格安SIMの通信速度を徹底調査
12回線すべてが減速傾向

【2018年7月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

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大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを調べるべく、人気12回線の通信速度を調査。2018年7月の調査では、全体的な速度の低下が明らかになった。


目次
1.【はじめに】通信速度の調査方法
2. 速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?
3. 比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?
4. 帰宅時間帯の18時台の測定結果は?
5. すべての時間帯における総合結果は?
6.【さいごに】今回の結果まとめ

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。

ただし、その度合いは通信会社ごとに異なり、重要な比較要素の1つと言える。本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO11社12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査している。

なお、今回の測定は佐久平駅周辺が2018年7月2日(月)、東京駅周辺では7月3日(火)に実施。使用した端末はファーウェイの「P10 lite」だ。

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

調査にはファーウェイのSIMフリースマートフォン、P10 liteを使用

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分半が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの通信速度から平均速度を求めている。

調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類。なお、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していない。

●調査した12種類(11社)の格安SIM
・ワイモバイル
・UQ mobile
・BIGLOBEモバイル(タイプD)
・OCN モバイル ONE
・楽天モバイル
・mineo(Dプラン)
・mineo(Aプラン)
・IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
・イオンモバイル
・DMM mobile
・LINEモバイル
・nuroモバイル

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台について、東京駅周辺の結果からだ。

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年7月3日実施。単位はMbps、以下同様)

東京駅周辺における12時台の測定結果(2018年7月3日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの12回線全体の平均は、下りが2.62Mbps(先月は3.07Mbps)、上りが8.50Mbps(同6.83Mbps)。上りは先月よりも速くなっているが、下りは1割ほど遅くなった。

回線別の下り通信速度は、先月とほぼ同じ21.46Mbpsだったワイモバイルがほかの11回線に大きな差を付けており、UQ mobileの3.30Mbps、楽天モバイルの3.24Mbpsが続く。上り通信速度はワイモバイルが13.72Mbps、OCN モバイル ONEが13.48Mbps、楽天モバイルが13.46Mbpsだ。

アプリのダウンロード速度は、12回線全体の平均が0.49Mbps(同0.47Mbps)と、先月とほぼ変わらず。回線別ではワイモバイルとUQ mobileがともに1.24Mbpsだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

続いて、佐久平駅周辺における12時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年7月2日実施)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2018年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが5.38Mbps(先月は4.86Mbps)、上りが5.21Mbps(同6.64Mbps)。下りは若干速くなったが、上りは遅くなっている。

回線別の下り通信速度はサブブランドが非常に好調で、ワイモバイルが31.99Mbps、UQ mobileが29.62Mbpsだった。上り通信速度はワイモバイルの15.28Mbpsが最も速く、UQ mobileの7.19Mbps、mineo(Aプラン)の6.91Mbpsが続く。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が0.81Mbps(同1.09Mbps)で、12時台の佐久平駅周辺としては2018年4月以来の1Mbps割れとなった。回線別ではUQ mobileが3.84Mbps、ワイモバイルが3.46Mbpsと安定していたが、ほかの10回線は1Mbpsを下回った。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年7月3日実施)

東京駅周辺における14時台の測定結果(2018年7月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが10.61Mbps(先月は20.86Mbps)、上りが9.47Mbps(同9.95Mbps)。上りは先月と同程度だが、下りは10Mbpsも遅くなってしまった。

回線別の下り通信速度では、14時台の東京駅周辺で速度が落ちやすいワイモバイルが、今月は39.70Mbpsを発揮。先月40Mbps台だったOCN モバイル ONEやmineo(Dプラン)は10Mbps以下だった。上り通信速度はワイモバイルが16.92Mbps、nuroモバイルが15.02Mbps、LINEモバイルが13.58Mbpsと、下りほどの差は見られない。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.76Mbps(同3.88Mbps)で、先月の半分以下に。回線別ではmineo(Dプラン)が3.78Mbps、OCN モバイル ONEが3.12Mbps、DMM mobileが2.29Mbpsとなっており、サブブランドのワイモバイルとUQ mobileは1Mbpsを割り込んだ。特にワイモバイルは12回線中で最も遅く、RBB SPEED TESTの結果との差が大きい。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Aプラン)
3位 イオンモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/東京駅周辺)
1位 mineo(Dプラン)
2位 OCN モバイル ONE
3位 DMM mobile

続いては、佐久平駅周辺における14時台の結果だ。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年7月2日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2018年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが11.04Mbps(先月は11.73Mbps)、上りが5.36Mbps(同7.10Mbps)で、下りは先月とほぼ同じだが、上りは2Mbpsほど遅い。

回線別の下り通信速度は、ワイモバイルが37.43Mbps、UQ mobileが27.18Mbpsとサブブランドが強いが、mineo(Aプラン)も25.86Mbpsと速い。上り通信速度はワイモバイルの12.15Mbpsにmineo(Aプラン)の9.11Mbps、UQ mobileの6.90Mbpsが続く。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が2.02Mbps(同4.08Mbps)で、ここでも先月の半分に減速。回線別ではmineo(Aプラン)が5.18Mbpsと最速で、イオンモバイルが3.34Mbps、LINEモバイルが2.50Mbpsだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Aプラン)
2位 イオンモバイル
3位 LINEモバイル

