レビュー
適度なサイズ、多機能、手ごろな価格と3拍子そろった意欲作

価格.comでも人気の「Xperia 5」を6日間使い倒した

NTTドコモ、au、ソフトバンクの各通信キャリアから、2019年10月25日(ドコモ版のみ11月1日)より発売された、ソニーモバイルのハイエンドスマートフォン「Xperia 5」。価格.com上でも人気・評価とも高い本機だが、そのNTTドコモ版「SO-01M」を6日間使ったレビューをお届けする。

大きすぎないサイズのボディに高性能を凝縮

「Xperia 5」は、今年9月にドイツで開催されたIFAで発表されたミドルサイズのハイエンドスマートフォン。国内では、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアから発売されている。価格.com上での人気も高く「スマートフォン」カテゴリーにおける人気・注目度ランキングでは2位、満足度でも4.76ポイントいう高評価を得ている(いずれも2019年11月12日午前11時時点の数値)。

本機のディスプレイは、本機の上位モデルとなる「Xperia 1」と同じ21:9の縦長画面の有機ELだが、サイズは0.4インチ小さい約6.1インチで、画面解像度も4K(3,840×1,644)からフルHD+(2,520×1,080)にダウングレードされている。いっぽう、そのほかの基本スペックについては、SoCが「Snapdragon 855」、6GBのRAM、64GBのストレージ、OSにAndroid 9となっており、処理性能は変わっていない。Xperia 1と比較した端末価格だが、NTTドコモ版は本体価格79,920円(以下いずれも税別)で、2万円ほど安い。au版は82,472円でおよそ1万円安く、ソフトバンク版は105,600円で、逆に9,000円ほど高い。これらの価格から各キャリアの用意する端末購入サポートを使って、購入から2年後に下取りに出した場合の実質負担金(差額)は、各社とも大体5万円台半ばとなる。

ノッチ(切り欠き)がなく平面の有機ELディスプレイ。BT.2020の色域に対応し、HDRコンテンツにも対応する。非常にクリアな画質で、有機ELディスプレイでありがちな発色の重さが感じられない

ボディサイズは、約68(幅)×158(高さ)×8.2(厚さ)mmで、重量約164g。横幅が70mm以下に抑えられており、片手でも持ちやすい。なお、このボディは、IP56/68の防水・防塵仕様をクリアしているほか、FeliCaポートやフルセグ・ワンセグのテレビチューナーが搭載されている。ヘッドホン端子は非搭載だが、テレビアンテナ兼ねたUSB Type-Cポートとヘッドホン端子の変換アダプターが同梱されている。

横幅を70mm以下に抑えているため、片手でも持ちやすい

横幅を70mm以下に抑えているため、片手でも持ちやすい

SIMカードを挿した状態で、手元のデジタルスケールを使って計測した重量は、カタログスペック値通りの164gだった。特別に軽いわけではないが、昨今のハイエンドスマホの中では軽い部類に入る

ボディ下面に配置されるUSB Type-Cポートは。USB 3.1のデータ転送やUSB PDの急速充電に対応している

ボディ下面に配置されるUSB Type-Cポートは。USB 3.1のデータ転送やUSB PDの急速充電に対応している

ボディ上面に端子類はない。Xperia 1と同じくヘッドホン端子は廃止された

ボディ上面に端子類はない。Xperia 1と同じくヘッドホン端子は廃止された

左側面には、ボリュームボタン、指紋認証センサー、電源ボタン、シャッターボタンが配置されている。Xperia XZ1の頃とは異なり、指紋認証センサーと電源ボタンは別になった

