イベントレポート
「Galaxy S9」「Xperia XZ2」「ZenFone 5」など注目モデル続々

MWC 2018で登場した日本発売が期待されるスマホをスペインからレポート

2018年2月26日(現地時間)からスペイン・バルセロナで開催されている、世界最大の携帯見本市「Mobile World Congress 2018」。このイベントに合わせて、世界各国のスマートフォンメーカーが新機種を次々と発表している。そうした中から、現時点で日本での発売は公表されていないものの、日本での発売が大いに期待される最新スマートフォンを紹介しよう。

カメラの「絞り」が変化する「Galaxy S9」

最初に取り上げるのは、サムスン電子の5.8インチディスプレイを搭載したスタンダードモデル「Galaxy S9」と、6.2インチの大画面モデル「Galaxy S9+」。昨年2017年に日本でも発売された「Galaxy S8」「Galaxy S8+」の後継となる最新フラッグシップモデルで、縦長比率の有機ディスプレイを採用し、大画面ながら持ちやすい「インフィニティディスプレイ」などの特徴は継承しながら、カメラ機能を大幅に強化したのがポイントだ。

Galaxy S9は、インフィニティディスプレイなど前機種からの特徴を生かしつつ、カメラ機能が大幅に刷新された新モデル

特徴的なのは、撮影する場所の光の量に応じてカメラの絞り値が2段階に変化すること。明るい場所では鮮明な撮影ができるようF値が2.4に、暗い場所では多くの光を取り込めるようF値が1.5に自動的に変化する。Galaxy S8のカメラのF値が1.7であっただけに、Galaxy S9はより暗い場所でも明るく撮影できるようになったことが分かる。

また、大画面モデルのGalaxy S9+は、Galaxy S9と同じカメラに加えもうひとつ、1200万画素のカメラを搭載。2倍ズーム相当の撮影ができるようになったほか、「ライブフォーカス」でボケ味のある写真の撮影も可能だ。

大画面モデルのGalaxy S9+は2つの1200万画素カメラを搭載し、ライブフォーカス機能で背景をぼかした写真を撮影できる

もうひとつの特徴的な機能が、1秒間に960コマの撮影ができるスーパースローモーション撮影。HD画質の動画撮影時に、0.2秒間を6秒間のスローモーションにする仕組みで、動画撮影中に自動的に被写体の動きを検知し、スローモーションにしてくれるモーション検出機能も備えている。さらに、撮影したスローモーション動画をロック画面に登録したり、3種類のループパターンでGIFアニメに変換し、SNSなどで手軽に共有したりできるなど、スローモーション動画をより楽しく活用できる仕組みが整っているのもポイントだ。

新たにスーパースローモーション撮影にも対応。手動での撮影も可能だが、被写体の動きを検知して自動的にスローモーション撮影してくれる機能も用意されている

カメラを使った「AR Emoji」にも注目したい。これは自分の顔から3Dのアバターを作成し、「LINE」などで利用できる動くスタンプとして活用できるもの。顔を撮影するだけと、お手軽に利用でき、なおかつ友達とより楽しいコミュニケーションが可能になる。

顔写真から3Dのアバターやスタンプを作成できる「AR Emoji」。インカメラで顔を撮影し、髪型や服装などを選ぶだけと簡単だ

パフォーマンス面に関しても、販売国に応じてサムスンの「Exynos 9801」、もしくはクアルコムの「Snapdragon 845」と、高い性能を誇るハイエンド向けチップセットのうちいずれかを搭載。メモリー(RAM)はGalaxy S9が4GB、Galaxy S9+が6GBと、フラッグシップに恥じない性能の高さを実現している。セキュリティ面に関しても、Galaxy S8/S8+で不評だった背面の指紋認証センサーの位置が変更されて使いやすくなったのに加え、虹彩と顔認証を加えてよりスムーズにロック解除ができる「インテリジェントスキャン」を搭載するなど、かなり強化されており、使い勝手が大幅に向上している。いずれの機種も、早い国では3月16日より発売される。

