「マイナポイントを申し込んだのになかなかポイントが付与されない」。時々、SNS上でこんな投稿を見かけることがあります。これにはマイナポイントで申し込む(ひもづける)「キャッシュレス決済サービス」(以下、決済サービス)のポイント付与ルールが関係しています。最速で「申し込みの翌日」にポイントが付く決済サービスがあるいっぽう、ポイント付与が「数か月先」というものもあり、けっこうな差があるのです。
そこで今回は、「マイナポイントが受け取れる早さ」に着目。「マイナポイント」対象の決済サービスの中から主要なものを選んでランキング化しました。これから「マイナポイント第2弾」を申し込む人はもちろん、「まだ受け取れていない人」もポイント付与ルールのチェックに活用してください。
まずは、「マイナポイント第2弾」の「最大2万円相当分」の内訳と受け取り方を整理します。
図中の「ポイント」は「マイナポイント」、「カード」は「マイナンバーカード」
※2022年12月20日追記:マイナポイント付与の対象となるマイナンバーカードの申請期限は、記事執筆時の「2022年12月末」から「2023年2月末」までに延長されました。
※2023年3月8日追記:マイナポイントの申し込みは、記事執筆時の「2023年2月末」から「2023年5月末」までに延長されました。
「マイナンバーカードの新規取得分」の「最大5,000円相当」の特典は、「マイナポイント」申し込み後に決済かチャージが必要で、その25%分が上限5,000円分まで付与される仕組みです。
今回テーマにしているのは、上の図の赤枠で囲っている「健康保険証としての利用申し込み分(7,500円相当)」と「公金受取口座の登録分(7,500円相当)」です。この2つの特典は、マイナポイントを申し込むと(公金受取口座については登録も必要)一定期間後に自動的にひもづけた決済サービスを通じてポイントとして付与されます。つまり、ポイント付与を待っていればいいわけですが、この「待ち時間」が、決済サービスによって違うわけです。
では、実際にどれほど「待ち時間」が違うのでしょうか? 楽天系列の3つの決済サービスを例に比較してみます。
楽天はスマホ決済の「楽天ペイ」、電子マネーの「楽天Edy」、クレジットカードの「楽天カード」の3つの決済サービスで「マイナポイント第2弾」に申し込めます(ひもづけが可能)。この3サービスの「健康保険証としての利用申込分」と「公金受取口座の登録分」のポイント付与スケジュールは下記のとおりです。
各決済サービスの公式サイトおよび「マイナポイント」公式サイトに記載の情報をもとに筆者が作成
このように、「楽天ペイ」で申し込んだ人が2〜3日後には1万5,000円相当のポイントを手にしているいっぽう、「楽天カード」で申し込んだ人は2か月先まで待つ必要があります。たかが2か月なのか、されど2か月なのか、感じ方は人それぞれだと思いますが、個人的にはけっこう大きな差と感じます。特に「マイナポイントを使って楽天スーパーセールで欲しいものがある」のように、使いたいタイミングが決まっている場合はなおさらでしょう。
ちなみに、上の図で参考情報として掲載している「マイナンバーカード新規取得分(最大5,000円相当)」についても、ポイント付与の条件や受け取れるタイミングが、決済サービスによって違うので、この点もあらかじめ頭に入れておきたいところです。
「マイナポイント」は一度申し込んだ決済サービスを変更できないので、これから申し込む人は、決済サービスによってポイントが受け取れるタイミングが違うことを念頭に決済サービスを決めたほうがいいでしょう。また、すでに申し込んだものの「ポイントが付与されない」と気をもんでいる人も、ルールさえ知っておけば落ち着いてポイントを待てるのではないかと思います。
「マイナポイント第2弾」でひもづけ可能な決済サービスは全部で「118サービス」あります(2022年10月4日時点で「マイナポイント」公式サイト上に記載の情報。同じ決済サービスながらポイント付与条件の違いなどで重複掲載されているものもそれぞれひとつのサービスとしてカウント)。
この中から、マイナポイントでひもづけを検討しているユーザーが比較的多いと思われる主要17サービスを選出(「共通ポイント」や「流通系ポイント」が貯まるメジャーな「スマホ決済」や「電子マネー」および「クレジットカード」)。これらを、「健康保険証としての利用申込分」と「公金受取口座の登録分」の計1万5,000円相当分のポイントが受け取れる早さで並べたのが以下のランキングです。
ランキングの根拠となるのは、各社決済サービスの公式サイトおよび「マイナポイント」公式サイトに記載の情報。ポイント付与タイミングの表現方法は各社サービスの表記にならっています。実際にはさまざまな理由により記載期間どおりにポイントが付与されない可能性もありますので、その点はご留意ください
以下、各決済サービスをランキング順に見ていきます。なお、今回のランキングの指標とは直接の関係はありませんが、「マイナンバーカードの新規取得」の「最大5,000円相当」の受け取り方も参考情報として記載しています。この特典を受け取るにはユーザーの作業が必要なので、こちらもぜひチェックを!
