レビュー
高コスパでバランスのとれたDSDS対応SIMフリースマホ

Gファミリーの歴史を振り返りつつ、最新の「Moto G6/G6 Plus」をレビュー


モトローラ・モビリティ・ジャパン(以下、モトローラ)が「Moto G4 Plus」で、国内のSIMフリースマートフォン(スマホ)市場に本格参入したのが2016年7月。Moto G4 Plusは、国内でいち早く“デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)”に対応し、価格.com上でも高い人気を誇った(関連記事)。

それから2年。「Gファミリー」は、「Moto G5/G5 Plus」「Moto G5s/G5s Plus」「Moto G6/G6 Plus」と順調にモデルチェンジを繰り返してきた。Gファミリー以外にも「Moto Z」と「Moto X」という高性能モデルを投入し、日本市場での存在感を着実に高めてきている。今回はGファミリーに焦点を当て、どのように進化してきたのかを振り返りつつ、最新のMoto G6/G6 Plusの実力をチェックしていきたい。

樹脂→金属→ガラス、デザインの進化

Gファミリーは、ローエンドからミドルクラスに位置づけられるシリーズで、モトローラスマホの入り口であり、主力モデルでもある。その価格を価格.comで調べてみると、一番高いMoto G6 Plusが38,084円、一番安いMoto G5sが19,000円だった(2018年9月10日時点)。格安スマホとしては最安ではないが、競合他社と比べても競争力のある価格となっている。

Moto G4 PlusからMoto G6/G6 Plusまでの6台(Moto G5sを除く)を並べてみると、デザインがずいぶんとブラッシュアップされていることがわかる。Moto G4 Plusは樹脂ボディ、Moto G5/G5 PlusとMoto G5s/G5s Plusは金属ボディ、Moto G6/G6 Plusはガラスボディと素材も変わっている。特に最新のMoto G6/G6 Plusのガラスボディは、光沢があって高級感がある。指紋が目立つのが難点だが、このクラスとしては所有欲を満たしてくれるエレガントな仕上がりだ。

モトローラスマホのデザイン上のアクセントとなっているカメラ部分の丸形デザインは、Moto G5/G5 Plusから採用されている。角に丸みを持たせたフォルムや本体背面中央のモトローラロゴは、Moto G4 Plusからずっと継承されている。一世を風靡した同社の携帯電話「Motorola RAZR」を思い出す人もいるかもしれない。

左からMoto G6 Plus、Moto G6、Moto G5s Plus、Moto G5 Plus、Moto G5、Moto G4 Plus(今回はMoto G5sは準備できなかった)。カメラ部分の丸形デザインはMoto G5/G5 Plusから始まっている。本体背面中央のモトローラロゴは、彫り込みやプリントなど処理の仕方は違えど、Moto G4 Plusから変わらずに配置されている

Moto G4 Plus。国内でいちはやくDSDSに対応し、価格.comでも「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングで長らく1位をキープしたロングセラーモデル

5.0インチのディスプレイを搭載するMoto G5。スペックは控えめだが、片手でも操作しやすいコンパクトさが特徴

5.2インチのディスプレイを搭載するMoto G5 Plus。「Snapdragon 625」や4GBのメモリーを搭載するコストパフォーマンスの高い1台

5.5インチのディスプレイを搭載するMoto G5s Plus。デュアルカメラや国内全キャリア対応など、今でも十分現役で使えるモデルだ

5.7インチの縦長ディスプレイを搭載するMoto G6。外部インターフェイスにUSB Type-Cを採用するなど、最新モデルらしいスペックの1台。デュアルカメラ、1600万画素のインカメラとカメラ機能も充実している

5.93インチの縦長・大画面ディスプレイを搭載するMoto G6 Plus。「Snapdragon 630」や4GBのメモリー、64GBのストレージを備えており、スペックだけ見るとミドルハイに分類される1台だ

