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繰り越した「ギガ」が消えない!?

シンプルさを強調する「y.u mobile」はどんな格安SIM?


2020年3月、Y.U-mobileからNTTドコモ回線に対応する新しい格安SIMサービス「y.u mobile」が登場しました。y.u mobileは「シンプル」を前面に打ち出しており、料金プランは小容量と大容量の2種類だけ。足りない場合は割安な料金のデータチャージで追加するという、格安SIMでもなかなか見かけないスタイルを採用しています。

また、使いきれなかったデータ利用量が翌月に繰り越される格安SIMは多いものの、y.u mobileでは使い切るまで無期限に繰り越されることも特徴のひとつ。割安なデータチャージと無期限の繰り越しにより、データ利用量を無駄なく利用できるとY.U-mobileではアピールしています。

そこで今回はy.u mobileのサービス内容をチェックしつつ、人気の格安SIMとコストを比較してみたいと思います。

※記事中の価格表記は特に断りがない限り税別です。

データ利用量は3GBと20GBの2種類のみ

まずはy.u mobileの料金プランをチェックしてみましょう。データ利用量と月額料金は以下の通りです。

y.u mobileの料金プラン

y.u mobileの料金プラン

前述のように、y.u mobileの料金プランはデータ利用量が毎月3GBまでの「シングルプラン」と、毎月20GBまでの「シェアプラン」の2種類のみ。音声通話SIMの月額料金は「シングルプラン」が1,690円、「シェアプラン」(1回線のみ)は5,990円。データ通信SIMはそれぞれ900円と5,500円で、SMS機能(月額120円)の追加も可能です。

どちらの料金プランとも、データ利用量を1GBあたり300円で追加購入する「データチャージ」が利用できます。毎月のデータ利用量が3GBでは足りないが20GBでは多すぎるような人の場合、データチャージを利用して「シングルプラン」にデータ利用量を追加する形になります。

音声通話SIMの通話料金は20円/30秒ですが、プレフィックスタイプの通話料割引オプション「y.uでんわ」を利用することで、半額の10円/30秒になります。最低利用期間は設けられていませんが、利用開始日から30日以内にMNP(携帯電話・PHS番号ポータビリティ)制度を利用して他社へ乗り換える場合、転出手数料(3,000円)とは別に「短期MNP予約番号発行にかかる追加手数料」として9,500円が請求されます。

2つのプランのうち「シェアプラン」ではSIMの追加が可能で、最大4回線でデータ利用量を分け合うことが可能です。追加したSIMの月額料金は音声通話SIMが790円、データ通信SIMが300円となります。4回線とも音声通話SIMにした場合の月額料金は8,360円で、1回線あたりのコストは2,090円です。

なお、「シェアプラン」には動画配信サービス「U-NEXT」の「月額プラン」(月額1,990円)が追加料金無料で付属しています。U-NEXTの月額プランは2019年12月時点で動画なら14万本(各作品の1話数を1本とカウント)が見放題、雑誌なら70誌が読み放題とされています。U-NEXTのファミリーアカウントは4人まで対応しているので、家族で「シェアプラン」を契約しても全員がU-NEXTを楽しめることになります。

「シェアプラン」で音声通話SIMを追加した場合の月額料金

「シェアプラン」で音声通話SIMを追加した場合の月額料金

また、「シングルプラン」と「シェアプラン」で使いきれなかったデータ利用量は、翌月以降に無期限で繰り越されます。ただし、繰り越されるデータ利用量には100GBの上限が設けられていて、これを上回ったものは古いものから順に消えていきます。

たとえば「シェアプラン」のデータ利用量を毎月半分しか使わなかった場合は、10か月で上限に達することになります。元々のデータ利用量が最大20GBなので、繰り越し分がその5倍キープされると考えれば、通信量が多くなってしまった月の「保険」としては十分と言えるでしょう。

月額料金をmineoやUQ mobileと比べると?

