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どこが一番速かった?

格安SIM人気回線の通信速度年間ランキング【2018年版】

大手携帯キャリアと比べて毎月のスマホ料金が安いものの、肝心の通信速度は遅いと言われているMVNO(仮想移動体通信事業者)の「格安SIM」。会社や学校の休憩時間にあたる平日昼の12時台や、プライベートでの通信が増える夕方から深夜にかけての時間帯では、回線速度が低下しやすいというデメリットがあります。

そんな格安SIMの実態を探るべく毎月実施している人気回線の速度調査(関連記事)について、2018年の年間データを総まとめ。年間ランキングと全体の傾向をチェックしてみました。

調査方法をおさらい

最初に、速度調査の方法をおさらいしておきましょう。筆者が実施している調査では、人口密度の高い地域の例として東京都千代田区の東京駅周辺、対照となる低い地域の例として筆者が住む長野県佐久市の佐久平駅周辺を選定。通信が集中する12時台と18時台、そして比較的通信が少ない14時台において、12種類の格安SIMの通信速度を以下の2通りの方法で調査しています。調査に使用しているスマホは、ファーウェイの「P10 lite」です。

【調査方法1】
速度調査の定番アプリ「RBB SPEED TEST」(イード)を用いて、各地点・各時間帯で5回測定した上り/下り通信速度の平均値を算出。測定エラーは回数に含めず、正常に測定できた結果のみを採用する。

【調査方法2】
実際の体感速度に近い状況として、アプリのダウンロード時における通信速度を測定。「通信速度モニター」(Lufesu Inc.)による通信速度を表示した状態でPlayストアからアプリをダウンロードし、その間の速度推移をP10 liteの動画スクリーンショット機能で記録。測定終了後に動画を確認し、ダウンロード中の下り平均速度を算出する。限られた時間内で測定を行うために、開始から1分30秒が経過した時点でもアプリのダウンロードが終わらない場合はインストールを中断し、その時点までの平均速度を求める。

2018年に調査した格安SIMは、以下の計13種類となります。ちなみに、専用の通信帯域が割り当てられるmineoの「プレミアムコース」のような特別なオプションは、いずれも利用していません。

●2018年に調査した13種類(11社)の格安SIM
・ワイモバイル
・UQ mobile
・BIGLOBEモバイル(タイプD)
・OCNモバイルONE
・楽天モバイル(ドコモ回線)
・mineo(Dプラン)
・mineo(Aプラン)
・mineo(Sプラン)(※2018年10月から)
・IIJmio(みおふぉん)モバイルサービス(タイプD)
・イオンモバイル(NTTドコモ回線)
・DMM mobile
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)(※2018年9月まで)

2018年の年間ランキングを公開!

それでは、2018年の通信速度年間ランキングを見てみましょう。まずはRBB SPEED TESTの下り平均速度について、2018年1月から12月まで12か月分の平均値を算出し、年間の総合順位を求めました。

なお、2018年9月まで調査していたnuroモバイルと2018年10月から調査を開始したmineo(Sプラン)は、他の11回線と調査期間が異なります。そのため、この2回線についてはランキングに含めず、2018年に調査した期間の平均値を参考として記載しています(以降も同様)。

RBB SPEED TESTの下り通信速度年間ランキング

RBB SPEED TESTの下り通信速度年間ランキング

2018年の下り平均速度総合1位となったのは、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルでした。年間の平均速度は24.10Mbpsです。ワイモバイルは混雑しがちな12時台や18時台でも速度が落ちず、また地方都市の佐久平駅周辺の速度も東京駅周辺に引けを取らないことが多くありました。その結果が、年間の平均速度にも反映されています。

総合2位は、auのサブブランドであるUQ mobile。速度は16.78Mbpsでした。UQ mobileもワイモバイルと同様に、混雑する時間帯でも速度が低下しにくく、佐久平駅周辺でも十分な速度を発揮することが多い回線でした。

総合3位は、ドコモ回線のOCN モバイル ONEでした。速度は7.31Mbpsと、サブブランドの2回線には水を空けられているものの、2018年はトップ3に4回ランクイン。ドコモ回線のなかでは比較的速い格安SIMと言えるでしょう。

次に、RBB SPEED TESTの上り平均速度の年間ランキングを見てみましょう。

RBB SPEED TESTの上り通信速度年間ランキング

RBB SPEED TESTの上り通信速度年間ランキング

2018年の上り平均速度総合1位も、下りと同じワイモバイル。速度は13.11Mbpsでした。上り平均速度でもサブブランドの強さを発揮しています。

総合2位は、下りで3位だったOCN モバイル ONEが8.36Mbpsでランクイン。総合3位はLINEモバイルで、速度は7.82Mbpsでした。

上り通信速度に関しては、ドコモ回線の格安SIMも一定以上の速度を発揮。OCN モバイル ONE、LINEモバイル、それに総合4位のBIGLOBEモバイルは、毎月の調査でもたびたびトップ3に顔を見せていました。

