格安SIMの通信速度を徹底調査
新年度に向けて各社スピードアップ(佐久平のみでの調査)

【2021年2月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2021年2月2日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、前回1月に一段落した増速傾向が再開した様子が明らかになった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみで調査した。調査日は2月2日(火)。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年2月2日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2021年2月2日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが11.24Mbps(先月は6.87Mbps)、上りが7.46Mbps(同6.73Mbps)で、下りは前々回の2020年12月に対して半分程度まで遅くなった前回2021年1月から持ち直している。回線別に見ると、下り通信速度はワイモバイルの76.07Mbpsが最も速く、UQ mobileの28.99Mbps、OCN モバイル ONEの10.97Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの23.57Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が4.18Mbps(同3.28Mbps)だ。回線別ではワイモバイルの14.38Mbpsが速く、mineo(Aプラン)とUQ mobileがどちらも10.63Mbpsだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 UQ mobile

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年2月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2021年2月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが20.79Mbps(先月は19.42Mbps)、上りが9.00Mbps(同6.79Mbps)で、下りの速度は前回と大きくは変わらない。回線別に見ると、下り通信速度はLINEモバイルの83.52Mbps、ワイモバイルの61.28Mbps、UQ mobileの29.12Mbpsの順に速い。上り通信速度はワイモバイルの22.79Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.11Mbps(同7.89Mbps)で、こちらも前回からほとんど変わっていない。回線別ではワイモバイルの14.49MbpsとLINEモバイルの12.16Mbpsが速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 LINEモバイル
2位 ワイモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 mineo(Sプラン)

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年2月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2021年2月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが18.63Mbps(先月は13.46Mbps)、上りが7.31Mbps(同6.02Mbps)で、下りは前回から5Mbpsほど速くなった。回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルの66.79Mbps、LINEモバイルの58.69Mbpsが速く、UQ mobileの22.01Mbps、mineo(Aプラン)の18.33Mbps、mineo(Sプラン)の14.26Mbpsがこれに続く。上り通信速度もワイモバイルの18.32Mbpsが最も速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が7.62Mbps(同6.76Mbps)で、こちらも前回から1Mbpsほど速くなっている。回線別ではワイモバイルの17.74Mbps、LINEモバイルの15.96Mbps、mineo(Sプラン)の11.40Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 LINEモバイル
3位 mineo(Sプラン)

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2021年1月)と前々回(2020年12月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はワイモバイルの68.05Mbps(前回は42.81Mbps)、2位はLINEモバイルの48.90Mbps(同35.91Mbps)で、どちらも前回1月と比べて1.5倍ほど増速している。LINEモバイルは暫定的に佐久平駅周辺のみでの速度調査に切り替えた2020年3月以降では前回初めて3位以内にランクインしており、今回も前回と同じ2位をキープしている。

3位はUQ mobileの26.71Mbps(同18.43Mbps)だ。UQ mobileは前々回2020年12月の速度を上回ったが、前々回以降の増速が目立つLINEモバイルに次ぐ3位を維持する形になった。12回線全体の平均速度は16.89Mbps(同13.25Mbps)だった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの21.56Mbps(前回は12.20Mbps)、2位はLINEモバイルの15.90Mbps(同11.32Mbps)、3位はmineo(Sプラン)の11.05Mbps(同10.38Mbps)で、上位3回線の顔ぶれと順位は前回と同じ。12回線全体の平均は7.92Mbps(同6.51Mbps)だった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの15.54Mbps(前回は13.82Mbps)、2位はLINEモバイルの10.63Mbps(同11.37Mbps)だった。どちらも前回と同じ順位だが、LINEモバイルがほぼ横ばいであるのに対し、ワイモバイルは2Mbps近く増速している。

3位はUQ mobileの8.86Mbps(同7.56Mbps)で、2位だった2020年11月以来久々に3位以内にランクインした。ただ、8Mbps台にはほかにもmineoのSプランやAプランがあり、実質的にはこの3回線で同程度の速度だったことになる。12回線全体の平均は6.30Mbps(同5.97Mbps)で、前々回とほぼ同じ速度に戻っている。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

2021年最初の調査だった前回1月は前々回の2020年12月まで継続していた増速傾向がいったんストップしたが、今回2月の調査では年度末の商戦期に向けて再び増速に転じつつある様子が明らかになった。RBB SPEED TESTの下り平均速度と上り平均速度、Playストアからのアプリダウンロード平均速度はいずれも前回から増速しており、前々回に次ぐ水準となっている。

回線別に見ると、サブブランドのワイモバイルとUQ mobile、mineo(Dプラン)、LinksMateの4回線において、RBB SPEED TESTの上り・下りとアプリダウンロードのすべてが前回よりも速くなっている。実際の利用環境の例としているアプリのダウンロード速度に限れば、半数以上の7回線が前回から増速する結果となった。

以下のグラフは2020年1月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだ。格安SIMの平均速度は年明けにいったん減速し、その後は春に向けて増速する傾向にある。現在は新型コロナウイルス感染症の流行にともなう2度目の緊急事態宣言が一部地域に発出されている状況下にあるが、ニューノーマルにおいても年度末は生活環境が変化する時期であり、このタイミングで活発化する新規契約やMNP(携帯電話・PHS番号ポータビリティー)制度を利用した乗り換えに対応するべく増速傾向が続くと予想される。

12回線全体の平均速度推移(2019年12月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年12月以降、佐久平駅周辺のみ)

次回の調査は2021年3月上旬を予定している。年度末に向けた通信速度の推移に引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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