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「au経済圏」で今何が起きている? 毎月5,000ポイントを稼ぐ“住民”に聞いてみた

「ポイント経済圏」(ネット経済圏とも)という言葉をご存じでしょうか? リアル店舗やECサイト、銀行・証券会社・携帯電話・電力など、同じ企業グループに属するサービスの利用で同じポイントが貯まり、それをお金がわりに使える「エコシステム」のことを指す言葉です。ポイントがあたかも通貨のように循環する様子を称して“経済圏”と表現されています。

現在、こうしたポイント経済圏の主なプレイヤーは、「楽天」「au」「ドコモ」「PayPay(ヤフー)」の4つ。本企画では、これらの最新の攻略方法を4回シリーズで紹介しています。2回目となる今回は「au経済圏」を取り上げます。当メディア2回目の登場となる、au経済圏歴25年以上の吉田ジョージさんに最新事情を交えてお話しをうかがいました。

吉田さんが愛用する2枚のカード。手前がクレカの「au PAYゴールドカード」。奥がプリペイドカードの「au PAYプリペイドカード」。どちらもau経済圏で力を発揮するおトクなカードです。詳しい使い方は本文でご紹介!

吉田さんが愛用する2枚のカード。手前がクレカの「au PAYゴールドカード」。奥がプリペイドカードの「au PAYプリペイドカード」。どちらもau経済圏で力を発揮するおトクなカードです。詳しい使い方は本文でご紹介!

※記事中の「ポイント」は、特別な表記がない限り「Ponta」を指します。

au経済圏で進む変化とは?

東海地方を中心に情報番組で気象キャスターとして活躍する吉田ジョージさん。実は、2023年で28年目を迎える筋金入りのauユーザーです(auの前身となる関西セルラー時代を含む)。

吉田さん
吉田さん

ポイントを気にするようになったのは、今から約10年前。auショップで「au WALLETプリペイドカード」(現、au PAYプリペイドカード)を勧められ、ポイントを貯める楽しさを教えてもらったのがきっかけです。現在は月平均でだいたい5,000ポイントを貯めています

〈取材協力・解説〉吉田ジョージさん
個人事業主・気象予報士・ミニマリスト・オフィスキイワード所属タレント。東海テレビ(フジテレビ系列)「スイッチ!」、元テレビ大阪(テレビ東京系列)「ニュースBIZ」気象キャスター。館山出身、大阪(25年)を経て、名古屋在住。千葉県の館山ふるさと大使(館山お天気大使)。自身のブログ「吉田屋帝国」Youtubeチャンネルでもおトク情報などを発信するほか、Webメディアでポイ活関連の連載もお持ちです

吉田さんは2022年にau経済圏で合計で61,024ポイントを獲得(画像はポイント確認画面のスクリーンショット)

吉田さんは2022年にau経済圏で合計で61,024ポイントを獲得(画像はポイント確認画面のスクリーンショット)

吉田さんが実践するau経済圏でのポイ活の実践例は記事後半で紹介するとして、その前に、前回の取材(2021年8月)以降のau経済圏の変化についてチェックしていきます。

au経済圏が金融領域に拡大

まず目に付くのが、au経済圏の金融分野への広がりです。そのひとつが「auカブコム証券」です。同証券での投資信託積立の引き落とし先を「au PAYカード」にすると、毎月の積立金額(決済額)の1%がポイント還元されるようになりました(2022年3月より)。投資信託なら月間平均保有残高に応じてもポイントが付与され、貯めたポイントは投資信託・プチ株の購入に使えます。

また、「auじぶん銀行」でも、給与・賞与、年金の受け取りや口座振替、決済アプリ「au PAY」の残高へのオートチャージ、積立投資など、各種銀行取引に応じてポイントが貯まるようになりました(2022年4月より)。ポイント付与率は、預金残高や利用状況に応じて4つのステージに分かれる同行の優遇サービス「じぶんプラス」によって、1倍(レギュラー)から15倍(プレミアム)の間で変動する仕組みです。

au経済圏にはもともと、「auじぶん銀行」と、「auカブコム証券」、「au PAY」、「au PAYカード」を連携させると、「auじぶん銀行」の円普通預金の金利が上がる優遇サービスがあり(※)、グループ内の金融サービスを組み合わせて使うメリットを打ち出してきた経緯があります。2022年は、ここに新たにポイント付与というメリットを加え、金融分野でのユーザー取り込みに一段と力を入れている印象を受けます。

