レビュー
待ちに待った小さなiPadのメジャーアップグレード

新型「iPad mini」レビュー、Apple Pencil対応で使い道広がる、Apple Arcade用としては最強?

コンパクトなサイズで根強い人気を誇るアップルの小型タブレット「iPad mini」の新モデルが約3年半ぶりに登場した。首を長くして発売を待っていた人も少なくないはずだ。3月19日の発表直後から、ツイッターなどでは「待ってました!」というコメントが見られるなど、好意的な反応が多いようだ。ということで、注目の新型iPad miniをレビューしていてきたい。

第5世代にあたる新型iPad mini。外観は従来モデルの「iPad mini 4」からほとんど変わっていないが、別売の「Apple Pencil」に対応した

人気の理由であるコンパクトサイズを継承

前世代の「iPad mini 4」が発売されたのが約3年半前。価格.comの売れ筋ランキングを見ると、発売から1年以上が経過しても常に20位前後で推移しており、一定の人気をキープしていることがわかる。都内で電車に乗れば、iPad miniで小説や漫画を読んでいる人をときどき見かけるし、スマホ代わりに乗り換え案内をチェックしている人や調べ物をしている人もいる。

人気の理由は、なんと言ってもサイズ感だろう。画面サイズを見れば一目瞭然だが、iPadシリーズの中では一番小さく、コンパクトで持ち運びしやすい。そのサイズ感は新型iPad miniでも変わらない。重量は約300g(Wi-Fiモデルが300.5g、Wi-Fi + Cellularモデルが308.2g)で、500mlのペットボトルよりも軽い。

●iPadシリーズの画面サイズと重量
iPad mini:7.9型/300.5g
iPad:9.7型/469g
iPad Air:10.5型/456g
iPad Pro:11型・12.9型/468g・631g
(画面サイズ/Wi-Fiモデルの重量)

片手でホールドしやすい丸みのあるフォルムを変えなかったのは、やはり持ち運んで使う機会が多いことを配慮したためだろう。「Face ID」を備えた違うデザインのiPad miniも見たかったが、長くiPad miniを使ってきたユーザーにとっては、使い慣れた「Touch ID」がそのまま使えるという点はありがたいはずだ(個人的には、外で使うという点ではiPhoneに使い方が近くなるので、Face IDがあってもよかったと思っている)。

幅は134.8mmで手の大きな人なら片手でつかめる(こんな持ち方をすることは少ないだろうが)

幅は134.8mmで手の大きな人なら片手でつかめる(こんな持ち方をすることは少ないだろうが)

デザインはiPad mini 4を踏襲。ディスプレイはP3という広い色域をカバーする。輝度は500ニット。液晶とタッチセンサーとガラスの間に隙間のないフルラミネーションディスプレイで、表示品質は非常に高い。新たにホワイトバランスを自動で調整する「True Toneディスプレイ」という機能も搭載されている

今回試したWi-Fi+Cellularモデルはどこでも通信できるeSIMに対応する

今回試したWi-Fi+CellularモデルはeSIMに対応する

高性能化は「Apple Arcade」をにらんで?

前述の通り、携帯性や見た目はiPad mini 4とほぼ同じだが、新型ならではのポイントが2つある。

ひとつ目はスペックアップだ。チップは最新のiPhoneである「iPhone XS」と同じ「A12 Bionic」となり、同社によるとパフォーマンスはiPad mini 4より3倍、グラフィックス性能は9倍もアップしている。ゲームやARアプリなどで、そのパワーは存分に発揮されるはずだ。

どのくらいの実力なのか試しにバスケットボールゲーム「NBA 2K」を動かしたところ、手持ちのiPad(第6世代)だとときどき動きがカクカクするのだが、新型iPad miniだとスムーズに動いた。ARアプリ「JigSpace」で、ジェットエンジンの仕組みをARでチェックするのも快適そのもの。今回は試していないが、クリエイティブ系のアプリもサクサク動きそうだ。なお、ベンチマークアプリ「Geekbench 4」のスコアは、CPUが「4820(シングル)・11465(マルチコア)」、Computeが「21038」だった。

NBA 2Kは、第6世代のiPadだと選手の動きがときどき遅くなったり、長時間プレイすると本体が熱くなるが、新型iPad miniは動きも滑らかで、本体が熱くなることもなかった

