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安いし速いし文句なしだが……

格安SIMで人気のサブブランド「ワイモバイル」や「UQ mobile」にも弱点はある?


多くの事業者が参入している格安SIMの中でも、大手キャリアのサブブランドに位置づけられる「ワイモバイル」と「UQ mobile」は人気を集めています。

どちらも大手キャリアより割安な月額料金で利用できることにくわえて、格安SIMの中では通信品質がよく、各地に新規契約からアフターサポートまで対応する実店舗を設けるなど、MVNO(仮想移動体通信事業者)の弱点をカバーする総合力の高さが特徴。最新モデルではないものの、日本で根強い人気の「iPhone」シリーズを取り扱っていることもポイントです。

ただ、サブブランドも万能ではありません。MVNOと比較した場合、特にデータ通信に関してはどちらも弱点を抱えており、ユーザーのニーズによってはサブブランドでも対応できないことがあります。

そこで今回は、格安SIMに対するサブブランドの弱点を踏まえつつ、価格.comマガジンで毎月実施している通信速度調査の対象となっている7社のMVNOから、サブブランドではカバーしきれないニーズに応えられる格安SIMをピックアップしてみたいと思います。

7社の内訳は次の通りです。なお、サブブランドの2社と以下の7社に加えて「楽天モバイル」のMVNO回線も調査の対象になっていますが、楽天モバイル自社回線の正式サービス開始にあわせて2020年4月8日以降は契約を申し込めなくなるため、ここでは除外しています。

・BIGLOBEモバイル
・OCN モバイル ONE
・mineo
・IIJmio(みおふぉん)
・イオンモバイル
・LinksMate
・LINEモバイル

※記事中の価格表記は特に断りがない限り税別です。

データ利用量はオプションなしで最大14GB、大容量が選べない

まずは大容量プランの有無についてです。

ワイモバイルとUQ mobileのスマホ向けプランを以下の表にまとめてみました。データ利用量の区切りはどちらも同じで、毎月3GB、9GB、14GBまでの3種類です。

ワイモバイルは「データ増量オプション」(月額500円)を追加することで、それぞれ毎月4GB、12GB、17GBまで増やすことが可能。UQ mobileも条件を満たせば同じ容量まで増やすことはできますが、こちらは最大13か月間のキャンペーン適用時のみとなります。

つまり、オプションやキャンペーンなしでは最大14GB、ありでも最大17GBよりデータ利用量が多い大容量のプランを選ぶことはできません。

ワイモバイルとUQ mobileのスマホ向け料金プラン

ワイモバイルとUQ mobileのスマホ向け料金プラン

いっぽう、格安SIMでは毎月20GB以上の大容量プランを選ぶことができます。

速度調査対象の格安SIMでは「BIGLOBEモバイル」「OCN モバイル ONE」「mineo」が毎月30GBまで、「イオンモバイル」が毎月50GBまで、「IIJmio(みおふぉん)」が毎月62GBまで(ファミリーシェアプランに大容量オプションを追加する場合)、「LinksMate」が毎月1TBまでの料金プランを提供しています。

格安SIMにおける大容量プランの例(毎月20GB〜100GBまで)

格安SIMにおける大容量プランの例(毎月20GB〜100GBまで)

ワイモバイルやUQ mobileの場合、メインブランドのソフトバンクやauが大容量プランや使い放題プランを提供しているので、サブブランドに大容量プランは不必要かもしれません。

また、格安SIMの大容量プランも月額料金はそれなりに高くなりますが、いずれも次に述べる「データ利用量のシェア」に対応しているため、家族の回線を格安SIMにまとめたい場合などに便利です。

格安SIMなら複数回線でのデータ利用量シェアができる

次は、データ利用量のシェアについてです。

ワイモバイルの「スマホベーシックプラン」では「シェアプラン」を追加契約することで、最大4回線でデータ利用量を分け合うことができます。ただし、シェアプランで追加できる子回線(最大3回線)は、音声通話が利用できないデータ通信SIMのみとなります。UQ mobileではデータ通信SIMを含め、複数の回線でデータ利用量を分け合う手段そのものが用意されていません。

こうした事情から、ワイモバイルとUQ mobileは「家族全員のデータ利用量をひとつにまとめたい」といったニーズには向きません。データ利用量のシェアを重視するのなら、MVNOの格安SIMを検討するのがいいでしょう。

