レビュー
拡張ポイントはスマートスピーカーとしても使える

無線LANルーター「Google Nest WiFi」レビュー。メッシュネットワークで家のどこでも高速通信

Googleは、人が意識することなくコンピューターを使える「アンビエント・コンピューティング」という考え方を2019年6月に開催された開発者向けイベントで提唱し、それを打ち出した製品をリリースしている。これは、コンピューターが人の生活に自然に溶け込むというイメージで、同年11月には「Google Nest Mini」や「Google Nest Hub Max」などアンビエント・コンピューティングを実現するスマートホーム製品が発売された。

今回はそのうちのひとつである無線LANルーター「Google Nest WiFi」を試す機会を得たので、実際に2週間ほど使ってみた。

無線LANルーターには見えないデザインの「Google Nest WiFi」

無線LANルーターには見えないデザインの「Google Nest WiFi」

無線LANルーターらしからぬデザイン&メッシュネットワーク対応

「Google Nest WiFi」の基本スペックは、AC2200クラス(5GHz 4x4、2.4GHz 2x2 MU-MIMO)となり、AC1200クラス(5GHz 最大867Mbps、2.4GHz 最大300Mbps)だった前モデルの「Google WiFi」から通信速度が向上している。また、「Google WiFi」と同様にメッシュネットワークに対応。メッシュネットワークは、複数のルーターが相互接続し広いエリアをカバーできるもので、前モデルでは複数の「Google WiFi」を利用しメッシュネットワークを構築していた。

しかし、「Google Nest WiFi」はメッシュネットワークを構築する拡張ポイント「Google Nest WiFi拡張ポイント」が別に用意されている。「Google Nest WiFi拡張ポイント」単体ではネットワークを構築することはできず、あくまでも「Google Nest WiFi」の拡張ポイントとしてしか使えない。

ただ、面白いのは「Google Nest WiFi拡張ポイント」がGoogleアシスタントに対応しており、スマートスピーカーとしての機能も備えることだ。「OK Goolge」のひと声で、天気や最新ニュースの読み上げ、音楽再生だけでなく、Wi-FIiの通信速度も教えてくれる。これは、アンビエント・コンピューティングを体現する機能と言えるだろう。

「Google Nest WiFi」(左)と、メッシュネットワークを構築する「Google Nest WiFi拡張ポイント」(右)。「Google Nest WiFi拡張ポイント」はマイクとスピーカーを備える

筆者の自宅は、無線LANルーターの設置場所と寝室が、ちょうど長方形の対角線上にある位置関係にあり、寝室では1〜10MBpsほどしか速度が出なかった。しかし、「Google Nest WiFi拡張ポイント」を寝室に設置したところ、15〜30MBpsと速度の改善が見られた。

自宅は約80平米で、赤色の場所に無線LANルーターを設置していたが、無線LANルーターからドア2枚を隔てた寝室では通信速度がかなり悪かった。そこで、赤の場所に「Google Nest WiFi」を、緑の場所に「Google Nest WiFi拡張ポイント」を設置したところ、寝室で速度の大幅な改善が見られた

「Google Nest WiFi」および「Google Nest WiFi拡張ポイント」に共通しているのは、白を基調としたシンプルなデザインだ。一般的な無線LANルーターは、黒色で四角いフォルムのものが多い。見た目ですぐに無線LANルーターとわかる。しかし、「Google Nest WiFi」は丸い円柱形で、無線LANルーターには見えないデザインになっている。

「Google Nest WiFi」はLANポートを2基搭載するのだが、それらはデバイスの背面下部にまとまっているため、ケーブルが目立たないのも好印象だ。ただし、LANポートはもう少し数があってもよかった。なお、「Google Nest WiFi拡張ポイント」はそもそもLANポートを備えていない点に注意していただきたい。

これまで使っていた無線LANルーター(写真上)と「Google Nest WiFi」(写真下)を同じ場所に設置してみた。「Google Nest WiFi」のほうが存在感ははるかに薄い。また、LANポート類が底部にまとまっているため、ケーブルが目立たないのもグッド

