レビュー
気になる電池持ちやAI機能の実際に迫る!

Googleの注目モデル「Pixel 3」「Pixel 3 XL」2週間使い倒しレビュー

2018年11月1日に発売された、Google渾身のスマートフォン「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」の製品版相当機を2週間使用した。ハードウェアの特徴や注目のカメラ機能、ベンチマークテストの結果についてはすでにレポートをお届けしているが、ここでは本機の独自機能の使い勝手やバッテリー持ちなど、実際に使い込んだレビューをお届けしよう。

いろいろな意味で大きく変わった使い勝手

まずは、使って気付いた点を項目ごとにまとめてお届けしよう。

多くの操作をホームボタンひとつで行える

「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」は、国内で発売される製品としては、2015年10月に登場した「Nexus 5X」「Nexus 6P」以来3年ぶりとなる、Google製のスマートフォンだ。近未来のAndroidスマートフォンのリファレンス機という側面に加えて、最先端のAI技術などを惜しげもなく盛り込んだハイエンドモデルであるという点が、どちらからというと開発者寄りだった旧Nexusシリーズと大きく異なる。なお、両機は画面サイズとバッテリー容量以外はほぼ同じスペック。

「Pixel 3」および「Pixel 3XL」は、最新のAndroid OS「Android 9.0 Pie」を採用しているが、そんな本機を使い始めると、すぐに、ホームボタンが今までと違うことに気付くだろう。画面下に備わるのは楕円形になった新しいホームボタンのみで、バックボタンは必要に応じて表示、タスクボタンは廃止された。新しいホームボタンはタップすればホーム画面に戻るが、左右にフリックすれば起動中のタスクの切り替え、長押しすればGoogleアシスタント呼び出し、上に2回フリックすればアプリの一覧画面が表示されるなど、多機能だ。以前からの機能を、より少ないボタンに集約させたが、操作はスムーズだ。最初はとまどうかと思ったが、なじむのに1日もかからなかった。なお、「Pixel 3」および「Pixel 3 XL」では、従来型のボタン配置への切り替えはできない。

操作ボタンが大幅に整理された。画面下に備わる楕円形のホームボタンに機能が集約され、バックボタンは必要に応じて表示される

新しいホームボタンを上にフリックするとタスクの切り替え画面が現れる。そのまま左右にフリックすればタスクを切り替え可能だ(左画面)。左の画面からさらに、ホームボタンを上にフリックするとアプリの一覧画面が現れる。なお、アプリの並びはカスタマイズできない(右画面)

より細かい音量調整が可能に

音量調整機能も改善された。一部のオーディオ特化モデルを除いて、Androidスマートフォンでは、音量調整は、消音から最大音量まで8〜16段階程度しか行えなかった。しかし本機は、26段階と、繊細な音量調整が行える。
なお、ヘッドホン端子は廃止され、有線イヤホンを使う場合は、USB Type-C接続のハイレゾ対応イヤホンか、3.5mmイヤホンジャックへの変換コネクター(いずれも同梱)を使う。

サウンド関連の新機能として面白いのが、感知したBGMなどのタイトルやアーティストを表示するOSの標準機能「この曲なに?」。こうした機能を実現するアプリはすでにあるが、あらかじめアプリを起動しておく必要がないうえに、感知した音楽データのログが残るので、あとからの確認も行いやすい。

ボリューム調節は26段階と細かくなり、より繊細に調節できるようになった。なお、音楽やゲームなどのメディアの音量、通話音量、着信音の音量、アラームの音量は、それぞれ別々に調整できる

「この曲なに?」は、周囲に流れる音楽の曲名やアーティスト情報を画面に表示する機能

「この曲なに?」は、周囲に流れる音楽の曲名やアーティスト情報を画面に表示する機能

握って操作する「Active Edge」は、カスタマイズ機能が欲しい

側面を強く握って操作するユーザーインターフェイス「Active Edge」も本機の特徴だ。これは、国内未発売の前モデル「Pixel 2」に搭載されていたほか、類似の機能が、HTCの「エッジセンス」や、シャープの「グリップマジック」など、同様の機能はすでに存在しているので珍しくはない。ただ、「Active Edge」に割り当てられている機能は、「Googleアシスタントの呼び出し」と「着信音の消音」という2つのアクションのみで、カメラの起動などを割り当てることなどができないのが残念。

