「投資なんてこれまでやったことがない」という方も、「NISA(ニーサ)」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
NISAは一定の条件の基、投資で得られた利益に対して本来発生する約20%の税金が非課税(ゼロ)になる制度です。このNISAが2024年から大きく変わり、非常にわかりやすく、使いやすい制度に生まれ変わります。そこで、
「NISAとはそもそもどういう制度なの?」
「現状のNISAの仕組みは?」
「2024年からNISAの何が変わるの?」
といった疑問を、主に投資未経験者の方に向けて動画で解説していきます。
NISAは2014年に始まった資産形成を支援する制度で、正式名称は「少額投資非課税制度」と言います。通常、株式や投資信託などに投資し、得られた「値上がり益」や企業からの「配当金」には20.315%の税金がかかってきます。たとえば、100万円で購入した企業Aの株を200万円に値上がりした段階で売却した場合、譲渡益の100万円に対し約20万円の税金が発生します。しかし、あらかじめつくって置いたNISA口座で売買をすれば、この分の税金がかかってきません。
今のNISAは「一般NISA」と「つみたてNISA」に加え、未成年対象の「ジュニアNISA」の3種類(「ジュニアNISA」は2023年末での終了が決定しています)。「つみたてNISA」は長期・積立投資に対応した制度で、年間の投資上限額は40万円(毎月、積み立てた場合だと約33,000円)。非課税で運用できる期間は20年間となっています。投資できる商品も、コストや長期投資に向いているかどうかなどを基に、国が定めた基準をクリアした投資信託とETF(上場投資信託)に限られています。
いっぽうの「一般NISA」は積み立てだけではなく、一括投資も可能で、投資できる商品も幅広く個別株も対象になっています。そして、年間の投資上限額は「つみたてNISA」の3倍の120万円ですが、非課税で運用できる期間は5年間となっています。こうしたことから、「つみたてNISA」は積み立てでコツコツ投資をしたい初心者向き、「一般NISA」はより大きな金額や一括投資をしたい中級者・上級者向けの制度とも言えそうです。
積立投資でどのくらいの利益が得られるのか、なかなかイメージがつきにくいかもしれません。そこで動画では、金融庁の資産運用シミュレーションを使って、毎月1万円を20年間(240か月)にわたって積み立て、年率3%で運用できたときの結果も紹介。この場合だと、元本240万円に対し収益は約88万円、総額では328万円になるという結果になりました。これをつみたてNISA口座で運用していれば、収益約88万円に対する約20%分の税金(約17万6,000円)が非課税になります。
参考HP:金融庁「資産運用シミュレーション」
出典:金融庁「資産運用シミュレーション」
2024年からの新NISAで大きく変わる点を、動画では4つのポイントに分けて説明。
ひとつ目のポイントが、現NISAは期間限定の制度(新規に投資できる期間が限られている)ですが、これが恒久化され、さらには、非課税で保有できる期間も無期限になること。2つ目が、現状では認められていない一般NISAとつみたてNISAの併用が可能になること。3つ目が、年間の投資上限額が最大360万円と大幅にアップすること。4つ目が、新たにひとりが一生涯で投資可能な「生涯投資枠(1800万円)」が導入され、この枠は売却すると翌年には元本ベースで復活するという点を中心に紹介しています。
このように、動画では現NISAの概要と2024年からの変更点に加え、NISAの申し込み方法なども紹介しているので、ぜひご覧ください。
新聞社で企業や地方財政などを中心に幅広く取材。現在は「価格.com マガジン」でクレジットカードや投資、運用などを含めたマネー関連記事の編集、執筆を担当。