レビュー
Amazon専売の日本市場初参入モデル

驚きの1億800万画素カメラを含む5眼カメラを搭載、シャオミ「Mi Note 10」レビュー

中国の家電メーカーであるシャオミが、ついに日本市場に参入した。その第1弾となるスマートフォン「Mi Note 10」は、2019年12月9日より予約受け付けが開始され、順次出荷が始まっている。最大約1億800万画素の5眼カメラを備えつつ、価格は52,800円(税別)という戦略的な設定が目を引く。その高いコストパフォーマンスに注目が集まっているが、トータルでの使い勝手はどうなのか、詳細にレビューした。

質感の高いボディ。同価格帯のライバル機よりも、やや低めの処理速度

シャオミは、2011年に設立された中国の新興家電メーカーだ。高性能かつ高品質のスマートフォンを低価格で販売しており、現在世界70か国以上で同社のスマートフォンは発売されている。日本市場には、今までも代理店を通じて細々とウェアラブル端末などが販売されてはいたが、同社が、本格的に日本市場に進出したのは、この「Mi Note 10」が初となる。なお、本機は家電量販店やMVNOなどでの流通は当面なく、Amazonのみの限定販売となっている。価格は52,800円(以下いずれも税別)で、この価格帯のSIMフリースマートフォンではファーウェイ「nova 5T」の54,500円、BlackShark「BlackShark2(6GB)」の39,800円(改定後のキャンペーン価格)あたりが競合する。特に、「nova 5T」は、価格も近くライバル関係と言えそうだ。

「Mi Note 10」は、約74.2(幅)×157.8(高さ)×9.67(厚さ)mm、重量約208gのボディに、2,340×1,080のフルHD+表示に対応する約6.47インチの曲面有機ELディスプレイを搭載した大型のミドルハイ向けスマートフォンだ。日本市場向けの防水・防塵仕様ボディや、FeliCaポート、フルセグ・ワンセグチューナーは搭載しない。ただし、ヘッドホン端子は搭載されている。

FDD-LTEの対応バンドは、B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B20/B26/B28の各バンド。この中には、NTTドコモのB19、auのB18(B26)、ソフトバンクのB8という各通信キャリアのプラチナバンドが含まれているほか、この3社のVoLTEにも対応している。SIMカードスロットはnanoSIMカードスロットを2基備えており、DSDVにも対応する。

ディスプレイは小型のノッチのある曲面ディスプレイだ。シャオミはデザインのよさをセールスポイントにしており、確かに質感は十分ではあるが、表面、裏面、サイズなど率直に言ってファーウェイの「P30 Pro」に似通っており、それほど個性的とは言えない。

約6.49インチの有機ELディスプレイを搭載。発色はクリアで画質も悪くない

約6.49インチの有機ELディスプレイを搭載。発色はクリアで画質も悪くない

長辺の左右が湾曲した曲面ディスプレイを採用する

長辺の左右が湾曲した曲面ディスプレイを採用する

5眼カメラを備えた背面。質感は悪くないが、形状やカメラ、ロゴの位置など、デザイン的にはいたって普通

5眼カメラを備えた背面。質感は悪くないが、形状やカメラ、ロゴの位置など、デザイン的にはいたって普通

重量は208g。5000mAh以上という大容量バッテリーを内蔵しているため、かなりの重量級だ

重量は208g。5000mAh以上という大容量バッテリーを内蔵しているため、かなりの重量級だ

ディスプレイ指紋認証を搭載。明るい場所や、指先の乾き、低温下などの悪条件でも認識できるよう感度が高められている

ボディ下面には、スピーカー、USB Type-Cポート、ヘッドホン端子が配置される

ボディ下面には、スピーカー、USB Type-Cポート、ヘッドホン端子が配置される

ボディ上面には、マイクと、赤外線ブラスターが装備されている

ボディ上面には、マイクと、赤外線ブラスターが装備されている

SIMカードスロットはDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)対応。ただし、microSDメモリーカードスロットは非搭載となっている

基本スペックを見てみよう。SoCはミドルハイ向けの「Snapdragon 730G」で、6GBのメモリーと、128GBのストレージを組み合わせる。Snapdragon 730シリーズは、日本で正規発売されるスマートフォンでは初搭載のものだ。通常の「Snapdragon 730」とは異なり、GPUの動作クロックを25%高め、グラフィック性能を強化している。OSは、Android 9をカスタマイズした「MIUI 11」(詳細は後述する)だ。microSDメモリーカードスロットは搭載されない。なお、上位モデルである「Mi Note 10 Pro」は、8GBのメモリーと256GBのストレージがそれぞれ搭載されている。定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver 8.X)」を使い、「Mi Note 10」の処理性能を計測した。総合スコアは、267,477(内訳、CPU:94,524、GPU:70,905、52,362、UX:49,686)で、ミドルハイスマートフォンとしてはGPUのスコアが7万以上と比較的高いが、ファーウェイ「nova 5T」、BlackShark「BlackShark2」、LG「G8X ThinQ」などと比べると、CPUのスコアは大体7割、GPUのスコアは大体半分といったところ。ソニー「Xperia XZ Premium」や、サムスン「Galaxy S8」など、おおむね2世代前のハイエンドSoC「Snapdragon 835」を搭載するモデルに近い性能だ。