スペックに話を戻そう。「Google Nest WiFi」は、IEEE802.11a/b/g/n/acに対応するが、最新のWi-Fi6(802.11ax)には非対応。2.4GHz帯と5GHz帯は、信号の強度や混雑具合に応じて最適な周波数帯が選ばれる。

スマートホーム製品の中には2.4GHz帯のみに対応するものもあり、通常はスマホを2.4GHz帯に接続し、スマートホーム製品のセットアップを行うのだが、「Google Nest WiFi」がスマホを5GHz帯に接続している場合は、スマートホーム製品のセットアップが行えないので注意が必要だ。デバイスごとに周波数帯を指定できるのかGoogleに問い合わせてみたが、記事掲載時点で回答は得られていない。

デザインはいいが、スペックの割に価格がそこそこするのがネック

デザインはいいが、スペックの割に価格がそこそこするのがネック

また、「Google Nest WiFi」はAC2200クラスだが、「Google Nest WiFi拡張ポイント」はAC1200クラスにとどまる。それでいて、価格は「Nest Wifiルーター」が19,800円(税込)、「Nest Wifi 拡張ポイント」が18,150円(税込)。この2つをまとめたセットは31,900円(税込み)と別々に買うよりも6,000円ほど安い。それでも、これよりも高スペックで価格の安い無線LANルーターがあり、割高感は否めないのが本音だ。

初期設定から管理まで。初心者でも使いやすいアプリは◎

「Google Nest WiFi」がほかの無線LANルーターよりもすぐれていると感じたのは、アプリの使い勝手だ。初期設定は「HOME」というアプリから行う。これは、Google製スマートホーム製品を使用したことがある人にはおなじみのアプリで、簡単に言えばChromecastやGoogle Nest Min、Google Homwiなどの操作を統合する機能を備える。

「Google Nest WiFi」および「Google Nest WiFi拡張ポイント」の設定も基本的には「HOME」の指示通り設定するだけの簡単設計だ。無線LANルーターを初めて使う人でも設定に迷うことはないだろう。

スマホとBluetoothで接続し、デバイスを選択。あとはSSIDの名前やパスワードを設定するだけ初期設定は完了。ややこしいネットワークの設定などは一切なし。「Google Nest WiFi拡張ポイント」の設定も簡単だ

「HOME」では「Google Nest WiFi」および「Google Nest WiFi拡張ポイント」の簡単な管理を行えるが、「Google WiFi」というアプリを使えばより高度な設定や管理が行える。接続するデバイスをグループ化し、グループごとに利用時間を制限したり、アダルトコンテンツへのアクセスをブロックしたりすることができる「ファミリーWi-Fi」は、子どものいる家庭では役立つだろう。また、ゲスト用Wi-Fiの設定もでき、「Google Nest Hub Max」を所有していれば、その画面にゲスト用Wi-FiのQRコードを表示させることもできる。

速度測定や「ファミリーWi-Fi」の設定、ゲスト用Wi-Fiなど簡単な設定は「HOME」でも行える

速度測定や「ファミリーWi-Fi」の設定、ゲスト用Wi-Fiなど簡単な設定は「HOME」でも行える

「Google Nest Hub Max」にゲスト用Wi-FiのQRコードを表示。SSIDやパスワード入力の手間が省ける

「Google Nest Hub Max」にゲスト用Wi-FiのQRコードを表示。SSIDやパスワード入力の手間が省ける

「Google WiFi」では、「HOME」より高度な設定や管理を行える

「Google WiFi」では、「HOME」より高度な設定や管理を行える

同様の機能を持つ無線LANルーターもあるが、「Google Nest WiFi」が素晴らしいのは、ややこしい操作が一切必要なく、誰でもアプリの指示通りにすれば設定できることだ。初期設定時にググることもないだろう。

「Google Nest WiFi」は、価格こそ高いが、誰でも簡単に使いこなせる親切なUIと、インテリアになじみやすいデザインは素晴らしい。「Google Nest WiFi拡張ポイント」を使えばメッシュネットワークを構築でき、加えてスマートスピーカーとしての機能も備えており、割高感も少し薄れる。コスパよりも、使いやすさやデザインを重視する人はチェックする価値があるだろう。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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