格安SIMの通信速度を徹底調査
10回線が前回よりも減速(佐久平のみでの調査)

【2020年6月】格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安い格安SIM。料金が安いのはうれしいが、肝心の通信速度は遅いと言われている。実際のところはどうなのかを探るべく、人気12回線の通信速度を調査。2020年6月3日に実施した今回も長野県佐久平駅周辺だけでの結果となるが、RBB SPEED TESTにおける下り通信速度の大幅な減速が確認された。

1.【はじめに】通信速度の調査方法

格安SIMは、時間帯や場所によって通信速度が遅くなりがちだ。たとえば、休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜、都市部のターミナル駅周辺のように人口が極端に集中する場所においては、通信が混雑して回線速度が低下しやすい。ただ、その度合いは通信会社ごとに異なっており、重要な比較要素のひとつと言える。

本調査では、人口密度の高い地域に東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域に長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、MVNO各社12種類の格安SIMの通信速度を調査している。

ただし、新型コロナウイルス(COVID-19)の状況を考慮し、今回も2020年3月から引き続いて筆者の居住地である長野県佐久市の佐久平駅周辺のみ6月3日(水)に調査を実施した。測定にはファーウェイの「P10 lite」を使用。調査方法は以下の2通りで、前回までの調査と同じだ。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出した。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用している。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出した。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求めている。

なお、調査の対象とした格安SIMは、以下の12種類となる。2020年4月から自社回線でのサービスを開始したことでMVNO回線の新規契約を終了した楽天モバイルに代わり、前回2020年5月はOCN モバイル ONEの「新コース」を加えて新旧両プランの比較も兼ねたが、今回からはOCN モバイル ONEを「新コース」のみに絞り、「旧プラン」に代わって「NifMo」を調査対象に加えている。

調査した12種類(9社)の格安SIM
ワイモバイル
UQ mobile
BIGLOBEモバイルタイプD
OCN モバイル ONE(新プラン)
mineo(Dプラン)
mineo(Aプラン)
mineo(Sプラン)
IIJmio(みおふぉん)モバイルサービスタイプD
イオンモバイルドコモ回線
LinksMate
LINEモバイルソフトバンク回線
NifMo

2.速度が遅くなりやすい昼休み、12時台の測定結果は?

調査結果を詳しく見ていこう。まずは休憩中のユーザーが利用することで混雑しやすい12時台の結果からだ。

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年6月3日実施。単位はMbps、以下同様)

佐久平駅周辺における12時台の測定結果(2020年6月3日実施。単位はMbps、以下同様)

RBB SPEED TESTの全体の平均は下りが8.31Mbps(先月は18.38Mbps)、上りが7.73Mbps(同8.01Mbps)で、下りが前回の半分以下になっている。

回線別に見てみると、下り通信速度はワイモバイルが30.13Mbps、UQ mobileが21.04Mbpsと、サブブランドの2回線が速い。NTTドコモ回線の格安SIMはBIGLOBEモバイルの14.05Mbps、LinksMateの13.63Mbpsといった速い事業者があるいっぽう、1Mbpsを切っている回線もいくつかみられる。上り通信速度はLINEモバイルの18.05Mbpsが一番速い。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が3.57Mbps(同4.64Mbps)。回線別ではワイモバイルの14.73Mbpsに次いでOCN モバイル ONE(新コース)が11.99Mbpsと速く、8.74MbpsのUQ mobileを上回っていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 UQ mobile
3位 BIGLOBEモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(12時台/佐久平駅周辺)
1位 ワイモバイル
2位 OCN モバイル ONE(新コース)
3位 UQ mobile

3.比較的速度が期待できる14時台の測定結果は?

次は休憩時間が明けてスマートフォンの利用も落ち着き、速度も回復してくる14時台の結果を見てみよう。

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年6月3日実施)

佐久平駅周辺における14時台の測定結果(2020年6月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが18.85Mbps(先月は17.63Mbps)、上りが7.64Mbps(同7.48Mbps)。回線別に見ると、下り通信速度はmineo(Sプラン)の49.02Mbps、UQ mobileの36.25Mbps、mineo(Aプラン)の35.62Mbpsの順に速い。上り通信速度はmineo(Sプラン)の23.39Mbpsが速かった。

アプリのダウンロード速度は全体の平均が10.11Mbps(同8.28Mbps)。回線別ではmineo(Sプラン)の19.37Mbpsとmineo(Aプラン)の19.32Mbpsがほぼ同じ速度で並び、LINEモバイルの18.39Mbps、UQ mobileの14.66Mbpsがこれに続いていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 UQ mobile
3位 mineo(Aプラン)

●アプリのダウンロード速度のトップ3(14時台/佐久平駅周辺)
1位 mineo(Sプラン)
2位 mineo(Aプラン)
3位 LINEモバイル

4.帰宅時間帯の18時台の測定結果は?

