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5Gミリ波対応・HDMI搭載スマホ「Xperia PRO XQ-AQ52」が2月発売

ソニーモバイルは、5Gスマートフォンの新モデル「Xperia PRO XQ-AQ52」を本日発表。2021年2月10日より発売を開始する。報道関係や映像のプロ、本格派のYouTuberなどに求められる映像配信機能を搭載したという異色のスマートフォンだ。そんな本製品の特徴について紹介しよう。

5Gミリ波対応とHDMI入力搭載が特徴。カメラと合わせて使うスマートフォン

「Xperia PRO」は、報道や映像などの業務に従事する人や、YouTuberなど、インターネットで映像配信を本格的に行うためのスマートフォン。単体でももちろん利用可能だが、デジタル一眼カメラやカムコーダーと連携して使うことで高品質な外部モニターとして使える。また、撮影した映像をその場で配信したり、超高速でスタジオに納入するための5Gモバイルルーターとしても使用できる。

本製品の対象ユーザーとしては、報道カメラマンや映像クリエイター、本格派のYouTuberやVloggerを想定している

本製品の対象ユーザーとしては、報道カメラマンや映像クリエイター、本格派のYouTuberやVloggerを想定している

HDMI入力端子を搭載し、ビデカメラや一眼カメラなどの外部モニターとしても利用できる

HDMI入力端子を搭載し、ビデカメラや一眼カメラなどの外部モニターとしても利用できる

本機のボディサイズは約75(幅)×171(高さ)×10.4(厚さ)mm 、重量は約225g で、IPX6/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様に対応している。ディスプレイには3,840×2,140の4K表示に対応する約6.5インチの有機ELディスプレイを備える。このディスプレイは「Xperia 1 II」に搭載されるものと同じものだが、1台ずつ画質調整が行われたものが出荷されるという。

SoCは「Snapdragon 865 5G」で、12GBのメモリーと、512GBのストレージを備える。OSはAndroid 10。ストレージの容量が多いが、基本性能は「Xperia 1 II」に準じたものだ。外部接続ポートとしては、USB Type-Cに加え、前述のHDMI入力ポートと、ヘッドホン端子を搭載。また、ワイヤレス接続としてNFCにも対応する。なお、FeliCaポートやワイヤレス充電のQiポートは非搭載となる。

Xperia 1 IIとXperia PROの主要スペックを比較。ディスプレイやSoCなど共通点も多いが、5Gのミリ波対応、512GBのストレージ、HDMIポートの搭載、FeliCaポートとQiポートの非搭載という点が大きな違いだ

Xperia 1 IIとXperia PROの主要スペックを比較。ディスプレイやSoCなど共通点も多いが、5Gのミリ波対応、512GBのストレージ、HDMIポートの搭載、FeliCaポートとQiポートの非搭載という点が大きな違いだ

ボディ右側面に並ぶボタン。左からシャッター、特定の機能を割り当てるショートカットボタン、指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンという配置で、カメラを構えた場合、シャッターは右手の人差し指に位置する

ボディ右側面に並ぶボタン。左からシャッター、特定の機能を割り当てるショートカットボタン、指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンという配置で、カメラを構えた場合、シャッターは右手の人差し指に位置する

メインカメラは、約1,220万画素の超広角カメラ(焦点距離16mm)、約1,220万画素の標準カメラ(焦点距離24mm)、約1,220万画素の望遠カメラ(焦点距離70mm)、空間認識を行う3D iToFセンサーという組み合わせのクアッドカメラ。3D iToFセンサーを除く各カメラについては、「T*(ティスター)コーティング」が施されたZEISS監修のレンズを採用している。フロントカメラは約800万画素だ。これらのカメラ機能は「Xperia 1 II」と同じものとなっている。

メインカメラ、フロントカメラの仕様は「Xperia 1 II」と共通。毎秒20コマのAE/AF追従連写や瞳AFにも対応している

メインカメラ、フロントカメラの仕様は「Xperia 1 II」と共通。毎秒20コマのAE/AF追従連写や瞳AFにも対応している

本機の大きな特徴は5Gのミリ波に対応していることだ。ミリ波は、広い帯域幅を確保できるので高速なデータ通信が可能だが、周波数帯が高く、光に近い性質があるため、遮蔽物に遮られやすく、雨や湿気など空気中の水分で減衰するという、従来のモバイル通信用の電波とはかなり性質が異なる。すでに、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルの各キャリアでは、ミリ波の商用利用が始まっているものの、安定した通信を行うにはまだ課題がある。こうしたミリ波を安定して使うために「Xperia PRO」では、アンテナをボディの上下左右の4方向に配置し、あらゆる方向で着実な接続性を確保するという。また、通信状態を可視化するアプリ「Network Visualizer(ネットワーク・ビジュアライザー)」を搭載しており、電波の方向とスループットをグラフで可視化できる。加えて、ボディの放熱効果が高められており、安定した長時間のデータ通信が可能だ。なお、本機は2基のnanoSIMカードスロットを備え、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応している。

ソニー「α7S III」のようなUSBテザリングに対応したカメラと接続することで、撮影データを直接納品先のサーバーにアップロードできる。上述の5Gミリ波をフルに使えば、高精細な映像データも素早く納入可能だ

ソニー「α7S III」のようなUSBテザリングに対応したカメラと接続することで、撮影データを直接納品先のサーバーにアップロードできる。上述の5Gミリ波をフルに使えば、高精細な映像データも素早く納入可能だ

ボディ4か所にミリ波のアンテナを配置。あらゆる方向で電波をしっかりキャッチできる

ボディ4か所にミリ波のアンテナを配置。あらゆる方向で電波をしっかりキャッチできる

電波の方向やスループットを可視化するアプリ「Network Visualizer(ネットワーク・ビジュアライザー)」を搭載する

電波の方向やスループットを可視化するアプリ「Network Visualizer(ネットワーク・ビジュアライザー)」を搭載する

メーカー確認の、国内における通信事業者が提供する5Gサービスへの対応状況は以下となる。NTTドコモとauのネットワークにはフルに対応。ソフトバンクのミリ波には対応していないが、これはまだ商用サービスを行っていないためだ。なお、楽天モバイルについてはSub-6とミリ波の両方に対応していない。

本機のもうひとつの特徴は、HDMI入力ポートを搭載している点だ。これにより、ビデオカメラやデジタル一眼カメラなど、HDMI出力ポートを備えた機器とケーブルで接続して、外部モニターとして利用できるほか、入力された映像を「Xperia PRO」からライブストリーミング配信することも可能だ。

なお、Android 11にバージョンアップしたXperia 1 IIでも、USB Type-Cポートを使った映像の入力機能が搭載されている。ただし、「Xperia PRO」ではHDR 60p 10bitの階調表現、BT.2020の色域の入力に対応するなど、プロのニーズに合ったより忠実な映像を再現が行える点が異なる。

HDMI出力に対応するカメラと接続することで高画質の外部モニターとして利用できる

HDMI出力に対応するカメラと接続することで高画質の外部モニターとして利用できる

映し出した映像は、ピンチイン・ピンチアウト操作で拡大・縮小も可能

映し出した映像は、ピンチイン・ピンチアウト操作で拡大・縮小も可能

なお、本機の価格および販路だが、本機はSIMフリーモデルのみの扱いとなり、通信キャリアで取り扱われる予定はない。ソニーの直販サイト「ソニーストア」および、銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神の各ソニー直営店で扱われるほか、一部の家電量販店とECサイトでも取り扱われる。市場想定価格は228,000円前後(税別)。2021年1月27日午前9時より予約受付が開始される。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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