レビュー
SIMフリー機として登場する、HTCの最新ハイエンドスマートフォン

今夏最強のスマホ、「HTC U12+」を1週間使用レビュー

HTCは、最新のハイエンドスマートフォン「HTC U12+」を、SIMフリーモデルとして2018年7月20日より発売する。その発売に先駆けて、1週間ほどフル活用してみたレポートをお届けする。

画面サイズ(解像度):約6.0インチ(1440×2880)
サイズ(幅×高さ×厚さ):73.9×156.6×8.7mm
重量:約188g
SoC:Snapdragon 845 SDM845(2.8GHz×4+1.7GHz×4)
RAM容量:6GB
ストレージ容量:128GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GB)
OS:Android 8.0
SIMカードスロット:nanoSIM×1
LTE対応バンド:B1/2/3/4/5/8/11/12/13/17/18/19/21/26/28/38/41/42
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
生体認証:指紋認証および顔認証に対応
ワンセグ/フルセグ:非搭載/非搭載
メインカメラ:約1,200万画素(広角)、約1,600万画素(望遠)
サブカメラ:約800万画素×2
バッテリー容量:3,500mAh
USB:USB Type-C(Quick Charge 4.0、USB PD 3.0 PPS対応)

前モデルよりスリムになったボディに、有機ELのような高画質液晶を搭載する

HTCの新型スマートフォン「U12+」は、SIMフリーモデルとしてメーカー直販サイト、ECサイトや家電量販店、MVNO各社で取り扱われる。先行して発売されるグローバルモデルとは、FeliCaポートの搭載や、モバイルネットワークの対応バンドやVoLTE対応などが異なっているだけで、ほぼ同じスペックだ。

U12+の特徴は、とにかくハイスペックであることだ。1440×2880のWQHD+表示に対応する縦長液晶ディスプレイ「Super LCD 6」を備えたボディは、サイズが約73.9(幅)×156.6(高さ)×8.7(厚さ)mmで、重量は約188g。サムスン「Galaxy S9+」や、ファーウェイ「P20 Pro」など、競合する6インチクラスの製品と重量や横幅はほぼ同じだ。なお、縦長ディスプレイの採用に加えて、ガラスの加工方法や超狭額縁設計の採用で、前モデル「U11」よりも2mmほど横幅が短くなっている。

デザインは前モデル「U11」と同じコンセプト「リキッドサーフェイス」を採用しており、液体のようななめらかさをガラスで表現している。なお、3色のカラーバリエーションのうち、トランスルーセントブルーについては、背面の指紋認証センサー周辺がうっすらと透けている。

超狭額縁設計と縦長ディスプレイのため、ボディいっぱいにディスプレイが広がっている印象

超狭額縁設計と縦長ディスプレイのため、ボディいっぱいにディスプレイが広がっている印象

カラーバリエーションは3色。左から、セラミックブラック、フレームレッド、トランスルーセントブルーというラインアップ。国内で人気のレッド系が用意されているのがうれしい

液晶ディスプレイは、537 ppiというかなり細かいドットピッチで、ハイエンド機らしい緻密さがある。液晶ディスプレイが一般に苦手とする漆黒の表現も良好で、コントラストの高さや濃厚な発色は、有機ELディスプレイに近い印象だ。なお、デジタルシネマの色域規格である「DCI-P3」および、HDRの標準規格「HDR 10」に対応している。今夏に登場するAndroidスマホの中でも屈指の高画質と言ってよさそうだ。ただ、黒が締まっている反面、全般にやや輝度が低めで、真夏の直射日光の下では少し見づらい面も。また、視野角もやや狭い。

537 ppiという細かいドットピッチのため非常に緻密な表示が行える

537 ppiという細かいドットピッチのため非常に緻密な表示が行える

画質で感心したのはコントラストの高さだ。特に暗部の表現が良好で、有機ELディスプレイのような深みのある映像を堪能できる

全般に輝度が低めで視野角がやや狭い

全般に輝度が低めで視野角がやや狭い

真夏の直射日光下での視認性を確認。輝度を最大にしても薄暗さは否めない

真夏の直射日光下での視認性を確認。輝度を最大にしても薄暗さは否めない

右側面に備わる電源およびボリュームボタンは感圧センサー式で、クリック感は振動で再現している。なお、本体バッテリーの残量がゼロになっても振動は生きていた。ただ、このボタンは認識がやや鈍めで、もう少し軽い操作で反応したほうがベターなように思った。操作におけるもうひとつの注目点は、HTC独自の握って操作する「エッジセンス2」だ。前モデル「U11」にも搭載されていたが、本機で機能が強化され、「短く握る」「握り続ける」という使い分けに加え、側面のダブルタップ操作にも対応した。なお、本国台湾では、感圧センサーとエッジセンス2の感度を改善するアップデートファイルが配布されており、操作性が大きく改善しているようだ。国内でもなるべく早い配布を願いたい。

