レビュー
パーソナルトレーナー代わりになるGPS搭載スマートウォッチ

「睡眠と呼吸」から自律神経の状態をチェックできるPolar「Ignite」レビュー

POLAR(ポラール)から登場したスマートウォッチ「Ignite(イグナイト)」は、さまざまなスポーツに対応するGPS搭載のスポーツウォッチとしての機能を備えるだけではなく、日々の睡眠状態のチェックや呼吸のトレーニングを通じて健康的なライフスタイルへの手助けをするという、これまでの活動量計とは違ったアプローチのスマートウォッチだ。睡眠と呼吸を取り入れた健康ライフを送るべく、この「Ignite」をレビューする。

シンプルなデザインで使いやすいGPS搭載スマートウォッチ

POLARは世界で初めてワイヤレス式の心拍計を開発したブランド。心拍数などの身体的データを可視化することで、無理のない強度で運動を楽しんだり、効率的に追い込んだりなど、安全にスポーツを楽しむためのサポートを創業以来続けてきた。

そんなバックグラウンドをもつPOLARがリリースした「Ignite」は、ワンボタンのシンプルなデザインを採用し、スポーツだけでなく日常シーンでも使えるスマートウォッチだ。基本的な操作は画面をタッチして行うので、マニュアルを熟読しなくても操作方法が理解できる。これまでのPOLAR製スマートウォッチのように、ランニングや自転車、トレッキングなどGPSの位置情報が必要なものも含め100種類以上のスポーツにも対応。時計の内側にある心拍センサーによって、運動強度や消費カロリーなども把握することができ、GPSスポーツウォッチとして何不自由ない機能を備えている。

1回のフル充電で最大5日間駆動(24時間)。睡眠中、そして起床から就寝まで1日中ずっと着用できる駆動時間の長さを誇る。液晶はバックライト式のため、日中から室内まで液晶はクリアで見やすい。

重量は35gと軽量なので、仕事中や睡眠中でもじゃまにならない

重量は35gと軽量なので、仕事中や睡眠中でもじゃまにならない

ボタンはケースの側面にひとつだけ。いろいろなシーンでコーディネートがしやすいシンプルなデザインだ

ボタンはケースの側面にひとつだけ。いろいろなシーンでコーディネートがしやすいシンプルなデザインだ

手首に当たる部分には、トップモデル同様の9つのLEDと、接触端子によるセンサーを装備。装着時に多少ズレがあっても確実に心拍数を計測する

睡眠と呼吸を知り、自律神経の状態を把握する機能で体の中からケア

GPS付きスポーツウォッチに上乗せされたのが、「睡眠と呼吸」に関する機能。そのひとつである「Nightly Recharge(ナイトリーリチャージ)」は、睡眠時の心拍データから自律神経の状況を分析することで、身体とメンタルの回復状況を示してくれる機能だ。

自律神経の状態についてご存知の方も多いと思うが、交感神経、副交感神経と呼吸や心拍の関係性は以下のようになっている。

「Ignite」は、搭載された「呼吸数」を計測する機能に睡眠時のデータを合わせて、自律神経の状態を「非常に良い」から「非常に悪い」まで6段階で評価をしてくれる。自律神経の状態は自覚できないので、それを評価してくれるのはありがたい。これをもとにすれば「今日は疲れ気味だから早く休もう」など、日々の生活をよりよいものにしていけるだろう。

集めたデータの内容は、時計本体に加えて、スマートウォッチとリンクさせたスマホ(専用アプリ)でも確認できる

自律神経の状態を把握するのに適したもうひとつの機能「SERENE(セレネ)」も便利だ。「Ignite」のガイド通りに深い呼吸を行うことで、身体的・精神的にリラックスができるエクササイズ。ブームを超えてすっかり定着した感のあるマインドフルネスに近いものと思っていいだろう。エクササイズ終了後には、吸う/吐くという行動のタイミングが合っていたかどうかが3段階で評価される。