今回検証に利用したGファミリーのスペック表

今回検証に利用したGファミリーのスペック表

スペック重視なら大画面モデルの“Plus”を選ぼう

スペックは世代を重ねるごとにパワーアップしているが、Moto G4 Plus→Moto G5/G5Plus→Moto G5s/G5s Plus→Moto G6/G6 Plusと世代を重ねるごとにスペックアップしているわけではない。たとえば、Moto G5とMoto G5 Plusは同じ世代だが、搭載するCPU(Moto G5はSnapdragon 430、Moto G5 PlusはSnapdragon 625)やメモリー(Moto G5は2GB、Moto G5 Plusは4GB)が異なる。無印はエントリー、大画面モデルのPlusは中級クラスという位置づけとなっているのだ。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark v7.1.0」の結果を見ても、前世代の大画面モデル(Plusモデル)のほうがスコアは高い。Plusモデルは、ディスプレイが大きいだけでなく性能も高いので、少しでも長く快適に使いたい人はPlusモデルを選んでおくといいだろう。

AnTuTu Benchmark v7.1.0の結果。左からMoto G4 Plus、Moto G5、Moto G5 Plus

AnTuTu Benchmark v7.1.0の結果。左からMoto G4 Plus、Moto G5、Moto G5 Plus

左からMoto G5s Plus、Moto G6、Moto G6 Plusのスコア

左からMoto G5s Plus、Moto G6、Moto G6 Plusのスコア

そのほか、Gファミリーでは非搭載だったe(電子)コンパスがMoto G6/G6 Plusで搭載され、経路案内やARアプリなどをより快適に利用できるようになった。地味な点だが、Gファミリーは電子コンパスが非搭載という点が弱点だったので、最新モデルではそれが解消されている。

バッテリーはMoto G5 Plus以降は3000mAh以上で、競合他社と比べても遜色がない。また、Moto G5s Plusからは国内全キャリア対応をうたっており、特にUQ mobileなどau系のMVNOを利用したい、利用しているというユーザーも安心して選べるのがポイントだ。最新のMoto G6/G6 Plusでは、米国で4Gに使用されているバンド2もカバーしている。

DSDSに関しては、全モデル対応しているのが、Moto G5s/G5s Plusは2枚目のSIMカードとmicroSDメモリーカードが排他利用となっているので注意。そのほかは、2枚のSIMカードとmicroSDメモリーカードを同時に利用できる。

Moto G4 PlusのSIMカードスロット。マイクロSIM仕様で、ナノSIM用のアダプターが付属する。2枚のSIMカードとmicroSDメモリーカードの同時利用が可能

Moto G5はバッテリーを取り外してからSIMカードとmicroSDメモリーカードをセットする。2枚のナノSIMカードとmicroSDメモリーカードを同時に利用可能。Moto G5 Plusはトレイ式で、同じように2枚のナノSIMカードとmicroSDメモリーカードを装着できる

Moto G5s PlusはSIMカードとmicroSDメモリーカードは排他利用。DSDS利用時はmicroSDメモリーカードが使えない

Moto G6/G6 Plusはトレイ式のSIMカード/microSDメモリーカードスロットを採用。2枚のナノSIMカードとmicroSDメモリーカードを同時に利用できる

最新モデルは多彩な撮影を楽しめるデュアルカメラを搭載

カメラも着実に進化してきている。Moto G5s Plus、Moto G6/G6 Plusのメインカメラはデュアルカメラ仕様で、背景をぼかした、俗に言う「一眼カメラで撮影したような写真」を撮影できる。撮影モードは機種ごとに微妙に異なり、4K動画を撮影できるのは大画面モデルのPlus(Moto G4 Plusは除く)となる。全モデルで共通なのは、写真(静止画)マニュアル/パノラマ、動画のスローモーションとYouTubeライブ(全モデル、2018年9月12日時点でソフトウェアアップデータを実施した状態で確認)。

その中でも最新のMoto G6/G6 Plusは、多彩な撮影モードを備える。デュアルカメラを生かして、背景をぼかして被写体を引き立たせる「ポートレートモード」、背景を別の風景に入れ替える「カットイン」、写真の一部のカラーだけを残してモノクロ化する「スポットカラー」といった機能を搭載。一部の機能は撮影後にも編集を加えられる。

