レビュー
日本発売は未定だが、大画面&高性能スマホが欲しい人には魅力的なモデル

ペンとカメラが進化した「Galaxy Note10+」の実力をドイツでいち早くチェック

サムスン電子が2019年8月に発表した、ペン操作と大画面が特徴のスマートフォン「Galaxy Note」シリーズの最新機種「Galaxy Note10」と「Galaxy Note10+」。国内発売はまだ未定だが、今回ドイツでグローバル版のGalaxy Note10+をお借りする機会を得たので、実際に使ってみてその実力をチェックしてみた。

本体サイズは維持しながら一層の大画面化を実現

Galaxy Note10+は、Galaxy Note10シリーズの中でも大画面モデルという位置付けで、本体サイズは約77.2(幅)×162.3(高さ)×7.9(厚さ)mm、約195g。前機種となる「Galaxy Note 9」のサイズが約76(幅)×162(高さ)×8.8(厚さ)mm、約201gであったことから高さを除けばやや小型・軽量化が図られているのだが、それにも関わらずディスプレイサイズは6.4インチから6.8インチへと大型化している。

その理由はフロントカメラ部分にある。Galaxy Note10+は、国内でも2019年夏に発売された「Galaxy S10」シリーズ同様、ディスプレイの内側にフロントカメラを設置し、その部分だけをくり抜いた有機ELディスプレイ「Infinity-O Display」を採用。これによって上下のベゼル部分を大幅に減らし、さらなる大画面化を実現しているのだ。

Galaxy Note10+の正面。Galaxy Note9と変わらないサイズ感ながら、「Infinity-O Display」の採用でディスプレイサイズは6.8インチにまで大型化

実際にGalaxy Note10+に触れてみると、そのディスプレイの大きさと美しさが非常に際立つ印象だ。解像度も3040×1440と非常に高く、動画からゲームまで高精細な映像で快適に楽しめるだろう。

ディスプレイ以外の本体のデザインはGalaxy Note9に近い印象で、スクエアなボディながら側面が丸みを帯びており、ホールド感は良好だ。ただメインカメラの位置が背面上部に横に並ぶ形から、背面左上部に縦に並ぶ形へと変更がなされているほか、Galaxy S10シリーズ同様指紋センサーをディスプレイに内蔵したことで、背面の指紋センサーがなくなっているなど、進化に伴うデザインの変更もいくつか見られる。

指紋センサーはGalaxy S10シリーズ同様ディスプレイ内部に搭載されている

指紋センサーはGalaxy S10シリーズ同様ディスプレイ内部に搭載されている

カメラの位置が背面上部から左側に移動したほか、指紋センサーをディスプレイに搭載したことで背面からはなくなっている

リモート操作がジェスチャーで進化した「Sペン」

Galaxy Noteシリーズ最大の特徴と言えば、やはり本体に収納された「Sペン」によるペン操作であろう。Galaxy Note10+のSペンは4096段階の筆圧検知に対応するほか、IP68の防水性能を備え、なおかつBluetoothに対応してGalaxy Note10+本体をリモート操作できることから、Galaxy Note9のSペンに近い性能であることがわかる。

Galaxy Noteシリーズ最大の特徴でもあるSペン。基本的な性能はGalaxy Note9と変わらない

Galaxy Noteシリーズ最大の特徴でもあるSペン。基本的な性能はGalaxy Note9と変わらない

ペンは本体下部に収納されている

Sペンは本体下部に収納されている

だがSペンの操作に関しては、いくつか進化している点がある。まずはリモート操作に関してだが、Galaxy Note9ではペンを本体から離した状態でボタンを押す、長押しするといった少ない操作にしか対応していなかったが、Galaxy Note10シリーズでは新たにジェスチャー操作を採用することで、リモートで操作できる機能が大幅に増加している。

ジェスチャー操作の仕方は、ペンのボタンを長押ししている状態で、ペンを上下左右に振ったり、円を右回り、左回りに描くなどのジェスチャー操作をしてからボタンを離せばよく、一度感覚をつかめば操作は難しくない。たとえば、カメラ機能であれば、ボタンを押してシャッターを切るというだけでなく、上下にペンを振るジェスチャーでメインカメラとフロントカメラでの撮影を切り替えるなどの操作もリモートでできることから、離れた場所からの撮影などがよりしやすくなったといえる。

Sペンのリモート操作をしているところ。ペンに搭載されているボタンを押してからジェスチャーをし、ボタンを離すことでさまざまな操作ができる

ジェスチャー機能が利用できるアプリの起動中に、Sペンのメニューボタンをペンで押すと、ジェスチャー操作を確認することが可能だ

ジェスチャー以外のペン操作で注目されるのが、手書きによる文字認識機能だ。これは専用の「Samsung Notes」というアプリを用い、手書きで文字を書いたあとにその部分をタップすると、テキストに変換してくれるというものになる。

