今冬、“有機EL(OLED)”で攻めているASUS JAPAN。数多くの有機ELディスプレイ搭載のパソコンを発表しているが、今回はその中から、2in1タブレット「Vivobook13 Slate OLED」をレビューしていく。
着脱式のキーボードとカバースタンドが付属するVivobook13 Slate OLED。今回試用したメモリーが4GBのモデルの価格.com最安価格は94,800円。8GBのメモリーを搭載する上位モデルの価格.com最安価格は98,820円(上位モデルは12月16日発売予定)
Vivobook13 Slate OLEDは13.3型の有機ELディスプレイを搭載する2in1タブレット。最大の特徴は有機ELディスプレイを搭載すること。ディスプレイの仕様は、解像度が1920×1080のフルHD、コントラスト比が100万:1、応答速度が0.2ms、最大(ピーク)輝度が550ニトと非常にハイスペックだ。色域はDCI-P3を100%カバーするほか、色精度はPANTONE認証を取得。VESA DisplayHDR 500 True BlackとDolby Visionの認証も受けている。
タブレットはノートパソコンよりも顔の近くで画面を見ることになるが、その鮮やかさは一見の価値ありだ。
13.3型の有機ELディスレイは鮮やかな表示。動画や写真を高画質で楽しめる。画面を長時間見るなら、やはりキレイなほうがいい
視野角は公開されていないが、横から見ても色が変わることなく、しっかりと見られる。複数人でも画面が見やすそうだ
有機ELディスプレイの課題である焼き付きに関しては、Windowsのダークモードをデフォルトに設定して出荷されるほか、スクリーンセーバーも活用。サムスンの焼き付き防止テクノロジーも採用している。焼き付きに関してはそれほど神経質になる必要はなさそうだ。
超美麗な有機ELで動画を視聴してみたが、鮮やかでクリアな画質なのがすぐにわかる。日常使いだと、最初は鮮やかすぎるかなと感じるが、すぐに慣れるので問題はない。本機を試した後に、液晶ディスプレイのほかのノートパソコンを使うと、白っぽく見えてしまうほどだ。
音のよさも特筆すべき点だ。ドルビーアトモスに対応した4つのスピーカーを搭載しており、人の声がクリアに聞こえるし、映画なども迫力のある音で楽しめる。動画や音楽を楽しむためのタブレットとしてはトップクラスのクオリティではないだろうか。
なお、Windows 11はWindows 10にあった「タブレットモード」が廃止されたが、左側をスワイプするとウィジェットが表示され、右側をスワイプすると通知を確認できる。ソフトウェアキーボード(タッチキーボード)のデザインバリエーションも増えている。
Windows 11ではソフトウェアキーボード(タッチキーボード)のデザインが豊富に用意されている
ラインアップはメモリーが8GBのモデルと4GBのモデルの2モデル。今回は価格.com最安価格94,800円の4GBモデルを試した。各モデルの主なスペックは以下の通り。
○8GBモデル
・CPU:Pentium Silver N6000
・メモリー:8GB LPDDR4X-2933
・ストレージ:256GB SSD
・OS:Windows 11 Home 64ビット
・バッテリー駆動時間:約10.3時間(キーボード装着時)
・価格.com最安価格:98,820円
○4GBモデル(今回試したモデル)
・CPU:Pentium Silver N6000
・メモリー:4GB LPDDR4X-2933
・ストレージ:128GB eMMC
・OS:Windows 11 Home(Sモード) 64ビット
・バッテリー駆動時間:約11時間(キーボード装着時)
・価格.com最安価格:94,800円
2モデルともCPUはPentium Silver N6000。動作クロックは1.1GHz、バーストクロックは3.3GHzの4コアCPUだ。教育市場向け端末用のCPUで、性能は控えめ。
今回試した4GBモデルは、メモリーが4GB、ストレージが128GB eMMCというスペック。動画や音楽の試聴、オンラインでの学習や仕事など、比較的ライトな作業に向いたモデルだ。OSはMicrosoft Store経由でないとアプリをインストールできるないSモードと制限がある。
「CINEBENCH R20」の結果はCPUが689、シングルCPUが272。スコア自体は低いが、動画や音楽などを楽しむのには十分なスペックだ。Wi-Fi 6に対応しており、超美麗な有機ELディスプレイでネット動画を快適に楽しめる。
CINEBENCH R20の結果
なお、上位モデルの8GBモデルは、メモリーが8GB、ストレージが256GBのSSD、OSは通常のWindows 11で価格.com最安価格が98,820円。4GBモデルより約4,000円高いだけなので、選ぶなら上位の8GBモデルを選びたいところだ。
本体にはスタンドはなくピュアなタブレットだが、背面にマグネットで固定するスタンドカバーが付属する。装着するとマイクロソフトのSurfaceのようだだ。ただ、このスタンドカバーが少しだけ使いにくい。外れやすく、角度の調整がしにくいのだ。本体と一体型でもよかったかもしれない。
本体背面にマグネットで固定するスタンドカバー。スタンドが硬く、角度を調整しようとするとスタンドカバー自体がズレてしまう
縦置きも可能。メインパソコンの横に置いて、SNSやデータチェック用に使うのもよさそうだ
着脱式のキーボードは専用コネクターで本体に装着するタイプなので接続設定は不要。少し厚みがあって、安定してタイピングができる。2in1タイプのタブレットに付属するキーボードとしては使いやすいほうだ。パタンと閉じればディスプレイを保護する役割を果たす。背面にはポップなデザインが施されており、ビジネス用というよりも若年層をターゲットにしている雰囲気だ。
着脱式のキーボード。Fnキーが色分けされており、デザイン性にこだわったキーボードだ。キーピッチもフルサイズで、キーボードとしては使いやすい
キーボードの背面には蛍光の黄緑色の模様が配置されている。厚みがあるのでディスプレイをしっかりと保護してくれる
外部インターフェイスはUSB 3.2 Type-C(Gen2)×2、マイク入力/ヘッドホン出力、microSDメモリーカードスロットを搭載。USB Type-AポートやHDMIはなく、なかなか割り切った仕様だ。
外部インターフェイスは右側面に配置されている。左側面にはボリューム調整ボタンを搭載する。電源ボタンは上部
別売のスタイラスペン「ASUS Pen」を使ったペン入力もサポート。テレワークやオンライン学習はスタイラスペンがあったほうが便利なシーンが多いので、合わせて購入しておきたいところだ。なお、最新のスタイラスペン「ASUS Pen 2.0」を後日発売される予定だ。筆圧感知はASUS Penと同じ4096段階だが、電源が電池からUSB-Cポートからの充電に変わり、電池残量を確認できるLEDインジケーターが付くなど細かい点が改良されている。
手書きがしやすいのがタブレットの魅力。ASUS Penは別売だが一緒に購入しておきたい
タブレット本体は約785gで長時間手に持って使うのは現実的ではない。キーボードやカバースタンドを含めると1kgオーバーだ。自宅やオフィスにて、据え置きで使いながら、ときどき持ち運ぶのが現実的かもしれない。
タブレット単体の重量はキッチンスケールでの実測で786.5g。13.3型の大画面モデルとしては軽いが、長時間手に持って使うと重く感じるだろう
キーボードとカバーケースを含めると1386.5gと1kgオーバー
Vivobook13 Slate OLEDは鮮やかな表示の有機ELディスプレイが魅力の2in1タブレット。スペックは控えめで、ヘビーな用途には向かないが、ネット動画を視聴したりオンライン会議に参加したり、学習や仕事に使ったり、幅広い用途に使えそうだ。
パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。