レビュー
AQUOS R2と同等の処理・グラフィック性能を備えたコンパクトモデル

今だから注目すべきコンパクトスマホ「AQUOS R2 compact」レビュー

「AQUOS R2 compact」は、「AQUOS R compact」の後継となるハイエンドコンパクトモデル。ソフトバンク版の「803SH」に加えて、SIMフリー版の「SH-M09」が発売中だ。ソフトバンク版「803SH」を使ったレビューをお届けしよう。

画面サイズ(解像度):約5.2インチ(1,080×2,280、IGZO液晶)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約64×131.8×9.3mm
重量:約135g
防水/防塵:○(IPX5/8)/○(IP6X)
CPU:Snapdragon 845(2.6GHz×4+1.7GHz×4)
RAM容量:4GB
ストレージ容量:64GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大512GBまで対応)
OS:Android 9.0
SIMカードスロット:nanoSIM×1
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz帯/5GHz帯)
NFC:搭載
FeliCa:搭載
フルセグ/ワンセグチューナー:非搭載/非搭載
生体認証:指紋認証、顔認証
メインカメラ:約2,260万画素
フロントカメラ:約800万画素
バッテリー容量:2,500mAh
USB:USB Type-C(USB PD対応)

横幅わずか64mmで重量135gの、今や貴重なコンパクトモデル

近年、スマートフォンは大型化するいっぽうだ。近ごろは縦方向に画面が伸びているが、主流は6インチ前後で、重量も200g台が目前に迫る。そのいっぽうで、画面サイズが5インチ前後のコンパクトモデルは、NTTドコモ専売のソニー「Xperia XZ2 compact」くらいで選択肢は少ない。そんな中で1月18日にソフトバンクから登場した「AQUOS R2 compact」は、価格.comのスマートフォン人気ランキングでは全体で23位(ソフトバンク端末では1位)、満足度は5.0(いずれも2018年2月5日現在)と、かなりいいスタートを切っている。

本機のボディサイズは、約64(幅)×131(高さ)×9.3(厚さ)mmで、重量は約135g。搭載されるディスプレイは1,080×2,280のフルHD+表示に対応する約5.2インチのIGZO液晶だ。前モデル「AQUOS R compact」と比較すると、ボディは小型化し。重量も軽くなったが、画面サイズは0.3インチも拡大された。このサイズと重量なら、シャツの胸ポケットに余裕で入れられだろう。なお、このボディは、IPX5/8等級の防水仕様とIP6X等級の防塵仕様をクリアしており、“お風呂対応”とカタログに明記されている。

約5.8インチのディスプレイを備えた「Galaxy S9」(写真左)と並べたところ。ふた回りくらい小さいサイズに見える

SIMカードとmicroSDメモリーカードを装着した状態で、デジタルスケールで計測した重量は、カタログ値通りの135gだった

これだけのコンパクトボディで約5.2インチという、ディスプレイを搭載できた理由としてノッチの存在がある。ディスプレイ上部と下部の2か所にノッチを設けることで、フロントカメラや指紋センサーをディスプレイ内に収めることができ、前面全体を画面として使えるようになっているのだ。

上部の半円形ノッチの中にはフロントカメラが、収まっている

上部の半円形ノッチの中にはフロントカメラが、収まっている

下部のノッチには指紋センサーが搭載されている。設定によってホームボタンやタスク切り替え機能も利用可能となる

なお、このディスプレイは、リフレッシュレートが通常の倍の120Hzに高められた「倍速駆動ハイスピードIGZO液晶」だ。タッチ操作に対する追従性や、スクロールのスムーズさが高まり、よりダイレクトな操作性が得られる。加えて、デジタルシネマの標準規格である「DCI-P3」や、「Dolby Vision」といった、上位モデル「AQUOS R2」で採用された最新の映像技術も搭載されている。なお、HDRについては、HDR画質のようにコントラストを高める独自技術「バーチャルHDR」には対応している。

