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ネット銀行とネット証券は組み合わせるとおトク! 普通預金の金利にもメリットあり

手数料などの面で人気が高まっている「ネット銀行」や「ネット証券」。もし、これらの口座開設を考えている人は、同じ系列の銀行と証券会社の口座を連携させて利用することを検討してみてもいいかもしれません。同じ系列ならではの使い勝手のよさはもちろん、普通預金の金利などでおトクになる場合があります。この記事では、そんな、「ネット銀行×ネット証券」のおトクな組み合わせ例を紹介します。

住信SBIネット銀行×SBI証券など、銀行と証券のおトクな組み合わせをチェック!

住信SBIネット銀行×SBI証券など、銀行と証券のおトクな組み合わせをチェック!

銀行と証券の連携で利便性やおトク度がアップ

日本ではもともと、銀行と証券の業務は厳しく分けられていました。それが、銀行窓口での国債や投資信託の販売解禁を皮切りに、同一グループでの顧客情報の共有、銀行と証券にまたがる商品開発やサービス提供などの規制緩和が進行。特にネットを主体とする金融グループで銀行と証券を連携させる動きが加速し、今日に至っています。

今回紹介するのも、「ネット銀行」と「その同じ系列のネット証券」という組み合わせ例になります。各組み合わせによって細かな違いがありますが、共通して下記のようなメリットがあります。

1.入出金が便利になる

まずあげられるのが、ネット銀行とネット証券間の資金移動がスムーズに行えるようになることです。これは「スイープサービス(自動入出金サービス)」と呼ばれるもので、銀行の口座残高を、証券会社での取り引きに使えるサービスのことを指します。

通常、証券会社の口座で株などを売買する場合、必要な資金を証券口座に移しておく必要があります。しかし、スイープサービスを使えば、証券会社で買い注文を出した際に必要な金額が自動的に銀行の口座から証券会社に移ります。逆に、株などの売却や配当などで資金を受け取った際にも、自動で証券口座から銀行口座に出金されることが多く、入出金とも手数料は無料です。これにより、手間が省けてフレキシブルに株などの取り引きができます。

2.普通預金口座の金利が上がる

現在、メガバンクの普通預金の金利は「年0.001%」と、ほぼ「ないに等しい」状況です(2022年4月25日時点)。しかし、同じ系列のネット銀行とネット証券の口座を連携させると、ネット銀行に優遇金利が適用される場合があります。くわしくはこの後にご紹介しますが、組み合わせによっては、現状の普通預金金利の最大110倍にもなるものもあります(2022年4月25日時点)。

3.手数料の優遇やポイントが貯まるケースも

これは、一部の組み合わせに限ったメリットになりますが、連携するネット銀行のATM手数料や振込手数料の優遇につながったり、系列内の共通ポイントが貯められたりする場合があります。

下記に、ネット銀行とネット証券のおすすめの組み合わせを4例紹介します。これから銀行と証券会社の口座を新たに開きたい人はもちろん、すでにどこかのネット銀行やネット証券を使っている人も、同系列で組み合わせることでどんなメリットがあるか確認してみてください。

1. auじぶん銀行×auカブコム証券「auマネーコレクト優遇プログラム」

まず紹介するのが、KDDIと三菱UFJ銀行が共同出資して設立したネット銀行「auじぶん銀行」と、2022年4月にスタートした、au PAYカードを使った「クレカ積立」でのPontaポイント付与が話題の「auカブコム証券」の連携です。両社の口座連携により、「auマネーコネクト優遇プログラム」というサービスが利用できます。

auマネーコネクト優遇プログラムのイメージ図。画像はauじぶん銀行の公式サイトより

auマネーコネクト優遇プログラムのイメージ図。画像はauじぶん銀行の公式サイトより

入出金が便利で、5,000円プレゼント特典もあり

auマネーコネクト優遇プログラムを設定すると、auじぶん銀行とauカブコム証券間の入出金が手数料無料かつ自動的に行われます。

また、auじぶん銀行経由でauカブコム証券の口座を開設後、auマネーコネクト経由で
初めてauカブコム証券に「1回で5万円以上を入金」すると、もれなく5,000円がもらえるキャンペーンも行われています。こちらは終了日が特に明記されていない常設キャンペーンのようです(2022年4月25日時点)。

au経済圏の各サービスを連携すると、普通預金金利が「最大200倍」に

このほか、auじぶん銀行の普通預金の優遇金利もあります。まず、auカブコム証券と連携し、auマネーコネクトを利用することで、通常の普通預金金利「年0.001%」の100倍に該当する、「年0.10%」にアップします。

