レビュー
ハードとソフトの両面で進化

さらに使いやすくなったAmazonの高コスパタブレット「Fire HD 10」をレビュー

Amazonの「Fire HD 10タブレット」は、Fireタブレットシリーズ最大となる10.1インチ(1,920×1,200ドット)の大画面液晶と1万円台で購入できるコストパフォーマンスの高さから、Fireタブレットシリーズ屈指の人気モデルだ。そんなFire HD 10タブレットが、10月に最新世代へとリニューアル。ハードウェア・ソフトウェアの両面で進化を遂げ、さらに使いやすいモデルへと進化していた。

10月に最新世代へとリニューアルしたAmazon「Fire HD 10タブレット」。32GBモデルが15,980円、64GBモデルが19,980円

10月に最新世代へとリニューアルしたAmazon「Fire HD 10タブレット」。32GBモデルが15,980円、64GBモデルが19,980円"

CPUがオクタコアになり、充電端子がUSB Type-Cに変更。スペックではわからない細かな変更点も多数

Fireタブレットシリーズとしては第9世代、Fire HD 10タブレットとしては2015年と2017年に発売されたモデルに次ぐ第3世代となる新Fire HD 10タブレット。10.1インチ(1,920×1,200)の大画面ディスプレイやDolby Atmos対応のステレオスピーカーなど、Fire HD 10タブレットのスタイルを踏襲しつつ、細かな部分がアップデートされている。

まずひとつ目がCPUの強化だ。従来モデルの4コア(1.8GHz×2+1.4GHz×2)から8コア(2.0GHz×8)へと大幅に強化しており、最大30%のパフォーマンスアップを実現したという。Amazon プライムビデオやKindle本などのAmazonが提供するコテテンツを見るのがメインという人だと、CPUパフォーマンスなんてそんなに必要ないでしょと思われるかもしれないが、意外とこういった部分でもCPUの速度アップが効いてくる。たとえば高解像度の雑誌ページの表示速度やWebブラウザーの表示なんかは、従来モデルと最新モデルで動作のサクサク感が全然違っていたりする。

実際に「Geekbench」を使ってベンチマークを実行してみたが、シングルコア性能は劇的な向上はなかったが、マルチコア性能は2倍以上と着実にパフォーマンスアップしていた。

「Geekbench」の実行結果。左が新モデル、右が従来モデルだ

「Geekbench」の実行結果。左が新モデル、右が従来モデルだ

CPU以外のスペックだと、対応microSDメモリーカードスロットの容量が従来モデルの最大256GBまでから最大512GBまで引き上げられているのもポイントだ。ストレージ容量が32GB/64GBの2モデル展開しかないFire HD 10タブレットにとって、大量のコンテンツを持ち運ぶのに切っても切れないmicroSDメモリーカードによるストレージの拡張だが、こちらもさらに大容量まで対応できるようになったというわけだ。

ちなみに、Fire HD 10タブレットは、Amazon プライムビデオで唯一フルHDまでサポートされている端末となっている。ダウンロード時の画質設定によっても異なるが、最高画質だと他のFireタブレットに比べてダウンロードサイズが2倍くらいになるので、Amazon プライムビデオで動画をダウンロードして積極的に持ち出す人にとっても非常にありがたかいはずだ。

microSDメモリーカードスロットのサポートが最大512GBまで拡張された

microSDメモリーカードスロットのサポートが最大512GBまで拡張された

また、カメラについてはインカメラの画素数が30万画素から200万画素へと画素アップした点のみアナウンスされているが、インカメラ・アウトカメラともに画角が広角寄りになっているのも見逃せない。お世辞にもキレイとは言いがたいが、インカメラはディスプレイ付きのEcho ShowシリーズやAlexaアプリとのビデオ通話で使いやすい画角になったことは好感が持てる。

そしてなによりも大きな変更点が、USBポートが従来モデルのmicro BからUSB Type-C(USB 2.0準拠)に切り替わった点だろう。Fireタブレット、特に10.1インチサイズのFire HD 10タブレットはバッテリー容量が大きいために充電が遅いといわれてきたが、USB Type-Cへと変更と同時に急速充電にも対応したことで、この問題が一気に解消しているのだ。ハードウェアの世代が進んだことによる省電力性能アップで、バッテリー駆動時間も最長12時間と20%ほど伸びており、バッテリー周りの不満点はかなり改善したといえる。

USBポートが従来モデルのmicro BからUSB Type-Cに変更されたのもトピック。転送速度はUSB 2.0相当だが、急速充電にはしっかりと対応している

このほか、スペックではわからないハードウェアの進化点として、ディスプレイの表示品質の改善も上げておこう。具体的には、画面の色味が改善され、全体的に白がはっきりと出るようになり、小説やコミックがずいぶんと読みやすくなった印象を受けた。

