レビュー
「GeForce RTX2070/RTX2080 Max-Q Design」搭載

高性能なのにスリムボディ! ASUSのゲーミングノートPC「ROG ZEPHYRUS S」2台レビュー

ゲーミングノートPCといえば、少し前まではCPUとGPUの性能が高くても本体が厚くて重いか、ノート型なのでスペックを妥協したモデルしかなかったが、最近はスリムボディと高性能を高次元で両立したゲーミングノートPCが少しずつ増えてきている。その代表的なモデルがASUS JAPANの「ROG ZEPHYRUS S」だ。

今回は6月21日に発売された「ROG ZEPHYRUS S GX531GWR」(以下、GX531GWR)と「ROG ZEPHYRUS S GX701GXR」(以下、GX701GXR)の2台をレビュー。どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのかチェックしていきたい。

左が15.6型ディスプレイを搭載するGX531GWR、右が17.3型ディスプレイを搭載するGX701GXR。価格.com最安価格はGX531GWR が346,864円、GX701GXRが437,195円(2019年7月18日時点)

ゲーミングノートPCらしくないスリムボディ

2モデルの特徴は、高性能なCPUとGPUを搭載するハイスペックな構成でありながら、15.6型のGX531GWRが15.35〜16.15mm、17.3型のGX701GXRが18.7mmというスリムなボディを実現していること。同社によると、GX531GWR は「GeForce RTX 2070 Max-Q Design」を搭載する15.6型ゲーミングノートPCとして、GX701GXRは「GeForce RTX 2080 Max-Q Design」を搭載した17.3型ゲーミングノートPCとしてそれぞれ世界最薄だという。

まずは外観からチェックしていこう。画面サイズやスペックは異なるが、2モデルとも外観のデザインはほとんど同じだ。

15.6型液晶ディスプレイ(1920×1080、ノングレア)を搭載するGX531GWR。リフレッシュレートが144Hz、応答速度が3msの高速駆動液晶で、残像感の少ない画面でゲームを楽しめる。PANTONE認証を取得しており、正確な色再現性も特徴。ベゼル(額縁)が細くて今風だ

GX531GWRは米国の国防総省が定める軍用規格のMIL規格(MIL-STD810G)に準拠したテストをクリア。堅ろう性が高く、安心して持ち運べそうだ

17.3型液晶ディスプレイ(1920×1080、ノングレア)を搭載するGX701GXR。こちらもリフレッシュレートが144Hz、応答速度が3msの高速駆動液晶。G-Syncにも対応する

ヘアライン加工が美しいGX701GXRの天板。指紋は目立つ

ヘアライン加工が美しいGX701GXRの天板。ただし指紋は目立つ

天板には斜めの線が入っており、模様が2つのパターンに分かれている。右側は斜めのヘアライン加工が施されており、ROGのロゴが配置されている。このROGロゴは起動時に光る仕様だ。2モデルでは左側の仕上げが異なり、17.3型のGX701GXRのほうが縦方向のヘアライン加工が施され、質感が高く見た目にも高級感がある。

キーボードは、一般的なノートパソコンではパームレストがある、手前側に搭載されている。ディスプレイ側にCPUやGPUが内蔵されているためだ。なかなか見ないスタイルだが、キーボードなどユーザーが触れる場所が熱くならないようにするための配慮からだ。タッチパッドはキーボードの右側に配置されている。

ディスプレイを開くと、本体の奥の底面がわずかにリフトアップし、ここから空気を内部に取り込む。排気は両サイドから。薄型ボディはどうしても熱が問題になるが、使うときだけ厚みが増すリフトアップにより、薄型ボディとすぐれた冷却性能を両立している。

GX531GWRのキーボード。手前側にキーボードが配置される見慣れないスタイルで、慣れは必要。日本モデルだが英語(US)配列のみ。Nキーロールオーバー対応

GX701GXRのキーボード。専用ツールの「Aura Sync」でバックライトの発光が制御できる。同ツールはタッチパッドの上にあるROGボタンで起動する「Armory Crate」内にある。タッチパッドはテンキーを表示したもの