握って操作する「Active Edge」。呼び出す機能のカスタマイズが行えないのが残念

握って操作する「Active Edge」。呼び出す機能のカスタマイズが行えないのが残念

LED通知は廃止。各種機能はディスプレイの「アンビエント表示」で行う

本機には、スリープ時に、メール、電話、SNSなどの着信、充電の状態などを確認できるLEDのインジケーターが省略されているが、これを補うものとしてディスプレイの「アンビエント表示」を使う。アンビエント表示はディスプレイ上に、時間、天気、各種通知、バッテリーの状態を少ない電力で表示するというもの。ただし、省電力とはいえバッテリーの消費が増えるうえに、本機が採用する有機ELディスプレイで起こりやすいとされる、画面の焼き付きが気になる(焼き付き防止対策はとられているようだが……)。なお、アンビエント表示では、常時点灯ではなく、端末を持ち上げた場合や画面をダブルタップしたときのみ一時的に表示する設定も用意されているので、気になる場合は、「設定」→「ディスプレイ」→「詳細設定」→「アンビエント表示」で調節しよう。

Androidスマートフォンでは一般的なLEDインジケーターが廃止され、着信などの通知はディスプレイの「アンビエント表示」で行う

Google Payは電子マネーに加えてポイントカード機能も搭載

本機は、FeliCaポートを搭載しており、国内の主要な電子マネーサービスが利用できる。また、本機の発売前のタイミングで、電子マネーアプリ「Google Pay」の機能強化がなされ、各種電子マネーへのチャージや、さまざまなポイントカード機能を取り込めるようになった。筆者が利用している電子マネーやポイントカードを片っぱしから登録してみたが、サイフに貯まっていた大手企業のポイントカード類はほとんど登録できた。

期間中に10回使えば1000円分のポイントがもらえる「Pixel 3」「Pixel 3 XL」ユーザー限定の「Google Pay」利用キャンペーンも実施中。これもふくめて、11月初頭の時点で、Google Payに関連するポイント還元キャンペーンが5種類も用意されている

ポイントカード類の取り込みも可能。データはFeliCaリーダーでの読み取りや、バーコードとしても保存される。サイフ内のカード類の整理がはかどり、レジ前でカードを探してあたふたすることが減り、なかなか重宝した

子どものスマホ利用実態把握にも応用できる「Digital Wellbeing」

Android 9.0の新機能で、スマホの使いすぎを防止する「Digital Wellbeing」にも対応している。これは1日のスマホの利用時間、受信した通知の数、ロック解除した回数を記録し可視化するというものだ。なお、アプリごとに1日の利用時間に制限を加えるタイマー機能、睡眠を妨げないように通知に制限を加える機能、画面をモノクロにする機能なども備わっている。これは、スマホと生活の関係を見直すツールとしても有効だが、子どもにスマートフォンを持たせる場合などにも応用できそうだ。

1日あたりのスマホの利用時間をアプリごとに可視化する「Digital Wellbeing」。子どものスマホの利用状況を把握するのにも役立ちそうだ

AI制御のおかげかバッテリー持ちは良好

Pixel 3シリーズには、最大18W(9V2A)の出力に対応したUSB Power Delivery(USB PD)対応の充電器が同梱されている。この充電器を使い、3430mAhのバッテリーを内蔵する「Pixel 3 XL」の充電を行ったところ、充電時間はバッテリー残量ゼロからフル充電まで2時間ちょうどと、かなりのハイスピードだった。なお、最大46W(20V/2.3A)の出力に対応するゴッパのUSB PD対応充電器「E00460A1C」や、15W(5V3A)出力に対応する汎用のUSB Type-C充電器でも試してみたが、充電の立ち上がりでペースに多少違いはあるがトータルの充電時間はあまり変わらなかった。

なお、節電機能として、Android 9.0の新機能でAIを使った「自動調整バッテリー(アダプティブバッテリー)」機能も注目だ。これはユーザーの利用パターンを学習し、アプリの優先度に応じて消費電力を制御するというものだ。ディスプレイの輝度調整にもAIが使われており、利用パターンや周囲の環境に応じて最適な輝度に調整してくれる「明るさの自動調節(アダプティブブライトネス)」も搭載されている。ただ、これらの機能の効果が発揮されるまで少し時間がかかる。

AIを使ったバッテリー制御「自動調整バッテリー(アダプティブバッテリー)」は、設定不要で、スマホが勝手にバッテリーの使い方を最適化してくれる(左画面)。バックグラウンドでバッテリーを消費するアプリを検知して動作を制限できる(右画面)