Galaxy S9の背面。指紋認証センサーの位置が改善され使いやすくなった

Galaxy S9の背面。指紋認証センサーの位置が改善され使いやすくなった

プロ並みの4K HDR撮影が可能な「Xperia XZ2」

次に取り上げるのは、ソニーモバイルコミュニケーションズのスタンダードモデル「Xperia XZ2」と、そのコンパクトモデル「Xperia XZ2 Compact」。同社が得意とするカメラ機能の進化だけでなく、前機種の「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」と比べ、ディスプレイやデザインなど多くの面でリニューアルが図られている。

ソニーモバイルの新機種はXperia XZ2(左)とXperia XZ2 Compact(右)の2機種。デザイン面を中心に大幅なリニューアルがなされている

実際、Xperia XZ2/XZ2 Compactは、背面が曲面を描くボディデザインで、さらにXperia XZ2は3Dガラス素材を採用して高級感を演出。厚みはあるが、より手にフィットしやすい「アンビエントフロー」という新しいデザインコンセプトを採用している。加えてディスプレイにも、最近のトレンドとなる18:9の縦長比率のディスプレイを採用。Xperia XZ2は5.7インチの大画面ながら片手で持ちやすくなっており、Xperia XZ2 Compactも従来通りのコンパクトなサイズ感にもかかわらず、5.0インチとスタンダードモデル並みの画面サイズを実現している。

Xperia XZ2の背面。3Dガラスを用いることで背面が丸みを帯び、手にフィットして持ちやすくなっている

Xperia XZ2の背面。3Dガラスを用いることで背面が丸みを帯び、手にフィットして持ちやすくなっている

Xperia XZ2 Compactは背面の素材はガラスではなく樹脂になるが、同じくアンビエントフローデザインと18:9比率のディスプレイを採用しながらコンパクトに仕上がっている

カメラ機能に関しては、スペック的に見ると1900万画素のメモリー積層型イメージセンサーを採用しており、Xperia XZ1/XZ1 Compactと大きく変わっている訳ではない。だがそのイメージセンサーの特徴を生かし、新たな機能として4K画質のHDR動画撮影に対応。プロ用のビデオカメラ並みの映像撮影が、スマートフォン1台でできてしまう。

スマートフォンとしては世界で初めて、4K画質のHDR動画撮影が可能に。HDRは画面左上のスイッチでオン・オフができる

Xperia XZ1/XZ1 Compactの特徴となっていたスーパースローモーション撮影も強化されている。従来のHD画質だけでなく、新たにフルHD画質のスーパースローモーション撮影が可能となった。フルHDでスーパースロー撮影ができるのは0.1秒間で、それを3秒の映像にするなど時間自体は短縮されているが、高い画質でスーパースロー撮影ができる魅力は大きい。

同じく前機種の特徴的な機能である、自分の顔を3Dスキャンしてアバターなどにできる「3Dクリエーター」に関しても、メインカメラだけでなくインカメラで撮影できるようになった。1人で顔のスキャンができるようになり、より活用しやすくなったと言える。

3Dクリエーターは、新たにインカメラでのスキャンに対応。1人でも顔のスキャンができるため活用しやすくなった

そしてもうひとつ、Xperia XZ2だけの新機能として「ダイナミックバイブレーションシステム」が用意されている。これは動画再生時に音楽をリアルタイムで解析し、端末が振動して臨場感を味わえる機能で、この機能のために従来より大きな振動素子を搭載するという力の入れ具合だ。

Xperia XZ2には動画再生時に、端末が震えて臨場感を演出する「ダイナミックバイブレーションシステム」が搭載される。より大きな振動をさせるよう、専用の振動素子を搭載している

