特集
Q&A形式で格安SIMの“なぜ?”を徹底解説

スマホ代が安くなるのはなぜ? 今さら聞けない格安SIMのギモンをスッキリ解消

年々利用者が増えている「格安SIM」。スマートフォン(スマホ)に入っている「SIMカード」を交換することで、通信コストが大手通信キャリアよりも安くなるのが格安SIMの特徴です。どうしてSIMカードを交換するだけで料金が安くなるのでしょうか? Q&A形式で詳しく解説していきます。

Q.どうして格安SIM(SIMカード)に交換すると安くなるの?

A.料金が安い通信キャリア「MVNO」で通信できるようになるからです。

現代のスマホやタブレットには、「SIMカード」という小さなICカードが入っています。簡単に言うと、SIMカードにはユーザーの電話番号が記録されていて、スマホで電話をかけたりモバイルデータ通信をしたりするのに欠かせない存在です。

SIMカードは、それぞれの通信キャリアから発行されています。通信キャリアを乗り換えるには、新しい通信キャリアのSIMカードが必要となり、「SIMカードを交換する」というのは、スマホで利用する通信キャリアを乗り換えることを意味します。

格安SIMは、「仮想移動体通信事業者(MVNO)」という通信キャリアが提供しています。MVNOは大手通信キャリアのネットワークに相乗りしてサービスを行っているため、自前で基地局のアンテナを建てる必要がないため、設備を維持管理する費用を安く抑えられます。結果として、大手通信キャリアよりも安い料金で通信サービスを提供できるのです。

つまり、SIMカードを格安SIMのものに交換することで、大手通信キャリアよりも料金が安いMVNOに乗り換えられる、というわけです。

また、「携帯電話・PHS番号ポータビリティー(MNP)」制度を利用すれば、大手通信キャリアで使っていた電話番号をMVNOに引き継げます。今までと同じ電話番号のまま、通信コストを下げられます。

MNP制度を利用すれば、電話番号を変えずに大手通信キャリアからMVNOに乗り換えられます

MNP制度を利用すれば、電話番号を変えずに大手通信キャリアからMVNOに乗り換えられます

ちなみに、MNP制度を利用して別の通信キャリアに乗り換えたり、MNP制度を利用せず乗り換えるために通信キャリアを解約したりすると、今まで使ってきた通信キャリアのSIMカードは使えなくなります。

Q.どうすれば格安SIMのSIMカードが手に入るの?

A.MVNOのWebサイトや店頭で契約手続きをすると手に入ります。

前述のように、SIMカードは各通信キャリアが発行しています。格安SIMのSIMカードを手に入れるには、格安SIMサービスを提供するMVNOと契約を結びます。

格安SIMを新規契約する方法は、大きくわけて2つ。1つは、店頭で契約する方法です。といっても、大手通信キャリアのように独自のショップを展開しているMVNOは限られており、家電量販店の専門カウンターで手続きをするのが一般的。店舗まで行かなければなりませんが、気になることをスタッフに相談できるのがメリットです。

また、MVNO独自のショップや家電量販店では、その日のうちに開通できる店舗もあります。契約してすぐにSIMカードが手に入るので、スマホが使えない期間がありません。

●店頭契約のメリットとデメリット
メリット…スタッフと相談しながら料金プランなどを選べる、その場でSIMカードが手に入る
デメリット…店頭で契約できる格安SIMが少ない

店頭で契約すれば、その日のうちに格安SIMのSIMカードが手に入る(写真は「UQスポット MEGAドン・キホーテ長野」にて撮影)

もう1つは、MVNOのWebサイトからオンラインで契約手続きをする方法。日本中にショップを展開する大手通信キャリアとは逆に、MVNOではオンライン手続きが主流となっており、ほとんどの格安SIMはオンライン経由で契約できます。価格.comを経由しても契約できるので、ぜひチェックしてみてください。

店舗に行く必要がなく、24時間いつでも申し込めるのがメリットですが、最適なMVNOから料金プランまで、自分で探して選ばなければなりません。また、SIMカードが発送されてから手元に届くまで日数がかかるのもデメリットと言えるでしょう。