ジェット機などの機械や地球の内部などの科学をARで学べるJigSpace

ジェット機などの「機械」や地球の内部などの「科学」をARで学べるJigSpace

インテリアや絵を自分の部屋に設置した場合、どうなるのかをARで体験できる「Houzz」。写真は絵を壁に設置したイメージ。子ども一緒にやると盛り上がること間違いなしだ

また、今秋リリースされるゲームの定額制サービス「Apple Arcade」でゲームを楽しみたいと考えている人にとっても新型iPad miniのパワーは魅力的なはず。ゲーム用iPadとしては、携帯性抜群のiPad miniが最強のiPadになるかもしれない。

ヘッドホン端子が残っているのは、“音ゲー”を楽しむ人にはありがたいはず。外部インターフェイスはLightningコネクターで、USB Type-Cではない

「Apple Pencil」を使えばiPad miniが手帳や小さなキャンバスに変身

2つ目はApple Pencilへの対応だ。iPad mini 4でもサードパーティー製のペンで手書きはできたが、純正ならではの滑らかな書き心地は一度体験するとクセになる。7.9型というサイズを生かし、手帳としてiPad miniを使うのもアリだろう。便利な手帳アプリが揃っているし、手書きに対応したものも豊富だ。クリエイターが外出先で絵を書くのにもピッタリだ。

多機能なスケッチアプリ「Linea Sketch」(600円)。思わず新元号を書いて、官房長官のマネをしてしまった

多機能なスケッチアプリ「Linea Sketch」(600円)。思わず新元号を書いて、内閣官房長官のマネをしてしまった

モレスキンのスケジュールアプリ「Timepage」(上)。操作音が気持ちよくて使いやすいスケジュールアプリで、「Flow」(下)という手書きアプリとも連携できる。手書きのメモをスケジュールで管理できる便利な組み合わせ。Apple Pencilとの相性は抜群だ

このApple Pencilは、iPad Pro用の第2世代ではなく、第1世代となる。丸くて、長いタイプで、Lightningコネクターに挿して充電する仕様だ。ダブルタップでツールの切り替え、タップでスリープ解除など第2世代でしか利用できない機能はあるものの、筆圧と傾きの検知に対応しており、書き心地自体は悪くない。

ただ、第2世代の磁石での固定とワイヤレス充電機能はほしかった。持ち歩く機会の多いiPad miniは、どうしてもペンを忘れたり、どこにしまったのかが分からなくなるケースがある。実際、レビュー中もカバンの中のどこにApple Pencilをしまったのかを忘れて、ゴソゴソと探してしまった。第6世代のiPad miniでは、ぜひセットで持ち運びしやすい第2世代のApple Pencil(第3世代かも)に対応してもらいたいところだ。

第1世代のApple Pencilに対応。書き味は文句なしだが、磁石での固定とワイヤレス充電機能はほしかった

第1世代のApple Pencilに対応。書き味は文句なしだが、磁石での固定とワイヤレス充電機能はほしかった

【まとめ】やっぱりこのサイズ感はいい

iPad miniは、何かを見る・読むビューワーとして便利に使えるタブレットだ。スマホの大画面化が進んでいるとはいえ、7.9型と6型前後ではやはり見え方が大きく異なる(折りたたみスマホが出ると変わるかもしれないが)。外出先でネットをチェックするのはもちろん、電子書籍を読んだり、動画を見たりするのにはピッタリのサイズ感だろう。特に電車で通勤、通学している人にとっては、スマホのバッテリー消費を抑えられるし、荷物にもならないiPad miniはあると便利なのは言うまでもない。

iPhone XS Max(6.5型)と新型iPad mini(7.9型)

iPhone XS Max(6.5型)と新型iPad mini(7.9型)。iPhoneで十分という人もいるかもしれないが、比べるとこれだけ画面サイズが異なる

新型iPad miniは、基本性能がアップし、最新アプリもサクサク動作する。さらに、別売のApple Pencilを使えば、手書きも可能だ。Apple Pencilは全ユーザーが必須ではないだろうが、手帳代わりに使いたいという人は一度試してみる価値はあるだろう。電子書籍端末、手帳、お絵かき、ゲーム、動画視聴など、いろいろな使い方(使い道)があるのがiPad miniだと今回レビューして改めて感じだ。今後もぜひバージョンアップしていってほしいと思う。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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