1〜3位に入ったサービスは、いずれもおおむね2日以内にはポイントが付与されそうです。「とにかく早く受け取りたい」というスピード重視の人は、この3サービスが有力候補になるかもしれません。
・「au PAYカード」で受け取れるポイント……au PAY残高
・「au PAYカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の翌日
(参考)
・「au PAYカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……決済。月1回毎月上旬頃に付与
1位にはクレジットカードの「au PAYカード」が入りました。公式サイト上には「申し込み後の翌日に付与」と明記されています。ランキング下位の項でも触れますが、クレジットカード各社のマイナポイントの付与は軒並み数か月程度かかる中、「au PAYカード」の付与スピードは異例の速さと言えます。
・「PayPay」で受け取れるポイント……PayPayポイント
・「PayPay」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込みの「翌日以降」(ただし、マイナポイント公式サイト上には「以降」の表記はなし)
(参考)
・「PayPay」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……決済もしくはチャージ。ポイント付与はその都度
2位に入ったのが、スマホ決済の「PayPay」です。「PayPay」の公式サイト上では「翌日以降に付与」とやや含みのある表現となっており、「au PAYカード」より若干遅い可能性が読み取れるため2位としました。しかし、「マイナポイント」の公式サイト上では「翌日に付与」との表記になっており、実質的には翌日に付与される可能性が高いのかもしれません。ちなみに筆者も「PayPay」で「マイナポイント」を受け取りましたが、申し込んだ翌日に1万5,000円相当分の「PayPayポイント」が付与されていたことを付け加えておきます。
・「au PAY」で受け取れるポイント……au PAY残高
・「au PAY」での1.5万円相当付与のタイミング……健康保険証分は「最短翌日以降」、公金受取口座分は「翌日または翌々日以降」
(参考)
・「au PAY」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……au PAY残高へのチャージに対し即日〜翌日付与
続いてスマホ決済の「au PAY」です。公金受取口座分で「翌日または翌々日以降」と「PayPay」よりも若干遅くなる可能性が読み取れることから3位としています。
4位、6位、8位にはそれぞれ2サービスずつランクインしています。
(スペックボックス)
・「楽天ペイ」で受け取れるポイント……楽天ポイント
・「楽天ペイ」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「2〜3日後」
(参考)
「楽天ペイ」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……決済。利用月の翌々月末頃に付与
・「nanaco」で受け取れるポイント……nanacoポイント
・「nanaco」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「2〜3日後」
(参考)
「nanaco」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……チャージ。チャージした日の2〜3日後にセンター預り分として付与
まず4位に入ったのが、スマホ決済の「楽天ペイ」と電子マネーの「nanaco」です。いずれも申込後「2〜3日後」の付与で、上位3サービスには及ばないもののまずまずのスピード感です。前出のとおり楽天系列では3つの決済サービスで「マイナポイント第2弾」に申し込めますが、その中でもっともポイント付与が早いのが「楽天ペイ」です。また、「nanaco」は電子マネーの中ではもっともポイント付与が早い決済サービスとなっています。
・「d払い」で受け取れるポイント……dポイント
・「d払い」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「3日後」
(参考)
「d払い」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……決済ごとに付与
・「dカード」で受け取れるポイント……dポイント
・「dカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「3日後」
(参考)
「dカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……決済完了後、売り上げ情報が確定できたタイミングごとに付与