日本語のテキスト変換にも対応していることから実際に試してみたところ、ひらがなやカタカナなどは走り書きのメモでも変換してくれたが、漢字などはややていねいに書かないと正確にテキスト化してくれないように感じた。とはいえ、あとから手書きのメモをテキスト化してくれるというのは何かと利便性が高く、メモの有用性が大きく増す機能であることは確かだろう。

Samsung Notesを使うことで、手書きした文字をテキストに変換できる。メモを後から活用しやすくなることから便利な機能だ

メインカメラは4つ、動画もライブフォーカス対応に

もうひとつ、Galaxy Note10+で注目される機能となるのがカメラである。Galaxy Note10+のカメラはGalaxy S10シリーズに近い仕様で、背面のメインカメラは1200万画素で、周囲の明るさに応じてF値が1.5と2.4に切り替わる「デュアルアパーチャ」機能を搭載したメインの広角カメラと、1600万画素で画角123°の超広角カメラ、1200万画素で光学2倍相当の望遠カメラを搭載。これら3つのカメラを活用することで、超広角から望遠まで3段階での撮影が可能になる。

メインカメラは標準、望遠、超広角の3つのカメラに加え、新たに深度測定用の「DepthVisionカメラ」も搭載している

標準カメラで撮影したところ

標準カメラで撮影した写真

望遠カメラで撮影した写真

望遠カメラで撮影した写真

超広角カメラで撮影した写真

超広角カメラで撮影した写真

そしてもうひとつ、新たにAR(拡張現実)コンテンツなどを利用する上で重要な、被写体との距離を測定する「DepthVisionカメラ」も搭載。トータルで4つのカメラが搭載されているという充実した仕様となっている。

いっぽう、フロントカメラはInfinity-O Displayの採用によって、1000万画素のひとつのみとなり、赤外線センサーなどもなくなったことから、Galaxy Note9まで搭載されていた虹彩認証は利用できなくなっている。顔認証も搭載されているとはいえ、安全な生体認証は指紋認証のみということになるのはやや残念なところだ。

ちなみにカメラに関しては、静止画だけでなく動画も背景をぼかした「ライブフォーカス」に対応したことも進化ポイントとして挙げられるだろう。メインカメラ、フロントカメラともにライブフォーカスビデオ撮影が可能なことから、特にセルフィービデオ撮影では大きな効果を発揮しそうだ。

背景をぼかした撮影ができる「ライブフォーカス」が、静止画だけでなく新たに動画にも対応。動画の表現の幅が広がる嬉しい機能だ

Sペンを搭載したGalaxy Noteシリーズならではの撮影機能としてもうひとつ、「AR撮影」も注目される機能だ。これはAR技術を活用して、動画撮影中の被写体に絵や文字で手書きできるというもの。たとえば顔に落書きすると、顔の動きにその落書きが追従することからより楽しい動画を撮影できる。これまで顔にARのスタンプを付けて楽しむ機能はいくつか存在したが、手書きもできるというのはより新鮮で楽しいと感じた。

動画撮影中の被写体に落書きなどができるAR手書き。従来にない感覚で撮影できる楽しい機能だ

動画撮影中の被写体に落書きなどができるAR手書き。従来にない感覚で撮影できる楽しい機能だ

性能面では最高クラス、5G対応モデルも

性能面に目を移すと、チップセットには国や地域に応じてクアルコムの「Snapdragon 855」、もしくはサムスン電子独自の「Exynos9825」のいずれかが搭載されるが、いずれもハイエンド向けの高い性能を持つチップセットであり、高い性能を要求するゲームの動作も快適だ。くわえてメモリー(RAM)は12GB、ストレージは256GBもしくは512GBの2モデルが用意されており、1TBまでのmicroSDメモリーカードも利用可能であることから、性能面での充実度は非常に高いといえそうだ。

バッテリーも4300mAhと、Galaxy Note9(4000mAh)より一層大きいバッテリーを搭載。ワイヤレスチャージ機能も備えており、Qiなどによるワイヤレス充電にも対応。Galaxy S10シリーズ同様に、周辺機器のワイヤレス給電にも対応している。

さらに、Galaxy Note 10シリーズはネットワーク機能も充実しており、両機種ともにWi-Fi 6に対応するほか、5G対応のモデルも用意されている。ただし、国内ではまだ5Gのサービスが始まっていないことから、もし例年通り冬商戦に発売されるとしたら、4Gモデルが投入される可能性が高いだろう。

これだけ機能・性能が充実していることから発表時の価格は1100ドル、日本円にすると118,000円ほどと値段もかなりのもの。だがその価格に見合った価値を備えたスマートフォンであることは確かである。あくまで現時点では国内での発売が未定というのが残念なところではあるが、ペン操作にこだわるGalaxy Noteシリーズの利用者だけでなく、大画面のハイエンドスマホが欲しいという人にとっても、非常に有効な選択肢になると言えそうだ。

佐野正弘

佐野正弘

福島県出身。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

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