レビュー
久々に登場した国内メーカー製の本格派10インチAndroidタブレット

NTTドコモ「arrows Tab F-02K」1週間使用レポート

2018年2月23日に発売された、NTTドコモの10インチタブレット「arrows Tab F-02K」(富士通コネクテッドテクノロジーズ製)は、最新世代のCPU「Snapdragon 660」や4GBのRAMを備えたハイスペックのタブレットである。1週間使って感じたその実力をレポートしよう。

基本性能の高さが魅力のタブレット「arrows Tab F-02K」。国内の大手メーカー製としても久しぶりの本格派タブレットだ

画面サイズ(解像度):約10.1インチ(2560×1600)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約256×173×6.9mm
重量:約441g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 660 SDM660(2.2GHz×4+1.8GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:32GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大256GB)
OS:Android 7.1
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:非搭載
FeliCa:非搭載
メインカメラ:約810万画素
サブカメラ:約500万画素
フルセグ/ワンセグ:搭載/搭載
バッテリー容量:6,000mAh
USBポート:USB Type-C(QuickCharge 3.0およびUSB PD対応)

米軍調達基準「MIL-STD-810G」の14項目をクリア。浴室や屋外でも安心のタフネスボディ

国内で正規販売されているAndroidタブレットは意外に種類が少ない。ソニー「Xperia Tablet」や、シャープ「AQUOS PAD」、NEC「MEDIAS」などが市場から撤退し、今や、ファーウェイやASUS、レノボなど、アジア系メーカーの安価な製品が主流だ。そんな中で登場した「arrows Tab F-02K」(以下F-02K)は、最新のCPUや2560×1600のWQXGA表示に対応する約10.1インチ液晶を備えた、機能性や基本性能の高さをウリにした大型タブレットだ。

そのデザインは、スレート状のタブレットらしいスタイルで、サイズは約256(幅)×173(高さ)×6.9(厚さ)mm、重量は約441gだ。2016年9月に登場した前モデル「F-04H」と比較すると、幅が約10mm広く、高さが約2mm低く、厚さが約0.1mm厚くなり、約2g重くなった。なお、ディスプレイはF-04Hの有機ELパネルから、液晶パネルに変更されている。

ボディは、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様に加え、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」の、防水(浸漬)、防水(風雨)、防塵(6時間風速あり)、落下、耐振動、耐日射(連続)、防湿、塩水耐久、高温動作(60℃固定)、高温保管(70℃固定)、低温動作(-20℃固定)、低温保管(-30℃固定)、低圧動作、低圧保管という14項目をクリアしている。塩水耐久に加えて、低温と高温での動作をクリアしているので、季節を問わず屋外に持ち出しやすい。また、浴室での使用にも対応している。

装飾の少ないスレート状のシンプルなシルエット

装飾の少ないスレート状のシンプルなシルエット

側面は、凹むように湾曲しているので、手に適度な引っかかりがある

側面は、凹むように湾曲しているので、手に適度な引っかかりがある

2560×1600のWQXGA表示は、高性能タブレットとしては珍しくないが、活字コンテンツから映像まで大きくはっきり表示できる

ルーペボタンをタッチすれば画面の拡大も可能。ホーム画面や設定画面などでも拡大できる。視力が弱まってきたシニアユーザーにも適している

なお、本機は、ペン入力デバイスを同梱している。このペン入力デバイスは、タブレットの老舗メーカーであるワコムが、ハード・ソフトの両面で開発協力したもの。4096段階の筆圧感知機能を備えており、アプリも豊富にプリインストールされているので、液晶タブレットのような使い方も可能だ。絵心に欠ける筆者は、もっぱら手書きの文字入力機能を使ったが、軸が太く握りやすいうえにペン先は細く、書き味が緻密で正確な描写が行えることが確認できた。これならイラスト用としても、満足できるだろう。

カメラは、リアのメインカメラが約810万画素、フロントカメラが約500万画素となっている。F値はいずれも2.4で、手ブレ補正もメインカメラの静止画撮影時に電子式補正が備わるだけ。カメラとしては最小限の性能だ。

同梱されるペンデバイスは、ペン先が細く、緻密な筆跡もしっかりトレースする

同梱されるペンデバイスは、ペン先が細く、緻密な筆跡もしっかりトレースする

10.1インチの大画面を生かし、文字の手書き入力は行いやすい。変換精度やレスポンスも良好

10.1インチの大画面を生かし、文字の手書き入力は行いやすい。変換精度やレスポンスも良好

メインカメラは約810万画素で、レンズはF2.4。カメラ機能は最小限だ

メインカメラは約810万画素で、レンズはF2.4。カメラ機能は最小限だ

フロントカメラは約500万画素。その右に並んでいるメッキで縁取りされているのは虹彩認証センサー。虹彩認証は認証速度が速く、精度も高い。なお、本体を90°回転させても認証された

フルセグおよびワンセグのテレビチューナーを内蔵。浴室でのテレビ視聴も可能だ

フルセグおよびワンセグのテレビチューナーを内蔵。浴室でのテレビ視聴も可能だ

今選べるAndroidタブレットとしては随一の処理性能

基本スペックだが、CPUに最新世代の「Snapdragon 660(2.2GHz×4+1.8GHz×4)」に、4GBのRAMと32GBのストレージを組み合わせる。OSは、Android 7.1をプリインストールし、Android 8.0へのバージョンアップも予定されている。microSDメモリーカードスロットは256GBまでの対応だ。2018年3月上旬の時点で、この「Snapdragon 660」よりも高性能なCPUを備えたAndroidタブレットは国内では正規販売されていない。また、Android 8.0への対応を表明しているのも大きなポイントだ。なお、USBポートはUSB Type-C(USB 2.0)で、急速充電はUSB-PDとQuickCharge 3.0に対応している。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」(バージョン7.04)を使い、処理速度を計測したところ、総合スコアは133,960(サブスコア、CPU:63152、GPU:30151、UX:34982、RAM:5675)となった。これは、同じCPUを搭載するスマートフォン「arrows NX F-01K」などと比較しても、ほぼ同等のスコアである。