次に、格安SIMでも人気の「mineo」とサブブランドの「UQ mobile」を、y.u mobileと比較してみましょう。各キャリアのデータ利用量と月額料金を以下にまとめました。mineoはy.u mobileと同じNTTドコモ回線を使う「Dプラン」を選んでいます。

通話料金はいずれも従量制で、通話定額オプションは考慮していません。y.u mobileはほかのキャリアとデータ利用量を合わせるために、データチャージを利用した場合のコストも試算しています。

「y.u mobile」「mineo」「UQ mobile」の月額料金を比較

「y.u mobile」「mineo」「UQ mobile」の月額料金を比較

毎月3GBまでのプランを比べた場合、y.u mobile「シングルプラン」の月額料金はmineo(同容量で月額1,600円)よりも高く、UQ mobile(同1,980円)よりも安い、両キャリアの中間に位置しています。ただ、データチャージを使ってデータ利用量を増やした場合、mineoやUQ mobileの同容量プランよりも300円〜1,000円ほど割高になってしまうことがわかります。

また、毎月20GBまでの「シェアプラン」の月額料金は、mineo(同容量で月額4,680円)と比べて1,310円割高です。毎月30GBのプランに合わせるにはデータチャージ10GB分の3,000円が加算されるため、mineoの同容量プランとの差額は2,390円まで広がってしまいます。

事前登録不要の「修理費用保険」がうれしい

最後に、オプションの内容をチェックしてみましょう。y.u mobileで提供されている主なオプションは以下の通りです。

y.u mobileの主なオプション

y.u mobileの主なオプション

注目は、スマートフォンやタブレットの故障時に利用できる「修理費用保険」です。月額料金は無料で、y.u mobileの音声通話SIM(「シェアプラン」で追加した音声通話SIMも含む)が対象。ほかのキャリアではあらかじめ対象となる端末を登録しなければならないこともありますが、音声通話SIMの申し込み時点で「発売から5年以内、または購入から1年以内」の端末であれば、新品・中古を問わず利用できます。

補償される金額は年間3万円が上限で、2回まで利用可能です。たとえばスマートフォンを1年間に2回落下させて画面が割れてしまったとしても、修理費用が2回合わせて3万円以内であれば、どちらも「修理費用保険」でカバーされます。指定店舗(iCracked Store)での利用を事前に連絡すれば修理費用の負担はありませんが、そのほかの修理サービスを利用するなどして後から保険金を申請する場合、修理費用はいったんユーザーが負担しなければなりません(保険金の支払いは申請後30日以内)。

前述のmineoやUQ mobileとのコスト比較ではy.u mobileのほうが割高という結果になりましたが、mineoとUQ mobileの持ち込み端末向け保証オプションはどちらも月額500円掛かるため、保険費用があらかじめ含まれていると考えれば価格差も縮まります。キャリアによっては新規契約時にしか保証オプションに加入できないこともありますが、y.u mobileの「修理費用保険」は音声通話SIMの標準サービスとして提供されているので、加入し忘れる心配がない点もメリットです。

また、y.u mobileでは通話料割引サービス「y.uでんわ」のオプションとして、国内宛の通話料が無料になる「無制限かけ放題」(月額2,700円)が用意されています。UQ mobileが提供する同様のオプション「国内通話かけ放題」(月額1,700円)に比べると割高ですが、話し放題の通話定額オプションを提供する格安SIMそのものが限られているため、y.u mobileは数少ない選択肢のひとつと言えます。

y.u mobileならではのオプションに魅力を感じるかがポイント

料金プランが毎月3GBまでの「シングルプラン」と、毎月20GBまでで最大4回線に対応する「シェアプラン」の2つだけというシンプルさを打ち出すy.u mobileには、音声通話SIM向けの保証オプション「修理費用保険」やU-NEXTの「月額プラン」が最初から料金プランに組み込まれているという特徴があります(U-NEXT月額プランは「シェアプラン」のみ)。

月額料金はmineoやUQ mobileといった人気のキャリアと比べて割高ですが、これらのオプションがあらかじめ組み込まれていることを考えれば、オプションの検討や加入手続きといった手間を省くという意味でもシンプルさを追求していると言えます。スマートフォンの画面をよく割ってしまったり水に濡らしてしまったりする人や、サブスクリプション型の動画配信サービスを愛用している人が格安SIMに乗り換えようと考えているなら、y.u mobileを選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。

松村武宏

松村武宏

信州佐久からモバイル情報を発信するフリーライターであり2児の父。気になった格安SIMは自分で契約せずにはいられません。上京した日のお昼ごはんは8割くらいカレーです。

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