GX701GXRはキーボードの上部に回転式のボリューム調整ボタンを搭載する

GX701GXRはキーボードの上部に回転式のボリューム調整ボタンを搭載する

ディスプレイを開くと、ヒンジの下がリフトアップし、吸気する仕組み。しまうときにケーブルや紙が挟まらないように注意したい(写真はGX531GWR)

「Aura Sync」ではキーボードだけでなく、リフトアップする底面の発光も制御できる

「Aura Sync」ではキーボードだけでなく、リフトアップする底面の発光も制御できる(写真はGX531GWR)

スペックをチェック

スペックを改めて整理していきこう。搭載するCPUは2モデルとも6コア/12スレッドの「Core i7-9750H」で、動作周波数は標準が2.6GHz、ブースト時は最大4.5GHz。ノートパソコンなので、ブーストの持続性は、デスクトップPCよりも期待できなさそうだが、コア数が多いほうが有利なアプリ(動画のエンコードなど)には強いCPUと言えそうだ。

メモリーはGX531GWRが24GB、GX701GXRが32GBとどちらも大容量。ストレージはどちらも1TB SSD(GX531GWRがPCIe 3.0 x2接続、GX701GXR がPCIe 3.0 x4接続)。ゲームが大容量化しているので1TBは心強い。

GPUは前述の通り、GX531GWR がGeForce RTX 2070 with Max-Q Design、GX701GXRがGeForce RTX 2080 with Max-Q Designだ。

どちらもMax-Q Designなので、デスクトップ版に比べるとクロックはやや抑えられているようだが、DXR(DirectX Raytracing)やDLSS(Deep Learning Super Sampling)にも対応するため、今後登場する対応ゲームも存分に楽しめるはずだ。

外部インターフェイスはレイアウトこそ少々違うが、2モデルともCPUとGPUの位置関係で、中央から手前側にかけて搭載されている。ゲーミングノートPCでありながら有線LANがないのは気になるが、USBアダプターを使えば有線でもつなげられる。

GX531GWR。写真上の左側面には電源、USB 3.1 Type-C(Gen1)、USB 2.0×2などが搭載されている。写真下の右側面にはUSB 3.1 Type-C(Gen2、給電、映像出力をサポート)とUSB 3.0を用意。HDMIは背面に搭載

GX701GXR。写真上の左側面に電源、HDMI、USB 3.1 Type-C(Gen2、給電、映像出力をサポート)などが搭載されている。写真下の右側面にはUSB3.0×2、USB 3.1 Type-C(Gen1)を搭載

定番ベンチマークやゲームで実力チェック

ベンチマークテストの前に動作モードについて説明しておきたい。2モデルとも設定ツール「Armory Crate」から、「Windows」「サイレント」「バランス」「Turbo」「手動」の5つのモードが選べる。モードを変えると、左の五角形のカタチが変わり、CPU、GPU、省エネ、ノイズ削減、冷却のどの項目を優先するかが変わる。さらに、17.3型のGX701GXRにはGPUの切り替え機能が用意されている。CPUに内蔵されている「HD Graphics 630」とGeForce RTX 2080 Max-Q Designを自動で切り替える「Optimus」(出荷状態)と、GeForce RTX 2080 Max-Q Design だけを利用する「Discrete Graphics」だ。Discrete Graphicsへ切り替えるとG-Syncが利用できる。