●オンライン手続きのメリットとデメリット
メリット…ほとんどの格安SIMが契約できる
デメリット…MVNOから料金プランまで自分で選ばなければならない、SIMカードが届くまで時間がかかる

ほとんどの格安SIMはオンラインで契約手続きができる(画像は楽天モバイルの申し込みページより)

ほとんどの格安SIMはオンラインで契約手続きができる(画像は楽天モバイルの申し込みページより)

ただし、大手通信キャリアから格安SIMに乗り換えるときには、毎月スマホで使っている通信量や、自分のスマホが格安SIMで使えるかといった、注意すべきポイントもあります。詳しい注意点は「格安スマホ/格安SIMに乗り換えるときの注意点&注目サービス5選【2018年春版】」をチェックしてみてください。

Q.安くなるかわりに困ることはないの?

A.大手通信キャリアから乗り換えると、使えなくなるサービスもある。

MVNOと大手通信キャリアの間には、通信コスト以外にもいろいろな違いがあります。違いを知らずに乗り換えると、困ってしまうことも出てくるので、知っておきたい主な違いをまとめてみました。

●大手通信キャリア独自のサービスは使えない

大手通信キャリアとMVNOはそれぞれ別々の通信キャリアなので、大手通信キャリア独自のサービスはMVNOでは使えなくなってしまいます。

たとえば、ガラケーの頃から提供されている「キャリアメール(ケータイメール)」や、最近スタートした「+メッセージ」は、大手通信キャリア独自のサービスです。そのため、ほとんどのMVNOではキャリアメールや+メッセージが使えなくなります。

例外は大手通信キャリアの“サブブランド”と呼ばれるUQ mobileとワイモバイルですが、提供しているのはキャリアメールのみで、どちらも+メッセージは使えません。

UQ mobileはキャリアメールに対応する数少ない格安SIMだが、+メッセージには対応していない。アプリを用意しても、設定を済ませることができない(画像は+メッセージのiOS版)

また、大手通信キャリアでは通話料金が定額の話し放題プランを選んだり、家族間の通話料金が無料になったりします。しかし、格安SIMでは「最初の10分が無料」や「30秒あたりの通話料が半額」といった通話料割引オプションしか用意されておらず、通話定額は利用できません。

なかには家族間の無料通話時間を長くしてくれる格安SIMもありますが、大手通信キャリアのように完全に無料で通話することはできません。長電話をよくかける人が格安SIMに乗り換えると通話料金が高くなり、大手通信キャリアよりコストが増えてしまうこともあるのです。

IIJmioモバイルサービス(みおふぉん)の通話料割引オプションでは、家族間の無料通話時間が通常よりも長く設定されている(画像はIIJmioのWebサイトより)

●ショップのあるMVNOは少数派

大手通信キャリアでは、何か困ったことがあればとりあえずショップに行って相談ができます。ところが前述のように、MVNOでは独自のショップを展開しているところは少数です。契約手続きをはじめ、格安SIMのサポートは電話窓口やオンライン経由がメインとなります。

ただ、電話によるサポートには「なかなかつながらない」「待たされる」などのネガティブなイメージがあるものの、「ショップに行かなくても相談ができる」「近くにショップがなくてもサポートを受けられる」といったメリットもあります。

スタッフと対面で話せたほうが安心するという人は、主に生活圏内にショップを持っている格安SIMを検討するといいでしょう。最初に契約するときだけ相談できればいいのであれば、家電量販店などのカウンターで手続きをする方法もあります。

いっぽう、電話やオンラインでのサポートでも大丈夫だという人は、ショップを構えていないMVNOも含め、より幅広い選択肢から格安SIMを選ぶことができます。

MVNO独自のショップでは、新規契約、機種変更、修理受付といった手続きを、大手通信キャリアのように店頭のスタッフを通じて受けられるのがメリットだ(写真は「UQスポット MEGAドン・キホーテ長野」にて撮影)

