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買う前に知っておきたい5Gスマートフォン用語解説

「ahamo」や「povo」、「LINEMO」といった各通信キャリアの5G対応・新料金プランが人気を集め、低価格の5G対応スマートフォンも増えてきた今は、5Gスマートフォンの買い時が到来したと言える。しかし5Gスマートフォンには、これまでのスマートフォンには用いられてこなかったさまざまな技術が採用されている。それらの技術用語をまとめて解説しよう。

5G NR(5G New Radio、5Gエヌアール)

世界的に標準化された5Gの通信規格。4Gでいうところの「LTE」と同等の意味で、移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPPによって定められた。

SA(Stand Alone、スタンド・アロン)

5Gネットワークを構築する方式のひとつで、通信設備のすべてを5Gだけでまかなう、いわゆる「フル5G」と呼ばれる方式。後述する「NSA」と異なり、超多接続、超低遅延、超高信頼、超低消費電力といった、5Gで期待される性能をフルで発揮できる。日本国内でも最終的にはこのSA方式による5Gネットワークが構築される予定だが、そのためにはすべての通信設備をSA方式に変える必要があるため、当面はNSA方式での運用がメインとなる予定だ。なお、2021年度から各キャリアで順次「SA」方式の5Gサービスが順次提供開始される予定となっている。

なお、SA方式の5Gネットワークに接続するには、SA対応の端末が必要だが、2021年4月現在発売されている5GスマートフォンはそのほとんどがSAには非対応となっている。

NSA(Non Stand Alone、ノン・スタンド・アロン)

上記「SA」方式とは異なり、従来の4Gネットワークをアンカーバンドとして制御信号用に併用する5Gの方式。2021年4月時点では、国内の通信キャリアの5GサービスはこちらのNSAを使用している。NSAでは、5Gが実現する各種メリットのうち、超高速通信のみが実現される。

なお、NSA対応のSIMフリー5Gスマートフォンでは、5Gの周波数帯と4Gを使ったアンカーバンド(制御信号などをやり取りするバンド)の両方が、各通信キャリアのサービスと適合している必要があるため、どこの通信事業者で動作確認が取れているかを確認することが重要となる。

eMBB(enhanced Mobile Broadband)

5Gで実現される特徴のうち、「高速・大容量通信」のこと。4Gでは理論上の最高通信速度が1Gbps程度と言われていたのに対して、5Gの最大通信速度は10Gbps〜20Gbpsになると言われている。なお、同じ5Gでも端末によって最高通信速度が異なるが、これは、5G+5G、5G+4G、5Gのみといったキャリアアグリゲーションへの対応の可否やその組み合わせの違いによる。2021年4月時点で国内最速となるのは、Sub-6の2波を束ねたNTTドコモのSub-6CAエリアにおける下り最大4.2Gbpsだ。

URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)

SA方式の5Gで実現される特徴のひとつで、「超高信頼・低遅延通信」のこと。遠隔手術や自動運転といった、一瞬のタイムラグや通信のミスが致命的な結果をもたらしかねない用途での利用が想定されている。

mMTC(massive Machine Type Communication)

URLLCと同じくSA方式の5Gで実現される特徴のひとつで、「多数同時接続」のこと。スマートフォンなどだけでなく、さまざまなIoT機器を想定して、通信エリア内にある大量の機器との安定した接続を可能にする。組み込み用途では、10〜15年程度バッテリー交換不要という超低消費電力デバイスの利用も想定している。

mmWave(ミリ波・FR2)

mmWave(ミリ波)とは、本来は波長が1〜10mmの電波のことを指す。FR2(Frequency Range 2)と言われることもある。周波数帯的には30〜300GHzの電波のことを指す。5Gネットワークでも、ほぼこの周波数帯の電波が用いられるが、日本国内の5Gで割り当てられている周波数帯は、「n257」と呼ばれる27.00〜29.50GHzの電波なので、正確に言えば「ほぼミリ波」だが、5G関連では、この周波数帯をミリ波に含んでいる。