これに加えて、スマホ決済サービスの「au PAY」や、同系列の公式クレカ「au PAYカード」をそれぞれ指定の方法でauじぶん銀行と連携させると、その都度、普通預金の金利が「年0.05%」上がる「auまとめて金利優遇」というサービスもあります。つまり、auカブコム証券を含む3つのサービスをauじぶん銀行に連携させることで、普通預金金利は通常の最大200倍に該当する「年0.20%」にアップします(いずれも2022年4月25日時点)。au経済圏のユーザーであれば、積極的に検討してみてもいいサービスかもしれません。

画像はauじぶん銀行公式サイトより

画像はauじぶん銀行公式サイトより

2.楽天銀行×楽天証券「マネーブリッジ」

続いては楽天グループの組み合わせです。2021年7月に国内のネット銀行として初めて1,100万口座に到達した「楽天銀行」と、2018年から新規口座開設数が3年連続業界トップで、2021年12月に700万口座を突破した「楽天証券」の組み合わせです。両社の口座を連携させると、楽天銀行の「マネーブリッジ」というサービスが使えます。

マネーブリッジのイメージ図。画像は楽天銀行の公式サイトより

マネーブリッジのイメージ図。画像は楽天銀行の公式サイトより

自動入出金で手間も手数料もなし

マネーブリッジで自動入出金(スイープ)の設定を行うと、楽天証券での株式などの注文時に口座残高不足となった時、楽天銀行の口座から必要資金が自動的に入金されます。また、証券口座に残った資金も、毎営業日の夜間に、楽天銀行の口座へ自動的に出金されます。

「普通預金金利が5倍」や、楽天ポイント獲得のメリットも

もともと楽天銀行の普通預金の金利は、「年0.02%」とほかの銀行と比べると高く設定されています(2022年4月25日時点)。マネーブリッジに申し込むと優遇金利が適用され、「年0.10%」と5倍に上がります(ただし、預金残高300万円を超える部分は年0.04%が適用)。

また、マネーブリッジに申し込み後、楽天証券の「ハッピープログラム」にエントリーすることで、楽天証券での取り引きに応じて楽天ポイントが貯まるようになります。たとえば、国内株式や外国株式なら、手数料100円ごとに1ポイント獲得、投資信託なら月末時点の残高が初めて10万円に達した時に10ポイント、同様に30万円に達した時に30ポイントなど、一定の残高を達成するごとに楽天ポイントが獲得できます。

3.住信SBIネット銀行×SBI証券「SBIハイブリッド預金」

SBIグループの「住信SBIネット銀行」と、ネット証券最大手の「SBI証券」の組み合わせにもメリットがあります。両サービスの口座を連携することで、住信SBIネット銀行上で「SBIハイブリッド預金」というサービスが使えます。

SBIハイブリッド預金のイメージ図。画像は住信SBI銀行の公式サイトより

SBIハイブリッド預金のイメージ図。画像は住信SBI銀行の公式サイトより

スイープサービスで入出金がスムーズに

SBIハイブリッド預金に預け入れたお金は、SBI 証券の口座の買付余力に自動的に反映され、株式、投資信託、債券などの取り引きに使うことができます。SBIハイブリッド預金には、住信SBI銀行の代表口座(円普通預金)からあらかじめ資金を振り替えておく必要がありますが、これは自動で設定が可能。振替タイミングは毎日、毎週、毎月から選べ、1円単位での振り替えができます。

また、株式などを売却した時の精算代金は、受渡日(金融商品と現金を交換した日)にSBI 証券の口座からSBIハイブリッド預金に自動的に振り替えられます。

普通預金の金利が10倍にアップ

SBIハイブリッド預金には、優遇金利のメリットもあります。同行の通常の普通預金金利が「年0.001%」なのに対し、SBIハイブリッド預金の金利は「年0.01%」と10倍になります(2022年4月25日時点)。また、利息は毎月第3土曜日に計算され、その翌日に入金されます。