AnTuTuベンチマークの計測結果。最新世代のハイエンド向けSoC搭載スマートフォンと比較すると、CPUの性能が大体7割、GPUのスコアがおおむね5割のスコアといったところ

「フォートナイト」の3D解像度は74%。モバイルフレームレートは20fpsまたは30fpsとなり、最高画質の60fpsはサポートされない

体感速度でも上記の競合モデルに比べると、やや劣っている部分が見られた。3Dゲームアプリ「ミリシタ(アイドルマスターミリオンライブシアターデイズ)」で、先頃実装されたばかりの39人ライブをプレイしたところ、描画設定を引き下げても全般的にスムーズさに欠けた。また、人気のバトルロイヤル「フォートナイト」も動作は20fpsまたは30fpsで、最高画質の60fpsでは動作しなかった。この価格帯で、ゲームにおけるパフォーマンスを重視するなら「nova 5T」や「BlackShark2」、「G8X ThinQ」のほうが適している。ただし、メモリーの容量に余裕があるので、タスクの切り替えなどは比較的スムーズで、負荷のかかるゲームを行わなければハイエンド向けモデルとの決定的な性能差は感じにくい。

バッテリー容量は5,260 mAh(Typ値)というかなりの大容量だ。なお、製品パッケージには30W対応のAC充電器が同梱されており、65分でフル充電が可能となっている。今回の検証は5日間の短期間で行ったが、1日3〜4時間断続的に使用するペースで、2日半でバッテリー残量が10%以下まで減少した。シャオミでは2日以上バッテリーが持つとしているが、確かにそれくらいのスタミナは期待できそうだ。なお、30W充電器については、検証機に付属していたものはコンセントの形状が日本向けではなかったので検証できなかった。

スマホのカメラでは最高レベルの高精細な1億800万画素カメラ。2倍と5倍のズーム撮影も楽しい

本機の大きな特徴が5つのカメラを組み合わせた5眼カメラだ。約1億800万画素の標準カメラ(約24mm)、約2,000万画素の超広角カメラ(16mm)約1,200万画素の2倍ズームカメラ、約500万画素の5倍ズームカメラ、約200万画素のマクロカメラという組み合わせとなる。なお、フロントカメラは約3,200万画素だ。この中で注目なのは、なんと言っても1億画素を超える標準カメラだろう。

リアのメインカメラは、右から、光学5倍ズーム、光学2倍ズームカメラ、約1億800万画素の標準カメラ、超広角カメラ、マクロカメラという並びになる

以下に、メインカメラによる静止画の撮影作例を掲載しよう。撮影設定は初期設定のままで、利用頻度の高いAI機能だけはオンにしている。

標準カメラで撮影

日中の風景を撮影、元データは6016×4512で、1億画素の1/4の解像度。撮影条件がさほどシビアでないので、仕上がりは良好

通常モードと108MPモードを比較(いずれも標準カメラ)

左が通常モード、右が108MP(1億800万画素)モード。いずれも等倍でトリミングしている。鳥の止まる岩のディテールを見比べると、情報量の違いがわかりやすい。高画素化によってディテールの情報量は向上していることが確認できる

光学5倍ズームカメラで撮影

光学手ぶれ補正機構が備わっており岩に止まる鳥の様子がはっきりと写る。これだけの倍率があれば、ズーム撮影の楽しみが味わえる

光学2倍ズームカメラで撮影

デュアルフォトダイオードイメージセンサーを採用することで上の光学5倍ズームと比べると、正確で高速なオートフォーカスが可能となる

超広角カメラで撮影

16mmの広角撮影が可能。構図の右側から西日がかかった影響で、フレアが一部に現れている。この構図に限らず超広角カメラではフレアが現われやすかった

マクロカメラで撮影

マクロカメラは比較的低画素の約200万画素のイメージセンサーを搭載。被写体まで数センチまでの接写が可能だ

光学5倍ズームカメラで撮影

光学5倍ズームカメラは、構図を工夫すれば、背景を大きくぼかした撮影も行いやすい

光学5倍ズームカメラは、構図を工夫すれば、背景を大きくぼかした撮影も行いやすい

標準カメラで撮影

夜景モードで撮影を行った。手ぶれやノイズも見られず、肉眼で見るよりも鮮明に写っている

夜景モードで撮影を行った。手ぶれやノイズも見られず、肉眼で見るよりも鮮明に写っている

光学5倍ズームカメラで撮影

駅舎のドーム部分を撮影。光学式手ぶれ補正は搭載されていないが、ISO2029まで感度がアップし、手持ちでも手ぶれはさほど目立たない。屋根瓦のディテールがしっかり写っている