続いて6位に入ったのが、スマホ決済の「d払い」とクレジットカードの「dカード」です。いずれもドコモ系列の決済サービスで、付与スピードは申し込み後の「3日後」。もらえるポイントも「dポイント」と共通しています。
・「WAON」で受け取れるポイント……WAON
・「WAON」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「3日後から」
(参考)
「WAON」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……毎月1〜末日までのチャージ額を集計し、翌月28日までに付与
・「イオンカード」で受け取れるポイント……WAON
・「イオンカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み後の「3日後から」
(参考)
「イオンカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……当月1〜末日までの利用金額を集計し、翌月28日に付与
8位には電子マネーの「WAON」とクレジットカードの「イオンカード」がランクイン。いずれもイオン系列の決済サービスです。両サービスとも申し込み後の「3日後から」の付与で、6位の「3日後」と比べて若干後ろにずれる可能性が含まれる表現になっているため8位となりました。
ここまでに紹介した決済サービスは、多少の差はあるもののおおむね数日以内にはポイントが受け取れますが、ここからはポイント付与までの時間が長くなります。また、「スマホ決済」が姿を消し、「電子マネー」と「クレジットカード」のみとなり、順位が下がるほど後者が増えていきます。
・「楽天Edy」で受け取れるポイント……Edy
・「楽天Edy」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌月10日」
(参考)
「楽天Edy」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……当月のチャージに対して、翌月10日付与
・「エポスカード」で受け取れるポイント……エポスポイント
・「エポスカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌月10日」
(参考)
「エポスカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……当月の利用に対して翌月上旬頃の付与
・「Suica」で受け取れるポイント……JRE POINT
・「Suica」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌月中旬(11〜20日の間)」
(参考)
「Suica」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……当月の利用に対して翌月中旬頃の付与
・「オリコカード」で受け取れるポイント……オリコポイント
・「オリコカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌月20日ごろ」
(参考)
「オリコカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……当月の利用に対して翌月20日頃
・「三井住友カード」で受け取れるポイント……Vポイント
・「三井住友カード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌月末ごろ」
(参考)
「三井住友カード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……利用金額が累積2万円に達したタイミングで付与。期間終了時に2万円に達しない場合は利用金額の25%分を付与
10〜14位の決済サービスは「申し込み月の翌月内」に付与されます。この場合、当月の月初に申し込んだのか、月末に申し込んだかによっても待ち時間の感じ方が大きく変わってきそうなので、この点も頭に入れておくといいでしょう。
まず10位に入ったのが電子マネーの「楽天Edy」とクレジットカードの「エポスカード」で、いずれも「翌月10日」の付与です。11位の「Suica」は、「翌月11〜20日の間」と期間が長めに取られているのが特徴。以下、13位「オリコカード」の「翌月20日」、14位「三井住友カード」の「翌月末」と続きます。
最後は、ポイント付与に2か月以上かかる3サービスです。いずれもクレジットカードですが、「ポイントが付与される」サービスと、「付与されたポイントが自動的に利用金額と相殺される」サービスに分かれます。
・「楽天カード」で受け取れるポイント……楽天ポイント
