レビュー
カメラ性能はデジカメが焦るレベル

ライカ3眼+AIで最強カメラスマホ誕生。ファーウェイ「P20 Pro」レビュー

NTTドコモから6月下旬に発売されるファーウェイの「P20 Pro」は、ライカと共同開発したトリプルレンズカメラやAIプロセッサーを搭載するなど、この夏大注目のスマートフォンだ。発売前に試すことができたので、その実力を検証してみた。ほかのスマートフォンの追随を許さない高いレベルに到達し、デジカメ業界をぶっつぶす気なのでは?と勘ぐるほど進化したカメラ性能をぜひチェックしていただきたい。

特大イメージセンサーとAI手ブレ補正で夜景も手持ちできれいに撮れるファーウェイ「P20 Pro」

特大イメージセンサーとAI手ブレ補正で夜景も手持ちできれいに撮れるファーウェイ「P20 Pro」

Leicaトリプルレンズカメラはコンパクトデジカメを超えるクオリティ

まずは、「P20 Pro」を試して最も驚かされたカメラ機能から紹介しよう。「P20 Pro」は、背面のメインカメラが、3つのカメラからなるトリプルカメラ仕様となっており、それぞれ4000万画素RGBセンサーを搭載するF1.8のレンズ(標準)、2000万画素モノクロセンサーを搭載するF1.6のレンズ、800万画素RGBセンサーを搭載するF2.4のレンズ(望遠)となる。モノクロセンサーで被写体のディテールを取得し、標準/望遠それぞれのRGBセンサーで取得した色情報と組み合わせて、イメージを作り上げる。

左からモノクロ、標準、望遠レンズと並んだLeicaトリプルレンズカメラ

左からモノクロ、標準、望遠レンズと並んだLeicaトリプルレンズカメラ

4000万画素の標準カメラは、スマートフォンのカメラとしては1/1.7インチという特大のイメージセンサーを搭載しており、最高感度はISO 102400。さらに、4つのピクセルを1つの大きなピクセルとして受光感度を4倍にまで高める「ライトフュージョン」技術により、暗い場所でも明るく撮影することができる。また、「夜景モード」での撮影時には、複数枚撮影した画像を合成して処理する「AI手ブレ補正(AIS)」が作動し、これまでのスマートフォンでは難しかった夜景もきれいに撮影できる。

このAISが非常に強力で、最大10秒間ほど露光を行うのだが、手持ちでも手ブレすることなく撮影できたことに驚いた。明るくて色鮮やかなうえに、細かなディテールまでもしっかりととらえている。ほかのスマートフォンでもマニュアルモードを駆使して、さらに三脚を使えば高品質な夜景写真を撮れるが、「P20 Pro」はそれをオートで、かつ、手持ちで撮影できるのが特徴だ。

夜景モードで撮影した1枚。手持ちなのにまったく手ブレしていない

夜景モードで撮影した1枚。手持ちなのにまったく手ブレしていない

夜景モードで撮影すると大きなノイズも発生しない

夜景モードで撮影すると大きなノイズも発生しない

明暗差が激しくても白飛びなしで撮影できる。ほかのスマートフォンなら手前の看板は白飛びして文字が見えないだろう

月もくっきりと撮れた1枚

月もくっきりと撮れた1枚

夜景モードは明暗差の激しいシーンで能力を発揮するため、たき火など夜景以外でもきれいに撮れる場合もあった

1/1.7インチの大型イメージセンサーにより、AISが作動しない通常のオートモード(AI搭載。後述)でも十分明るく撮ることが可能だ。夜景モードとオートで撮り比べるのも楽しいだろう。

陰影がきれいに出て、質感もしっかりと捉えた1枚。これは夜景モードではなくオートモードで撮影

陰影がきれいに出て、質感もしっかりと捉えた1枚。これは夜景モードではなくオートモードで撮影

「P20 Pro」のカメラの魅力は暗所に強いだけではない。800万画素のRGBセンサーとモノクロセンサーを組み合わせることで、望遠カメラは3倍の光学ズーム、ファーウェイ独自の技術を利用した5倍のハイブリッドズームに対応(これ以上はデジタルズーム)。5倍までならズームで撮影しても、ノイズを抑えた写真の撮影が可能だ。

1倍(解像度は3648×2736。最高の7296×5472ではズーム不可)

1倍(解像度は3648×2736。最高の7296×5472ではズーム不可)

3倍光学ズーム

3倍光学ズーム

5倍ハイブリッドズーム。光学ズームほどきれいではないが、デジタルズームに比べれば画質の劣化は少ない

5倍ハイブリッドズーム。光学ズームほどきれいではないが、デジタルズームに比べれば画質の劣化は少ない

メインカメラには、最適な撮影モードを自動で選択するAIオートも備わっているのも特徴だ。事前に約1億枚の写真をAIに学習させ、そのAIが被写体やシーンを認識して色味や絞り、ISOなど最適な設定を行ってくれる。AIが認識する撮影シーンは、フード、猫、犬、グループ写真、クローズアップ、夜景、文字、ポートレート、花、日の出/日の入りなど全部で19種類。これらに加えて、被写体の背景をぼかす「アパーチャ」、前述の「夜景」、撮影スタジオのような照明設定が可能な「ポートレート」、マニュアル撮影の「プロ」、「モノクロ」など多彩な撮影モードを備える。

オートフォーカスは「像面位相差AF」「コントラストAF」「レーザーAF」「デプスAF」の4つに対応した「4-in-1 ハイブリッドフォーカス」を搭載。また、被写体の動きを予測してフォーカスを合わせる「4D予測フォーカス」を備える。風で揺れる花など、細かく動く被写体に追従してフォーカスしてくれるので撮りやすい。