※優遇サービス「auマネーコネクト」
「auカブコム証券」と「auじぶん銀行」の両サービスを利用する場合、「auマネーコネクト」という、両サービスの口座間の資金移動をスムーズにする優遇サービスが適用され、「auじぶん銀行」の円普通預金の金利が、通常金利の100倍に該当する年0.10%に上がります。auじぶん銀行」にはこのほかにも、「au PAY」や「au PAYカード」と連携すると、それぞれ円普通預金の金利が年0.05%上がる仕組みもあり、これらの条件をすべてクリアすると、円普通預金の金利が年0.20%と同行の通常金利の200倍に上がります。

クレカから「au PAY」へのチャージの還元率が低下

いっぽう、ネガティブな変化もありました。

もともとau経済圏では、「au PAYカード」(一般カード)から「au PAY」の残高にチャージすると1%(通常分)、「au PAYゴールドカード」から「au PAY」の残高にチャージすると2%(通常分+ゴールドカード特典1%)のポイントが貯まっていました。「au PAY」で支払うと0.5%分のポイントが貯まるので(200円につき1ポイント)、「au PAYカード」(一般カード)+「au PAY」なら合計1.5%。「au PAYゴールドカード」+「au PAY」の組み合わせなら合計2.5%が貯まっていたわけです。

ところが、2022年12月より、上記のうち「通常分」のポイント付与がなくなり、「au PAYカード」(一般カード)+「au PAY」なら0.5%、「au PAYゴールドカード」+「au PAY」なら合計1.5%へと、還元率がダウンしています。

「ポイント経済圏では『公式クレカからの残高チャージ+コード決済』でのポイントの2重取りが鉄板とも言えるおトク技になってきましたが、残念ながらau経済圏ではその魅力が下がってしまいました。今後の獲得ポイント数に影響が出て来るのは間違いないと思います。とはいえ、日常生活で必要な各種サービスをau系に集約させることで、ポイントを相当数貯めることができる点は変わりません。ムリなく続けられるサービスを集約してポイントを稼ぐのが、私の基本的なスタンスになります」(吉田さん、以下同)

次章からは、吉田さんが現在実践している5つのおトク技を紹介します!

1 ゴールドカード×コード決済なら2重取りがまだ可能。場合によってはプリカも活用

まずは「決済」から。前出のとおり、「クレカ×コード決済」での還元率は低下してしまいましたが、吉田さんは「au PAYゴールドカード」を使い、1.5%の還元率を保っています。

「従来の2.5%はかなり魅力的な水準でしたが、1.5%でも十分使う価値があると思います。『au PAYゴールドカード』は年会費が11,000円と高額なので、年間の獲得ポイント数で元が取れるかどうかが保有の判断基準になります。これ以外の活用方法を含めて保有を検討するといいと思います。私は『au PAY』を使う際に残高が足りないと不足分が自動でチャージされる『リアルタイムチャージ』機能を設定しておき、ポイントを取りこぼさないようにしています」

au公式クレカの「au PAYゴールドカード」

au公式クレカの「au PAYゴールドカード」

「au PAY」が使えない店舗ではどうやって支払っているのでしょうか?

「『au PAYプリペイドカード』を使うことが多いですね。au PAY残高は、『au PAY』と『au PAYプリペイドカード』のどちらでも支払いに使えるので、支払いの出口を『au PAY』から『au PAYプリペイドカード』に置き換えるイメージです。『au PAYプリペイドカード』の支払いでも、『au PAY』と同じく0.5%のポイントが貯まるので、『au PAYゴールドカード』からau PAY残高へのチャージで貯まる1%分と合わせて、合計で1.5%還元になります。『au PAYゴールドカード』で支払ってしまうと1%ですので、こちらのほうがおトクになります」