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

続いては、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。東京駅周辺から見てみよう。

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年7月3日実施)

東京駅周辺における18時台の測定結果(2018年7月3日実施)

RBB SPEED TESTにおける全体の結果は、下りの平均が2.71Mbps(先月は2.07Mbps)、上りは8.59Mbps(同8.42Mbps)。上りは先月と同程度だが、下りは若干速くなった。

回線別の下り通信速度はUQ mobileの20.35Mbpsが最も速く、楽天モバイルの3.04Mbps、ワイモバイルの1.71Mbpsと大きな差が開いている。上り通信速度はOCN モバイル ONEの16.17Mbpsをはじめ、ドコモ網を利用する回線の多くが10Mbps以上を記録した。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が0.93Mbps(同0.55Mbps)で、1Mbpsを割り込む状況は続いているものの、先月に対しては倍近く速くなった。回線別ではUQ mobileが2.58Mbps、ワイモバイルが2.50Mbpsと同水準で、LINEモバイルの1.76Mbps、楽天モバイルの1.13Mbpsが続く。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 楽天モバイル
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/東京駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LINEモバイル

最後に、佐久平駅周辺における18時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年7月2日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2018年7月2日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが4.61Mbps(先月は6.97Mbps)、上りが5.27Mbps(同7.53Mbps)と、上り・下りとも先月から2Mbpsほど減速しており、先々月(2018年5月)の数値に近い。

回線別の下り通信速度では、ワイモバイルが28.44Mbps、UQ mobileが19.22Mbpsと、やはりサブブランドが好調。ほかの10回線では楽天モバイルの1.77Mbpsが唯一1Mbpsを超えていた。上り通信速度はワイモバイルが9.64Mbpsで、UQ mobileの7.77Mbps、mineo(Aプラン)の7.41Mbpsなど、下りほどの差は見られない。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が1.88Mbps(同1.29Mbps)と、先月から4割近く増速。回線別ではワイモバイルが16.53Mbpsと抜きん出ており、UQ mobileは2.04Mbpsにとどまった。。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 楽天モバイル

5.すべての時間帯における総合結果は?

最後に、東京駅周辺と佐久平駅周辺のすべての時間帯における平均速度をもとに、ランキングを求めてみよう。各社の通信速度の推移がわかるように、先月(2018年6月)と先々月(2018年5月)の結果も併記している。

まずは、RBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月は、26.79Mbps(先月は22.53Mbps)のワイモバイルが2か月ぶりに1位となった。2位は先月1位だったUQ mobileで、速度は17.94Mbps(同24.19Mbps)。ワイモバイルが4Mbpsほど速くなった一方で、UQ mobileは7Mbps近くも速度を落としている。

3位は14時台が好調だったmineo(Aプラン)で、速度は6.70Mbps(同4.64Mbps)。4位の楽天モバイルとは3Mbps近い差が生じている。12回線全体の平均は6.16Mbps(同8.26Mbps)で、先月から2Mbps後退している。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位は11.82Mbps(先月は15.82Mbps)のワイモバイルで、2018年3月から半年近くトップを維持。2位はnuroモバイルの8.31Mbps(同7.72Mbps)、3位はOCN モバイル ONEの8.18Mbps(同8.31Mbps)だ。12回線全体の平均は7.07Mbps(同7.74Mbps)で、先々月から毎月0.7Mbpsずつ減速している。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はワイモバイルの4.38Mbps(先月は6.52Mbps)だ。2か月連続でトップとなったものの、先月からは2Mbps以上遅くなっている。2位はUQ mobileで、3位だった先月と同じ2.09Mbpsをキープ。先月2位だったDMM mobileは9位に退いている。

3位はmineo(Aプラン)で、速度は1.47Mbps(同1.19Mbps)。トップ3の顔ぶれはRBB SPEED TESTの下り通信速度とまったく同じだ。12回線全体の平均は、1.31Mbps(同1.89Mbps)。先月の時点では持ち直しつつあったものの、先月の上位陣が減速した影響が大きく、春商戦が明けて増速した先々月よりも遅くなってしまった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の調査では、12回線全体の減速傾向が気になった。これまで全体の速度をけん引してきたワイモバイルとUQ mobileが伸び悩んでいることも原因の1つだが、ドコモ網を利用する格安SIMの多くが先月より大幅に減速したことも影響している。

今月の平均速度を先月と比較すると、RBB SPEED TESTの下り通信速度は74.6%、アプリのダウンロード速度は69.4%まで低下。先月からおおむね3割ほど減速しており、速度の低下が目立った2018年4月の水準まで、あと1割ほどに迫っていることが気にかかる。

厳しい状況ではあるが、今月はmineoのAプランが輝いていた。12回線のなかでは唯一、RBB SPEED TESTとアプリのダウンロード速度がどちらも先月を上回っている。次回は2018年8月上旬に調査を予定しているが、ほかのMVNOも踏みとどまって速度を回復させられるのか、各社のネットワーク増強の結果に注目したい。

【関連情報】
・格安SIMカード比較 MVNO主要28社のプラン情報

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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