AIオートで花を撮影した1枚。花の撮影時は、コントラストが強くなり、はっきりとした色味を表現する

AIオートで花を撮影した1枚。花の撮影時は、コントラストが強くなり、はっきりとした色味を表現する

食べ物の撮影時は明るくなり、暖色系の色が強まる。そのため、サラダなどを撮影するときはAIオートをオフにしたほうがベターだった

青みが強く、雲までしっかりととらえた空の写真

青みが強く、雲までしっかりととらえた空の写真

草木を撮影する場合は緑が深くなる

草木を撮影する場合は緑が深くなる

左がAIオフ、右がAIオン。左のほうが自然な色味だが、右はSNSなどに投稿するのに向いたビビッドな雰囲気に仕上がっている

ポートレートでは、美肌に見えるよう加工する「ビューティーモード」に加え、顔を立体的に認識してライティング効果を加える「3Dライティング」が利用できる

人物ではない被写体の背景をぼかすときはアパーチャが便利。撮影後にもぼかしの強弱を調節可能だ

人物ではない被写体の背景をぼかすときはアパーチャが便利。撮影後にもぼかしの強弱を調節可能だ

「P20 Pro」のカメラは、どのようなシーンでも特に複雑な設定を行うことなく、すぐにでもSNSでシェアできそうなくらい高画質な写真が手軽に撮れるのがすごいところ。2017年12月に発売された「Mate 10 Pro」のときも驚いたのだが、わずか半年で進化しすぎだ。ファーウェイはオフィスに精神と時の部屋でも備えているのではなかろうか。

カメラセンサーとレンズの性能を測るDxOMarkでアップル「iPhone X」やサムスン「Galaxy S9 +」を10点以上も上回る109というスコアを記録したカメラ性能は、現行のスマートフォンで最高レベルにある。

ボディデザインはノッチや狭額縁などトレンドを追求

カメラに続いて、ボディデザインを見ていこう。「P20 Pro」は約6.1型のフルHD+(1080×2240)有機ELパネルを備え、昨今トレンドのノッチ(切り欠き)を採用。19:9という縦長のディスプレイ比率を採用しているため、大画面でも横幅はスリムだ。ノッチ部にあるフロントカメラを使った顔認証機能に対応。また、画面下部にあるホームボタンには指紋認証センサーを備える。

賛否両論あるノッチだが、「P20 Pro」にはノッチを隠す機能が搭載されており、ノッチを好まない人も安心して使えるだろう。

本体サイズは74(幅)×155(高さ)×7.9(厚さ)mmで、重量は180g。横幅がスリムなため、画面サイズから抱く印象よりも持ちやすい

ポートは底面のUSB Type-Cのみで、イヤホンジャックは搭載されていないが、USB Type-C のハイレゾ対応高音質イヤホンのほか、USB Type-C・3.5 mm イヤホン変換アダプターが付属する

ノッチは「iPhone X」よりも小さくなっている。ここに搭載されたセンサーとフロントカメラにより顔認証機能をサポートする

左がノッチ表示あり、右がノッチ表示なし

左がノッチ表示あり、右がノッチ表示なし

画面下部には指紋認証センサーを搭載するホームボタンを備える。ホームボタンの上にソフトウェアキーが表示されているが、設定でホームボタンに割り当てれば、ソフトウェアキーを非表示にできる

AI搭載CPUでベンチマークスコア20万オーバー。日本向けに防水/防塵、おサイフケータイ対応

最後は、「P20 Pro」の基本スペックに迫ってみた。CPUはAIを搭載したオクタコアAPU「Kirin 970(2.4GHz×4+1.8GHz×4)」で、メモリーは6GB、ストレージ容量は128GBとなっている。バッテリー容量は3900mAhで、ファーウェイ独自の急速充電技術「スーパーチャージ」に対応。「USB-PD」にも対応している。

ベンチマークソフト「AnTuTu Benchmark(7.0.8)」でテストしたところ、総合スコアは208277だった。最新のAndroidスマートフォンに搭載されているCPU「Snapdragon 835」と同等レベルだ。さすがに「Galaxy S9/S9+」には劣るが、それでもハイエンドスマートフォンの中でも高いスコアだ。

「AnTuTu Benchmark」のテスト結果。これが示すとおり、マルチタスクやWebブラウジング、アプリの起動などで動作がもたつくことはなかった

ゲーム性能を確かめるため「PUBG MOBILE」を、画質「HDR」、フレーム「超高級」でプレイしてみたが、動作は快適で処理にもたつくこともなかった。これならヘビーな3Dゲームでもそつなくこなせるだろう。

人気のスマホゲーム「PUBG MOBILE」もストレスなくプレイできた

人気のスマホゲーム「PUBG MOBILE」もストレスなくプレイできた

まとめ

「P20 Pro」は、デザイン、機能性、性能の3拍子がそろった完成度の高いスマートフォンだ。特に、カメラ機能はほかのスマートフォンと比べて頭ひとつ抜け出ている。普段はミドルレンジのスマートフォンを使っている筆者だが、カメラのためにスマートフォンを買い換えたいと思ったのは初めてだ。また、ドコモの独占販売ということで、おサイフケータイや防水/防塵といった日本向けの機能に対応しているのも魅力的。一括払いで103,680円(税込)と決して安い価格ではないが、カメラにこだわりたいユーザーなら、一度手にとってみたほうがいいと思う。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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