格安SIMの通信速度を徹底調査
サブブランドの明暗分かれる。UQ mobileは好調、ワイモバイルは低調

【2020年2月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年2月4日・5日に実施した今回は、全体的に速度が持ち直しつつある状況が明らかになった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

通信速度の測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。東京駅周辺では2020年2月4日(火)、佐久平駅周辺では2月5日(水)に調査を実施した。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE
楽天モバイルドコモ回線
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2020年2月4日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2020年2月4日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが2.36Mbps(先月は4.14Mbps)、上りが5.97Mbps(同7.90Mbps)だった。回線別の下り通信速度はUQ mobileの12.34Mbps、LinksMateの6.13Mbps、mineo(Dプラン)の2.78Mbpsが速く、ワイモバイルは1.41Mbpsだった。上り通信速度はワイモバイルの9.90Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が0.78Mbps(同1.30Mbps)。回線別に見てみると、1Mbpsを上回ったのはUQ mobileの2.94Mbps、LinksMateの1.62Mbpsのみだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 mineo(Dプラン)

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年2月5日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年2月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが8.80Mbps(先月は9.58Mbps)、上りが7.17Mbps(同8.24Mbps)だ。回線別の下り通信速度はUQ mobileの68.65Mbpsがほかの11回線を大きく引き離しており、ワイモバイルの20.57Mbps、LinksMateの8.91Mbpsがこれに続く。上り通信速度はmineo(Sプラン)の13.09Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が2.01Mbps(同1.87Mbps)。回線別ではワイモバイルの10.84Mbps、UQ mobileの8.18Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 LinksMate

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2020年2月4日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2020年2月4日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが39.89Mbps(先月は32.26Mbps)、上りが7.32Mbps(同6.19Mbps)。回線別の下り通信速度は、OCN モバイル ONEの96.59Mbpsとイオンモバイルの90.94Mbpsが、平均でも100Mbpsに迫る速さを示した。上り通信速度はOCN モバイル ONEの10.72Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が8.54Mbps(同6.54Mbps)。回線別ではイオンモバイルの20.30Mbps、OCN モバイル ONEの18.98Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 OCN モバイル ONE
2位 イオンモバイル
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 イオンモバイル
2位 OCN モバイル ONE
3位 mineo(Aプラン)

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年2月5日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年2月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが25.23Mbps(先月は12.23Mbps)、上りが8.13Mbps(同8.13Mbps)。回線別の下り通信速度はワイモバイルの79.19Mbps、mineo(Aプラン)の54.04Mbps、mineo(Sプラン)の52.13Mbps、UQ mobileの48.49Mbpsが速く、NTTドコモ回線が速かった東京駅周辺とは対照的だ。上り通信速度はワイモバイルの17.47Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が8.85Mbps(同6.52Mbps)。回線別ではmineo(Sプラン)が19.74Mbps、ワイモバイルが16.92Mbps、LINEモバイルが15.80Mbps、UQ mobileが15.78Mbpsとなっており、実際の利用環境でもau回線やソフトバンク回線の格安SIMが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 mineo(Sプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 ワイモバイル
3位 LINEモバイル

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2020年2月4日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2020年2月4日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が18.90Mbps(先月は12.60Mbps)、上りが8.38Mbps(同7.02Mbps)となっており、下り通信速度が先月の1.5倍まで速くなった。

回線別の下り通信速度はBIGLOBEモバイルが93.23Mbpsと速く、UQ mobileの43.22Mbps、mineo(Dプラン)の28.99Mbps、LinksMateの27.23Mbpsがこれに続く。上り通信速度はワイモバイルの14.31Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.23Mbps(同1.98Mbps)。回線別に見るとUQ mobileの7.10Mbps、ワイモバイルの3.88Mbps、LinksMateの3.59Mbpsが速い。BIGLOBEモバイルは1.26Mbpsにとどまった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 BIGLOBEモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Dプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LinksMate

最後は、佐久平駅周辺における18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年2月5日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年2月5日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが6.74Mbps(先月は9.10Mbps)、上りが8.02Mbps(同7.01Mbps)。回線別の下り通信速度はUQ mobileの26.48Mbpsが最も速く、BIGLOBEモバイルの10.27Mbps、ワイモバイルの8.14Mbpsが続く。上り通信速度はLINEモバイルの12.01Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が2.59Mbps(同3.16Mbps)。回線別ではUQ mobileの15.83Mbpsがほかの回線よりも大幅に速く、LinksMateとワイモバイルがどちらも3.32Mbpsでこれに続いた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 BIGLOBEモバイル
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 LinksMate
3位 ワイモバイル

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2020年1月)と先々月(2019年12月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月の1位は2019年10月以来となるUQ mobileで、速度は36.17Mbps(前回は22.80Mbps)。2位だった前回からは5割以上速くなっている。2位は前回1位だったBIGLOBEモバイルで、速度は30.33Mbps(同29.05Mbps)だ。

3位は2017年12月の速度調査開始以来初のトップ3入りとなるmineo(Dプラン)で、速度は21.35Mbps(同13.29Mbps)。12回線全体の平均は16.99Mbps(同13.32Mbps)で、直近5か月間では最も速くなった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今月も1位から3位までは前回と同じ顔ぶれだ。1位はワイモバイルの12.13Mbps(前回は11.01Mbps)、2位はmineo(Sプラン)の9.64Mbps(同9.04Mbps)、3位はLINEモバイルの9.44Mbps(同10.65Mbps)となっている。

トップ3をソフトバンク回線が占める状況は2019年10月から5か月連続で続いている。12回線全体の平均は7.50Mbps(同7.42Mbps)で、前回とほぼ同じだった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は前回に続きUQ mobileで、速度は前回と比べて1割速い9.90Mbps(前回は9.00Mbps)だった。2位も前回と同じワイモバイルで、速度は6.68Mbps(同6.37Mbps)だ。1位と2位をサブブランドの2回線が占める状況は、2018年11月から1年以上続いている。

3位は2018年4月以来のランクインとなるイオンモバイルで、速度は5.18Mbps(同3.64Mbps)だった。12回線全体の平均は4.17Mbps(同3.56Mbps)で、2019年10月と同じ速度まで回復している。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

前回2020年1月の速度調査では、RBB SPEED TESTの下り平均速度が伸びていたのに対して、Playストアからのアプリダウンロード平均速度は逆に減速。年度末の商戦期に向けたネットワーク増強の効果が限定的であることを示唆していた。

いっぽう今回はアプリのダウンロード速度も増速に転じており、下り通信速度は全体的に持ち直しつつある様子がうかがえる。前回と今回のRBB SPEED TEST下り通信速度およびPlayストアのアプリダウンロード速度を回線別に比べてみると、ほぼすべての回線において、どちらも横ばいか増速していることが明らかになった。

少し気になるのは、サブブランドのひとつであるワイモバイルだ。前々回(2019年12月)から前回にかけて大幅に遅くなったアプリダウンロード速度は今回も横ばいで推移しており、RBB SPEED TESTの下り通信速度は12回線で唯一前回から減速している。上り通信速度は好調だが、下り通信速度については若干厳しい状況が続く可能性がある。

もうひとつのサブブランドであるUQ mobileは、今回RBB SPEED TESTの下り通信速度が調査開始以来2番目となる速さを記録。アプリのダウンロード速度も回復しつつあり、サブブランドのなかでも明暗が分かれた形だ。

次回の調査は2020年3月上旬を予定している。令和初の年度末商戦を迎えた各回線の速度がどのように推移するのか、来月の結果にも注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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