右側面に備わるボリュームと電源ボタンは、感圧センサー式。クリック感は振動で再現している

右側面に備わるボリュームと電源ボタンは、感圧センサー式。クリック感は振動で再現している

U11にも搭載されていた「エッジセンス」は、機能が強化された「エッジセンス2」にバージョンアップされた。アプリごとに機能を割り当てられるカスタマイズ機能も搭載されている

側面を軽くダブルタップすることで、初期設定されている「エッジランチャー」が起動するのが便利だった

側面を軽くダブルタップすることで、初期設定されている「エッジランチャー」が起動するのが便利だった

今夏最高レベルの基本スペック。128GBのストレージとmicroSDメモリーカードスロットを搭載

U12+は、ファーウェイ「P20 Pro」や、サムスン「Galaxy S9+」、ソニー「Xperia XZ2 Premium」などと同じく、最新のハイエンドSoC「Snapdragon 845」を採用し、6GBの大容量RAMを搭載している。ストレージも128GBという大容量で、P20 Proと同じだが、本機はこれに加えてmicroSDXCメモリーカードスロットを備えている点でP20 Pro以上の拡張性を有している。もちろん、本機の基本スペックは、競合製品と比較しても、見劣りする点がなく、今夏のハイスペック機の中でももっとも高性能と言える。

実際の処理速度を定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.7.0.9)」を使って計測した。総合スコアは265,865(CPU:87,715、GPU:106,037、UX:54,783、MEM:17,330)で、スペックの近いサムスン「Galaxy S9+」の264,841(CPU:90,001、GPU:107,487、UX:59,297、MEM:8,056)と比較しても、互角以上の処理性能を示した。

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が「U12+」、右が「Galaxy S9+」のもの。サブスコアを見るとROM(ストレージ)のスコアが約14,000とかなり高いGalaxy S9+では5,000程度

128GBの内蔵ストレージに加えて、最大400GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットも装備

128GBの内蔵ストレージに加えて、最大400GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットも装備

合計4基のカメラを搭載。誰でもイメージ通りの撮影が可能

メインカメラは広角レンズと標準レンズという、画角の異なる2個のカメラを組み合わせている

メインカメラは広角レンズと標準レンズという、画角の異なる2個のカメラを組み合わせている

フロントカメラは同じ仕様のものが2個並ぶ。なお、このカメラは顔認証にも使われる

フロントカメラは同じ仕様のものが2個並ぶ。なお、このカメラは顔認証にも使われる

U12+は、メインカメラとフロントカメラの両方がデュアルカメラ仕様となっており、合計4基のカメラを備えている。メインカメラは広角レンズを備える約1,200万画素カメラと、望遠レンズの約1,600万画素カメラの組み合わせで、光学2倍のズーム撮影および、2個のカメラを使って構図を立体的に計測した背景ぼかしが行える。いっぽうのフロントカメラは、いずれも約800万画素のイメージセンサーを使っているが、光学ズームはなし。背景のぼかしは行える。

以下に、作例をいくつか掲載した。なお、カメラ任せのオートモードで撮影している。

薄曇りの下、標準レンズで撮影。背景のボケは多めだ

薄曇りの下、標準レンズで撮影。背景のボケは多めだ

東京駅丸の内口を逆光で撮影。肉眼ではかなり暗かったが、HDRが強力に補正してくれた

東京駅丸の内口を逆光で撮影。肉眼ではかなり暗かったが、HDRが強力に補正してくれた

広角レンズで撮影した明暗差の大きな夜景。明るい部分も暗い部分も不自然さやノイズが見られない

広角レンズで撮影した明暗差の大きな夜景。明るい部分も暗い部分も不自然さやノイズが見られない

標準レンズで撮影した皇居外苑・和田倉濠の夜景。手すりでスマートフォンを支えて撮影した。肉眼では真っ黒な茂みにしか見えないが、木々の質感がしっかり出ている。石垣部分に多少ノイズはあるが、スマートフォンのカメラとしてはかなり高感度撮影に強い

