目指すプロジェクトの対象商品のこと。スイーツや調理パン、お弁当などで、消費期限が近い商品によく対象シールが貼られています。
nanacoで支払うことで「還元率5%」とおトクになるのですが(通常還元率は200円で1ポイント)、セブン-イレブンアプリを経由して購入することでその数がカウントされ、対象商品を10個購入するごとに、セブンプレミアムのお茶の無料クーポンをもらうことができます(2022年8月31日までのキャンペーン扱い)。環境にやさしいことをしているという満足感が得られるのもよいです。
エシカル対象商品はこの対象シールが目印です
最後が「ファミペイ」です。ファミペイでもクーポンは提供されていますが、「リセッシュ除菌EX」や「Wチーズメンツカツ」といったように、“この商品”と限定されていることが多くて、筆者はなかなか利用できていません。うまく普段、使っている商品や好きな商品が提供されるといいのですが……。
また、ポイント(dポイント、楽天ポイント、Tポイント)や、ファミペイの決済機能である「FamiPay」を利用して商品をお試し価格で買える「お試しクーポン」もあって、「チョコレート100ポイント」、「お茶40ポイント」など、魅力的なお試し価格で展開されています。ただこちらも新しく商品が登場したと思ったらあっという間に受付終了になり、激しい争奪戦が繰り広げられているようです。お試しクーポンは同時に3枚まで予約できるのですが、筆者はまだこの競争に勝てずにいます……。
(cap)クーポン画面(左)、会計時に上のバーコードを読み取ってもらうだけで取得したクーポンが利用できます(右)
ファミペイで面白いのは回数券が購入できること。例えば「FAMIMA CAFÉのブレンドS(100円)」が11杯分1,000円で購入できて、1杯分がおトクになります。セブン-イレブンアプリのセブンカフェ(10杯買えば1杯無料)とは逆で先払いでおトクになるので、毎日、会社に行く前にコンビニのコーヒーを買うのが習慣という人におすすめだと思います。
ファミペイのクーポンや回数券は、アプリ画面の「クーポン・回数券を使う」から利用することができます。クーポンの「使う」をタップして、「決定する」を選ぶと、「ホーム」画面にクーポン画面が追加されます。この状態でFamiPayのバーコードを読み取ってもらうとクーポン価格が適用になります。また、ファミペイはクーポンや回数券をギフトとして贈れる点もユニークです。クーポン画面で「贈る」を選択すると、ギフトコードをLINEかメールで送信できます。コンビニのクーポンや回数券でコミュニケーションできるというのが楽しいですね。
お試しクーポンは競争率が高く、この時もいずれも受付終了でした(左)。回数券は2022年3月時点では、コーヒーの対象のもののみ販売中(右)
続いては、各アプリの支払い方法に注目してみます。いずれのアプリもアプリ上で決済することができ、決済金額に応じたポイント還元があります。3つのアプリの中で独自の決済機能があるのはファミペイのみで(決済機能の名前はアルファベットの「FamiPay」)、ローソンアプリとセブン-イレブンアプリは、ほかの決済サービスと連携して支払う仕組みです。
また、これとは別に、アプリ内にポイントカード機能があり、別途ポイントが貯まります。貯められるポイントは各アプリによって異なります。
今回紹介するコンビニアプリの中で、支払い方法の選択肢が一番多いのは「ローソンアプリ」です。利用可能なコード決済は、「LINE Pay」「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」「PayPay」「QUOカードPay」「メルペイ」の7種類も用意されています。決済する時には、「決済アプリを選択」から利用するサービスを選択します。すると選んだ決済アプリが立ち上がるので、そこから支払いを進めます。ただし「au PAY」のみアプリを立ち上げることなく、ローソンアプリ内で決済まで完結することができます。「au PAY」を「かんたん決済」に登録することで、MY BOX画面で決済用のバーコードを手軽に表示できるので、筆者は「au PAY」で支払っています。
いずれの決済方法も、基本、0.5%程度のポイント還元がありますが(アプリによって異なる)、特定のクレジットカードから残高をチャージしたり、1か月に30回や50回利用するなど、設定条件をクリアすることで、ポイント還元率をアップすることができます。
たとえば、「d払い」なら「ステップボーナス」の条件をクリアすることで最大3%還元が狙えます。「au PAY ゴールドカード」を持っている人なら、クレカからチャージした残高で支払うことで「au PAY」が2.5%還元に。「PayPay」も条件をクリアすれば最大1.5%還元。「楽天ペイ」も「楽天カード」からチャージして支払うことで、1.5%還元になります。この記事では個別の決済アプリについてくわしくは触れませんが、この中に自分がよく利用している決済方法が複数あるなら、よりおトクなものを選択するといいでしょう。
そしてローソンアプリ側でも買い物でポイントが貯まります。ローソンアプリ内には、「dポイント」と「Ponta」のポイントカード機能が内蔵されていて、買い物時にどちらかを選んで提示することで、買い物金額に応じてポイントが貯まります。いずれも0:00~15:59の時間帯は0.5%還元、16:00〜23:59は1%還元になるので、ローソンを利用するなら夕方から夜の時間帯の方がよりポイントが多く貯まります。
Ponta(左)とdポイント(右)のどちらを利用するかは、スライドで手軽に切り替えられます