アプリの起動やスクロール、細かなレスポンスなどから感じられる体感速度も、サムスン「Galaxy Note8」などの最新世代のハイエンドCPUを搭載するスマートフォンと比較するとさすがに見劣りするものの、十分に速い。

検証のため「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ(ミリシタ)」、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)」、「アズールレーン(アズレン)」など、人気のゲームアプリを試してみたが、処理のもたつきや描画のかくつきは感じられず、おおむねスムーズに動作し、満足できる性能を見せた。

AnTuTuベンチマークの結果。サブスコアを見ると、「GPU」のスコアが3万点台前半で少々伸び悩んだものの、「CPU」は6万点以上とハイスコア

サウンド面では、設計全般をオンキヨーが監修しており、音質には期待を持てる。そのためか、ステレオスピーカーの音質は良好で、かなり迫力のあるサウンドを再生できた。ただ、価格.comのクチコミには「ヘッドホン端子のノイズが目立つ」という趣旨の意見も散見される。今回使った検証機もその例に漏れず、ディスプレイのタッチ操作や、アプリの起動時などで、イヤホンがノイズを拾うことが多かった。

また、「Google アシスタント」やAmazon「Alexa」といったAIアシスタントへの注目が高まっているが、本機は側面に2個、裏側に1個の合計3個のマイクを組み合わせて、周囲の騒音から音声を分離して認識できる機能を備えている。

表面左右に備わるステレオスピーカーは、迫力あるステレオ音声を再生できる

表面左右に備わるステレオスピーカーは、迫力あるステレオ音声を再生できる

サウンドエンハンサー「ドルビーオーディオ」を搭載。プリセット設定に加えてカスタム設定を2つまで保存できる

microSDメモリーカードスロットは256GBまで対応。キャリアモデルなので当然SIMカードは1基のみ

microSDメモリーカードスロットは256GBまで対応。キャリアモデルなので当然SIMカードは1基のみ

内蔵バッテリーは6,000mAhの容量で、NTTドコモ純正のUSB Type-C充電器「ACアダプタ06」を使った場合、約240分でフル充電となる、大容量のために、フル充電には相応の時間がかかるのは仕方ない。いっぽう、手元にあった46Wの出力に対応したUSB PD対応の充電器「Energear」を使ったところ、残量10%からフル充電までにかかった時間は約180分で済んだ。7日間の検証期間中にバッテリーの充電は3回行ったが、そのうち1回は、機材返却に際して行ったもので、1回の充電で大体2〜3日はバッテリーが持続していた。このバッテリーの持続性は魅力で、省エネ性にすぐれたCPU「Snapdragon 660」のメリットが現れた点と言えるだろう。

なお、本機はモバイルバッテリーとしても利用できる。実際に試してみたところ、出力が一般のモバイルバッテリーよりも低く、外出先などでスマートフォンを充電するような用途には不向きなようだ。あくまで、緊急用と考えておいたほうがよい。

検証中5日間のバッテリーの消費ペース。フル充電から2〜3日はバッテリーが持つ

検証中5日間のバッテリーの消費ペース。フル充電から2〜3日はバッテリーが持つ

検証中の発熱の推移。大体30℃前後で推移しており、ボディ表面の熱も体温以上と感じたのは、急速充電中くらいだった

基本性能の高さは魅力だが、月々の通信費は割高感も

以上、arrows Tab F-02Kの検証結果をお届けした。基本性能の高さは期待通りで、本機と機能面で直接競合する製品は見当たらないが、しいて言うならアップルの「10.5インチiPad Pro 64GB」あたりがライバルになるかもしれない。この両機は、AndroidとiOSというOSの違いもさることながら、タフネスボディやフルセグテレビチューナーなど、国内向け機能の有無という違いがあるものの、画面サイズや解像度、高い処理性能やペンデバイスの有用性といった点で似ている部分がある。「ドコモオンラインショップ」における端末価格の実質負担金も、F-02Kが37,584円なのに対し、10.5インチiPad Pro 64GBは36,288円(いずれも一括、税込み料金)で、ほぼ同クラスだ。ただし、F-02Kはペン入力デバイスが同梱されるのに対し、iPad Pro用の「Apple Pencil」は10,800円(税別)の別売りオプションとなるので、コストパフォーマンスは本機のほうが上だろう。

いっぽう、本機はキャリアモデルであるため毎月の通信料金が必要だ。「カケホーダイ&パケあえる」を使った場合、基本料金「データプラン(スマホ/タブ)」が1,700円、プロバイダ代の「spモード」が300円、「シェアオプション」の500円という月額2500円が最低でもかかる。しかし、音声通話対応のスマホ向け基本料金「シンプルプラン(スマホ)」が980円なのと比べると、音声通話の行えない「データプラン(スマホ/タブ)」が1,700円というのは今となっては割高感が否めない。この点はNTTドコモに再考を願いたい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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