レビュー
大画面有機EL&FeliCa搭載のプレミアムSIMフリースマホ

9月末に発売が迫るOPPO「R15 Pro」。ライバルと比べた強みはどこ?

OPPOが9月下旬に発売する「R15 Pro」は、市場想定価格69,980円(本記事中の価格は税別。以下同)で、SIMフリースマホとしては高めの製品だ。ファーウェイ「P20」(市場想定価格69,800円)やHTC「U11ソーラーレッド」(希望小売価格69,000円)、ASUS「ZenFone 5Z」(市場想定価格69,800円)など同価格帯の個性的なライバルとの比べた強みはどこにあるのだろうか。

SIMフリースマホとしては高価格の「R15 Pro」。高級機としての特徴はどこにあるのか

SIMフリースマホとしては高価格の「R15 Pro」。高級機としての特徴はどこにあるのか

画面サイズ(解像度):約6.28インチ(1080×2280、有機ELディスプレイ)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約75.2×156.5×8.0mm
重量:約180g
CPU:Snapdragon 660(2.2GHz×4+1.8GHz×4)
RAM容量:6GB
ストレージ容量:128GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大256GB)
OS:Android 8.1(Color OS 5.1)
SIMカードスロット:nanoSIM×2(DSDV対応、microSDメモリーカードスロットと排他利用)
LTE対応バンド:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/39/40/41
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
NFC:搭載
FeliCa:搭載
指紋認証センサー:搭載
ワンセグ/フルセグ:非搭載/非搭載
メインカメラ:約1,600万画素、約2,000万画素
サブカメラ:約2,000万画素
バッテリー容量:3,430mAh
USB:microUSB(OPPO独自の高速充電「VOOC」対応)

防水仕様の薄型ボディに大画面の有機ELディスプレイを搭載

2018年2月に「R11s」で国内スマホ市場に参入したOPPOは、8月31日にコスパ重視の「R15 Neo」を発売した。今回取り上げるハイスペックモデル「R15 Pro」は9月下旬に発売予定であるが、市場想定価格は69,800円で、SIMフリースマホとしては、かなり高価な部類だ。しかし、最近ではこうした高価格帯の製品として、ファーウェイの「P20」、ASUS「ZenFone 5Z」、HTC「U11ソーラーレッド」など、魅力的な製品が増えている。

「R15 Pro」は、ボディサイズが約75.2(幅)×156.5(高さ)×8.0(厚さ)mmで、画面サイズは約6.28インチ、重量は約180gという大型モデルだ。ボディはIPX7等級の防水仕様をクリアしており、一時的な水没に耐えることができる。

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で計測した重量は183g

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で計測した重量は183g

左の「R15 Pro」は高級感を、右の「R15 Neo」はカジュアルさをそれぞれ志向しているが、ボディサイズやデュアルカメラ搭載など似ている部分は多い

ボディの厚さは8.0mm。ボディを薄くできる有機ELパネルの採用に加えて、幅広のフォルムによって実際よりも薄く見える

本機の特徴のひとつは大画面約6.28インチ有機ELディスプレイの採用だ。高画質な有機ELディスプレイを採用するのは、ライバル機と比較した大きなアドバンテージと言える。

そんな本機の画面だが、有機ELディスプレイで指摘されやすい輝度不足もなく、真夏の直射日光が差し込む状況でも、視認性に問題がないレベルだった。また、同様に有機ELで多い文字のにじみも、画面解像度が十分に高いので気にならない。いっぽう、サムスン「Galaxy S9」や、Google「Nexus 6P」などと比較してみると、全体的に、赤、ピンク、肌色と言ったR(赤)系の色味あっさりしている印象を受けた。カラーバーを表示して「Galaxy S9」と比べてみたが、やはり赤のサブピクセルの発色が少し弱いようだ。