auの携帯電話などインターネット回線の契約や、「auじぶん銀行」に口座を持っている人が申し込める「au PAYプリペイドカード」。国際ブランドのMastercardが付いており、「au PAY」のコード決済が使えない場合でも支払いに使えるケースが多いと吉田さんは話します。ただし、各種通信料金や公共料金、一部を除くガソリンスタンド、高速道路料金や一部のECサイトなど、使えないケースもあるそうなのでご注意ください

auの携帯電話などインターネット回線の契約や、「auじぶん銀行」に口座を持っている人が申し込める「au PAYプリペイドカード」。国際ブランドのMastercardが付いており、「au PAY」のコード決済が使えない場合でも支払いに使えるケースが多いと吉田さんは話します。ただし、各種通信料金や公共料金、一部を除くガソリンスタンド、高速道路料金や一部のECサイトなど、使えないケースもあるそうなのでご注意ください

2 インフラも可能な範囲でau系でまとめ、クレカで支払う

吉田さんは、ポイ活のコツを「ムリなく続けられ、自然とポイントが貯まる環境を作ること」と話します。

「簡単なのは、固定費の支払い方法を『au PAYゴールドカード』に集約することでしょう。私の場合は、NHKの受信料や国民年金保険料、市県民税、各種サブスク利用料などを、『au PAYゴールドカード』で支払っていますし、最も大きい固定費である家賃は、大家さん指定のオリコカードで支払い、オリコポイントをauのポイントへ変換しています。

このほか、携帯電話はもちろんauですし、ネット回線は『auひかり』、電気は『auでんき』、ガスは『中電ガス for au』といった具合に、コスト面を見ながらできるだけau系のインフラサービスを選ぶようにしています。いずれも、利用料金を『au PAYゴールドカード』で支払うとポイントがおトクになり、携帯料金とネット料金に関しては最大で11%、電気とガスは最大 3%のポイントが付きます」

au系の電気、都市ガスのサービスを契約し、その利用料金を「au PAYゴールドカード」で支払うと、通常の3倍に当たる3%分のポイントが貯まります。「最近はエネルギーコストが上がっているので、その上昇分まではカバーできないまでも、多少の気休めにはなっています」(吉田さん)

au系の電気、都市ガスのサービスを契約し、その利用料金を「au PAYゴールドカード」で支払うと、通常の3倍に当たる3%分のポイントが貯まります。「最近はエネルギーコストが上がっているので、その上昇分まではカバーできないまでも、多少の気休めにはなっています」(吉田さん)

au経済圏民的に携帯はauとpovoのどちらがトクか?

上記のとおり、auの携帯電話料金を「au PAYゴールドカード」で支払うと、毎月の料金に応じてポイントが最大で11%(基本1%+ゴールド特典10%)貯まります。いっぽう、auの格安料金プラン「povo」にはゴールド特典がないものの、基本料金0円で使いたいサービスだけを選んで使える「povo2.0」というサービスが2021年9月にリリースされ、注目されているようです。

「『povo2.0』はかなりおトクな印象です。たとえば『通話かけ放題 月額1,650円』や、『データ通信3GB 30日間分990円』など、自分が使いたいプラン(サービス名は「トッピング」)を自由に選んで組み合わせることができるので、使い方次第で携帯料金をかなり減らせるのではないでしょうか。ただし、『povo』は『au PAYゴールドカード』特典の対象外となり1%還元ですので、auの携帯+『au PAYゴールドカード』で得られるポイント数と、『povo』を使うことで減らせるコストとの収支で、どちらを使うか決めるといいでしょう。このように、ポイント経済圏を利用する際は、ポイント還元率だけを基準にせず、トータルでおトクなサービスを選ぶ視点も必要になります」

「povo2.0」で追加できるプラン(トッピング)の一覧。画像は「povo」公式サイトより

「povo2.0」で追加できるプラン(トッピング)の一覧。画像は「povo」公式サイトより

3 コンビニは「夕方以降のローソン」が狙い目

コンビニで買い物をする機会も多い吉田さん。その際は、ポイントが貯まりやすい「ローソンの夕方以降の時間帯」を優先して利用すると言います。

「ローソンの場合、会計時にPontaカードを提示すると、毎日『0時〜15時59分』の間は0.5%ポイントが還元(200円につき1ポイント)されるのですが、『16時〜23時59分』までは、倍の1%還元になります。これに、先ほどの『au PAYゴールドカード』×『au PAY決済』を組み合わせれば、最大で2.5%還元になります。1回1回の買い物は少額でも、積もり積もると大きな差になるので、この差は無視できません。