最後は、会社や学校が終わり再び通信が混雑し始める18時台の結果だ。

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年6月3日実施)

佐久平駅周辺における18時台の測定結果(2020年6月3日実施)

RBB SPEED TESTの全体の平均は、下りが9.12Mbps(先月は21.26Mbps)、上りが7.07Mbps(同7.77Mbps)と、12時台と同様に下りが前回の半分以下になっている。回線別に見ると、下り通信速度はUQ mobileの26.62Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)の16.49Mbps、ワイモバイルの13.41Mbps、BIGLOBEモバイルの11.85Mbpsが速い。上り通信速度はmineo(Aプラン)の11.91Mbpsが一番速いが、LINEモバイルも11.79Mbps、mineo(Sプラン)も11.12Mbpsとほぼ同じ速度だった。

アプリのダウンロード速度は、全体の平均が4.74Mbps(同5.48Mbps)。回線別ではUQ mobileの16.00Mbpsが一番速く、今回から調査対象に加えたNifMoが8.01Mbps、OCN モバイル ONE(新コース)が7.10Mbpsと続いていた。

●RBB SPEED TEST下り平均速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 OCN モバイル ONE(新コース)
3位 ワイモバイル

●アプリのダウンロード速度のトップ3(18時台/佐久平駅周辺)
1位 UQ mobile
2位 NifMo
3位 OCN モバイル ONE(新コース)

5.すべての時間帯における総合結果は?

それでは、すべての時間帯における平均速度をもとにランキングを求めてみよう。東京駅周辺での欠測が続いているため、今回も佐久平駅周辺の調査結果のみを対象としたランキングとなる。推移がわかるように、前回(2020年5月)と前々回(2020年4月)の調査結果も併記している。

まずはRBB SPEED TESTの下り通信速度からだ。

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度ランキング

今回の1位はUQ mobileの27.97Mbps(前回は44.12Mbps)、2位はワイモバイルの21.82Mbps(同49.09Mbps)だ。上位をサブブランドが占める状況に変わりはないが、どちらも前回と比べて半分ほどにまで速度が遅くなっている。

3位はmineo(Sプラン)の18.96Mbps(同21.41Mbps)で、UQ mobileやワイモバイルほどではないが、やはり前回と比べて速度は遅めだ。12回線全体の平均は12.09Mbps(同19.09Mbps)だった。

次は、RBB SPEED TESTの上り通信速度の結果だ。

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度ランキング

1位はmineo(Sプラン)の17.35Mbps(前回は13.69Mbps)、2位はLINEモバイルの13.43Mbps(同8.93Mbps)で、いずれも前回から速度は速くなっている。3位は前回1位だったワイモバイルの9.13Mbps(同15.37Mbps)で、10Mbpsを切るのは佐久平駅周辺だけでの調査を行っている2020年3月以来初めてとなる。12回線全体の平均は7.48Mbps(同7.76Mbps)で、前回よりもわずかに遅くなった。

最後は、Playストアからのアプリダウンロード速度の結果だ。

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

アプリダウンロード時の下り通信速度ランキング

1位はUQ mobileの13.13Mbps(前回は13.91Mbps)で、佐久平駅周辺だけでの調査を行っている2020年3月からは一貫して13Mbps台をキープしている。2位はワイモバイルの9.46Mbps(同12.23Mbps)で、順位は変わらないものの、速度は前回よりも遅くなっている。

3位は前回から調査対象に加えたOCN モバイル ONE(新コース)の8.30Mbps(同7.14Mbps)。12回線全体の平均は6.14Mbps(同6.13Mbps)だった。

6.【さいごに】今回の結果まとめ

2か月続けて調査対象の回線を入れ替えているため厳密な比較にはならないが、前回5月に増速を示したRBB SPEED TESTの下り通信速度は、OCN モバイル ONE(新コース)および今月から調査を開始したNifMo以外の10回線が前回よりも減速。そのため、全体の平均速度は2020年1月〜2月と同程度まで遅くなっている。

いっぽう、実際の利用環境の一例としているPlayストアからのアプリダウンロード速度は前回より速くなった回線もいくつかあるため、全体の平均速度は前回とほぼ同じという結果になった。次のグラフは2019年5月以降の12回線全体の平均速度推移(佐久平駅周辺のみ)を示したものだが、アプリのダウンロード速度(グレー)は今年1月から緩やかながらも増速傾向にあることがわかる。

12回線全体の平均速度推移(2019年4月以降、佐久平駅周辺のみ)

12回線全体の平均速度推移(2019年4月以降、佐久平駅周辺のみ)

今回は新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が解除されてから最初の調査となったが、12時台や18時台におけるRBB SPEED TESTの下り通信速度は前回の半分以下にまで遅くなっていたものの、Playストアからのアプリダウンロード速度はあまり変化しなかった。在宅ワークの普及やなるべく外出を控えるといった生活様式の変化によるモバイルデータ通信需要の変化が今回の結果にも現れている可能性があるが、その場合は制限の緩和にともない次回以降の速度が遅くなっていくことも考えられる。

次回の調査は2020年7月上旬を予定している。次回も佐久平駅周辺のみでの測定となる可能性もあるが、来月の通信速度がどのように推移するか引き続き注目したい。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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