ゲーマーにとって、PCデスク周りにこだわるのは、当然のこと。自分好みにカスタマイズした環境で、好きなゲームをプレイするなんて、最高のぜいたくだ。
さらに最近では、カスタマイズしたPCデスク周りをSNSに投稿して、全世界のユーザーと共有して楽しむというユーザーも増えている。たとえば、Instagramで「desksetup」と検索すると、おしゃれにカスタマイズされたPCデスクの画像が数多くヒットする。また、YouTubeにある「Room Tour Project」という動画では、自分のPCデスク周りを紹介する様子が楽しめる。どれもクオリティが高く、ながめるだけでも楽しいので、興味のある方は一度、ぜひ見てほしい。
筆者のゲーム仲間による、PCデスク周りの画像。模様替えするたびにSNSへ投稿し、その画像にはいつも、すさまじい数の「いいね」がつく
また、なかには、「ゲームに興味はないけれど、ゲーミングデバイスのデザインが好き」という人も存在する。ゲーミングデバイスは、実用的なうえにデザインにも凝っていて、LEDのカラーをカスタマイズできる場合も多いので、PCデスク周りのインテリアに適しているのだ。
PC周辺機器と言うと、コスパを重視して、どうしてもシンプルなデザインになりがちだが、ゲーミングデバイスは、デザイン性を重視した製品が多い。価格は決して安くはないが、「どうせ買うなら、見た目がよいものを選びたい」というゲーマーも少なくないはずだ。
そんな中、今回は、PCデスク周りを手軽にカスタマイズできて、なおかつ“SNS映え”も楽しめるアイテムとして、LEDイルミネーション付きの派手なヘッドセットスタンド「ST100 RGB」(Corsair)を紹介したい。
“すちーむまにあ”辻村美奈が今回紹介するのは、Corsairのヘッドセットスタンド「ST100 RGB」。デザインはとてもシンプル。派手すぎず、地味すぎずといった印象だ
ヘッドセットスタンドは、その名の通り、ヘッドセットをかけるためのもの。PCデスクの端に置く“脇役”のような存在であるため、シンプルなデザインの製品が多いが、このST100 RGBは、ひと味違う。なんといっても、最大の魅力はスタンド中央にある、光る「Corsair」ロゴマーク。これは、Corsairファンにはたまらないだろう。
USBケーブルを接続して電源を供給すると、Corsairのロゴマークが点灯し始める
ロゴマークは点滅を繰り返し、そのたびにカラーが変化する
Corsairのロゴマークと同時に、本体底面をかこむLEDイルミネーションも点灯する
なお、公式ページからダウンロードできる「CUE」というソフトウェアを使って、Corsairのロゴマークや、底面のLEDイルミネーションを、自分好みのカラーにカスタマイズできる。部屋の模様替えや、PCデスク上のデザインを定期的に変える人にとって、かなり重宝することだろう。
CUEの画面。LEDのカラーや動き方、光の速さなども、こまかく設定できる。また、さまざまなプリセットが用意されており、設定も簡単だ
ヘッドセットスタンド本体の素材は、高級感ただよう上質なアルミ製。この光沢感は、プラスチック製とは、比べものにならない。それでいて、とても頑丈な作りとなっている。これなら、何年も長く使えそうだ。
さらに驚いたのは、その重さだ。写真では少し伝わりづらいが、ヘッドセットスタンドを持った瞬間、本体重量980gのどっしりとした重みを感じた。これなら、ちょっとやそっとで倒れることはないだろう。底面はゴム製となっており、掃除の際や、こまかなPCデスクの揺れでズレる心配もない。
ST100 RGBに、筆者が普段使用しているヘッドセット「GAME ZERO」 (ゼンハイザー)をかけてみた。見た目がカッコいい! 普段は無造作にPCデスクに置きっぱなしだが、スタンドを使うと、インテリアとしても楽しめる。また、重量感があり、しっかりとした作りなので、ズレてPCデスクを傷つけたり、ヘッドセットの重さでよろけて倒れたりする心配もない
横から見たところ。スタンドに、ヘッドセットがきれいに収まっているのがわかる