価格.comマガジンで速度調査の対象としているMVNOのうち、当月のデータ利用量を複数の音声通話SIMでシェアできるのは「BIGLOBEモバイル」「OCN モバイル ONE」「IIJmio(みおふぉん)」「イオンモバイル」「LinksMate」の5社。最大で5回線の音声通話SIMに対応しているので、5人家族までカバーすることができます。

格安SIMのデータ利用量シェアオプションの例(当月分をシェア)

格安SIMのデータ利用量シェアオプションの例(当月分をシェア)

また、「mineo」では前月から繰り越されたデータ利用量だけを合算し、複数の回線でシェアできるオプションを提供しています。

当月のデータ利用量はそれぞれの回線だけが消費するので、「ひとりが通信しすぎてデータ利用量を使い果たしてしまい、全員が速度制限を受ける」ような事態を避けられます。各回線の料金プランを自由に選べることも特徴です。

格安SIMのデータ利用量シェアオプションの例(繰り越し分をシェア)

格安SIMのデータ利用量シェアオプションの例(繰り越し分をシェア)

サブブランドには対象サービスの通信が無料になる「ゼロレーティング機能」がない

最後は、特定のサービスを利用したときの通信が無料になる「ゼロレーティング機能」についてです。

大手キャリアのソフトバンクでは、「YouTube」「Amazonプライムビデオ」などの動画配信サービスや人気SNSの通信が無料になるゼロレーティング機能を一部の料金プランで提供しています。しかし、ソフトバンクのサブブランドにあたるワイモバイルではゼロレーティング機能が提供されていないため、どんなサービスを利用する場合でもデータ利用量が消費されていきます。UQ mobileも同様です。

これに対し、一部の格安SIMでは独自のゼロレーティング機能を提供しています。たとえばBIGLOBEモバイルでは、「YouTube」や「Apple Music」など21種類のサービス利用時の通信が無料になるゼロレーティング機能「エンタメフリー・オプション」(月額料金は音声通話SIMが480円、データ通信SIMが980円)を提供しています。

データ利用量の上限が毎月12GBと比較的少なめな「LINEモバイル」でも、「LINE」や人気SNSの通信が無料になる「データフリーオプション」を3種類用意。「LINE」「Twitter」「Facebook」「Instagram」「LINE MUSIC」の5サービスすべてが対象の「SNS音楽データフリー」は月額480円、LINEだけが対象の「LINEデータフリー」なら無料で追加することが可能です。

また、1TBという破格の大容量プランを提供する「LinksMate」では、ゲームアプリ全70タイトルやSNSなどが対象の「カウントフリーオプション」を月額500円で提供しています。

こうしたオプションはデータ利用量を直接増やすものではありませんが、対象のサービスを多く利用する人ほどトータルの通信量を減らすことができます。通信量が減った分だけデータ利用量が少ない料金プランを選ぶことができるので、コストの削減につながります。なお、SNSアプリのライブ配信機能など、一部無料にはならない通信もあるので気をつけましょう。

ゼロレーティング機能の対象サービス

ゼロレーティング機能の対象サービス

サブブランドの弱点をカバーする格安SIMも一緒に検討してみよう

割安な月額料金、良好な通信品質、安心のサポート体制を兼ね備えたサブブランドのワイモバイルとUQ mobileは、大手キャリアでスマートフォンを利用するユーザーの乗り換え先としてだけでなく、子どもの新規契約やケータイ(ガラケー)からの乗り換えのように、初めてスマートフォンを手にする人にとっても選びやすいキャリアです。

ただ、サブブランドにおけるスマートフォン向けの料金プランは「データ利用量」と「通話定額オプション」の組み合わせから構成されるわかりやすさを備えているものの、大容量プランやゼロレーティング機能は用意されておらず、複数の音声通話SIMでデータ利用量をシェアできないといった弱点も持ち合わせています。

いっぽう、MVNOが提供する格安SIMでは「20GB以上の大容量プランを選びたい」「動画配信サービスやSNSの通信量を減らしたい」「いくつかの音声通話SIMでデータ利用量をシェアしたい」といった、ピンポイントなニーズに対応できる料金プランやオプションサービスも提供されています。

特に大容量プランとデータ利用量のシェアオプションは相性がよいため、家族でまとめて格安SIMに乗り換えるなら、サブブランドよりもMVNOのほうが適している場合もあります。これから格安SIMを契約するのであれば、通信品質やサポートといったサブブランドならではの特徴も踏まえつつ、MVNOも候補に含めて検討するのがいいでしょう。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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