心も身体もリラックスできるエクササイズ「SERENE」は場所を選ばず手軽にできる

心も身体もリラックスできるエクササイズ「SERENE」は場所を選ばず手軽にできる

このデバイスが呼吸数を把握できるのは、息を吸うタイミングで心拍数が高まり、反対に吐くタイミングでは低くなる、という心拍の揺らぎを測定できるほど精度の高いセンサーをもっているからだという。まさに「心拍のポラール」ならではの機能と言えるだろう。

実際に「Ignite」を使ってみた

「Ignite」を2週間ほど使用してみたところ、「Nightly Recharge」が自分のコンディションを知るうえでかなり役に立った。出張で飲み会が連日続いた時には、宿泊しているホテルでの睡眠後でも「Nightly Recharge」の評価がかなり悪く、その後帰宅して自宅のベッドでしっかり寝た後には評価が改善していた。

出張中は意外と睡眠時間がとれていたし、そんなに疲労感はなく(ように感じていた)、気力的にも充実していたが、「Nightly Recharge」の評価はよくなかった。自宅に帰ってベッドで爆睡してしまったことを考えれば、疲れがたまっていたのかもしれない。「Nightly Recharge」により、日々の生活を送る中で見えない疲労に気がつけたというわけだ。この機能は、自分の生活リズムや働き方などを改善するのに役立つだろう。

左が出張中、右が帰宅した翌日のデータ。出張中は評価が悪いほうに振れているのに対し、帰宅時はぐっすり眠れて疲労感が回復しているのがわかる

評価をベースにして、その日のトレーニングの強度や回復のためへのアドバイスをしてくれる

評価をベースにして、その日のトレーニングの強度や回復のためへのアドバイスをしてくれる

「Nightly Recharge」の評価を軸にして、筋トレや有酸素運動など4つのプログラムから最適な運動メニューを考えてくれる「FITSPARK(フィットスパーク)」という機能も使いやすかった。ウオーミングアップからはじまり、スクワットや腕立てまでを行う本格メニューを当日のコンディションに合わせて組んでくれるのだ。

上の動画を見てもらえればわかるが、その日のおすすめメニューの中にも4種類ほどのメニューが準備されていて、その中から選ぶことができる。特に筋トレのメニューはなかなかキツめのインターバルトレーニングなどが準備されていて、トレーニングし足りないなんてことはなさそうだ。きっちりメニューをこなしたとしても、自分の疲労具合は心拍数や睡眠状態などから把握できるし、回復具合に応じて次のトレーニングのタイミングも教えてくれる。使い込んで行くほどその精度が高まっていくというから、もはやこれはパーソナルトレーナーを雇っているようなもの。この価格帯のスマートウォッチがそれをしてくれるのはかなりお得感が高い。

呼吸のリズムを整えられる「SERENE」は、呼吸のタイミングやエクササイズの時間(2〜20分)を設定できる。基本的には寝転んでリラックスした状態で行うのが最適のようだが、時間を短くすればランチタイムにもできるだろうし、ちょっとした休憩時間にも行うことができるだろう。

初めて行ったときは吸う4秒/吐く4秒でスタートしたが、吸う時間が長いと感じたため、3秒に変更して行うと、今度は吸う/吐くともに心地よい感じに。評価はそれほどよくなかったが、普段の呼吸がいかに浅くて速かったかに気づかされた。さらに言えば、エクササイズを終えた後の体中に酸素が行きわたっている感覚、スッキリ感はクセになりそう。

ターゲットとしては、ランニングや自転車などのアウトドアスポーツも楽しみつつ、ジムでもトレーニングをする少しライトなユーザーということだが、かなりハードにスポーツをする人も満足できるものに仕上がっている。体だけでなく、体の中までしっかりとケアしたいユーザーは、1度手に取ってみてはいかがだろうか。

今 雄飛

今 雄飛

ミラソル デポルテ代表。自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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