レビュー
トリプルスロットDSDV対応、クアッドカメラ搭載など充実の高コスパ機

2万円台の大画面SIMフリースマホ、OPPO「A5 2020」レビュー

現在「Reno A」が好評のOPPOのスマートフォンのラインアップには、2万円台のエントリーモデル「A5 2020」が存在する。2019年11月の発売とともに価格.comでも少しずつ注目を集めており「スマートフォン」カテゴリーの人気・注目ランキングも上昇傾向だ。その実力に迫るべくレビューを行った。

2万円台で買える最新スペックのスマートフォン

OPPOのエントリーモデル「A5 2020」の価格.comの最安価格28,000円台(税込、2019年12月25日現在の価格)で、MVNOの中には、SIMカードとセットで1万円台という驚きの価格で販売しているところもある。なお、MNOサービスを準備中の楽天モバイルでも28,800円(税込み)で取り扱われている。いずれの販売チャンネルでも「Reno A」に対して1万円ほど安い。

「A5 2020」は、サイズが約75.6(幅)×163.6(高さ)×9.1(厚さ)mmで、重量が約195gのボディに、1,600×720のHD+表示に対応する約6.5インチの液晶ディスプレイを組み合わせる。本機のディスプレイは、ハイエンドモデルのだいたい倍のドットピッチなので、細かな文字などを見比べると粗さは否めない。しかし、画面が広いことによる操作性のよさや迫力は魅力だ。前モデルに当たる「AX7」も大画面が魅力だったが、本機にもその特徴は受け継がれている。

ディスプレイを覆う保護ガラスには米コーニング社の強化ガラス「Corning Gorilla Glass 3」が使われている。いっぽう、背面は樹脂製でこちらの質感は価格相応という印象だ。なお、ボディはIPX5等級の防塵仕様をクリアしているが、防水には対応していない。また、FeliCaポートが非搭載で、この点は日本市場向けに設計された「Reno A」との大きな違いだ。なお、サウンド機能は充実しており、ステレオスピーカーを備えるほか、立体音響技術の「Dolby Atmos」やハイレゾ音源の再生にも対応しており、イヤホンを使って迫力のある音声を再生できる。

ボディ前面に広がるディスプレイは、狭額縁設計の上位モデルのようだ。ただし、画面サイズに対して解像度がやや低いため、細かな文字などでは少し粗さを感じることがある

背面には樹脂製素材が使われる。手触りが少しやわらかく、長く使った場合の傷の付きやすさが気になる

背面には樹脂製素材が使われる。手触りが少しやわらかく、長く使った場合の傷の付きやすさが気になる

製品には透明のソフトカバーが同梱されている。キズが気になる場合はこちらを使うといいだろう

製品には透明のソフトカバーが同梱されている。キズが気になる場合はこちらを使うといいだろう

ボディ下面にはUSB Type-Cポートとヘッドホン端子、スピーカーが備わる。なお、本体のみでステレオ再生が行える

ボディ上面にはポート類は配置されていない

ボディ上面にはポート類は配置されていない

2基のnanoSIMカードスロットとは別に、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを搭載するトリプルスロット仕様だ

本機が搭載するSoCはミドルハイ向けの「Snapdrago 665」で、4GBのメモリーと64GBのストレージ、256GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 9をベースにカスタマイズを施したColor OS 6だ。本機のSoCは、2019年夏に登場したばかりの最新世代に属するもので、2万円台の製品としてはグレードが高いものだ。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver 8.X)」を使って計測したところ、総合スコアは158,031(内訳、CPU:69,254、GPU:24,841、MEM:37,760、26,216)となった。「Reno A」の総合スコアは20万前後なので、大体4万点ほどの違いがある。なお、このスコアは本機より価格帯では上となるシャープ「AQUOS sense3 Plus」の159,866(内訳、CPU:62,669、GPU:24,036、MEM:42,433、UX:30,728)とほとんど同レベルであり、価格性能比の高さが実感できるだろう。サブスコアを見ると、画面解像度の低さが影響したのだろうか24,000点台という高めとなったGPU(グラフィック性能)のスコアに注目したい。このスコアなら、「AX7」では厳しかった3D描画を使ったゲームアプリもよりスムーズに動作するだろう。

左が本機、中央が「AQUOS sense3 Plus」、右が「AQUOS sense3」のスコア。本機の処理性能は倍近い価格の「AQUOS sense3 Plus」に肉薄するレベルだ

アプリの起動やホーム画面の動作などは引っかかりを感じることはなく、体感速度に不満は感じなかった。国内で正規販売される2万円台のスマートフォンの中では、現状で最も高速なスマートフォンと言えそうだ。グラフィック性能もこの価格帯としては良好で、3Dゲームが苦手だった前モデル「AX7」よりも進歩している。ストレージは64GBと標準的な容量だが、microSDXCメモリーカードを併用すれば容量不足に悩まされることは少ないだろう。

