ソニーは、2021年4月14日、Androidスマートフォンの新モデル「Xperia 1 III」と「Xperia 10 III」のグローバルモデルを発表、日本を含む、国・地域で今夏以降に発売する。各機種の特徴を解説しよう。
「Xperia 1 III」(エクスペリア・ワン・マークスリー)は、「Xperia 1 II」の後継となるハイエンドスマートフォン。約71(幅)×165(高さ)×8.2(厚さ) mm、重量約186g(Sub-6モデル)のボディに、縦横比21:9で、4K表示に対応する約6.5インチの有機ELディスプレイを搭載する。デザインのモチーフは、前モデル「Xperia 1 II」を踏襲しており、幅と高さがそれぞれわずか約1mm小さくなり、0.3mmほど厚くなった程度の違いしかない。なお、ボディ側面にはGoogleアシスタントボタンが追加されている。カラーバリエーションはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色が用意され、背面の素材にはフロストガラスが使われる。採用される有機ELディスプレイは120Hzの倍速駆動に対応するほか、1コマごとに黒を差し込むことで残像を低減する240Hz相当の駆動にも対応。また、240Hzのタッチサンプリングレートにも対応する。外部接続インターフェイスでは、15W(EPP)まで対応するワイヤレス充電Qiポート(リバース充電対応)を搭載。ヘッドホン端子は「Xperia 1 II」と比較して音圧が最大40%向上している。
「Xperia 1 II」から大きなデザインの変更はない。フラットな背面やパンチホールのない平面ディスプレイなどの特徴もそのままだ
右側面に、ボリューム、指紋センサー兼電源、Googleアシスタント、シャッターの各ボタンを配置
シャッターボタンにはエンボス加工が施されている
ヘッドホン端子も引き続き搭載。ステレオ音源から立体的な音場を作り出す「360 Spatial Sound」に対応する
左右対称に配置されたステレオスピーカーも前モデルと同様。ヘッドホン端子とともにスピーカーも「360 Spatial Sound」にも対応する
メインカメラは、約1,200万画素の標準カメラ(24mm)、約1,200万画素の超広角カメラ(16mm)、約1,200万画素の望遠カメラ、構図認識用の3D iToFセンサーを組み合わせるクアッドカメラ仕様。なかでも注目は望遠カメラで、光学系に可変式ペリスコープレンズを採用することで、従来の70mmに加えて105mmの望遠撮影に対応する。また、カメラアプリが独自の「PhotographyPro」に一本化されたほか、画面上にシャッターボタンを配置し、ぼけやセルフィー撮影などに対応した撮影モード「BASIC」が追加されている。このほか、瞳AFやAE/AF連動の毎秒20コマ連写機能に、ノイズリダクション機能が追加されており、暗い場所における高速連写でもノイズの少なく鮮明な撮影が行えるようになったほか、メインカメラすべてがコンティニュアスAFに対応した。
望遠カメラに可変式ペリスコープレンズを採用。70mmに加えて105mmの望遠撮影が可能となった
カメラアプリは「PhotographyPro」に一本化された。シンプルな操作の「BASIC」モードも追加されている
標準カメラのみの対応だったリアルタイムトラッキングが、全メインカメラで使えるようになった
連写機能にノイズリダクション機能を追加。暗所における連写でもノイズの少ない写真が撮影できるようになった
デジタルズーム時のノイズを低減した「AI超解像ズーム」も搭載
本機は「Xperia 1 II」同様に5G対応モデルとなるが、使用する周波数帯によって、Sub-6モデルとミリ波+Sub-6対応モデルの2モデルが用意される。グローバルモデルでは、nanoSIMカードスロットを搭載しており、eSIMには非対応。ただし、日本国内向けモデルでは、このあたりのスペックは変更になる可能性がある。
