レビュー
日本での発売に期待

ファーウェイの最新スマホ「P40 Pro」。撮影欲をかき立てるカメラが楽しすぎ

ファーウェイは、最新スマホ「P40」シリーズを2020年3月26日にグローバル向けに発表した。最上位モデル「P40 Pro+」、上位モデル「P40 Pro」、標準モデル「P40」という3機種がラインアップ。このうち、「P40 Pro」を試すことができたので、そのレビューをお届けする。なお、グローバル版のため、レビューはフライトモードをオンにして行った。そのため、外観およびカメラ周りが中心のレポートとなる。

ライカと共同開発のクアッドカメラを搭載するファーウェイ「P40 Pro」。カメラの実力は専用のコンデジと比べても遜色ないレベルだ

本体の上下左右を湾曲させた「Quad-Curve Overflow Display」

外観で注目なのは、フルHD+(2640×1200)の6.58インチ有機ディスプレイだろう。ファーウェイが「Quad-Curve Overflow Display」と呼ぶこのディスプレイは、左右だけでなく上下も湾曲しており、ベゼルが非常に狭くなっている。特に、左右のベゼルは、真正面から見るとほとんど見えない。ディスプレイの上下は、左右よりも湾曲がゆるくなっている。湾曲ディスプレイは、見た目のインパクトが強く、一歩間違えると“やりすぎ”な印象があるが、「P40 Pro」は自然な美しさを備えているように感じた。

「Quad-Curve Overflow Display」はベゼルがほとんど気にならず、画面がこちらに浮き出るような印象

「Quad-Curve Overflow Display」はベゼルがほとんど気にならず、画面がこちらに浮き出るような印象

ディスプレイのアスペクト比は19:8.9と縦長。DCI P3、HDRに対応しており、コントラストと彩度の高い色表現が楽しめるうえに、リフレッシュレートは最大90Hz駆動と、滑らかな表示が可能だ。

カラフルな花の写真を見ると、コントラストと彩度の高さがわかる。ディスプレイのスペックが高いため、写真や動画、ゲームのプレイ時など幅広いシーンで恩恵を受けられるだろう

ディスプレイ上部のノッチはパンチホールタイプだが、インカメラがToFセンサーを搭載するデュアルカメラになったため、カメラ1基の場合よりも横に長くなっている。ただし、ToFセンサーを備えたことにより、3D顔認証に対応しており、セキュリティが向上。また、3D顔認証に加えて、画面内指紋認証にも対応する。

ノッチは、横長のパンチホール。少し大きいため、操作時などに気になることもあった

ノッチは、横長のパンチホール。少し大きいため、操作時などに気になることもあった

側面は頑丈なメタルフレームを採用。物理ボタンは右側面に音量キーと電源キーを備えるだけ。USB Type-CポートとSIMカードスロットは端末底面に搭載。なお、グローバルモデルは、デュアルSIMタイプで、ひとつは5GのSIMカード、もうひとつはeSIMに対応する。

SIMカードスロットは、5GとeSIMに対応するため、幅広い運用ができそうだ

SIMカードスロットは、5GとeSIMに対応するため、幅広い運用ができそうだ

ガラス製の背面はグロッシーで高級感のあるデザイン。目を引くのは、ライカと共同開発のクアッドカメラだろう。縦方向に端末の3分1ほどを占める土台に収められており、見た目のインパクトはかなり強い。

ガラス製の背面にドンッと構える4基のカメラ。ブラックの長方形の土台はサムスン「Galaxy S20 5G」と同じ方向性のデザイン

クアッドカメラの実力を徹底検証

ここからは「P40 Pro」のカメラ機能をチェックしよう。メインカメラは、超広角カメラ(4000万画素/18mm、35mm換算/F1.8)、広角カメラ(5000万画素/23mm/F1.9)、望遠カメラ(1200万画素/125mm/F3.4)、深度測定用のToFセンサーという組み合わせ。これに加えて、色温度センサーを搭載することで、環境に最適な色合いを実現することが可能だという。

前モデル「P30 Pro」と比べ、超広角カメラ、広角カメラ、望遠カメラともに有効画素数などの性能がアップ。また、広角カメラは1/1.28インチのRYYBセンサーを搭載することにより、低照度での撮影性能がさらに向上した形だ。

また、望遠カメラは光学ズーム5倍、ハイブリッドズーム10倍、デジタルズーム50倍に対応。ズーム性能は「P30 Pro」から変わらないが、イメージセンサーをRYYBセンサーに変更したことで、取り込める光量がアップしている。

