格安SIMの通信速度を徹底調査
ワイモバイルがカムバック(佐久平のみでの調査)

【2020年11月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年11月4日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、ワイモバイルが前回よりも大幅な増速を示す結果となった。

11月の格安SIM速度比較

11月の格安SIM速度比較


1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は11月4日(水)。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年11月4日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年11月4日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが6.12Mbps(先月は5.75Mbps)、上りが8.52Mbps(同7.08Mbps)だ。回線別に見ると、下り通信速度はワイモバイルの37.70Mbpsが速く、UQ mobileの11.33Mbps、LinksMateの10.04Mbpsがこれに続く。上り通信速度はLINEモバイルの20.53Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が4.74Mbps(同1.93Mbps)で、前回と比べて約2.5倍速くなっている。回線別に見ると、ワイモバイルの13.19Mbps、UQ mobileの10.55Mbps、mineo(Sプラン)の8.80Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Sプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年11月4日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年11月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが16.88Mbps(先月は14.78Mbps)、上りが6.99Mbps(同7.50Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの64.56Mbpsが速く、UQ mobileの23.07Mbps、LINEモバイルの20.65Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの20.52Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が8.00Mbps(同8.00Mbps)で、前回と同じ値だった。回線別ではワイモバイルの22.57Mbps、LINEモバイルの13.17Mbps、UQ mobileの10.55Mbps、mineo(Sプラン)の10.18Mbpsの順に速い。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LINEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 UQ mobile

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年11月4日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年11月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが10.53Mbps(先月は9.71Mbps)、上りが6.25Mbps(同6.11Mbps)だ。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの78.25Mbpsが際立って速く、UQ mobileの16.90Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の7.81Mbps、LinksMateの6.48Mbpsと続く。上り通信速度もワイモバイルの20.91Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.90Mbps(同3.29Mbps)だ。回線別ではワイモバイルの14.26Mbps、UQ mobileの5.03Mbps、mineo(Aプラン)の4.67Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2020年10月)と前々回(2020年9月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの60.17Mbps(前回は17.72Mbps)、2位はUQ mobileの17.10Mbps(同21.64Mbps)だった。上位2回線をサブブランドが占める状況に変化はないものの、UQ mobileが2割ほど遅くなったのに対し、ワイモバイルが前回よりも大幅に増速している。

3位はLinksMateの10.83Mbps(同10.96Mbps)で、2020年8月以来のランクインとなった。12回線全体の平均速度は11.18Mbps(同10.08Mbps)で、前回よりも1Mbpsほど速かった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの18.12Mbps(前回は10.73Mbps)、2位はLINEモバイルの11.14Mbps(同13.51Mbps)、3位はUQ mobileの8.68Mbps(同8.85Mbps)だった。UQ mobileが3位以内にランクインするのは2位だった2020年8月以来となる。12回線全体の平均は7.25Mbps(同6.89Mbps)だった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの16.67Mbps(前回は8.14Mbps)、2位はUQ mobileの8.71Mbps(同9.41Mbps)だった。RBB SPEED TESTの下り平均速度と同様にワイモバイルが大幅に速度を増したいっぽう、UQ mobileはやや減速した。

3位はmineo(Aプラン)の7.05Mbps(同3.69Mbps)だった。12回線全体の平均は5.55Mbps(同4.40Mbps)で、5.52Mbpsだった2020年7月以来の水準まで増速している。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回2020年11月の速度調査では、RBB SPEED TESTの下り平均速度と上り平均速度、Playストアからのアプリダウンロード平均速度がすべて前回よりも速くなった。特に、前回10月の調査において減速が目立ったサブブランドのワイモバイルは今回の調査で大幅に増速しており、下り通信速度は12時台、14時台、18時台すべてで一番速い。

ほかの回線でもBIGLOBEモバイル、mineoの3回線、イオンモバイル、LINEモバイルにおけるPlayストアからのダウンロード速度が前回よりも速くなっており、ワイモバイルの増速とあわせて平均速度を押し上げている。いっぽう、もうひとつのサブブランドであるUQ mobileは前回と比べて1〜2割遅い結果となった。

次のグラフは2019年10月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。格安SIMの通信速度は毎年夏頃が遅く、アップルの「iPhone」シリーズ新モデルが登場する秋から年末にかけて増速していく傾向にある。実際の利用環境の例としているPlayストアからのアプリダウンロード平均速度は2020年8月に底を打ってから増速傾向にあり、例年通りであれば2020年12月〜2021年1月頃にかけてこのまま増速し続けることが予想される。

12回線全体の平均速度推移(2019年10月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年10月以降、佐久平駅周辺のみ)

次回の調査は2020年12月上旬を予定している。新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた今年の締めくくりとなる次回の通信速度がどのように推移するのか、引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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