「カットイン」は試したかぎり、被写体を選ぶので使うタイミングを選びそうだ。いっぽうの「スポットカラー」は簡単に使えるので、日常的に使えるだろう。“インスタ映え”を狙って、ちょっと凝った撮影も楽しめそうだ。地味だがシャッター音をオフにできるのもポイント。静かなレストランなどで料理を撮影する場合などに重宝する。そのほかにも、撮影前後を動画で残しておける「アクティブフォト」なども備えている。

Moto G6 Plusのメインカメラ。1200万画素/F1.7+500万画素/F2.2のデュアルカメラ仕様で、500万画素のほうは「ポートレートモード」などに必要な深度計測用

人物撮影時に背景をぼかして被写体を引き立たせられる「ポートレートモード」。ぼかし効果は自然で、実用的に使えそうだ。撮影時だけでなく、撮影後にぼかし具合を調整できるのもありがたい

「カットイン」は、メインの被写体を切り抜いて、別の背景と合成する機能。切り抜きは背景をぼかすよりも、被写体を選ぶようで、背景と被写体がはっきりわかれている状態でなければうまくいかない

「スポットカラー」は残したい色の部分をタップするだけなので簡単に利用できる。写真は、車両進入禁止標識の赤をタップして撮影したもので、印象的な写真を簡単に撮れた

オート(A)モードで撮影した夜景。格安スマホとしては十分な画質だが、夜景撮影を得意とする他社の高性能モデルと比べるとワンランク劣る。暗所撮影には過度な期待は禁物だ

シンプルで使いやすい「ピュアアンドロイド」

使い勝手の面では、Gファミリーで共通している部分が多い。特に前面下部の指紋センサーを、アップルの「iPhone」のホームボタンのように設定できる「ワンボタンナビ」が特徴的で、Gファミリーの肝とでも言える部分だ。左にスワイプして戻る、右にスワイプして最近使ったアプリを表示できるのも慣れるとすこぶる便利だ。同機能を有効にすることで、ディスプレイの表示領域を広げるといった効果もある。慣れてしまうと、ソフトウエアボタンには戻れない。

そのほかにも本体を素早く2度ひねるとカメラが起動する「クイックキャプチャ」、2度振り下ろすとフラッシュライトをオン/オフできる「フラッシュライト操作」、持ち上げて着信音停止、下向きで無音化など、本体を動かしてさまざまな操作ができる「Motoアクション」も便利だ(機種によって使える機能は微妙に異なる)。

Gファミリーを入手したらまずは設定したい「ワンボタンナビ」(画像はMoto G6 Plus)

Gファミリーを入手したらまずは設定したい「ワンボタンナビ」(画像はMoto G6 Plus)

「Motoアクション」は自然な動作でさまざまな操作ができる便利な機能。慣れると、ほかのスマホが不便に感じてしまう(画像はMoto G5 Plus)

モトローラのスマホと言えば、「ピュアアンドロイド」とも呼ばれる素のAndroidを搭載しているのもウリだ。Androidスマホは独自のユーザーインターフェイス(UI)を採用しているメーカーが多く、それが各モデルの使い勝手の差にもなっている。それに対して、素のAndroidはシンプルで、プリインストールされているアプリもAndroid標準のものだけ。Androidスマホを使ったことがある人なら違和感なく使えるはずだ。写真や音楽アプリ、Webブラウザーなどが複数インストールされているといったこともないので、はじめてAndroidスマホを使うという人にとっても、わかりやすいのではないだろうか。

まとめ

モトローラのGファミリーは、ファーウェイやOPPO、ASUSなどの競合他社のモデルと比べると、カメラがすごい、バッテリーが大容量といったとがった特色はないものの、コストパフォーマンスが高く、バランスのとれたスマホだ。シンプルで使い安いのも魅力と言える。

最新のMoto G6/G6 Plusは、ガラスボディで高級感がアップし、電子コンパスも搭載された。DSDS対応かつ国内全キャリアに対応するのも見逃せない。もちろん、2枚のSIMカードとmicroSDメモリーカードが使えるので、排他利用のモデルよりも選びやすいはずだ。スペックを重視するなら、3〜4万円台クラスとしてはトップクラスの性能を備えるMoto G6 Plusを選ぼう。価格を重視するなら、価格.com最安価格で2万円台のMoto G6がいいだろう。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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