両機種ともにクアルコムの「Snapdragon 845」を搭載するなど、性能面はもちろんハイエンドな仕様。ほかのスマートフォンにはない特徴的な要素が多く、注目されるモデルだが、国内外での発売時期は未定だ。

iPhone XライクなデザインとAIが特徴の「ZenFone 5」

最後はASUSの新しい「ZenFone 5」シリーズ。Snapdragon 845搭載のハイエンドモデル「ZenFone 5Z」と、「Snapdragon 636」搭載のミドルハイモデル「ZenFone 5」、そしてSnapdragon 630/「同 430」を搭載したカメラ重視の「ZenFone 5 Lite」の3機種が用意されている。

ZenFone 5/5Zの特徴を一言で表すならば、アップルの「iPhone X」を強く意識したデザインだ。両機種は共に19:9の画面比率の6.2インチディスプレイを搭載しているのに加え、画面上部にiPhone Xと同様の切り欠きがある。切り欠きの左側と右側、それぞれを上から下にスワイプすると異なる内容のステータスバーが現れるなど、iPhone Xの操作を意識している部分が見られる。

画面上部に“切り欠き”があるなど、iPhone Xライクなデザインを採用したZenFone 5。より高性能なZenFone 5Zもデザインは同じだ

背面には指紋センサーと2つのカメラを搭載している

背面には指紋センサーと2つのカメラを搭載している

iPhone X風の機能となるのが、「Animoji」ならぬ「ZeniMoji」。ASUSのキャラクターであるZenny(日本では「禅太郎」)になぞらえたもので、Animoji同様、顔の動きに合わせてZennyなどのキャラクターに表情をつけて、それをメッセンジャーアプリなどで送ることができるというものだ。

いっぽう、ZenFone 5/5Z独自の特徴として挙げられるのが「AI」である。たとえば「AIカメラ」では、カメラをかざした被写体に応じて花や植物、料理や犬、猫など16のシーンを自動で判別し、それぞれを撮影するのに適した設定を適用してくれる。このほかにも寝ているときは充電を抑えてバッテリーの寿命を延ばす「AIチャージング」や、周囲の環境に合わせて着信音の音量を自動調節する「AIリングトーン」など、AIを活用した6つの機能を搭載している。

AIによって撮影シーンに適した設定にしてくれるAIカメラ。モードは画面右上部にあり、写真のようにテキストが写っているときはテキストマークの「T」に変化する

もっとも大きな驚きが価格だ。今回の発表ではZenFone 5Zのもっとも安価なバージョンのみ価格が公表されたのだが、Snapdragon 845を搭載しながら、その価格はなんと479ユーロ、日本円にして約6.2万円と非常に安価に設定されている。日本で同等の価格で販売されるとは限らないが、国内投入の際には大いに期待ができそうだ。ちなみにZenFone 5は4月、ZenFone 5Zは6月の発売を予定している。

ZenFone 5 Liteは、18:9比率の6インチディスプレイを採用したモデルで、AI機能や切り欠きなどはない。その代わりに、メインカメラに1600万画素のカメラを2つ、フロントカメラには2000万画素のカメラを2つ搭載するなど、カメラ機能が大幅に強化されている。

ZenFone 5 Liteは2つのフロントカメラを搭載しており、いずれも2000万画素とメインカメラより画素数が高い

ZenFone 5 Liteは2つのフロントカメラを搭載しており、いずれも2000万画素とメインカメラより画素数が高い

1600万画素のカメラを2つ搭載したZenFone 5 Liteの背面。ZenFone 5/5Zとは異なるデザインだ

1600万画素のカメラを2つ搭載したZenFone 5 Liteの背面。ZenFone 5/5Zとは異なるデザインだ

メイン、フロントいずれのカメラも、片方は120度の広角撮影に対応しており、フロントカメラを使い複数人で自撮りをしたり、メインカメラで広い風景を撮影したりするのに便利だ。こちらは「Lite」という名前の通り、性能面ではZenFone 5/5Zより高くはないだけに、より手軽に購入できる価格で登場する可能性が高い。発売日は3月を予定している。

フロントカメラを広角に切り替えたところ。従来モデルより広範囲を撮影できるので、友達との撮影などに役立つ

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佐野正弘

佐野正弘

福島県出身。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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