そのほかの機能として、FeliCaポートとNFCポートを備えているいっぽうで、フルセグおよびワンセグのテレビチューナーの搭載は見送られている。生体認証としては、指紋認証およびフロントカメラを使った顔認証を利用できる。

ボディ上面にはヘッドホン端子が搭載されている

ボディ上面にはヘッドホン端子が搭載されている

ボディ下面には、USB Type-Cポートが備わる

ボディ下面には、USB Type-Cポートが備わる

ハイエンド向けSoCを搭載し、処理・グラフィック性能はAQUOS R2と同等以上

前モデルの「AQUOS R compact」は、SoCにミドルハイ向けの「Snapdragon 660」を搭載したことで、処理性能では、ハイエンド機としてはいささか見劣りする部分があった。しかし本機は、「AQUOS R2」や「AQUOS zero」といったハイエンド機と同じSoC「Snapdragon 845」を採用。4GBのRAM、64GBのストレージを組み合わせており、現状での最高レベルの基本性能を備えている。OSも最新世代のAndroid 9.0であるうえに、発売後2年間に最大2回のバージョンアップが予定されているので、長く使い続けられる。

実際の処理性能を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク Ver.7.1.4」を使って計測したところ、総合スコアは285,859(CPU:89,460、GPU:126,880、UX:60,872、8,647)となった。本機の兄弟モデルである「AQUOS R2」の総合スコア259,644や、コンパクトモデルであるソニー「Xperia XZ2 Compact」の総合スコア254,331と比較しても高めの部類だ(いずれもOSアップデート前のスコア)。特に、サブスコアのひとつであるGPUは12万点を超えており、グラフィック性能が非常に高いが、フルHD+に抑えられている点も寄与しているものと思われる。

左が本機、中央が「AQUOS R2」、右が「Xperia XZ2 compact」のスコア。いずれもSoC「Snapdragon 845」と4GBのメモリーを搭載する点では共通しているが、本機がもっとも高いスコアとなった。画面解像度がフルHD+に抑えられている点や、発売時期が遅いことで最適化が進んだためと思われる

実際の体感速度もなかなかに速い。本機の場合、上述の倍速駆動「ハイスピードIGZO液晶」の効果もあり、体感速度の点で有利だ。ストレージも64GB+microSDメモリーカードの組み合わせで余裕がある。

タスクボタンを廃止し、細長い棒状の新しいホームボタンに統一されたAndroid 9のユーザーインターフェイス。操作はシンプルだが、従来のものとは異なるので少し慣れがいる

AI任せでキレイに撮れるカメラだが、踏み込んだ設定メニューがわかりにくい

続いては、カメラ機能を見てみよう。本機のメインカメラは画素数約2,260万画素のイメージセンサーに、F1.9のレンズを組み合わせている。光学手ぶれ補正と電子式手ぶれ補正(動画撮影時)も備えているが、AQUOS R2のようなデュアルカメラではなく、シングルカメラ仕様だ。フロントカメラは約800万画素のイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせたもの。なお、メインカメラについてはAIシーン認識機能に対応している。

メインカメラは、画素数約2,260万で、レンズの明るさはF1.9、光学式手ぶれ補正も付いている

メインカメラは、画素数約2,260万で、レンズの明るさはF1.9、光学式手ぶれ補正も付いている

以下にメインカメラを使って撮影した作例を掲載する。なお、断り書きのない限り、初期設定の「AIオート」モードのまま撮影を行っている。

薄曇りの順光という条件で撮影。色の偏りもなく、暗部のノイズも目立たず、肉眼の印象に近く、なかなかキレイに撮れている

「背景ぼかし」モードにして、手前の絵馬にピントを合わせた。背景は大きくぼけているが、構図左の築地塀のぼけが、一部遠近法通りになっておらず、やや不自然

逆光気味に門を撮影。類似した構図ではフレアが目立った。本機はオートHDRがデフォルトでオンになっておらず、オートHDRを使えばもう少しフレアは抑えられる

電球色の照明下の店内で撮影したデザート。ホワイトバランスが偏りやすい状況だが、肉眼の印象よりも、より美味しそうに映える色調に調整されている

夜景を手持ちで撮影。同じ構図で10枚ほど撮影したが大口径レンズと光学手ぶれ補正がついているわりには、手ぶれが起こりやすかった。光量も、近ごろのハイエンドスマホと比べるとちょっと不足している