カメラやゲームなど、ハイエンドモデルの期待に応える高い機能性

以下に本機の特徴を3ポイントをピックアップして解説する。

超広角、広角、望遠を切り替えられるトリプルカメラを搭載。手軽な操作でキレイな写真を撮影可能

本機のメインカメラは、Xperia 1と基本的に同じものだ。超広角(16mm)、広角(26mm)、望遠(52mm)という焦点距離の異なる3基のカメラを組み合わせたトリプルカメラで、3.25倍の光学ズームに対応する。画素数はいずれも約1,220万画素だ。なお、スーパースロー動画撮影だけはXperia 1の毎秒960コマから毎秒120コマに変更されている。本機のカメラは、ソニーのデジタルカメラ「α」の技術がフィードバックされており、瞳AFや最大10fpsのAF/AE追従連写といった機能が搭載されている。また、広角カメラと望遠カメラは、光学式手ぶれ補正と電子式手ぶれ補正を組み合わせたハイブリッド手ぶれ補正を搭載している。

メインカメラは、超広角、広角、望遠という組み合わせのトリプルカメラ。基本的な性能はXperia 1から変更はない

フロントカメラの画角は23mmで約800万画素。水平画角120°の「Xperia ace」のような超広角レンズとは異なる

フロントカメラの画角は23mmで約800万画素。水平画角120°の「Xperia ace」のような超広角レンズとは異なる

以下に本機のメインカメラを使って撮影した作例を掲載する。なお、いずれも初期設定のまま、カメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

広角カメラで街に置かれたデコレーションを撮影。発色や解像度も文句ない

広角カメラで街に置かれたデコレーションを撮影。発色や解像度も文句ない

同じ構図を望遠カメラで撮影。最短撮影距離が大きく変わらないのでアップの撮影が可能。中央の栗の部分を見ると発色がやや淡く感じられる

こちらも同じ構図だが超広角カメラを使った。デコレーションの全体像がわかりやすい。超広角カメラだけは固定焦点だが、画質はかなり保たれている。発色の傾向も広角カメラとそろえられている

広角カメラで夜景を撮影。Xperia 1以降のXperiaシリーズで大きく向上したのが夜景撮影機能で、手持ちでも手ぶれはなくノイズも抑えられ、ライバル機と比較しても互角レベルの画質と扱いやすさだ

同じ構図を望遠カメラで撮影した。光学式手ぶれ補正と電子式手ぶれ補正の組み合わせで、望遠撮影で起りやすい手ぶれ・被写体ぶれが抑えられている

こちらも同じ構図を超広角カメラで撮影。光学式手ぶれ補正がないので少しぶれが現れるが許容範囲内だろう

こちらも同じ構図を超広角カメラで撮影。光学式手ぶれ補正がないので少しぶれが現れるが許容範囲内だろう

本機のメインカメラは、キレイな写真を手軽に撮影できる扱いやすいものだ。3台のカメラを切り替えていろいろな構図で撮影ができるため、表現の幅も増している。ハイエンドスマートフォンに期待したいカメラ性能は十分に備えていると言える。なお、広角カメラから超広角カメラの中間の焦点距離での撮影が行えない。この点は少し注意が必要だ。

ゲームに適した高いグラフィック性能と、最適機能「Game Enhancer」を搭載

近ごろは低価格なスマートフォンもかなり高性能化している。だが、グラフィック性能については、本機を含むハイエンドモデルの性能が圧倒的に高く、描画負担の大きなゲームで特に威力を発揮する。また、本機はゲーム最適化機能「Game Enhancer」を備えているのもポイントだ。「Game Enhancer」には、ゲームにシステムリソースを集中させる機能やゲーム中の着信を含む通知の制限機能などに加えて、毎秒20コマ×最大30秒というスクリーンショット撮影機能や、ゲームの実況配信の際に便利なボイスチェンジャーなど、ゲームプレイや実況に適した機能を多く備えている。

定番のベンチマークテストアプリ「AnTuTuベンチマーク Ver.8.x」を使い、処理速度を計測してみた。総合スコアは406,998(CPU:133,301、GPU:171,175、MEM:47,292、UX:55,320)で、このスコア自体は、Snapdragon 855搭載機としては標準的なものではあるが、グラフィック性能を示すGPUのスコアは、Androidスマートフォンとしては現状のトップグループの性能と言える。

