特別企画
Windowsユーザーのための「iCloud」入門

iPhone/iPadとWindowsパソコン間で各種データを連携して活用する

写真や動画、文書、住所録、予定などの各種データを、iPhone/iPadとWindowsパソコンの双方で共有できると便利だ。それを実現するために、アップル提供の同期ソフトを使う方法と、ブラウザーを使う方法を紹介する。

iPhone/iPad上にあるデータをパソコンで使いたい。あるいは、その逆のケースもよくある。「iCloud」を使えば簡単にできるので、活用法をしっかりマスターしよう

iPhone/iPadでiCloudを設定する

iPhone/iPadとパソコン間でデータを連携させるには、アップルのクラウドサービスである「iCloud」を利用する。Apple IDの取得により、無料で5GBの領域が提供されるサービスだ。

はじめに、「iCloud」の設定を見直しておこう。操作は、「iPhone 11 Pro(iOS 13.7)」を例に解説する。

iPhone/iPadで「設定」アプリを開くと、一番上にApple IDに登録の名前が表示されるのでタップ。「Apple ID」画面になったら「iCloud」をタップする。

開く「iCloud」画面で、アプリごとにオン/オフを設定できる。オンにすれば、そのアプリで作成・管理するデータが自動で「iCloud」にアップロードされるようになる。

明らかに不要だと判断するものがあるのなら個別にオフにすればいいが、基本的にはすべてをオンにしておけば間違いない。

「写真」に関しては、タップして「iCloud写真」をオン/オフする。それ以外の写真関連の項目は説明をよく読み、使い方に合わせて設定しよう。

「設定」アプリにあるApple IDの名前→「iCloud」とタップし、この画面で「iCloud」にアップロードするデータをアプリごとにオン/オフ設定する

「写真」をタップするとこの画面が開くので、「iCloud写真」をオンに。ほかの項目は、使い方に合わせて設定する

万一に備え、「iCloudバックアップ」はオンにしておきたい。iPhone/iPadの買い替え時に、データの移行が簡単に行えるのも大きなメリットだ

「iCloud」はとても便利なのだが、無料の5GBではすぐに容量が足りなくなる。その場合は、月額課金でアップグレード(増量)することが可能だ。

「iCloud」画面で「ストレージを管理」をタップすると、プランが選択できる。50GB/月額130円、200GB/月額400円、2TB/月額1,300円と、3つのプランが用意されている。

「iCloud」のプランは、この画面からアップグレードする

「iCloud」のプランは、この画面からアップグレードする

iCloudとPCを連携するには?

iPhone/iPadのデータをiCloudに同期しておくと、パソコンからも利用できる。逆に、パソコン上のデータをiCloudに同期(またはアップロード)することも可能だ。

方法は、アップルが無償提供する同期ソフトの「Windows用iCloud」をパソコンにインストールする方法がひとつ。同期ソフトなので、基本的にはiPhone/iPadとパソコンのデータが自動で同じ状態に保たれる。

また、ソフトをインストールせずにブラウザーから活用する方法もある。こちらは同期ではないので、手動で必要なデータをパソコン側にダウンロードしたり、パソコン上のデータをiCloudにアップロードしたりする操作が必要になる。

両方の使い方を解説するので、自分の使い方や環境に合ったほうを活用してもらいたい。

なお、以下では「iPhone 11 Pro(iOS 13.7)」と「Windows 10 Home(バージョン 1909)」を例に、操作方法を解説する。

Windows用iCloudを活用する

まずは、「Windows用iCloud」をインストールするのだが、注意点がある。というのも、現在2つのバージョンが提供されていて、機能に違いがあるからだ。

ひとつは、「Microsoft Store」から入手できるWindows 10用のバージョン。もうひとつは、アップルのWebサイトから直接ダウンロードするもので、Windows 7およびWindows 8用となっている。

違いは、後者がメール、連絡先、カレンダー、リマインダーの同期機能(対応はOutlookのみ)があるのに対し、前者は後述するブラウザーでの利用になる。

また、写真の同期機能も、前者では使える機能が制限されている。

両バージョンともWindows 10で動作するので、どちらを使っても構わないのだが、ここではより多くの機能を使えるWindows 7およびWindows 8用の使い方を解説する。