このほか、住信SBIネット銀行には、手数料優遇制度の「スマートプログラム」があります。取引実績に応じたランクによって、「ATM利用手数料無料の回数」と「他行宛振込手数料無料の回数」が増える仕組みです。この中で、「ランク3」(ATM利用手数料無料月10回、他行宛振込手数料無料付10回)の達成条件のひとつに、「SBIハイブリッド預金に月末残高あり」があります(この条件を含む3つの条件をクリアでランク3達成)。ATMの利用や振り込みの機会が多い人は、SBIハイブリッド預金を含めて同行の利用を検討してみてもいいかもしれません。

4. GMOあおぞらネット銀行×GMOクリック証券「証券コネクト口座」

「GMOあおぞらネット銀行」は、あおぞら銀行とGMOフィナンシャルホールディングスが共同出資するネット銀行です。また、「GMOクリック証券」は、2006年にネット証券の取引サービスを開始した比較的新しい証券会社になります。両社の口座連携サービスが「証券コネクト口座」です。

証券コネクト口座のイメージ図。画像はGMOあおぞらネット銀行の公式サイトより

証券コネクト口座のイメージ図。画像はGMOあおぞらネット銀行の公式サイトより

株式などの買い付け代金を自動振替

証券コネクト口座を利用すると、株式、投資信託、外国債券の買い付け代金が直接、GMOあおぞらネット銀行の銀行口座から自動的に振り替えされます。信用取引の追証・不足金なども自動振替の対象です。投資資金を移す手間が省け、GMOクリック証券での取り引きがスムーズになります。

普通預金金利が110倍の「年0.11%」に

証券コネクト口座にはGMOあおぞらネット銀行の普通預金に優遇金利が適用されます。通常の普通預金金利が年0.001%(2022年4月25日時点)なのに対し、証券コネクト口座の金利上乗せ特典により「年0.11%」と110倍にアップします。

まとめ(各組み合わせの比較表)

ネット銀行やネット証券は、それぞれ単体でも、手数料などでおトクなサービスを提供しています。その利点をよりパワーアップできるのが、今回取り上げた4つの「ネット銀行×ネット証券」の連携です。下記の比較表を参考に、銀行、証券選びの参考にしていただければと思います。

2022年4月25日時点の情報をもとに編集部が作成

2022年4月25日時点の情報をもとに編集部が作成

もちろん、ネット銀行やネット証券を選ぶ際には、この記事で紹介したもの以外の要素も重要です。たとえば、「株などを取り引きする際の手数料」では、「SBI証券(と信SBIネット銀行)」「楽天証券(と楽天銀行)」が比較的有利です。下記のリンク先では、ネット銀行各社の比較や、ネット銀行の手数料をまとめていますので、本記事とあわせて参考にしてください。

けっこう違う!8つの「ネット銀行」の手数料を比較 ATMや振込がおトクなのはどれ?(価格.com)
https://kakakumag.com/money/?id=15665

また、共通ポイントを貯めている人なら、楽天ポイントが貯まる「楽天証券(と楽天銀行)」が向いているでしょう。また、「auカブコム証券(とauじぶん銀行)」は、au PAYやau PAYカードを組み合わせると普通預金の金利が最大で「年0.2%」に上がるなど、昨今注目されている「ポイント経済圏」を意識した使い方をすることでメリットが大きくなります。

このほか、ここでは紹介しきれませんでしたが、「三井住友銀行×SMBC日興証券」の「バンク&トレード」(資金移動のメリットやSMBC日興証券での取引手数料優遇など)や、「大和ネクスト銀行×大和証券」の「ダイワのツインアカウント」(スイープサービスや一定期間定期預金の金利がアップなど)など、メガバンクや既存の証券会社が手がける銀証連携サービスも存在します。

これらを含め、銀行と証券会社のおトクな組み合わせを利用し、効率的な資金移動や、普通預金の金利アップを狙ってみてはいかがでしょうか?

百瀬康司

百瀬康司

フリーランスライター。副業をはじめ、投資、貯蓄、節約などマネー企画全般を取材。ビジネスや働くママのジャンルでも取材経験豊富。雑誌、Web、夕刊紙、書籍などで執筆。「真に価値ある情報提供」を使命とする。

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