○独自のショップを展開する主な格安SIM
・ワイモバイル
・UQ mobile
・イオンモバイル
・楽天モバイル
・mineo

●お昼や夕方の通信速度が遅くなりやすい

大手通信キャリアのネットワークに相乗りしているMVNOの格安SIMでは、お昼休みで利用が集中する12時台や、仕事や学校が終わる夕方から夜にかけての時間帯において、通信速度が遅くなりがちです。また、MVNOによっても速度に違いがあります。具体的な通信速度は、毎月実施している「格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?」を参考にしてみてください。

遅くなりやすい通信速度をコストの安さと引き換えに受け入れられるなら、格安SIMに乗り換えてもいいでしょう。どの時間帯でも快適な通信速度を求めるなら、大手通信キャリアのまま使い続けることを検討しましょう。

格安SIMでは、ネットワークが混雑する時間帯になると思い通りの速度が得られないことが多い

格安SIMでは、ネットワークが混雑する時間帯になると思い通りの速度が得られないことが多い

●まとめると?

最後に、格安SIMが向いている人と向いていない人を簡単にまとめてみました。

◯向いている人
・長電話をしない人
・自分でサービス内容を調べて料金プランやオプションを選べる人
・スマホで困ったことがあっても、ある程度自分で解決できる人
・安さのためなら多少のデメリットは受け入れられる人

◯向いていない人
・長電話が多い人
・キャリアメールが欠かせない人
・スマホのことはなんでも誰かに相談したい人
・コストは高くても安定した通信速度で使いたい人

人気の格安SIMは?

最後に、価格.comの人気ランキングから、上位3つの格安SIM(音声通話SIM)をピックアップしてみました。

●ポイントサービスが魅力の「楽天モバイル」

人気ランキング1位の「楽天モバイル」は、楽天の格安SIM。ドコモのネットワークを使ってサービスを提供しており、ファーウェイの人気機種「P20 lite」をはじめとしたSIMフリースマホも豊富に取り扱っています。

楽天モバイルは「楽天スーパーポイント」との連携が魅力で、月額料金を100円支払うごとに1ポイントが貯まるほかに、料金の支払いにポイントを使うことも可能。楽天市場でよく買い物をする人ほど、お得に利用できるでしょう。

楽天スーパーポイントとの連携が楽天モバイルの魅力だ(画像は楽天モバイルのWebサイトより)

楽天スーパーポイントとの連携が楽天モバイルの魅力だ(画像は楽天モバイルのWebサイトより)

●YouTubeを見放題にできる「BIGLOBEモバイル」

人気ランキング2位の「BIGLOBEモバイル」は、BIGLOBEが提供する格安SIMです。BIGLOBEモバイルでは、ドコモとauのネットワークから好きなほうを選んで契約できます。

BIGLOBEモバイルの魅力は、YouTube、Apple Music、AbemaTVなどの動画・音楽配信サービスによる通信が無料になる「エンタメフリー・オプション」。音声通話SIMでは月額518円、データ専用SIMでは月額1,058円の有料オプションですが、暇があればYouTubeを見るような人ほど、大容量の料金プランを契約するよりコストを抑えられます。

YouTubeなどの通信が無料になる「エンタメフリー・オプション」がBIGLOBEモバイルの魅力だ(画像はBIGLOBEモバイルのWebサイトより)

●安定した通信品質が魅力の「UQ mobile」

人気ランキング3位の「UQ mobile」は、UQコミュニケーションズの格安SIM。KDDIグループということもあり、auのネットワークでサービスを提供しています。

UQ mobileは、格安SIMのなかでも通信品質が比較的安定しており、混雑しやすいお昼や夕方でも速度が遅くなりにくいのが強み。価格.comマガジンの速度調査(関連リンク:「格安SIM人気12回線の通信速度を比較 速い/遅いMVNOは?」)でも、毎回ランキングの上位に入ってきます。

また、通信品質を15日間無料で試せる貸出サービスを提供しているのもUQ mobileの特徴。格安SIMの通信品質に不安がある人は、UQ mobileを選択肢に含めてみてはいかがでしょうか。

UQ mobileを15日間無料で試せる「Try UQ mobile」。つながりやすさや通信速度をじっくり試せるのが魅力(画像はUQ mobileのWebサイトより)

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る