自宅周辺を散歩しながら、それぞれのカメラを試したので、下記の作例をご覧いただきたい。

撮影は基本的にマスターAI(AIが自動でシーンを認識し、撮影性能を行ってくれる機能)をオンにして行った。

以下は広角カメラで撮影した写真だ。

たんぽぽの綿毛を撮影。拡大した右の画像を見ると、1本1本の綿毛がわかるくらい鮮明だ

たんぽぽの綿毛を撮影。拡大した右の画像を見ると、1本1本の綿毛がわかるくらい鮮明だ

ひしゃくの中の水や水盤の質感もしっかり表現。構えてシャッターボタンを押すだけで、それっぽい趣のある写真を撮れる

カラフルな花も、コントラストが高く色鮮やかに撮影できた。花びらの色のグラデーションもきれいだ

カラフルな花も、コントラストが高く色鮮やかに撮影できた。花びらの色のグラデーションもきれいだ

これはマスターAIに「歴史的建造物」として認識された1枚

これはマスターAIに「歴史的建造物」として認識された1枚

室内から窓に向かって撮影するときは、手前の被写体に露出を合わせると窓の外の景色が白飛びすることがよくある。しかし、「P40 Pro」はHDR対応により、ソファの木目がわかるほど明るく、かつ、窓の外の風景もしっかりと撮れている。目で見ているに光景に近い再現性だ

こちらもHDRの性能の高さがわかる1枚。曇りだったが、太陽が出たタイミングを狙い、かなり強い逆光下で撮影。看板の色味もしっかり表現できているし、奥の電柱の装飾もはっきり見える

超広角カメラは、広角カメラよりも広いアングルで撮影できるため、広大な風景や、被写体との距離が近い屋内での撮影ができるのが特徴だ。スマートフォンのカメラでは、2年前くらいから、標準カメラに加えて超広角カメラを搭載するのが一般的だが、本機のカメラもそれにならったもの。なお、ファーウェイ製スマートフォンの超広角カメラは、広角カメラが採用するRYYBセンサーではなく、RGGBセンサーを採用しており、2つを撮り比べると、色味が違うという特徴がある。

上が広角、下が超広角カメラで撮影した写真。上の写真は黄色が強く出ており、色味だけ比べると超広角カメラのほうが自然だ

スマートフォンの超広角カメラは標準カメラより解像度が大きく落ちるのが一般的だが、「P40 Pro」の超広角カメラは4000万画素という高解像度を実現。拡大しても劣化は少なく、スマートフォンの画面で見る限り、広角カメラと比べても精細感に大きな差は見られない

次は望遠カメラをチェックしよう。「P40 Pro」の望遠カメラは、光学ズーム5倍、光学とデジタルを組み合わせたハイブリッドズーム10倍、デジタルズーム50倍に対応する。「P30 Pro」よりも画素数が高くなったことで、より鮮明な写真を撮れるようになっており、遠くの被写体に寄るだけでなく、圧縮効果を利用した写真撮影も楽しめる。

以下の3枚は、上から順番に、光学ズーム5倍、ハイブリッドズーム10倍、デジタルズーム50倍で撮影した写真。光学ズーム5倍は拡大しても画質が大きく崩れることもなく、非常に鮮明だ。ハイブリッドズーム10倍も、光学ズームほどではないが鮮明さを保っている。デジタルズームに関して言うと、正直なところ狙った被写体をフレームインすることさえ難しく、画質も非常に粗かった。

光学ズーム5倍

光学ズーム5倍

ハイブリッドズーム10倍

ハイブリッドズーム10倍

デジタルズーム50倍

デジタルズーム50倍

以下の写真は、光学ズーム5倍で撮影した写真。奥へと伸びる長い道や木々がギュッと手前に圧縮されている。望遠カメラを利用すれば、こういった写真を撮れるのが楽しい。

光学ズーム5倍で圧縮効果を狙った写真。「マスターAI」の効果により、新緑がより一層際立っている

光学ズーム5倍で圧縮効果を狙った写真。「マスターAI」の効果により、新緑がより一層際立っている

ファーウェイのスマートフォンは、低照度撮影や、専用のモードが用意された「夜景モード」など、夜間でもきれいに撮れるのが得意分野となっている。「P40 Pro」もその系譜に洩れることなく、ISOは最大409600(動画は51200)に対応し、スマートフォンのカメラとしては群を抜いた高感度仕様だ。

ドアを閉めて光がほとんどない状態で自宅の廊下を広角カメラで撮影したのが以下の写真。実際に目で見えている暗さは、その下のスクリーンショットと同じくらいと言えば、どれだけ明るく撮れているかがわかるだろう。もちろん、暗い部分を見ればノイズは発生しているが、それでもかなり少ない。

