格安SIMの通信速度を徹底調査
「サブブランド」の速度に変化

【2019年6月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2019年6月の調査では、快調だった「サブブランド」の速度に変化が見られた。

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目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素のひとつと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は東京駅周辺では2019年6月3日(月)、佐久平周辺では6月4日(火)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類だ。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(10社)の格安SIM
1.ワイモバイル
2.UQ mobile
3.BIGLOBEモバイル(回線:タイプD
4.OCN モバイル ONE
5.楽天モバイル(回線:ドコモ
6.mineo(回線:Dプラン / Aプラン / Sプラン)※Sプランを2018年10月追加
7.IIJmio(みおふぉん)(回線:タイプD
8.イオンモバイル(回線:ドコモ
9.DMM mobile
10.LINEモバイル(回線:ドコモ

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年6月3日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2019年6月3日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが3.76Mbps(先月は3.60Mbps)、上りが7.49Mbps(同8.13Mbps)だった。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの22.87Mbps、UQ mobileの15.19Mbpsが目立つ。ほかの回線はmineo(Aプラン)の1.63Mbpsを除いて1Mbps未満だ。上り通信速度は、ワイモバイルの17.80Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が1.91Mbps(同1.89Mbps)。回線別ではワイモバイルの10.21Mbps、UQ mobileの9.38Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年6月4日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2019年6月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが6.78Mbps(先月は5.97Mbps)、上りが8.89Mbps(同7.73Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが37.64Mbps、UQ mobileが35.92Mbpsで、前日の東京駅周辺よりも速かった。サブブランド以外で1Mbps以上を記録した回線も3つある。上り通信速度はワイモバイルの23.08Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.46Mbps(同4.20Mbps)。回線別ではUQ mobileの13.39Mbps、ワイモバイルの10.74Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 IIJmio(みおふぉん)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年6月3日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2019年6月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが10.76Mbps(先月は11.04Mbps)、上りが9.75Mbps(同10.28Mbps)だった。

回線別の下り通信速度では、mineo(Sプラン)の35.84Mbpsが一番速く、ワイモバイルの26.56Mbps、UQ mobileの15.48Mbps、mineo(Aプラン)の14.54Mbpsがこれに続く。上り通信速度はワイモバイルの20.60Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が5.55Mbps(同8.02Mbps)。回線別ではmineo(Sプラン)の19.04Mbps、ワイモバイルの11.28Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年6月4日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2019年6月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが15.66Mbps(先月は13.55Mbps)、上りが7.34Mbps(同8.93Mbps)だ。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルの40.94Mbpsをはじめ、mineo(Aプラン)が31.95Mbps、mineo(Sプラン)が31.86Mbps、UQ mobileが31.73Mbpsと、ドコモ回線以外の格安SIMが速い。上り通信速度はワイモバイルの22.35Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が7.53Mbps(同9.76Mbps)。回線別では、ワイモバイルの17.91Mbps、UQ mobileの15.33Mbps、mineo(Aプラン)の13.43Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年6月3日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2019年6月3日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が4.12Mbps(先月は4.22Mbps)、上りが4.81Mbps(同11.21Mbps)。先月よりも上りが大きく減速している。

回線別の下り通信速度では、UQ mobileの22.47Mbps、ワイモバイルの10.40Mbpsが速い。上り通信速度はmineo(Sプラン)の14.87Mbps、ワイモバイルの14.01Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.12Mbps(同2.52Mbps)。回線別ではUQ mobileの16.48Mbps、ワイモバイルの11.91Mbpsが10Mbpsを上回っていたが、全体の半分にあたる6回線は1Mbpsを下回っていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年6月4日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2019年6月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが5.62Mbps(先月は9.07Mbps)、上りが6.85Mbps(同7.15Mbps)だ。

回線別の下り通信速度では、UQ mobileの33.84Mbpsが目立つ。ワイモバイルは15.91Mbpsだった。上り通信速度はmineo(Aプラン)の14.14Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.14Mbps(同3.98Mbps)。回線別ではUQ mobileの10.72Mbps、ワイモバイルの7.14Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 BIGLOBEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 mineo(Aプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2019年5月)と先々月(2019年4月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回は、先月2位だったUQ mobileが再び1位に。速度は25.77Mbps(先月は22.51Mbps)で、先月よりも少し速かった。2位は先月1位のワイモバイルで、速度は25.72Mbps(同31.32Mbps)だ。

3位は先月に続きmineo(Sプラン)で、速度は12.09Mbps(同10.84Mbps)だった。4位はmineo(Aプラン)の8.75Mbps(同7.02Mbps)となっており、ドコモ回線以外の4回線が先月に続いて上位を占めている。

12回線全体の平均は、7.78Mbps(同7.91Mbps)。やや落ちてはいるものの、先月とほぼ同じレベルの速度だった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今回の1位から3位までの順位は、先月と同じだ。1位のワイモバイルは18.44Mbps(先月は19.51Mbps)、2位のmineo(Sプラン)は14.74Mbps(同15.49Mbps)、3位のmineo(Aプラン)は10.01Mbps(同9.12Mbps)だった。

12回線全体の平均は、7.52Mbps(同8.90Mbps)。上り通信速度は昨年9月からしばらく増速傾向が続いていたが、今年度に入ってからは減速傾向へと転じている。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

今回の結果は、1位から5位までの順位が先月と同じだった。1位はUQ mobileで、速度は11.90Mbps(先月は16.55Mbps)。4月、5月と速度調査開始以来の最速記録を更新してきたUQ mobileだが、今月は今年に入って一番遅い速度となった。

2位はワイモバイルの11.53Mbps(同15.97Mbps)、3位はmineo(Sプラン)の4.86Mbps(同7.99Mbps)。いずれもUQ mobileと同様に、先月から速度を落としている。

12回線全体の平均は、3.78Mbps(同5.06Mbps)。ランキング上位の回線が速度を落としたことも影響して、今年に入って一番遅い結果となった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

3月から4月を中心とした春商戦の時期は、格安SIMのユーザーが増えるタイミングでもある。大型連休明けに実施した先月(5月)の調査では、特にNTTドコモのネットワークを利用する格安SIMにおいて速度の低下が顕著だった。

今月もその影響は続いており、ドコモ回線を使う格安SIMの速度はほぼ横ばい。なかにはイオンモバイルやDMM mobileのように、先月よりも減速した回線もあった。

これに対し、「サブブランド」と呼ばれるワイモバイルとUQ mobileは、春商戦の時期でも調査開始以来最速を記録するほどに速度を伸ばし続けてきた。しかし、今月はついにこの2回線も減速。Google Playストアからのアプリダウンロード速度は、今年に入って最も遅い結果となった。

昨年のデータを振り返ると、春商戦後に低下した速度が回復し始めるのは、年末に近付いてからだった。サブブランドもそれ以外の格安SIMもおおむね同じような動きをしており、6月の通信速度が以後半年間の速度を占うような傾向を示している。

各社ともネットワークの増強は実施していくはずだが、今年も昨年と同じような動きとなるのであれば、これから半年ほどの間は現在と同程度の通信速度が続くことになる。

次回の調査は2019年7月上旬を予定している。底を打ったと思われる各社の速度がどのように推移するのか、来月の結果に注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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