基本スペックだが、SoCには、最新のハイエンドSoC「Snapdragon 888 5G」を採用する。12GBのメモリーを搭載し、ストレージ容量は256GBと512GBの2モデルが用意される。OSはAndroid 11だ。バッテリー容量は4,500mAh。USB PD規格を使った30Wの急速充電に対応しており、残量ゼロから50%までの充電を約30分で行える。
なお、NTTドコモ、au、ソフトバンクから、6月中旬以降に発売される。au版「SOG03」およびソフトバンク版についてはミリ波対応で256GBストレージ搭載モデルとなる。NTTドコモ版「SO-51B」の詳細は後日発表となる。
最新のハイエンド向けSoC「Snapdragon 888 5G」を搭載。「Xperia 1 II」と比較して処理性能が25%、グラフィック性能は35%向上しているという
4,500mAhのバッテリーを内蔵。出力30WのUSB PDに対応しており、約30分で、残量ゼロから50%までの急速充電が行える
「Xperia 1 III」のスペック表。内蔵バッテリーは劣化の少ないタイプのものが使われる
「Xperia 10 III」(エクスペリア・テン・マークスリー)は、「Xperia 10 II」の後継となるミッドレンジモデル。約68(幅)×154(高さ)×8.3(厚さ)mm、重量約169gのボディに、フルHD+表示に対応する約6.0インチの有機ELディスプレイを搭載する。前モデル「Xperia 10 II」と比べると幅が約1mm、高さが約3mmそれぞれ小さくなり、0.1mmだけ厚くなったが、基本デザインは踏襲されている。ディスプレイのサイズと解像度は変わらないが、新たにHDRへ対応したのがトピック。ヘッドホン端子も引き続き搭載され、「Xperia 1 II」などに搭載されていたサウンドエンハンサー「DSEE Ultimate」に対応している。
6インチという画面サイズはそのまま、バッテリー容量は900mAh増量の4,500mAhとなったが、前モデル「Xperia 10 II」より幅が約1mm、高さが約3mmコンパクトになった
IP65/68の防水防塵等級に対応する
搭載する有機ELディスプレイは上位モデル同様、HDRに対応した
メインカメラは、約800万画素の超広角カメラ(16mm)、約1,200万画素の標準カメラ(27mm)、約800万画素の望遠カメラ(54mm)という構成のトリプルカメラだ。前モデル「Xperia 10 II」と比較すると、各カメラの画素数は変わっていないが、標準カメラの焦点距離が26mmから27mmに変更され、F値も2.0から1.8に変更されているなど、細かい変更がある。また、HDRに対応したほか、AE連動の毎秒10コマの連写撮影、ペット認識機能などが搭載されており、「Xperia 10 II」よりもカメラ性能が強化されている。
超広角、標準、望遠というメインカメラの構成は前モデルと同じだが、標準カメラのレンズはF1.8の大口径レンズになり、焦点距離も26mmから27mmに変更されるなど、細かい変更がなされた
ペット認識機能や、AE連動の毎秒10コマの連写撮影、HDR対応など、カメラ機能は強化されている
基本スペックだが、5G対応のミドルレンジ向けSoC「Snapdragon 690 5G」を搭載。メモリーはこのクラスとしては多めな6GBで、ストレージは128GBとなっている。5GはSub-6に対応。eSIMおよびSIMカードスロットの構成は明らかにされていない。内蔵バッテリーは容量4,500mAhで、「Xperia 10 III」よりも900mAhの容量アップとなった。
国内では、NTTドコモから「SO-52B」として、auから「SOG04」としてそれぞれ6月中旬以降に発売される。
「Xperia 10 III」の基本スペック。バッテリーは劣化しにくいものが使われる。なお、USB PD(最大17.5W)規格の急速充電に対応する
なお、今回のXperiaシリーズのグローバルモデルの発表では、上記2製品のほか、「Xperia 5 III」もお披露目されている。ただし、発表の時点では国内での取り扱い予定がないため、日本向けの情報開示は見送られている。
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。