空中庭園を撮影。肉眼でも相当暗いが、植え込み部分はかなりぼんやりとしている

空中庭園を撮影。肉眼でも相当暗いが、植え込み部分はかなりぼんやりとしている

夜中の花壇を手持ちで撮影。スマホのカメラでは難しい構図だが、ピントの迷いや、手ぶれの発生が目立った。これは10枚ほど撮った中でいちばんきれいに写ったものだ

本機のカメラは、AIオートでイージーな撮影が可能。ただ、F1.9の大口径レンズや光学式手ぶれ補正などを採用している割には、高感度撮影ではオートフォーカスが迷いやすく、光量も不足しやすい場合があるなど、カメラ機能に力を入れたライバル機に比べて見劣りする面は否めない。なお、HDRのオン/オフや、構図をアシストするグリッドラインなど一歩踏み込んだ撮影設定のメニューが少しわかりにくいのも気になった。搭載される機能に対してユーザーインターフェイスを整理しすぎたのかもしれない。

1日半は余裕で持つバッテリー、インテリジェントチャージも使いやすい

バッテリーなど電源回りを見てみよう。本機は容量2,500mAhのバッテリーを搭載する。コンパクト機ということもあり、さほど大容量ではないが、カタログスペックでは、連続通話時間が約1,900分(4G、VoLTE)、連続待ち受け時間が約490時間(4G)となっており、「AQUOS R2」の連続通話時間約1,830分、連続待ち受け時間約580時間(4G)と比べても大きく見劣りはしない。

今回の検証は7日間行ったが、その間に継ぎ足し充電を含んで行った充電は4回。フル充電状態から、1日に断続的に4〜5時間程度使っても30時間はバッテリーが持つ。なお、待ち受け状態でのバッテリー消費はゆるやかだが、3Dゲームをプレイし続けたり、データ通信が長時間発生するような状況ではバッテリーの消費ペースが速くなる。かつてのAQUOSシリーズのように、パフォーマンスを一部犠牲にしてまでバッテリーを持たせるというセッティングではない。

また、充電機能として、急速充電時のバッテリーの劣化を防ぐ「インテリジェントチャージ」機能も搭載している。試しに出力46WのUSB PD対応充電器を使って本機を急速充電したところ、充電にかかった時間はおおむね1時間40分。他社の類似する急速充電制御機能のように充電時間が大幅に長くなることはないようだ。

検証中5日間のバッテリー消費のペース。途中、ほとんどバッテリーが消費しない時間帯は待ち受け状態、負荷のかかる状態だと消費ペースがとたんに速くなる。トータルで見ると電池持ちに不満を感じるレベルではない

前モデルのネックを解消した高性能コンパクト機

前モデル「AQUOS R Compact」は、基本性能がさほど高くない点と、あとひと回りは小型化を望みたいボディサイズの中途半端さがあった。しかし、本機は小型化を突き詰めつつ、AQUOS R2と同等の、現状では最高レベルの処理性能・グラフィック性能を備えており、コンパクトスマホを愛好するユーザーにとっては満足度が高い1台と言えよう。

本機と競合するモデルとして、NTTドコモのソニー「Xperia XZ2 Compact」があるが、重量が168g、厚さが12.1mmもあるなど、肝心のコンパクトさは今ひとつ。「小さく軽く高性能なスマートフォンが欲しい」と考えるなら、本機は、キャリアを乗り越えてでも検討する価値があると言えよう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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