レビュー
2018年モデルはフルモデルチェンジ

新型「iPad Pro」レビュー、5大進化ポイントの○と×

フルモデルチェンジを果たしたアップルのタブレット端末「iPad Pro」。ホームボタンを廃止し、外部インターフェイスをUSB-Cポートに変更するなど、これまでのiPad Proとはガラリと変わっている。本記事では新型iPad Proの5大進化ポイントの○(いいところ)と×(気になるところ)をレポートしたい。

今回試したのは、iPad Pro(12.9型)のWi-Fi+Cellularモデル(1TB)

今回試したのは、iPad Pro(12.9型)のWi-Fi+Cellularモデル(1TB)

進化ポイント1:ホームボタン廃止でX化&オールスクリーン化

新型iPad Proは、「変わっていないのは名前だけ」というほど、いろいろな部分が前モデルから変わっている。なかでも一番の変更点は、ホームボタンを廃止し、同社のスマートフォン「iPhone X」の操作方法を取り入れたことだろう。画面の下に表示されるバーを上にスワイプするとホーム画面が表示され、右上をスワイプするとコントロールセンターが表示される。iPadのX化とでも言えるだろう。

ホームボタンがなくなり、上下左右のベゼルの太さが均一化された。iPhone Xと同じく、画面をタップすると、画面がオンになる

ホームボタン廃止にともない、生体認証が指紋から顔に変更されている。iPhone Xと同じで、前面に備わる「TrueDepthカメラ」により顔でロック解除や「Apple Pay」の支払いができる。

iPad Pro用に縦でも横でも認証できるように手を加えられており、実際に縦向きでも横向きでも反応してくれた。持ち方によってはTrueDepthカメラに指がかかる場面があるが、その場合は、「カメラが覆われています」とい文字とともに、カメラの位置を矢印で知らせてくれる親切設計。TrueDepthカメラが下にあると、「下を向いてロック解除」という文字が表示され、目線を下に向けると解除できる。

親切設計の裏返しなのだが、新型iPad Proはベゼルレスなので上下左右がわかりにくく、前述のアラートがよく出るのが気になった。指示に従って指を離したり、目線を下に向ければよいだけなのだが、何度も出るとパスコードで解除したくなる。

新型iPad ProのTrueDepthカメラは、iPhone Xとハードウェア構成は同じようだが、横向きでも認証できるように、より多くの顔を機械学習させているという

ロック解除時にTrueDepthカメラを指で覆っていると、写真のような文字と矢印が表示される。親切設計だが、慣れるまでは頻繁に表示されるのが気になった

狭額縁化のメリットは、大画面化とコンパクト化だ。新型iPad Proは11型と12.9型の2つの画面サイズをラインアップするが、11型モデルは前モデルで現行モデルとしても残っている10.5型モデルとほぼ同じサイズで大画面化を果たしている。12.9型モデルは、画面サイズはそのままに体積比で25%のコンパクト化を実現。前モデル12.9型モデルは巨大な板だったが、新モデルはかなり実用的なサイズとなっている。

iPad Proの12.9型モデルと、9.7型の第6世代iPad。上下のベゼルが細くなっているのがわかる

iPad Proの12.9型モデルと、9.7型の第6世代iPad。上下のベゼルが細くなっているのがわかる

ベゼルが細いので、手に持って使う場合は、どうしても画面に指がかかってしまう

ベゼルが細いので、手に持って使う場合は、どうしても画面に指がかかってしまう

○いいところ
・巨大な板だった12.9型モデルがコンパクトになった。
・iPhone X以降と使い勝手が同じになった。
・Face IDは横向きでも縦向きでも認証OK(iPhoneにも欲しい!)。
・Face IDは指でカメラを隠していても教えてくれる親切設計。

×気になるところ
・ベゼルが細いので、持つときにどうしても画面に指がかかってしまう。手に持って使うことの多い11型モデルは特に注意。
・TrueDepthカメラのアラートがよく出る。

進化ポイント2:USB-Cポートは便利だが、できないこともある

外部インターフェイスが独自のLightningからUSB-Cになったのも新型iPad Proの大きな進化ポイントというか変更点だ。普通のUSB-Cなので、他社のUSB-C対応機器を接続できる。映像出力は、5Kのほか4Kなら2画面出力可能。iPad Proの画面をそのまま表示するミラーリングだけでなく、アプリによって一部だけを出力するマルチディスプレイにも対応している。手持ちのUSBハブを使って試したところ、キーボードやSDメモリーカードが使えることを確認できた。

ただし、パソコンのUSB-Cとは違う点もある。たとえば、USBメモリーからドキュメントを取り込んで、「Pages」で編集するといったことはできない。WindowsやMacは、ファイルを起点に作業をするが、iOSはアプリを起点に作業をする。アプリ側が対応すれば、できるようになるかもしれないが、今のところはできない。

また、充電に関しても、USBハブ経由で接続したiPhoneを充電できることは確認できたが、一部のAndroidスマホは逆にiPad Proを充電してしまった。モバイルバッテリー代わりに使おうと考えている人は注意しよう。