ボディ表面を全面に広がるノッチ(切り欠き)付きの約6.28インチの大画面は迫力がある。この大画面の有機ELディスプレイは本機の大きな魅力

有機ELパネルが比較的苦手な文字表示も、にじみが見られず、液晶パネルと比べてもそん色のないレベル

有機ELパネルが比較的苦手な文字表示も、にじみが見られず、液晶パネルと比べてもそん色のないレベル

有機ELパネルは視野角が広いのも利点だが、本機もその例に漏れない。上下左右斜めを問わず、斜めから見ても輝度の低下、発色の変化が少ない

ノッチ部分にはフロントカメラや照度センサーなどが配置される。なお、アプリ別にノッチ部分(左右)を黒く非表示に設定できる

背面中央にFeliCaポートを搭載する。「モバイルSuica」や「Edy」、「nanaco」「WAON」などの主要な電子マネーサービスに対応している

左にGalaxy S9、右がR15 Proで、カラーバーを表示させたところ。見比べると、本機のほうが赤がややくすんでいる

FeliCaポート搭載。DSDV対応で柔軟なSIMカード選びができるのも魅力

R15 Proの機能上の大きな魅力は、おサイフケータイで使うFeliCaポートを搭載している点だろう。7万円前後の価格帯でFeliCaポートを備えるSIMフリースマホは、HTC「U11」、シャープ「AQUOS R Compact」、あとは「Nuroモバイル」専売の「Xperia XZ Premium」くらいしかない。

通信性能では、LTEでB1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/38/39/40/41の各バンド、3G(WCDMA方式)ではB1/2/4/5/6/8/19にそれぞれ対応する。DSDV(デュアル SIM デュアル VoLTE)対応なのに加えて、NTTドコモ、au、ソフトバンク(ワイモバイル)のVoLTEに対応しているので、2枚のSIMカードを柔軟に組み合わせることができる。なお、ファーウェイ「P20」やASUS「ZenFone 5Z」もDSDV対応だが、「ZenFone 5Z」は、本機と同じくNTTドコモ、au、ソフトバンクいずれのVoLTEに対応するものの、P20はソフトバンクのVoLTEのみの対応にとどまる。

SIMカードスロットは2基でDSDV対応。うち1基はmicroSDXCメモリーカードと排他利用となる。ただ、128GBの大容量ストレージを備える本機は、外部メモリーを使わなくても十分に大容量のデータを保存できる

「R15 Neo」では搭載の見送られた指紋認証センサーだが、本機には搭載されている

「R15 Neo」では搭載の見送られた指紋認証センサーだが、本機には搭載されている

ボディ下面に配置されるmicroUSBポートとヘッドホン端子。最近ではエントリーモデルでもUSB Type-Cポートへの移行が進んでいるが、本機はmicroUSBのまま

基本スペックを見てみよう。SoCは、ミドルハイ向けの「Snapdragon 660」で、6GBのRAMと128GBのストレージ、256GBまで拡張可能なmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせている。本機のRAMとストレージの容量は、ヘビーユーザーにはおおいに魅力的だろう。OSは、OPPO独自のColor OS 5.1となっているが、基本的には独自のUIをかぶせたAndroid 8.1だ。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」の総合スコアは145,672(CPU:65375、GPU:30,560、UX:38,833、MEM:10,904)となった。なお、ライバル機のスコアだが、「P20」が20万前後、「ZenFone 5」が27万前後、「U11」が19万弱、「BlackBerry Key2」が11万前後である(いずれも価格.comマガジン調べ。なお最近P20を含むファーウェイのスマホでベンチマークテスト専用モードの存在が発覚している)。

AnTuTuベンチマークの総合スコアは145,672。搭載されるSoCはハイエンド向けではなくミドルハイ向けということで、GPUのスコアが相対的に低い

実際の体感速度は、最新のハイエンドモデル「ZenFone 5Z」や「Galaxy S9」と比較しても、大型アプリの起動では有意な差は感じられず、かなり快適だった。3D描画を使うゲームの「ミリシタ(アイドルマスターミリオンライブシアターデイズ)」は最高画質でも目立ったコマ落ちは起こらず、発熱によるパフォーマンスの低下は、Galaxy S9よりもむしろ少なかったほどだった。いっぽう映像表現に定評のあるファンタジーRPG「OVERHIT」では、デフォルト設定でも構図によってコマ落ちが現れた。また、Webページの画面スクロールでは、Galaxy S9と比べてもたつきが目立った。

本機は6GBの大容量RAMの効果もありアプリの起動や切り替えといったレスポンスは良好で、体感速度は最新機種らしく満足できるものだ。いっぽうで、この価格帯の製品としてはグラフィック性能がやや弱い。高いグラフィック性能が要求されるような最新の3Dゲームを高画質モードで遊びたい場合はハイエンドSoCを採用する「ZenFone 5Z」のほうが適している。