光学2倍ズームカメラで撮影

光学式手ぶれ補正やデュアルフォトダイオードイメージセンサーのおかげで、5倍ズームカメラよりも夜景撮影が概して得意。ただ、この構図はそれほど暗くないがISO6400という超高感度となっており、元の撮影データを等倍に拡大するとカラーノイズが見られた

超広角カメラで撮影

光量がやや不足しており全般に少し暗い。ただし、ISO1916という高感度でシャッタースピードも確保されている

1億800万画素のメインカメラは、スマートフォンとしてはかなり高精細な映像が撮影できる。ただし最大解像度が12,032×9,024にもなり、撮影データも1ファイルあたり20MB前後は必要となる。SNSなどにアップするにはオーバースペックなので、むしろ使い方を悩むかも知れない。また、これ以外のマクロ、超広角、2種類の望遠という4つの多彩なカメラで、さまざまな構図の撮影ができるのが楽しい。むしろこちらのほうがが実用的な機能かもしれない。

同じアプリで4アカウントを切り替えられる独自OS「MIUI」

中国のスマートフォンメーカーはAndroid OSにカスタマイズを施し独自性を持たせるのが一般的だ。シャオミもその例に漏れず、独自のユーザーインターフェイスを備える「MIUI」をOSとして採用している。MIUIの特徴のひとつに、アプリのクローンを作る「デュアルアプリ」機能がある。通常アプリは1種類を1個しかインストールできないが、クローンを作ることで、同じアプリを2個インストールして切り替えて使うことができ、ゲームアプリでアカウントを使い分けたり、SNSの公的アカウントと私的アカウントを切り替えることも簡単に行える。

また、Android OSの機能「マルチアカウント」(装備されていない端末も多い)を応用した「セカンドスペース」という機能もある。「マルチアカウント」は切り替えが面倒だが、セカンドスペースはログイン時の指紋認証またはパスワードだけで切り替えられる。またセカンドスペース側でも「デュアルアプリ」が利用できるので、本機1台で、同じアプリで最大4アカウントを切り替えて使うことも可能だ。

ゲーム向けの最適化機能も搭載されており、メモリーのクリアや、通知や音声通話の着信制限などが簡単に行える。ユニークな機能として、ゲームの画面上に、メモやWebブラウザーを別ウインドウとして表示する機能が備わっている。これを使うことで、プレイ中に気づいたことのメモを残したり、攻略情報を参照しながらのプレイが行いやすい。

MIUIは、OPPOのColor OSのように徹底的にiOSに似せているというわけではないが、設定項目の分類や用語には独自の要素が目立つ。また、2画面表示の方法にもややクセがあるので、Androidスマートフォンを使い慣れた人が最初のうちは戸惑うかもしれない。いっぽうで「デュアルアプリ」や「セカンドスペース」など便利な独自機能に慣れてしまうと他社のOSでは満足できなくなるかもしれない。

アプリのクローンを作る「デュアルアプリ」。SNSやゲームなど複数アカウントを本機1台で扱える。「セカンドスペース」を組み合わせれば4アカウントまで扱える

ゲームのプレイ画面に別ウインドウでWebブラウザーやメモ機能を表示可能。攻略情報を参照したりメモを残しながらプレイできる

プリインストールアプリのいくつかには広告が差し込まれる。プリインストールアプリで広告が入るのはほかのメーカーではあまり見ない挙動だろう

高いコスパと強力なカメラ機能で日本市場にインパクトを与える1台

本機と同様の5万円前後のスマートフォンは、ファーウェイ「nova 5T」や、BlackShark「BlackShark2(64GBモデル)」、ソフトバンクのLG「G8X ThinQ」など、コストパフォーマンスにすぐれた製品が多い。本機は、それらと比べると処理性能ではやや見劣りするものの、約1億800万画素という5眼カメラはかなりのアドバンテージだ。また、MIUIの「デュアルアプリ」と「セカンドスペース」の組み合わせによって、ゲームやSNSの複数アカウントを1台で管理できるのも、人によってはかなり魅力的だろう。また、30Wの急速充電も、大容量バッテリーのデメリットを感じさせない実用的な機能と言える。

やや気になったのは、どこかで見たことのあるようなデザインかも知れない。シャオミはデザイン性を売りにしているが、本機からはあまりそのよさを感じられなかった。

日本初参入モデルとなるだけに、高いコストパフォーマンスと強力なカメラ機能はさすがの内容であり、完成度は非常に高い1台と言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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