実測値で1.5GHzを超えるような高速通信が行えるのがミリ波のメリットだが、電波の到達距離が短く、基地局の規模によるが、アンテナから発せられた電波が100メートル程度の範囲にしか届かないのが欠点。また、直進性が高く、建物や物影に回り込むことが難しく、雨や霧、湿気といった空気中の水分で減衰してしまうというデメリットもある。まとまった通信エリアを実現するためには、膨大な数の基地局を緻密に配置する必要がある。

2021年4月時点では、5Gスマートフォンの中でもミリ波対応端末は数も少なく、端末価格も高め。通信エリアも現状ではかなり限られているので、そのメリットを享受できるシーンはかなり限られる。

ミリ波対応の5Gスマートフォンのひとつ、ソニーモバイル「Xperia PRO」も。報道の現場で、大容量の映像を高速にアップロードするといった使い方を想定している

ミリ波対応の5Gスマートフォンのひとつ、ソニーモバイル「Xperia PRO」も。報道の現場で、大容量の映像を高速にアップロードするといった使い方を想定している

Sub-6(サブシックス、FR1)

上記「ミリ波」と並ぶ、5Gの専用利用周波数。2021年4月時点における5Gサービスの中核を占める周波数帯で、周波数が6GHz以下のものを指す。FR1(Frequency Range 1)と言うこともある。国内では、NTTドコモが「n78」と「n79」、KDDIが「n77」と「n78」、ソフトバンクと楽天モバイルが「n77」の周波数帯でサービスを提供中だ(各バンドの帯域幅はすべて100MHz)。

Sub-6で利用する周波数帯はミリ波よりも低く、帯域幅も狭いのでと、情報の伝送容量も少なくなる。ただし、現在使われているTDD-LTEに近く、通信キャリアにとっては運用のノウハウを活用できる。この周波数帯の電波は、ほかの用途でも使われているので、それらとの干渉を考慮しながらエリアを広げる必要があることが、エリア拡大がゆっくりな理由のひとつにあげられる。

4G周波数の5G転用

4Gで使われている周波数帯を5Gでも利用できるように転用すること。公的な資料では「転用」と表現することが多いが、「ミリ波やSub-6以外の周波数」や「LTE周波数帯として利用中の周波数帯」、「(既存周波数帯の)NR化」と言われることもある。既存の4Gの通信設備を流用できるため、手っ取り早く5Gのエリアを広げることができるのがメリットだが、通信速度は4Gの上限を超えることができないため、一般的な5Gネットワークと比べると、通信速度は遅くなる。国内では、KDDIとソフトバンクが転用を積極的に推進しており、既存の5G端末にソフトウェアアップデートを行うことで転用に対応させている。いっぽう、NTTドコモは転用を行う予定はあるが、あまり重視していない。なお、楽天モバイルは転用に関する方針を明らかにしていない。

基盤展開率

5Gのエリア展開率は、「基盤展開率」で表わすことが多い。基盤展開率とは、日本全土を10km四方の区画に区切り、そのうち無人地帯などを除いた約4500区画のうち、サービス提供の中核となる高度特定基地局を置いた区画の割合のことを指す。

4Gまでの指標だった「人口カバー率」は、人口の多い都市部のカバー率を中心にした指標だったが、「基盤展開率」では、全国を等しくカバーしているかどうかがより重要になる。これは、国が5Gサービスに対して、地方における新しい産業の育成や、過疎化などの“地域における課題の解決”を期待しているためだ。また、将来的な、自動車の自動運転への活用など、IoTを強く意識した指標であるとも言える

なお、通信キャリア各社が、5G専用周波数帯の免許申請に際して、総務省に提出した事業計画によると、2024年度末における「基盤展開率」は以下の通りとなる。

価格.comマガジン編集部

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