広角レンズで鉄道の高架下を手持ちで撮影。こちらもかなり暗い場所だったが、カメラではかなり鮮明に写っている

小さなフィギュアを広角レンズでやや斜め方向から接写。被写界深度の深い広角レンズの特徴で、フィギュアのほぼ全体にピントが合っている

同じ構図で、標準レンズで撮影。広角レンズと標準レンズでは最短撮影距離が異なるようで、ピントが合わせきれなかったようだ。標準レンズで接写する場合は、半歩ほど後ろに下がったほうがよさそうだ

フロントカメラを使ってポートレイト撮影。ボケを最大にしたところ、被写体を引き立てることができた

フロントカメラを使ってポートレイト撮影。ボケを最大にしたところ、被写体を引き立てることができた

本機のカメラは、デュアルカメラ仕様となることで、表現の幅が広がった。「U11」から引き続き高感度撮影性能が高く、めったなことでは、手ぶれや被写体ぶれは起こらないし、応答速度も速いので、イメージ通りの映像を誰でも簡単に撮ることができる。同様にデュアルカメラ化されたフロントカメラも、自撮り撮影でありがちな構図の平面さが、背景をぼかすことで払拭されるのでSNSで映える写真が撮りやすい。「U11」もかなり優秀だったがその美点を生かしつつ、表現力をさらに増した印象だ。

国内初のQuick Charge 4.0正式対応モデル

バッテリー回りの性能を見てみよう。本機は、容量3,500mAhの内蔵バッテリーを備える。前モデル「U11」より500mAhの容量アップだ。その影響もあり、連続通話時間は23.8時間(1,428分)で、バッテリー持ちはそれなりだった「U11」の約1,220分(au版HTV33)よりも電池持ちはよくなった。なお、急速充電機能も強力で、国内の正規販売モデルでは初めてQuick Charge 4.0とUSB PD 3.0(PPS)両方に対応している。Quick Charge 4.0は、分割したバッテリーを、並行して充電する機能や、電圧の上昇をより緻密に制御することで、バッテリーの温度上昇を避け劣化を抑えつつ充電を行う機能がある。ただ、いずれも対応する充電器やモバイルバッテリーを必要だが、まだ国内では登場していない。なお、USB PD対応の充電器を使ったところ、残量0%からフル充電までにかかった時間は約103分で、バッテリー容量を考えるとかなり短時間で充電が行えた。

バッテリーの持ちだが、検証期間の7日間で7回の充電を行った。平均すれば1日1回のペースだが、待ち受け主体であれば48時間は充電不要で持ちこたえたいっぽうで、3D描画を多用してグラフィックを酷使するタイプのゲームや、断続した写真撮影や通信が発生するような状況が多い場合では18時間程度でバッテリーがゼロになった。なお、大きな負荷のかかる状態では、5分程度で5%のバッテリーが消費されたこともあり、利用状況にかなり影響されるようだ。これから迎える夏休みで、GPSを使ったナビやマップアプリ、カメラの撮影が多くなるような場合、容量5,000mAh程度のモバイルバッテリーは一緒に持ち歩いておいたほうが無難だろう。

USB Type-Cポートは、Quick Charge 4.0やUSB PD 3.0に対応しており、急速充電時の安全性が高められている

USB Type-Cポートは、Quick Charge 4.0やUSB PD 3.0に対応しており、急速充電時の安全性が高められている

検証した7日間で充電は7回行った(グラフはそのうち5日間のもの)。最長では48時間充電不要だったが、5分で5%バッテリーを消費したときもあり、利用状況によってバッテリー消費は大きく異なる

検証期間中の温度変化を表したグラフ。最高で45℃を記録した。さほど負荷のかかっていない状態でも40℃前後で推移しており、発熱はやや高めだ

高価だが性能は今夏最高。販売チャネルを選べば多少安くは購入可能

U12+は、最高レベルの性能を備えている。機能面では文句はない。端末価格はHTCの直販サイトで95,000円(税別)とかなり高価。二の足を踏んでいるひとも少なくなさそうだ。だが、本機を取り扱うMVNOの中には、楽天モバイルやIIJmioのように、SIMカードとのセットで、24回の分割払いが可能なところもある。維持費の安い格安SIMカードと組み合わせれば、端末購入補助のある通信キャリアと比較しても価格差は抑えられるはずだ。

通信キャリア製と異なり近場のキャリアショップで買えるわけではないので敷居は確かに高い。だが、高性能なスマートフォンや、手軽にキレイなカメラ撮影ができるスマートフォンを探しているのであれば、一度触れておいて損はない。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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