「Microsoft Store」から入手する「Windows用iCloud」。「写真オプション」の項目が少ない

「Microsoft Store」から入手する「Windows用iCloud」。「写真オプション」の項目が少ない

アップルのWebサイトから入手する「Windows用iCloud」。こちらのほうが、同期できるデータの種類が多い

アップルのWebサイトから入手する「Windows用iCloud」。こちらのほうが、同期できるデータの種類が多い

まずは、アップルのWebサイトから「Windows用iCloud」をダウンロードする。

下記のページを開き、「AppleのWebサイトからWindows用iCloudをダウンロード」をクリック。なお、「Microsoft StoreからWindows用iCloudをダウンロードする」をクリックすると、「Microsoft Store」が起動する。

ダウンロードできたら、インストールしよう。

●Windows用iCloudの入手先
https://support.apple.com/ja-jp/HT204283

「AppleのWebサイトからWindows用iCloudをダウンロード」をクリックしてインストーラーをダウンロードし、インストールする

インストールできたら、起動して設定を行う。

「iCloud」を検索して起動する。起動したら、タスクバーにピン留め(アプリアイコンを右クリック→「タスクバーにピン留めする」)しておくとワンクリックで起動できるようになるので便利だ

起動画面で、iPhone/iPadで使っているApple IDとパスワードを入力して「サインイン」をクリックする。

このとき、新しいデバイスでの利用を確認する画面が表示されるので、「許可する」をクリック。Apple IDに2段階認証を設定している場合は続けて、確認コードの入力が求められる。指示にしたがってコードを入力して「完了」をクリックする。

「診断情報をAppleに送信しますか?」と尋ねる画面が出たら、送信してかまわないなら「自動的に送信する」、送信したくないときは「送信しない」をクリックする。

確認コードの入力を求められたら、指示にしたがって入力し、サインインする

確認コードの入力を求められたら、指示にしたがって入力し、サインインする

サインインできたら「Windows用iCloud」のメイン画面が表示されるので、以下の解説を参考にデータ同期の設定を行う。

この画面で各種データの同期設定を行う

この画面で各種データの同期設定を行う

●iCloud Drive
アプリに依存せず、自由に文書ファイルなどを保存する領域だ。チェックを入れると、iPhone/iPadとパソコン間でデータのやり取りが手軽にできるようになる。

●写真
「オプション」をタップすると、詳細な設定画面が表示される。

・iCloudフォトライブラリ
パソコン上の写真をiCloudにアップロードする。

・自分のフォトストリーム
直近30日間に撮影した写真が、Apple IDで連携しているデバイスすべてで閲覧できる。

・新しい写真およびビデオを自分のPCにダウンロード
iCloud上の写真と動画をパソコンと同期する。「変更」ボタンから、保存場所の変更もできる。

・可能なら高効率のオリジナルを残す
チェックを入れないと、「HEIF(High Efficiency Image File Format)」の写真がダウンロード時にJPEGに変換される。チェックを入れると、HEIFとJPEGの両方がダウンロードされる。

ただし、Windows 10標準の「Microsoft フォト」では表示できない。表示には、「HEIF 画像拡張機能」が必要になる。

※HEIF 画像拡張機能の入手先
https://www.microsoft.com/ja-jp/p/heif-画像拡張機能/9pmmsr1cgpwg
※HEIF(High Efficiency Image File Format)とは?
iOS 11から採用された、写真用のファイル形式。JPEGの約2倍の高い圧縮効率ながら、高画質を保持できる。

・新しい写真およびビデオを自分のPCからアップロード
パソコン上の写真と動画をiCloudと同期する。「変更」ボタンから、保存場所の変更もできる。

・iCloud写真共有
特定のユーザーと、選んだ写真を共有する機能。「変更」ボタンから、保存場所の変更もできる。

オプションは、使い方に合わせて設定を変更しておこう。設定したら「終了」をクリックする

オプションは、使い方に合わせて設定を変更しておこう。設定したら「終了」をクリックする

●メール、連絡先、カレンダー、およびタスク
iCloudメール、連絡先、カレンダー、リマインダーを同期する。ただし、パソコン側で対応するのは「Outlook」のみだ。