セブン-イレブンアプリ は、アプリに連携された「PayPay」で支払うのがおトクです。1回の読み取りで決済と会員コードのスキャンが同時にでき、PayPayの最大1.5%還元の「PayPayポイント」(4月1日より「PayPayボーナス」から名称変更)と、0.5%の「セブンマイル」がもらえます。セブンマイルとは、セブン&アイグループの独自のポイントのこと。セブンマイルを貯めることで、商品クーポン、セブン&アイオリジナル商品、nanacoポイントに交換したり、寄付することもできます。
また、これとは別に、「セブン-イレブンアプリ」にnanacoカードまたはnanacoモバイルを登録することも可能です。アプリに連携することで、いつも通りにnanacoカードやnanacoモバイルで支払いながら、0.5%還元のnanacoポイントとセブンマイルの両方をもらうことができます。
「セブン-イレブンアプリ」に連携したPayPayの決済画面(左)、「マイル」ページで獲得マイルを確認することができます(右)
ファミペイには独自の決済機能である「FamiPay」があります。FamiPayで決済することで、基本0.5%の「FamiPayボーナス」が付与されます。FamiPayボーナスは「FamiPayボーナスを使う」の設定をONにしておくことで、FamiPay残高に付与され、支払いに利用できます。
FamiPayへのチャージは、レジでの現金チャージのほか、JCBブランドからのクレカチャージ、銀行口座(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、西日本シティ銀行、ゆうちょ銀行)からのチャージが利用できます。ファミリーマート以外でFamiPayが使える加盟店はまだ少ないものの、スーパー、ドラッグストア、グルメショップなどを中心に徐々に拡大しています。
そして、ファミペイにも、ローソンアプリ同様ポイントカード機能があります。選べるのは「dポイント」「楽天ポイント」「Tポイント」で、いずれも0.5%還元。使いやすいポイントを選ぶといいでしょう。
最後に、クーポンや決済ポイント以外の各アプリの便利機能を紹介したいと思います。
まずローソンアプリですが、「スマホレジ」というサービスが利用できます。利用できる店舗はまだ限られていますが、商品のバーコードをアプリでスキャンすることで、レジに並ばずに決済することができる機能です。支払い方法は「Apple Pay」「楽天ペイ」「LINE Pay」「クレジットカード」ですが、支払限度額が各支払い方法によって決められており、楽天ペイは1回(1日)4,000円、LINE Payは1回30,000円、クレジットカードの場合は合計金額が10,000円以上の決済をすることはできません。
混んでいる店舗でもレジ待ちなしで利用できるところがこのサービス最大のメリット。紙のレシートは発行されませんが、決済内容はアプリで確認することができます。ただ、値引きセールやクーポンなどの特典が反映されないので、通常価格の商品を購入する時に利用したほうがよいでしょう(スマホレジ独自のポイント付与キャンペーンなどはあるようです)。
セブン-イレブンアプリには「認定バッジ」という面白いサービスがあります。バッジは「お惣菜・サラダ・おつまみ他」や「牛乳・パック飲料・チルドカップ」など商品ジャンルごとにあり、それぞれのジャンルの買い物の目標点数を達成すると、バッジのランクが「銅→銀→金→プラチナ」と上がっていきます(4段階ではないバッジもあります)。
たとえば、筆者はよくスイーツを購入するのですが、スイーツを10個買った時点で銅バッジになりました。まだ経験できていないのですが、ランクアップすることで、アプリ限定キャンペーンに参加できるチャンスがあるのだとか。普通に買い物しているだけで、よく購入する商品のランクが上がっていくので、たまにのぞいてみると面白いです。
バッジ一覧(左)、ランクが上がると案内が届く(右)
ファミペイでは「FamiPay請求書支払い」が便利。公共料金や通販などの請求書のバーコードをアプリで読み取ることで、自宅にいながらスマホから支払うことができます。しかも1件につき10円相当のFamiPayボーナスをもらうことができるのもおトクです(一部の請求書は対象外)。対応している請求書は順次拡大中とのことで、筆者に届いた通販の請求書は残念ながらまだ対応していませんでした。
ファミリーマート店頭で支払える請求書でも、FamiPay請求書支払いでは利用できないということもあるそうなので、請求書を支払う時には、先にバーコードを読み取ってみて、使えるかどうかを確認してからにすることをおすすめします。
ここまで、ローソンアプリ、セブン-イレブンアプリ、ファミペイのクーポンや決済方法、便利な機能などについて説明してきました。それらの情報をまとめたのが、次の表になります。
2022年3月16日時点の情報
クーポンの充実度や利用できる決済サービスが多いことなどから、主要3社のコンビニアプリの中では、「ローソンアプリ」が便利でおトクだと感じました。
とはいえコンビニの場合、どうしても最寄りのチェーンに利用が集中してしまうもの。ローソンに限らず、いずれのコンビニアプリにもクーポンなど、おトクに使える機能があり、クーポンの割引額は意外と高いので、うまく欲しいもののクーポンがあれば、かなりおトクに購入することができます。おトクなキャンペーンやアプリを開きたくなる楽しい試みも多いのでおすすめです。まだコンビニアプリを利用していない人は、よく利用するコンビニのアプリをぜひ使ってみてください。
わたたにさちこ。キャッシュレス決済やポイントなどについて、小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。