USB-C接続のハブにいろいろな機器を接続してみたが、ディスプレイやUSBメモリー(画像のみ)、SDメモリーカードなどは接続して使えた

USB-C接続のハブを接続すると右上に接続中のアイコンが表示される

USB-C接続のハブを接続すると、右上に接続中のアイコンが表示される

○いいところ
・すべてではないがUSB-C対応機器がそのまま使える。
・iPhoneを充電できるのは便利(Lightning to USB-Cやハブが必須)。

×気になるところ
・1ポートだけなので、複数機器を使う場合はハブが必要。
・Androidスマホを充電すると、逆にiPadが充電されるなど、思った通りに動かないことがある。

進化ポイント3:Apple Pencilはよりペンらしく進化

「Apple Pencil」も第2世代となり、見た目も充電方法も一新された。第1世代はペンとしては長めだったし、丸いので机の上に置くとコロコロと転がってしまっていた。充電もペンのキャップを取って、Lightningポートに接続するという、少しいびつな仕様だった。

第2世代のApple Pencilは、第1世代のものより短くなり、一部が平らになって転がらなくなった。それだけでもずいぶんペンらしくなったが、充電がiPad Proにマグネットで固定するだけになったのも大きい。ペアリングもマグネットで固定するだけと簡単だ。マグネットは強力なので、固定したままカバンに入れても簡単には外れない。カバンの中でペンが行方不明になりがちな筆者にとってはうれしい強化点と言える。

なお、第1世代のApple Pencilは、新型iPad Proでは使えない。iPad Proを買い替える場合は、Apple Pencilもいっしょに買い替えなければならないことは覚えておこう。

上が第2世代、下が第1世代のApple Pencil

上が第2世代、下が第1世代のApple Pencil

iPad Proの上部にマグネットが入っており、Apple Pencilを固定できる。これで充電もできる

iPad Proの上部にマグネットが入っており、Apple Pencilを固定できる。これで充電もされる

ペアリング画面。マグネットで固定すると画面のようにApple Pencilが表示される。Apple Pencilのバッテリー残量も表示される仕様だ

書き味に関するスペックは第1世代と変わっていないが、持ちやすさがアップしたことで、書きやすくなっている印象を受ける

○いいところ
・充電がしやすくなった。
・机の上やカバンの中でころころ転がることがなくなった。

×気になるところ
・価格は高め。アップルストア価格は14,500 (税別)。
・前世代のApple Pencilと互換性がない。

進化ポイント4:プロテクション性能がアップした「Smart Keyboard Folio」

iPad Proの必須アクセサリーである「Smart Keyboard」は、背面も保護できるフォリオタイプの「Smart Keyboard Folio」に変わり、プロテクション性能がアップ。さらに、角度を2段階で変更できるようになり、使い勝手もよくなっている。Face IDに対応したので、スペースキーを2度押すとロック解除までできるのも便利だ。

キーボードとしては、キーストロークが浅く、ペタペタというタイプ感は、変わっていないが、クリック感がアップして、ずいぶんと入力しやすくなった印象だ。気になるところは重量。実測で407gなので、633gのWi-Fi+Cellularモデルと合わせると1kg超えてしまう。

2つの溝があり、iPad Proを2つの角度で固定できる。溝にもマグネットが組み込まれており、しっかりと固定できる。深めのポジションであれば、膝の上でも使えるだろう

ストロークは浅めだが、安定感がアップしたせいか、タイピングしやすくなっている

ストロークは浅めだが、安定感がアップしたせいか、タイピングしやすくなっている

「Smart Connector」は本体背面の下部に備わる。そのため、前モデルのSmart Keyboardは使えない

「Smart Connector」は本体背面の下部に備わる。そのため、前モデルのSmart Keyboardは使えない

○いいところ
・前面だけでなく背面も保護してくれるフォリオタイプになった。
・2段階で角度を変えられる。膝の上でも使いやすい。

×気になるところ
・価格がお高め。アップルストア価格は、11型用が21,373円、12.9型用が24,624円(どちらも税別)。
・重量が実測407gで本体と合わせると1kgオーバー。
・こちらも前モデルとの互換性なし。

進化ポイント5:性能はノートPC以上! カメラがダウングレード

最後は性能だ。新型iPad Proは同社のノートパソコン「MacBook Pro」に匹敵するほどの高い性能を誇るというのがウリ。8コアの「A12X Bionicチップ」を搭載しており、8コアすべてを動作させることもできる。1TBモデルのメモリーが6GBというのがネットで話題だが、 iOSはメモリーの容量をそれほど意識しないでいいOSなので、それほど気にする必要はないだろう。

スペック面で気になるところは、アウトカメラに光学式手ぶれ補正機構がなくなり、レンズ構成も少しだけダウングレードされていること。iPadは、iPhoneよりカメラを使う機会が少ないとはいえ、気にする人もいそうだ。

定番ベンチマークアプリ「Geekbench 4」の結果。1TBモデルなので、RAMが5.52GBと表示されている

定番ベンチマークアプリ「Geekbench 4」の結果。1TBモデルなので、RAMが5.52GBと表示されている

1200万画素のアウトカメラ。光学式手ぶれ補正機構は非搭載で、レンズ構成が6枚から5枚へ1枚減っている。唯一のダウングレードと言える点かもしれない

◯いいところ
・「ほとんどのノートPCよりも高性能」は本当かもと思うほどのスペック。

×気になるところ
・アウトカメラがスペックダウン。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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