この写真だけを見ると、暗所で撮影したとは思えないクオリティ。木製の三輪車の上に載せたブロックの色まではっきりとわかる

上の写真を撮影したときの実際の暗さはこれくらい

上の写真を撮影したときの実際の暗さはこれくらい

これは、上記の廊下よりもさらに暗い玄関で撮影した写真(広角カメラ)。目ではほとんど見えない人形や飾りの模様まで見える

「P40 Pro」の夜景モードも自宅近辺を散歩しながら試した。広角カメラはもちろん、超広角カメラでも手ブレのない明るくきれいな写真を撮ることができた。画質は鮮明、ノイズもほぼなく、手持ちでここまで撮れるのはさすがと言ったところだろうか。

上が夜景モードをオフ、下がオンにして撮影した写真。どちらも広角カメラで撮影。夜景モードで撮影した写真は、オフ時に黒つぶれしていたところが明るく持ち上がり、建物や草木、雲のディテールまではっきりとわかる

なお、広角カメラは、光源に近づきすぎると、その色(電球色)に引っ張られることがあった。うまく撮影できないときは、光源から離れて撮影すると改善できる。

上記の写真から少し光源に近づくと、全体の色味が黄色っぽくなった

上記の写真から少し光源に近づくと、全体の色味が黄色っぽくなった

以下の写真は超広角カメラで、先の写真と同じ位置から夜景モードで撮影したもの。広角カメラよりは多少暗いがそれでも明るく撮れているし、ノイズも気にならない。個人的には、自然な明るさに近い超広角カメラのほうが雰囲気がうまく出ていると感じた。

超広角カメラの夜景モードをオンにして撮影。広角カメラで撮影した写真よりは暗いものの、十分満足できる

超広角カメラの夜景モードをオンにして撮影。広角カメラで撮影した写真よりは暗いものの、十分満足できる

今回の試用では、現在出されている外出自粛要請に従い、都会の夜景などは撮影していない。そのため、そういったシチュエーションで撮影した場合は色味なども含めてどのような写真が撮れるか気になるところだ。気になるというよりも、「このカメラで夜景を撮ってみたい」と思わせてくれるというほうが近い。それくらい、夜景を撮るのが楽しいカメラになっている。

なお、望遠カメラは低照度や夜景モードだと光学ズーム5倍までがきれいに撮れる限界だった。それを超えると、どうしてもノイズが発生し画質も粗くなってしまう。

望遠カメラで夜景モードはオフ、光学ズーム5倍で撮影した夕焼けの写真

望遠カメラで夜景モードはオフ、光学ズーム5倍で撮影した夕焼けの写真

これは夜景モードをオン、光学ズーム5倍で撮影した写真。スマートフォンの望遠カメラとしては非常に鮮明

これは夜景モードをオン、光学ズーム5倍で撮影した写真。スマートフォンの望遠カメラとしては非常に鮮明

最後は、ポートレートモードとフロントカメラをレビューしよう。「P40 Pro」のポートレートモードは、深度測定用のToFセンサーを用いることで、自然なボケを表現することができる。また、HDRにより逆光下でも明るいポートレート写真が撮影できた。美肌効果や、ボケの種類も細かく設定できる。

広角カメラのポートレートモードで撮影。手前から奥に向かって自然に強まるボケが美しい。被写体との境界線も細かな髪の毛いたるまで、しっかりと認識できている

逆光下のポートレートモード。アンダー気味の顔が明るく持ち上がり、肌色のトーンも上々だ

逆光下のポートレートモード。アンダー気味の顔が明るく持ち上がり、肌色のトーンも上々だ

「P40 Pro」のフロントカメラは3200万画素、F2.2。これに、ToFセンサーが加わることで、フロントカメラによる高精度なポートレート写真が撮れる。メインカメラと同じく、美肌効果やボケの種類を設定でき、バリエーションのあるセルフィーが楽しめる。

フロントカメラで自撮り。逆光だったが、顔や洋服も明るく撮れた

フロントカメラで自撮り。逆光だったが、顔や洋服も明るく撮れた

ポートレートモードの渦巻きボケで撮影。フロントカメラでもToFセンサーにより高度なポートレード写真が撮影できる

なお、このほかにもカメラの撮影モードは多くの種類が用意されている。こういった豊富なカメラ機能により、写真を撮るのがすごく楽しい。

スロー、パノラマ、ARレンズなど多彩な撮影モードがそろう

スロー、パノラマ、ARレンズなど多彩な撮影モードがそろう

まとめ

「P40 Pro」は、スタイリッシュな外観デザイン、美しいディスプレイ、そして多彩なモードを備えたカメラと、ハイエンドスマホとしてしっかり満足できる製品だ。特に、カメラはユーザーの撮影欲をかきたててくれるくらいすばらしいものがある。

ただし、例によって、GoogleのGMS(Google Mobile Service)は非搭載だ。アプリは「Huawei AppGallery」から入手できるが、Google関連のアプリが使えないのは非常に残念。レビュー時点では、日本国内での発売は未定だが、「Mate 30 Pro 5G」が日本でも発売されたことから、こちらの発売にも期待したいところだ。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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