格安SIMの通信速度を徹底調査
下り通信速度は増速が続く(佐久平のみでの調査)

【2020年3月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?


大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年3月10日に実施した今回は、佐久平駅周辺だけでの結果となるが、年度末に向けて12回線全体の通信速度が引き続き増速傾向にあることが明らかになった。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO10社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし今回は、国内における感染の拡大が懸念されている新型コロナウイルス(COVID-19)の状況を考慮し、公共交通機関による長時間の移動を伴う東京駅周辺での調査を見合わせ、筆者の居住地である佐久市の佐久平駅周辺のみ3月10日(火)に調査を実施した。過去の調査に対して測定地点が少ないため、今回は参考記録となることをご容赦いただきたい。

測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。

調査した12種類(10社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCNモバイルONE
楽天モバイルドコモ回線
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果から。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年3月10日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年3月10日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが12.90Mbps(先月は8.80Mbps)、上りが7.90Mbps(同7.17Mbps)だ。回線別の下り通信速度は「サブブランド」の2回線が速く、UQ mobileが71.49Mbps、ワイモバイルが64.85Mbpsだった。上り通信速度はワイモバイルの17.88Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が2.78Mbps(同2.01Mbps)。回線別ではUQ mobileの15.25Mbps、ワイモバイルの13.07Mbpsが速い。サブブランド以外の回線で1Mbpsを上回ったのは、LinksMateの1.35Mbpsだけだった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LinksMate

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 ワイモバイル
3位 LinksMate

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年3月10日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年3月10日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが21.41Mbps(先月は25.23Mbps)、上りが7.13Mbps(同8.13Mbps)。回線別の下り通信速度はサブブランドだけでなくmineoなどの回線も速く、mineo(Sプラン)が45.69Mbps、UQ mobileが42.25Mbps、mineo(Aプラン)が37.86Mbpsだった。上り通信速度はmineo(Sプラン)の16.69Mbpsが速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が9.15Mbps(同8.85Mbps)。回線別ではUQ mobileの18.20Mbps、mineo(Sプラン)の16.37Mbps、LINEモバイルの12.97Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 mineo(Sプラン)
3位 LINEモバイル

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年3月10日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年3月10日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが13.80Mbps(先月は6.74Mbps)、上りが7.45Mbps(同8.02Mbps)。回線別の下り通信速度はワイモバイルの32.93Mbpsが最も速く、mineo(Sプラン)の23.84Mbps、UQ mobileの22.00Mbpsが続く。上り通信速度はUQ mobileの13.25Mbpsが一番速かった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が3.86Mbps(同2.59Mbps)。回線別ではワイモバイルの10.96Mbps、UQ mobileの8.25Mbps、イオンモバイルの6.74Mbpsの順に速かった。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 mineo(Sプラン)
3位 UQ mobile

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 イオンモバイル

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。今回は佐久平駅周辺のみで測定しているため、前回(2020年2月)と前々回(2020年1月)に実施した調査結果のうち、「東京駅周辺と佐久平駅周辺の結果をあわせた普段のランキング」にくわえて、「佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキング」との比較もチェックしてみたい。

まずは東京駅周辺の調査結果も含めた前回までのランキングと比べてみよう。最初はRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今月の1位は前回と同じUQ mobileで、速度は45.25Mbpsだった。2位は44.89Mbpsのワイモバイルで、UQ mobileとの差はほとんどなく、ほぼ同水準の平均速度を記録している。

3位はmineo(Sプラン)で、24.29Mbps。4位と5位もmineoが占めており、年度末に向けた増強の効果が現れたものとみられる。12回線全体の平均は16.04Mbpsだった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

今回は佐久平駅周辺のみで調査しているが、1位から3位までの順位は前回と同じだった。速度は1位のワイモバイルが14.25Mbps、2位のmineo(Sプラン)が12.97Mbps、3位のLINEモバイルが12.05Mbpsとなる。12回線全体の平均は7.49Mbpsだった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位は前回に続きUQ mobileで、速度は13.90Mbps。2位も前回と同じワイモバイルで、11.69Mbpsだった。今回もサブブランドが上位を占める状況に変化はない。

3位はmineo(Sプラン)で、6.15Mbpsだった。12回線全体の平均は5.26Mbpsとなっている。

6.佐久平駅周辺だけの結果を比べてみると?

続いて、佐久平駅周辺における調査結果だけを抜粋したランキングをRBB SPEED TESTの下り通信速度からチェックしてみよう。佐久平限定ではあるが、直近3か月間の傾向が見えてくるはずだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回のランキングはすでに触れたので割愛するが、佐久平駅周辺に限っては、1位のUQ mobileが前回2月から若干減速気味の横ばいで推移していることがわかる。2位のワイモバイルは速度を増していて、前々回の1月よりも速くなった。

今月の3位から5位を占めるmineoの各回線は、前々回から今回にかけて速度を増してきている。特にNTTドコモ回線を使うmineo(Dプラン)の増速が顕著だ。

12回線全体の平均も前回から2Mbpsほど増しており、年度末に向けて全体的に増速傾向にあるようだ。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

こちらは東京駅周辺も含めた結果と大きな違いはなく、12回線全体の平均速度も7Mbps台で推移している。上位にはソフトバンク回線の格安SIMであるワイモバイル、mineo(Sプラン)、LINEモバイルがランクインしやすい状況にも変わりはない。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度と同様に、1位のUQ mobileはほぼ横ばいで推移。2位のワイモバイルもアプリのダウンロード速度についてはここ3か月間ずっと横ばいの状況にある。12回線全体の平均速度も前回からの増速の幅は1Mbps未満だが、伸び率はRBB SPEED TESTの下り通信速度と同程度(1.2倍弱)となっている。

7.【さいごに】今回の結果まとめ

今回の速度調査は佐久平駅周辺だけでの実施となったが、RBB SPEED TESTの下り通信速度は増速し続けており、各事業者がネットワークの増強を継続している様子がうかがえた。前回と前々回における佐久平駅周辺の結果のみを抜粋して比較すると、Playストアからのアプリダウンロード平均速度の伸び率はRBB SPEED TESTと同程度になっており、増強の効果が現れているようだ。

ただし、調査を実施した3月10日は新型コロナウイルスに関連して全国的に学校が休校となったり、各地でイベントの開催が自粛されたりしている時期の最中にあたる。企業でも在宅などで業務を行うテレワークを実施しているところがあるため、外出先での通信需要そのものが普段よりも少なくなり、調査結果に影響を与えた可能性も考えられる。

最後に、今回の調査が佐久平駅周辺のみでの実施となったことについて、改めてお詫びを申し上げたい。家族を含む筆者の周辺にも呼吸器系や循環器系に持病を抱える者がおり、わが家でも休校措置の影響を受けている。また、仮に筆者自身がすでに感染していた場合、移動する際に居合わせた人々を感染させてしまう可能性もある。さまざまなリスクを可能なかぎり避けつつ欠測としない方法として、居住地である佐久平のみで実施させていただいた。どうかご容赦いただきたい。

次回の調査は2020年4月上旬を予定している。1か月後の状況はまだわからないが、普段通り東京駅周辺と佐久平駅周辺の2か所で定点調査が行えることを期待したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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