“光るヘッドセットスタンド”だけで終わらないのが、ST100 RGBの大きなポイント。本体デザインの次は、機能面をチェックしていこう。主な特徴は2つある。
1つめは、USBハブ機能。台座の上面と右側面に、USB 3.1ポート(Type-A)を各1基ずつ装備しており、USBデバイスの充電やデータ転送を行える。USBハブもヘッドセットスタンドも、基本的にはPCデスク上に置くものなので、これが1台にまとまっているのは、うれしいポイントだ。
台座の右側面。画像左からヘッドホン入力端子、USB 3.1ポート(Type-A)を備える。さらに、上面には、もうひとつのUSB 3.1ポート(Type-A)が見える
右側面にあるUSB 3.1ポート(Type-A)にiPhoneを接続し、充電してみた
2つめの特徴は、7.1chバーチャルサラウンドに対応すること。7.1chに非対応のヘッドセットでも、右側面にある4極3.5mmステレオ端子に接続すれば、仮想の7.1chサラウンドサウンドを楽しめる。
なお、7.1chバーチャルサラウンドの設定は、先ほど紹介したソフトウェアのCUEを使って、プレイするゲームのジャンルにあわせて、ワンタッチで切り替えられる。
たとえば、7.1chバーチャルサラウンドに対応していると、「FPS」(First Person Shooter:1人称視点のシューティングゲーム)では、ゲームをかなり有利に進められるが、RPGやパズルゲームでは、それほどメリットはない。切り替えは、ソフトウェア上で簡単に行えるため、ストレスを感じなかった。
CEUの画面で、右に表示されている「7.1サラウンドヘッドフォン」というタブをクリックするだけで、7.1chバーチャルサラウンドの設定を切り替えられる
ヘッドセットスタンドのすべての設定は、プロファイルとして保存し、インポートすることもできる
では、実際にゲームをプレイしてみると、どうだろう。試しに、筆者が普段愛用しているヘッドセット「GAME ZERO」をST100 RGBに接続し、PC用FPSゲーム「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」でプレイしてみた。
このゲームは、防衛側と攻撃側に分かれて戦う、室内戦の大人気FPSゲームだ。室内戦ということで、屋外戦と比べて足音が響きやすく、すぐに敵に見つかってしまうので、FPSの中でも、かなりシリアスな部類のゲームと言える。
防衛側でしばらく進んでいくと、足音が背後から近づいてくるのが、すぐにわかった。思わずゾッとしてしまうほどリアルだ。最近は、FPSで遊んでいなかったせいか(FPS以外のゲームはあまり7.1chバーチャルサラウンドに対応していない)、「うわっ、リアル!」と、改めてサウンドのクオリティのよさに驚いた。
「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」での防衛側のスクリーンショット。音で敵に位置が伝わってしまうゲームなので、しゃがんで移動しないとすぐに殺されてしまう
ヘッドセットスタンドを変えるだけで、部屋の雰囲気が変わるだけでなく、7.1chバーチャルサラウンドなどの機能を楽しめるのには、驚きだった。まさに、一石二鳥のデバイス!
今回の率直な感想として、ソフトウェアの設定がとても簡単で、7.1chバーチャルサラウンドを手軽に手に入れたいユーザーにも適した、ゲーミングデバイスではないかと感じた。さらに、雰囲気に合わせて、LEDイルミネーションのカラーを調整できるので、インテリアとしても優秀だ。USBハブとしても使用できるなど、付加価値が高い点も魅力と言える。
価格.com上での価格は、9,000円程度(2019年1月18日時点)。これを、高く感じるか安く感じるかは、人によって分かれるところだが、ヘッドセットスタンドながら多機能な点や、“SNS映え”するということを考慮すると、お得感はかなり高いはずだ。
ライター:辻村美奈(オフィスマイカ)
編集プロダクション。「美味しいもの」と「小さいもの」が大好物。 好奇心の赴くまま、よいモノを求めてどこまでも!(ただし、国内限定)