ホワイトバランスと夜景撮影が向上したカメラ

OPPOのスマートフォンはカメラ機能も大きな魅力である。本機もその例にもれず、メインカメラは約1,200万画素の標準カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のポートレートカメラ、約200万画素のモノクロカメラという組み合わせのクアッドカメラとなっている。なお、このうち実際に映像の記録に使うのは標準カメラと超広角カメラで、モノクロカメラは陰影の強調に、ポートレートカメラは背景ぼかしに使われる。また、夜景撮影時の手ぶれやフレアを低減する「ウルトラナイトモード 2.0」を備えており、夜景撮影にも強そうだ。なお、フロントカメラは約1,600万画素となっている。

ボディの中心線に沿って3台のカメラ(上から、超広角カメラ、標準カメラ、モノクロカメラ)が並び、その隣に、LEDフラッシュと背景ぼかし用のポートレートカメラが配置される

フロントカメラは約1,600万画素。美顔撮影機能「A.Iビューティ」を備えている

フロントカメラは約1,600万画素。美顔撮影機能「A.Iビューティ」を備えている

以下に、本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。初期設定のままカメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

標準カメラで撮影

黄色く色づいた銀杏が構図を占めている。ホワイトバランスが少しアンバーに寄っているが冬の昼下がりの雰囲気が出ている

超広角カメラで撮影

カメラを切り替えても色調は大きく変わらない。ただし、等倍にすると構図右側の銀杏の幹や葉などのディテールが標準カメラよりも甘くなる

標準カメラで撮影

ススキの穂を接写気味で撮影。繊細な穂のディテールもキレイに撮影できた

ススキの穂を接写気味で撮影。繊細な穂のディテールもキレイに撮影できた

標準カメラで撮影

夜景を撮影。ISO1378まで感度が上昇しており、駅舎などのディテールを見るとノイズもみられる。ただし、手持ちでも手ぶれは比較的少なく、失敗写真はさほど多くなかった

超広角カメラで撮影

ISO1632まで感度が向上。手ぶれやノイズは少ないが、ディテールはぼんやりとしている。また、中央の換気口などの暗部はほとんどつぶれてしまっている

標準カメラで撮影

ISO5184という、今回の撮影で最高の感度を記録した。フラッシュなしでも光量は十分で手ぶれも抑えられており、価格帯を考えればかなり高性能な高感度撮影機能を備えていると言える

超広角カメラで撮影

ISO3968まで感度がアップ。こちらもノイズは少ないが、ディテールは乏しい

ISO3968まで感度がアップ。こちらもノイズは少ないが、ディテールは乏しい

本機はクアッドカメラを搭載するが、直接映像を記録するために使われるのはそのうち2基だけなので、ユーザーの使い勝手としては、標準と超広角のデュアルカメラとなる。前モデル「AX7」のカメラは、ホワイトバランスや高感度撮影に難があったが、本機のホワイトバランスは比較的自然だし、高感度撮影機能「ウルトラナイトモード2.0」のおかげで夜景撮影でも手ぶれが抑えられている。特に、標準カメラでは安定した撮影が行えた。手軽に、ある程度見栄えのする写真が撮れるので。SNSなどでは重宝するだろう。

なお、標準カメラと超広角カメラの切り替えは、画面上部のアイコンメニューから行う必要があり、画面のピンチイン・ピントアウトで切り替えることはできない。この点はやや注意が必要だ。

5,000mAhの大容量バッテリーを搭載

本機は、5,000mAhの大容量バッテリーを内蔵している。また、OPPO独自のColor OSはなるべくバッテリーを持たせるように背後で動作するアプリの挙動をコントロールしている。メーカーではバッテリー持ちに関する情報を公開していないが、価格.comのユーザーレビューの項目「バッテリー」は4.5点(カテゴリー平均3.63)と、かなり良好のようだ。今回は、1日3時間程度断続的に使用するペースで検証を行ったが、3日以上充電が不要で、かなりバッテリーが持つという印象だ。なお、本機は、QuickChargeやUSB PD、OPPO独自の「VOOC」といった急速充電規格に対応していないので、充電にはそれなりの時間が必要だ。同梱の充電器(出力10W)を使ったところフル充電までに3時間以上の時間がかかった。この点には少し注意がいる。

FeliCa、防水ボディが不要なら魅力的な高コスパモデル

「Reno A」よりもさらに1万円ほど安い本機は、大画面、大容量バッテリー、クアッドカメラなどの特徴を備えた、かなり内容の充実した製品だ。「Reno A」に備わるFeliCaや防水が不要で、かなり満足できるだろう。

本機と直接競合する2万円台のSIMフリースマートフォンとしては、ASUS「ZenFone Max(M2)」や、モトローラ「moto g7」、ファーウェイの「P30 lite」などがあげられる。それらの中でも、製品の世代が新しいため、性能全般に余裕が感じられる。兄弟機の「Reno A」と並んで、本機も今期を代表する高コスパスマホと言えそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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