なお、もうひとつのサブブランドであるUQ mobileは、6.33Mbpsで総合7位。上り平均速度に関しては、格安SIMの平均的なレベルと言えそうです。

最後は、実際の体感速度の例として調査しているPlayストアからのアプリダウンロード速度の年間ランキングです。

Playストアのアプリダウンロード速度年間ランキング

Playストアのアプリダウンロード速度年間ランキング

2018年の総合1位はUQ mobile。速度は5.43Mbpsでした。UQ mobileは1年間を通してトップ3にランクインし続けており、毎月の調査で1位になった回数は7回に上ります。混雑する12時台や18時台でも速度の大幅な低下は見られず、実際の利用環境でも快適な体感速度が維持されていました。

総合2位は、もうひとつのサブブランドであるワイモバイル。速度は4.72Mbpsでした。順位こそUQ mobileに次ぐものの、ワイモバイルも毎月の調査結果におけるトップ3の常連で、1位となった回数は5回です。ただ、ワイモバイルではまれに時間帯別の速度が落ち込むことがあり、実際の利用環境における安定度ではUQ mobileに軍配が上がる結果となりました。

総合3位は、au回線を利用するmineo(Aプラン)。速度は1.81Mbpsでした。サブブランドの2回線が強さを発揮するかたわら、mineoのAプランは毎月の調査で3位に2回ランクイン。詳しくは後述しますが、年間を通してじわじわと速度を上げ続けた結果が、総合3位という結果に表れています。

2018年の速度がどのように移り変わったのかを振り返る

続いて、2018年の年間を通して、格安SIMの通信速度がどのように推移していったのかを振り返ってみたいと思います。以下のグラフでは、2018年1月から12月までの毎月の調査における、RBB SPEED TESTの下り/上り平均速度と、Playストアからのアプリダウンロード速度について、12回線全体の平均速度の変化を折れ線グラフで追いかけてみました。

なお、このデータには、2018年9月まで調査していたnuroモバイルと、2018年10月から調査を始めたmineo(Sプラン)の結果も含まれています。そのため、9月以前と10月以降では対象となる回線が一部異なる点をご了承下さい。

また、注目されがちな下り平均速度については、傾向をわかりやすくするために線形近似グラフを点線で追加しています。

12回線全体の平均速度の年間推移グラフ

12回線全体の平均速度の年間推移グラフ

2018年1月の時点におけるRBB SPEED TESTの下り平均速度は5.24Mbps、12月時点では8.03Mbps。アプリのダウンロード速度は1月が2.23Mbps、12月が3.94Mbpsでした。

一見すると1月から12月に向けて速くなっているようにも思えるのですが、線形近似グラフを見ると、通年ではどちらもわずかに減速気味であることがわかります。春商戦前の2月にアプリのダウンロード速度が、3月にRBB SPEED TESTの下り平均速度がピークを迎えるものの、どちらも4月は減速し、8月までその傾向が続きました。

9月には一旦速度を回復させたものの、10月には再び減速。10月といえば、9月にサービスを開始したばかりのmineo(Sプラン)をnuroモバイルに代わって追加したタイミングにあたり、速度が底上げされる格好になったのですが、それにもかかわらず全体の平均速度は低下しました。

このように「2018年の格安SIMにおける下り通信速度は、わずかな減速傾向にある」と言えるのですが、実は2つだけ、RBB SPEED TESTの下り平均速度とアプリダウンロードの平均速度がそろって速くなった回線がありました。

1つはワイモバイルです。サブブランドのワイモバイルはもともと平均速度が速いのですが、特にRBB SPEED TESTの下り平均速度が1年のうちに向上しました。また、アプリのダウンロード速度が月ごとに大きく変動しないこともワイモバイルの特徴なのですが、12月には大きな伸びを見せています。

ワイモバイルにおける平均速度の年間推移グラフ

ワイモバイルにおける平均速度の年間推移グラフ

もう1つは、mineo(Aプラン)です。さきほど年間ランキングでも触れたように、Aプランのアプリダウンロード速度は1年の間にじわじわと増速し続けました。5月と8月に1Mbpsを切ることもありましたが、その後しっかりと速度を上げており、12月は年間で最も速い4.69Mbpsを記録しています。

mineoではサービス開始から日が浅いSプランの速度も良好ですが、月額料金は他のプランよりも割高。もう1つのDプランは、下り平均速度が伸び悩んでいます。いまmineoを契約するなら、Aプランが狙い目と言えそうです。

mineo(Aプラン)における平均速度の年間推移グラフ

mineo(Aプラン)における平均速度の年間推移グラフ

今後明らかになる2019年の結果にも注目!

2018年の結果は以上ですが、すでに調査を終えて公開している2019年1月の調査結果では、RBB SPEED TESTの下り平均速度とアプリのダウンロード速度が2018年12月よりも大幅に増速しています。

今年は10月に消費税の増税が控えており、家計節約のために大手携帯キャリアからMVNOに乗り換える家庭がさらに増えることも予想されます。右肩上がりで増え続けるユーザーの通信需要を支えるために、ネットワークの増強も続けられることでしょう。

2019年の通信速度がどのように変化していくのか、どの格安SIMが狙い目なのか。今年の調査結果にも、引き続き注目していきたいと思います。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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