サイレントはCPUとGPUの性能を控えめにして、ノイズ削減を重視したモード

サイレントはCPUとGPUの性能を控えめにして、ノイズ削減を重視したモード

バランスはGPUパフォーマンスと冷却の2つの性能が高い

バランスはGPUパフォーマンスと冷却の2つの性能が高い

Turboは、CPUとGPUのパフォーマンスを重視する代わりに、ノイズ削減と省エネは控えめ

Turboは、CPUとGPUのパフォーマンスを重視する代わりに、ノイズ削減と省エネには目をつぶった、処理性能を重視したモード

ということで、まずは「CINEBENCH R20」「PC Mark 10」「3DMark」の3つの定番ベンチマークソフトの結果から見ていこう。

CPUの性能を測定するCINEBENCH R20の結果は、2モデルとも同じCPUを搭載していることもあり、ほとんど差はなかった。動作モードはどちらもバランスモードで、GX701GXRはGPUをOptimusに設定している。

パソコンの総合性能を測定するPC Mark 10では、メモリーが32GBでGPU性能も高いGX701GXRのほうがスコアは高め。こちらも動作モードはどちらもバランスモードで、GX701GXRはGPUをOptimusに設定している。

3DMarkは、動作モードを変更して測定してみた。GX531GWRはバランスとターボの2種類。GX701GXRはOptimus/バランスとDiscrete Graphics/ターボの2種類。どちらもターボにするとスコアが1〜5%アップしている。劇的に性能がアップするわけではないが、少しでも快適にゲームを楽しみたいときはターボを利用するとよさそうだ

「ファイナルファンタジーXIV」の最新公式ベンチマーク「漆黒のヴィランズ」版(解像度フルHD、最高画質)のスコアはGX531GWRが「11076」、GX701GXRが「12673」と、どちらも「非常に快適」という結果となった。

GX531GWRを使って実際のゲームでも試してみた。プレイしたのは重量級の人気FPSゲーム「THE DIVISION 2」。最高画質の「ウルトラ」でプレイしてみたところ、フレームレートはバランスモードだと40〜50fpsだった。動作音が静かなのはうれしいが、1度だけ動きが固まってしまった。ターボモードでは50〜60fps、いいときは70fps前後までフレームレートが出ていた。動きの少ないストーリー系のシーンでは100fpsを超える。ただ、快適にはプレイできるのだが、ファンが盛大に回転して、かなり大きな音がしてしまう。

フレームレートを表示する設定とし、THE DIVISION 2をプレイ。画質設定は最高画質の「ウルトラ」。ターボモードだと50〜60fpsで、快適に楽しめる(ただし、ファンは盛大に回転する)

最後にクリエイティブ系の作業でどれだけのパフォーマンスを発揮するのか調べてみた。アドビの「Premiere Pro CC」を使って、10分の4K動画(QT/MOV/60p)をMP4(H.264、4K、60p)へ変換するのにかかった時間を測定。参考として、15インチMacBook Proでも測定してみた。15インチMacBook Proの主なスペックは、CPUが第8世代の2.9GHz 6コアCore i9(Turbo Boost使用時最大4.8GHz)、メモリーが16GB、ストレージが512GB SSD。GPUはRadeon Pro 560X(ビデオメモリーは4GB)。

結果は下表の通り。GX531GWRのターボが最速だった。GX701GXRはDiscrete Graphicsではなく、Optimusで測定した結果、バランスでもターボでもほとんど差は出なかった。

まとめ

以上、GX531GWRとGX701GXRをレビューしてきた。価格.com最安価格はGX531GWR が346,864円、GX701GXRが437,195円(2019年7月18日時点)とかなり値は張るが、重いゲームも快適に楽しめて、かつ持ち運べるハイパワーPCが必要なゲーマーにとっては魅力的なモデルになるはずだ。動画編集などをする人にも注目してほしい。

なお、ASUS JAPANでは「夏のPC乗り換えキャンペーン」を8月31日まで実施している。対象モデルを購入して、不要なPCを下取りに出すと、最大3万円のキャッシュバックが受けられるというもので、今回試用した2モデルは2万円のキャッシュバックが受けられる。詳しくはキャンペーンサイトをチェックしてもらいたい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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