・「楽天カード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み月の「翌々月の25日」
(参考)
「楽天カード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……利用金額が累積2万円に達したタイミングで付与。期間終了時に2万円に達しない場合は利用金額の25%分を付与
まず「楽天カード」が、「翌々月の25日」の付与で15位にランクイン。こちらは「楽天ポイント」が付与されます。
・「JCBクレジットカード」で受け取れるポイント……JCBマイナポイント
・「JCBクレジットカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み時期によって異なり、2022年10月以降の申し込み分については「2023年3月の支払い時に請求額から自動で相殺」
(参考)
「JCBクレジットカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……利用額の25%分が利用金額から相殺。適用時期は申し込み時期によって異なり、2022年10月以降の利用分については「2023年3月の支払い時に請求額から自動で相殺」
・「セゾンカード」で受け取れるポイント……セゾンマイナポイント
・「セゾンカード」での1.5万円相当付与のタイミング……申し込み時期によって異なり、2022年10月以降の申し込み分については「2023年3月の支払い時に請求額から自動で相殺」
(参考)
「セゾンカード」での「マイナンバーカードの新規取得分(5,000円相当)」の受け取り方……利用額の25%分が利用金額から相殺。適用時期は申し込み時期によって異なり、2022年10月以降の利用分については「2023年3月の支払い時に請求額から自動で相殺」
16位には「JCBクレジットカード」と「セゾンカード」が入りました。いずれも、2022年10月以降の申し込み分については「2023年3月の支払い時に請求額から自動で相殺」としばらく待つ必要があります。仮に請求額がポイントを下回る場合は差額が振り込まれます。
ランキング外となった決済サービスも、各サービスの公式サイトや「マイナポイント」の公式サイトにて、ポイントが受け取れるまでの待ち時間を調べることができます。
筆者は今回、各サービスの公式サイトをいろいろとチェックしましたが、必要な情報にたどりつくまでに少々手間がかかる印象を受けました。それと比べると、「マイナポイント」の公式サイトから探すほうがまだ簡単かと思います。以下、同サイトでの確認方法の流れを紹介します。
「マイナポイント」公式サイト「対象となる決済サービス検索」
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/service_list/service_possible
上記URLから、「マイナポイント」公式サイト内の「対象となる決済サービス検索」にアクセスします。表示された決済サービスの中から、調べたいサービスのロゴ部分をクリック(今回は「au PAYカード」をクリック)
ここが少々わかりにくいのですが、上記画面上の「施策1」のタブが「マイナンバーカードの新規取得分(最大5,000円相当)」の特典を意味します。同じく「施策2」のタブが「健康保険証としての利用申し込み分(7,500円相当)」、「施策3」のタブが「公金受取口座の登録分(7,500円相当)」を意味していて、タブをクリックすると表示される情報が切り替わります(画面上は「マイナンバーカードの新規取得分」が表示されている状態)
今回のテーマのひとつだった「健康保険証としての利用申し込み分」を調べたい場合は「施策2」のタブをクリック
そのまま画面下部にスクロールしていくと、「マイナポイントの付与詳細」があり、ここにポイントが付与されるタイミングについての記載があります(この場合は「申し込み後の翌日に付与」との表記)。「公金受取口座の登録分」について調べたい場合は、「施策3」のタブをクリックし、同様に画面下部にスクロールします
「ポイントがいつ受け取れるか」は、ささいなことのようで意外と気になるものです。ましてや、「マイナポイント」のように付与されるポイント数が多い場合はなおさらでしょう。
マイナポイントの対象となる「マイナンバーカードの申請期限」が2022年12月末まで延長されたことから、これから「マイナポイント」を申し込む人も多いと思います。「ポイントがまだ付与されない」と余計なストレスをため込む事態を避けるためにも、本稿を参考に、「マイナポイント」を確実に獲得してもらえると幸いです。そして、ポイントを受け取った後はなるべく早めに「使い切る」こともお忘れなく!
北欧関連媒体の広告営業、書店・取次営業、一般書籍・月刊マネー誌の編集を経て2018年より価格.comマネー編集部。キャッシュレス、ポイント、投資、節約など便利でおトクな情報をタイムリーにお届けします。