左が新モデル、右が従来モデル。両モデルとも輝度をそろえて撮影を行っている。色温度が従来モデルよりも下がったようで、白がだいぶ見やすくなった

本体サイズは従来モデルと同じ。カラバリが選べるようになったが、ボタンは改善の余地あり

新しいFire HD 10タブレットは、本体の外形サイズは従来モデルとまったく同じとなっている。ボタン配置、スピーカーやマイク、カメラの位置も従来モデルから変更ないため、専用ケースもそのまま使いまわせるようになっている。

ボタンやスピーカーの配置、本体サイズが従来モデルとまったく同じなので、専用ケースも従来モデルのものをそのまま使いまわせる

また、外観部分ではFireタブレットシリーズとして初めてカラバリが用意されたのも大きなトピックだろう。カラーはブラックのほか、ブルー、ホワイトの全3色をラインアップ。Fire HD 10タブレットは重量が504gもあり、ケースを付けるとさらに重くなるため、ケースなしで運用しているという人も多い。ケースを付けなくてもブラック以外のカラバリを楽しめるようになった点は大きなポイントといえそうだ。

ブラック、ブルー、ホワイトの全3色のカラバリを用意

ブラック、ブルー、ホワイトの全3色のカラバリを用意

いっぽう、コストダウンのためか、ボタンの色が本体と同色になってしまい、暗い場所でのボタンの視認性が下がってしまったのは少々残念なところ。また、使っていてちょっと気になったのが、カメラの位置。画面を横にしたときにちょうど手で隠れてしまう位置になっていて、画面の明るさの自動調整機能が不用意に働いてしまうことがあった。自動調整をOFFにするなど、ちょっとした工夫が必要な点は注意したい。

ボタンの色が本体と同色になってしまったため、暗い場所での視認性が下がってしまったのは残念なところ

ボタンの色が本体と同色になってしまったため、暗い場所での視認性が下がってしまったのは残念なところ

Fire OSが最新世代に。「Showモード」も最初からサポート

ご存じの方も多いと思うが、Fireタブレットシリーズは、Android OSをベースにした独自の「Fire OS」を搭載し、独自カスタマイズされたユーザーインターフェイスで、Amazon プライムビデオやAmazon KindleといったAmazonの展開する各種エコシステムとの連携が強化されている。

新しいFire HD 10タブレットには、Android 9をベースにした「Fire OS 7」が搭載されている。ホーム画面などのAmazonが独自にカスタマイズしたユーザーインターフェイスは、Android 7.1がベースの「Fire OS 6」を搭載する従来モデルからほとんど変更はないのだが、ベースとなるAndroidのバージョンがアップしたことで、ステータスバーのデザインや設定画面のデザインなど、Android OSが提供する部分でいくつか変わっている。

新モデルのステータスバーのデザイン

新モデルのステータスバーのデザイン

従来モデルのステータスバーのデザイン

従来モデルのステータスバーのデザイン

電源ボタンを長押ししたときのUIも変更。キャプチャーもここから1発で撮れるようになった

電源ボタンを長押ししたときのUIも変更。キャプチャーもここから1発で撮れるようになった

また、ピクチャーインピクチャー機能が新たに利用できるようになったのもポイントだ。対応するアプリはAmazon プライムビデオやYouTubeアプリなどに限られるが、画面端で動画を再生しながらWebブラウザーを見るといった感じで、ながら視聴ができるようになった。

ピクチャーインピクチャー機能を使えば、Webブラウザーを開きながらYouTube動画を子画面で表示するといったこともできる

このほか、従来モデルではアップデートでの追加対応だった、Fire HD 10タブレットをスマートディスプレイとして使える「Showモード」は、発売当初からフルサポートされている。Fire HD 10タブレットはWi-Fi接続が前提のため、Wi-Fi環境のない屋外ではあまり活躍の場はないが、ディスプレイ付きの「Echo Show」シリーズのような機能を手軽に持ち出して使えるのは思いのほか便利だった。もちろん、「Echo Show」シリーズのようにマイク感度がすぐれているわけではないので、「Echo Show」シリーズを完全に置き換えるモデルではないが、「Echo Show」シリーズを置いていない部屋をカバーする製品としては十分使えそうだ。

「Echo Show」シリーズのように電源ケーブルがいらないので、キッチンなどに手軽に持ち運んで使えるのは便利だ

さらに選びやすくなった高コスパタブレット

元々Fire HD 10タブレットは、フルHD動画にも対応した10.1インチの大画面で1万円台という高コスパが魅力的なモデルだったが、ハードウェアとソフトウェアの両面の進化で、さらに使いやすいモデルになっていた。AndroidタブレットやiPadのように、最新のゲームアプリやSNSアプリなどを入れ、自分好みにカスタマイズして使うといったことには向かないが、AmazonプライムやKindleといったAmazonの展開するサービスをフルに活用し、大画面でコンテンツを楽しむだけなら、これほど高コスパなタブレットはない。従来モデルを持っている人だと、新モデルは細かなアップデートが中心のため、買い替えるほどのインパクトはなかもしれないが、Amazonプライム会員でFire HD 10タブレットを持ってない人なら魅力的な選択肢となるはずだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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