「Pixel 3 XL」を使って検証を行った2週間で、行った充電は11回で、おおむね24時間+αに1回の充電で済んだ。なお、新機能「Digital Wellbeing」を使った1日あたりの利用時間は約172分となった。期間中かなり酷使したこともあったが、電力消費を抑えるバッテリーセーバーを起動してからのバッテリーの減り方はかなりゆるやかだった。バッテリーの残量が15%になった時点でバッテリーセーバーを起動させて、ある程度利用を自重した場合、10時間以上経っても9%までしかバッテリーが減らなかった。同様の機能はほかのスマートフォンにも多く搭載されているが、本機の場合、バッテリー消費のコントロールがかなりしっかりしている印象で、いざという時に、バッテリーを長持ちさせるのにかなり効果的だと感じた。

バッテリー消費は待ち受け主体で最長約54時間、持ち歩きつつ、マップアプリを使うなど酷使した場合、約23時間でバッテリー残量がフル充電からゼロになった

ハイエンド機として十分な処理性能だがメモリーが4GBなのが残念

「Pixel 3 」および「Pixel 3 XL」の基本スペックはかなり高い。搭載されるSoC「Snapdragon 845」は、先日発売された超高性能スマートフォン「Galaxy Note9」や、ソニー「Xperia XZ3」、シャープ「AQUOS zero」などのハイエンドスマートフォンにも搭載されているもので、現時点で最高レベルの処理性能を備えている。

体感速度的にも、同時期に発売される競合モデルと比較してもそん色はない。ただ、RAMの容量が4GBと、このクラスのスマートフォンとしては少なめだ。このRAM容量の少なさはタスク切り替えの際に影響が現れる。例えば、ゲームのヘビーユーザーの場合、ゲームをプレイさせつつ、Webブラウザーで攻略サイトを確認し、さらにSNSでプレーヤー同士の連絡を行うことがある。こうした場合、RAMの容量に余裕がないと、タスクを切り替えた時に、ゲームがタイトル画面に戻ってしまうことがある。本機は、6GBのRAMを備える競合機と比較すると、こうしたケースは目立った。ゲーミングスマホとして見ると、少々不利と言えるだろう。

そんな本機のアドバンテージはやはり、やはりソフトウェア面では、Android 9.0をいち早く搭載している点だろう。今秋発売のスマートフォンで、Android 9.0をプリインストールするのは、ほかにソニー「Xperia XZ3」くらいしかない。Android 9.0に限らず、新OSが登場した初期はアプリの互換性に問題が生じやすいが、筆者が常用しているアプリ109個を片っぱしから試したところ、起動しないものや機能に制限があるものはほとんど見当たらなかった。通信やバッテリー管理といったユーティリティアプリも多くが普通に動いていたのは、筆者の過去の経験から見ても珍しい。アプリの対応をさほど気にせずに最新OSを使えるのは、大いに助かる。また、OSのバージョンアップも将来的に3回予定されているほか、毎月配布されるセキュリティアップデートも2021年10月まで配布が保証されているのも心強い。

使いやすく楽しいが、SIMフリー版では10万円を超える値段がネック

通信キャリアモデル、SIMフリーモデル含めて、「Pixel 3 」「Pixel 3 XL」の属するハイエンドスマートフォンのライバルが非常に多い。そんな中で本機のアドバンテージを探すなら、高度なソフトウェア技術で実現した高機能ながら洗練された扱いやすさだろう。もちろん、先日のレビューで取り上げた高画質で扱いやすいカメラ、FeliCaポートの搭載、防水・防塵対応といった機能面もしっかりとしているので、今まで国産スマホを使っていた人たちでも比較的スムーズに乗り換えられるはずだ。

だたし、ネックとなるのはその価格。SIMフリーモデルでは、もっとも安価な「Pixel 3(64GB)」でも95,000円、いちばん高い「Pixel 3 XL(128GB)」のモデルでは131,000円(いずれも税込)。NTTドコモ版の場合、月々サポート適用時の実質負担金が「Pixel 3 XL(128GB)」では90,072円、「Pixel 3(64GB)」が57,024円。ソフトバンク版では、半額サポートを使い24か月目に機種変更して下取りに出した場合の実質負担金は「Pixel 3(64GB)」が57,024円、「Pixel 3 XL(128GB)」は65,520円。

新型iPhoneの価格でも話題になったが、近ごろハイエンドスマートフォンは世界的に値上がり傾向にある。また、通信キャリア各社の動向を見ても、月々の通話料は値下げするが、端末の割引きは抑える傾向に進んでいる。そうした潮流を加味しても、やはりいささか高い。

Googleの最新AI機能を使えるのは魅力的だが、RAM容量など基本スペックで負けている部分もあり、万人にすすめられるとは言えないところもある。国内買う人を選ぶハイエンドモデルという部分は否めない。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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