●ブックマーク
「Safari」との間でブックマークを同期する。「オプション」をタップすると、同期対象のブラウザーとして「Internet Explorer」「Firefox」「Chrome」が選べる。複数を同時に選択することも可能だ。

なお、「Edge」には今のところ対応していない。

設定が完了したら、「Windows用iCloud」のメイン画面で「適用」をクリック。これで、設定にしたがって同期が実行される。

●iCloud Driveの使い方
エクスプローラ画面を開くと、「クイックアクセス」に「iCloud Drive」が追加されている。クリックして開くと、iCloud上に保存されているデータが一覧表示され、閲覧/編集ができる。

パソコン上のデータをここに保存すればiCloudと同期され、iPhone/iPadで閲覧/編集できるようになる。

エクスプローラ画面に追加される「iCloud Drive」でデータをやり取りする

エクスプローラ画面に追加される「iCloud Drive」でデータをやり取りする

●写真のダウンロードとアップロード
エクスプローラ画面を開くと、「クイックアクセス」に「iCloud フォト」が追加されている。

写真をダウンロードするには、「写真およびビデオをダウンロード」をクリック。対象を選択する画面が表示されるので、項目を選んで「ダウンロード」をクリックする。

これで、パソコン上にダウンロードされ、エクスプローラ画面の「ダウンロード」をダブルクリックすると閲覧できる。

パソコン上の写真やビデオをアップロードするにはエクスプローラ画面の「アップロード」をダブルクリックして開き、アップロードしたい写真やビデオを保存する。

写真とビデオの同期は、エクスプローラ画面に追加される「iCloud フォト」から行う

写真とビデオの同期は、エクスプローラ画面に追加される「iCloud フォト」から行う

上の画面で「写真およびビデオをダウンロード」をクリックし、この画面で対象を指定して「ダウンロード」をクリック

●Outlookとの同期
メールや連絡先、カレンダー、リマインダーの同期は、「Outlook」で行う。以下の解説には、「Office 365」の「Outlook」を使っている。

・メール
メールは、アカウントに「iCloud」が追加される。一般的なメールアカウントの追加と同様に、iCloudメール(Apple IDのメール)が受信でき、送信もできるようになる。

なお、iPhone/iPad側に「Outlook」で使っているメールアカウントが同期されることはないので、必要ならiPhone/iPad側でアカウントを追加する必要がある。

・連絡先
「Outlook」の連絡先を開くと、「iCloud」が追加されている。クリックすると、iPhone/iPadの連絡先データが表示される。

同時に、iPhone/iPadの「連絡先」には「Outlook」で管理していた連絡先データが追加される。

・カレンダー
「Outlook」の予定を開くと、「iCloud」が追加されている。

「Outlook」で管理している予定と「iCloud」上の予定がひとつのカレンダー画面に表示されるので便利だ。

ただし、iPhone/iPad側に「Outlook」の予定が表示されることはない。表示するには、「連絡先」にMicrosoft アカウントを追加する必要がある。

・リマインダー
「Outlook」のタスクを開くと、「iCloud」が追加されている。タップすると、iPhone/iPadで設定しているリマインダーが表示される。