以前は『au PAY』とポイントカードの『Pontaカード』の2種類のバーコードをレジで読み込む必要がありましたが、2022年11月からローソンでは『au PAY』のバーコードだけでポイントカードの提示が不要になりました。この2度手間が省けたのは、ヘビーユーザーとしては地味ながら見逃せない変化でした」

4 au PAYマーケットの「ポイント交換所」はかなりおトク

日用品からグルメ、ファッションなどあらゆるモノが揃うau系のネットショッピングサイトの「au PAYマーケット」と「au PAYカード」の相性もいいようです。

「『au PAYマーケット』では、一般カードの『au PAYカード』で支払った場合は合計で最大7%(通常1%+au PAYカードの支払い0.5%+その他特典合計最大5.5%)、『au PAYゴールドカード』で支払った場合は、これにゴールドカード特典の2%を加えた合計最大9%のPontaポイントが還元されます。前回の記事(下記関連記事参照)でも触れましたが、『au PAYマーケット』は、ほかのメジャー系ショッピングサイトに知名度では及ばないものの、送料や得られるポイントを考慮すると一番おトクに買えるケースもあり利用する機会が増えています。

『au PAYマーケット』でさらにおトクになるのが、交換することでポイントが増える『お得なポイント交換所』という機能です。これは、持っている『Pontaポイント』を『Pontaポイント(au PAYマーケット限定)※有効期限あり』に交換することで、ポイントが最大で1.5倍に増えるサービスです。使える場所が『au PAYマーケット』に限定されますが、なかなかおトクなので使わない手はないと思います」

5 au版「Amazonプライム」も活用

上記の「au PAYマーケット」をさらにおトクにするサービスが、「auスマートパスプレミアム」です。

「『auスマートパスプレミアム』は、月額548円で、映像・音楽・書籍などのエンタメコンテンツや、数多くの特典が利用できるサブスクサービスです。位置付けとしては、au版の『Amazonプライム』といったところでしょうか。ポイントを増やす面ではメリットがありませんが、『povo』のところで話したように、トータルで見て利用する価値のあるサービスだと思っています。たとえば、『au PAYマーケット』の一部商品(サイト内でプレミアムと表示されたもので、対象商品はかなり多い印象です)の送料が無料になる特典や、『毎月もらえるローソンの250円引きクーポン』など、私の利用スタイルの中でおトクに使えるものが多く、月額利用料以上のメリットがあります」

まとめ:得られるポイントはまだまだ魅力的。ただしルールの変化には今後も注意

2022年12月のクレジットカードの「改悪」によって魅力が薄れた「au経済圏」ですが、こうして見てみると、まだまだポイント獲得の魅力がある経済圏だということがわかります。その鍵となるのが、「au経済圏」でのポイ活の多くに関係している「au PAYゴールドカード」の存在でしょう。年会費が11,000円と高額なのはネックですが、auの携帯を含め、au系インフラサービスなどを集約して使える人にとっては保有するメリットが見出せそうな1枚です。気になる人は、獲得予定ポイントと年会費の収支をシミュレーションしてみるといいかもしれません。

ただし、記事冒頭で触れたとおり、「au経済圏」はここのところポイント付与の条件の変更が続いており、今後も継続的なチェックが欠かせません。当メディアでも随時それらの変化を「キャッシュレス連載」などでお伝えしていく予定ですので、本記事と合わせて参考にしていただき、うまく「au経済圏」を使いこなしていただければと思います。

価格.comマネー編集部

価格.comマネー編集部

投資・資産運用・保険・クレジットカード・ローン・節約に至るまで、マネーに関する情報を毎日収集。「知らないで損するなんてもったいない」をモットーに、読者のためになる記事を制作します!

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