「ミリシタ」ではライブ時の描画設定が「3D軽量」と判定されたが、「3D高画質」にしても、目立ったコマ落ちは現れなかった

ファンタジーRPG「OVERHIT」では、グラフィック品質を“中”にしても、ムービー部分で一部にコマ落ちが現れた

バッテリーについては3,430mAhという比較的容量の大きいバッテリーを搭載している。今回の検証は5日間行ったが、その間に充電は3回行った。待ち受け主体の時はフル充電でおよそ48時間程度バッテリーが持続、撮影や長時間のゲームなどの検証でフルに使った場合でも24時間以上はバッテリーが持続した。ミドルレンジSoC搭載機としてはまずまずの電池持ちで、筆者の利用パターンなら1日フルで利用できそうだ。

OPPO独自の急速充電規格「VOOC」に対応。VOOC用のACアダプターとケーブルが同梱される。なお、microUSB接続の通常の充電器やモバイルバッテリーも利用できる

奥行き感を簡単に表現できるすぐれたデュアルカメラ。AIのシーン判定もおおむね良好

OPPOのスマートフォンはカメラ機能に注力されており、ラインアップの最上位である本機もその例外ではない。メインカメラは約1,600万画素と約2,000万画素のイメージセンサーを組み合わせたデュアルカメラ仕様。フロントカメラも2,000万画素という高画素のイメージセンサーを使用している。メインカメラは、より高精細なイメージセンサーを使うことで実現した高品質な背景ぼかし撮影が特徴だ。また、AIを使ったシーン認識もポイントで、ペットや風景など16種類の被写体と、120種類の状況を自動的に判別して最適な設定で撮影が行える。また、フロントカメラを使ったセルフィー撮影ではAIを活用した美顔撮影機能「A.I.ビューティーセンサー 2.0」が、顔の特徴となる295か所を計測することで、800万通りのデータから被写体に適した設定を探しだし、よりナチュラルに美しい仕上がりにしてくれる。

以下に作例を掲載する。断り書きのない場合、カメラ任せのオートモードで撮影している。

メインカメラのデュアルカメラは、被写界深度の計測に使われ、より自然で精度の高い背景ぼかし撮影に利用される

中央の花にピントを合わせ、背景をぼかした。花と背景の境界部分の自然な処理に注目したい

中央の花にピントを合わせ、背景をぼかした。花と背景の境界部分の自然な処理に注目したい

こちらも背景をぼかし、効果がよりわかりやすいようにモノクロで撮影した。確かに、一眼レフカメラのような立体感が感じられる

インカメラでの撮影。A.I.ビューティーセンサー 2.0は、デフォルト設定のままだが、効果は強力。仕上がりを見てエフェクトの強さを調節したほうがよさそうだ

自然光の入るテーブルで料理を撮影。ライスの上に盛られた肉やレタスのみずみずしさ、小皿に盛られたチリソースの照りなどがより映える仕上がりだ

外光の入らないLED照明のスポットライトの下でカルボナーラを撮影。上の自然光下の作例と比べると、上に乗っているベーコンの発色がいささか不自然に感じられる。AI判定でズレが起きた可能性がある

空中庭園の夜景を撮影。周辺のビルは鮮明だが、植栽のディテールははっきりしない

空中庭園の夜景を撮影。周辺のビルは鮮明だが、植栽のディテールははっきりしない

丸の内の夜景を撮影、肉眼より鮮明と言うほどではないが、仕上がりは悪くない。手ぶれには比較的強いようで、30枚ほど撮影した中で明白な手ぶれが見られたのは3枚に抑えられた

本機のカメラでさまざまな撮影を行ったが、背景をぼかした場合の自然さは特筆に値し、スマホのカメラでは難しかった立体感を手軽に表現できる。ライバル製品の類似機能よりも自然な仕上がりである。いっぽう、夜景撮影は手ぶれが起こりにくく扱いやすいが、「P20」や「U11」ほどの鮮明さはない。注目のAI機能だが、ユーザーの意図とAIの判定した設定の間にズレを感じることは少なく、総じて失敗写真は少ない印象だ。

バランスのとれた機能と性能、ボケを生かせるカメラが魅力

7万円近い価格をSIMフリースマホに支払うには、何らかの明白な目的が欲しい。そうした点で本機を見ると、有機ELを使った大画面、スマホでは難しかった奥行き感を表現できるデュアルカメラ、そしてFeliCaポートの搭載という点が挙げられる。SoCの性能がやや弱いが、6GBのRAMと、128GBのストレージは、長く使ううえでのアドバンテージになる。また、国内の主要3キャリアのVoLTEに対応しているので、最新のDSDVをフル活用できる点もいい。価格の割にグラフィック性能が少し弱いので3Dゲームを高画質で遊びたいという人には向かないが、そうでなければ快適に使うことができるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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