AnTuTuベンチマークのスコア。GPUのスコアが17万点を超えており、「Snapdragon 710」を搭載するミドルクラスモデルOPPO「Reno A」と比較しても3〜4倍ほど高い

「Game Enhancer」の機能のボイスチェンジャー。ゲームプレーの配信の際に便利な機能だ

「Game Enhancer」の機能のボイスチェンジャー。ゲームプレーの配信の際に便利な機能だ

スクリーンショットは、毎秒20コマ×最大30秒の連続撮影が可能。アクションシーンの映える瞬間を逃さず撮影できる

充実のAV機能、貴重な存在となりつつあるテレビチューナーも搭載

もうひとつ、本機の特徴はAV機能の高さだろう。すでに触れたように、本機は、縦横比が21:9の縦長ディスプレイを備えており、シネマスコープ映像の支庁に適している。また、BT.2020の色域に対応するクリエイターモードに切り替えることで、制作者の意図を忠実に再現する色味を楽しむことが可能だ。また、高画質処理エンジン「X1 for mobile」を備えており、ストリーミング動画などを含む広範な動画コンテンツをクッキリとした映像で再生できる。サウンドでは高音質なステレオスピーカーを備えるほか、ハイエンドモデルを中心に徐々に普及が進んでいるサウンドエンハンサー「Dolby Atmos」に対応、Xperiaシリーズでおなじみの圧縮音源補完技術「HSEE HX」も備えており、ハイレゾ音源の再生にも対応する。また、上述の通り、フルセグ/ワンセグのテレビチューナーを備えているのも、今となっては貴重な存在だ。

フルセグ/ワンセグのテレビチューナーを搭載する

フルセグ/ワンセグのテレビチューナーを搭載する

動画再生時の高画質処理「X1 for mobile」の効果を比較した図。左が、処理を切った状態、右が処理を動作させた場合のものだ

バッテリー容量は3,000mAhだが、酷使しても1日半は持つ

バッテリー性能を見てみよう。本機は容量3,000mAhのバッテリーを内蔵している。これはXperia 1と比較して400mAh少ない容量だが、バッテリー持ちの指標「電池持ち時間」をみるとNTTドコモ版「SO-01M」で約130時間、au版「SOV41」では約105時間となっており、比較的良好な部類だ。今回の検証は6日間行い、その間に充電は2.5回の充電を行った。もっとも酷使したのは、断続的に10GB程度通信を行った日だが、その際は約32時間バッテリーが残量ゼロになったことから、そこそこ酷使しても1日半はバッテリーが持つようだ。充電機能だが、NTTドコモの「ACアダプタ 07」や、auの「TyepC共通 ACアダプタ02」などUSB PD対応の充電器と組み合わせれば約130分でフル充電が行える。

コスパは良好だが、ストレージの容量不足には注意

10月1日から施行された改正電気通信事業法の影響で、通信キャリアの販売する端末は基本的に定価販売となり、端末を安く買える状況は限られている。だが、ハイエンドモデルの人気はいまだに衰えていない。そういうニーズに対して比較的手ごろな価格の本機は魅力的な選択肢と言える。もうひとつのポイントは、大きすぎず小さすぎないサイズだろう。「近ごろのスマートフォンは大きすぎる」と感じている人にとって、本機のサイズはしっくりくるものだ。また、カメラも使いやすく、手軽な撮影でも十分にキレイに撮影できる。ワンセグ/フルセグのテレビチューナーを備えており小さな有機ELテレビとして使えるのも、今や重要なセールスポイントかもしれない。

気になる点だが、ハイエンドモデルとしてはストレージが64GBとやや少ない。特に本機はゲーム用途を推しているが、近ごろのゲームはアプリ本体だけでも数GBのストレージが必要なものが多く、キャッシュや諸データを含めればさらに多くのストレージをあっという間に消費する。今回の検証でもプリインストールされるゲームアプリをセットアップしたら、ストレージの空き容量があっという間に半分になった。ハイエンドスマートフォンらしく活用するのであれば、大容量のmicroSDカードを組み合わせたい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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