「Outlook」の予定表画面。一画面で、「Outlook」の予定とiCloudのカレンダー情報が閲覧できるようになる

「Outlook」の予定表画面。一画面で、「Outlook」の予定とiCloudのカレンダー情報が閲覧できるようになる

●ブックマークの同期
同期先として選んだブラウザーに、「Safari」のブックマークが追加される。

いっぽう、iPhone/iPadの「Safari」にも、ブラウザーに登録のお気に入りが追加される。

「Safari」で追加したブックマークを、パソコンでも利用できるようになる

「Safari」で追加したブックマークを、パソコンでも利用できるようになる

ブラウザーでiCloudを活用する

「Windows用iCloud」をインストールすることなくiCloudのデータを活用するには、ブラウザーを利用する。

この方法なら自分のパソコン以外に、外出先で借りるパソコンやネットカフェのパソコンからも利用できるので、使い方を覚えておくと便利だ。

ただしその場合、使用後には必ずサインアウトすることを忘れてはならない。

利用は簡単だ。以下のWebサイトを開き、Apple IDとパスワードでサインインする。

このとき、新しいデバイスでの利用を確認する画面が表示されるので、「許可する」をクリック。Apple IDに2段階認証を設定している場合は続けて、確認コードの入力が求められる。指示にしたがってコードを入力して「完了」をクリック。

さらに、「このブラウザを信用しますか?」と尋ねられるので、自分のパソコンなら「信頼する」をクリック。これで、次回以降確認コードの入力が不要になる。

iCloudのWebページ
https://www.icloud.com/

iCloudのWebページに、Apple IDとパスワードを入力してサインインする

iCloudのWebページに、Apple IDとパスワードを入力してサインインする

サインインすると、12個のアプリアイコンが並ぶ。各アイコンをクリックすれば、情報の閲覧/編集、写真やビデオ、各種データのダウンロード/アップロードなどができる。

また、「Pages」「Numbers」「Keynote」で文書の閲覧/新規作成/編集ができ、「友だちを探す」「iPhoneを探す」機能も利用できる。

操作は、iPhone/iPadのアプリとほぼ共通なので、迷うことなく使いこなせるはずだ。

iCloudのWebページのメイン画面。各アイコンをクリックしてデータを活用する

iCloudのWebページのメイン画面。各アイコンをクリックしてデータを活用する

●データのダウンロードとアップロード
「写真」では写真とビデオ、「iCloud Drive」では各種データをダウンロードしたり、アップロードしたりできる。ここでは、「写真」を例に操作方法を解説する。

「写真」を開き、ダウンロードしたい写真やビデオを選択。選択したら、画面上部のツールバーにある「選択した項目をダウンロード」ボタンをクリックする。

これで、パソコンの「ダウンロード」フォルダーに「iCloud Photos.zip」というファイル名の圧縮ファイルがダウンロードされる。あとは、解凍するだけだ。

iCloudにアップロードするには、同じ画面で「ツールバー」の「写真をアップロード」ボタンをクリック。エクスプローラ画面が開くので、アップロードしたい写真やビデオを選択して「開く」ボタンをクリックする。

「iCloud Drive」でも同様に、ダウンロード/アップロードができる。

写真やビデオを選択し、「選択した項目をダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードする

写真やビデオを選択し、「選択した項目をダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードする

メイン画面で項目のページを開くと、画面左上に項目名が表示される。クリックするとメニューが表示されるので、ここから項目の切り替えが可能だ。

また、右上にはApple IDに登録の名前が表示され、クリックするとサインアウトできる。

画面左上のメニューを開くと、項目を切り替えられる

画面左上のメニューを開くと、項目を切り替えられる

まとめ

写真や動画、連絡先、予定など、日常的によく使うデータは、いつでもどこでも、機器を選ばずに活用できるのがやはり便利だ。

パソコンを持っているのなら、今回紹介した内容を参考に、データ連携してみてはいかがだろうか。

双方に同じデータがあれば。バックアップになる。また、ひんぱんに使わないデータをパソコンに保存し、iPhone/iPadから削除すれば容量の節約にもなる。

ただし、同期を利用するときは要注意。同期は、いっぽうでデータを削除すると、他方でも削除されるのが基本動作だ。この仕組みを正しく理解し、バックアップ目的の場合には同期対象となっているフォルダーなどとは別に保存することを忘れないでいただきたい。

いずれにしても、データ連携の利便性は高いので、しっかり使いこなそう。

小野均

小野均

パソコンからモバイルまで、ハード&ソフトのわかりやすい操作解説を心がける。趣味は山登りにクルマという、アウトドア志向のIT系フリーライター。

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