レビュー

基本性能が大幅にアップしたシニア向け5Gスマホ、FCNT「らくらくスマートフォンF-52B」レビュー

NTTドコモから「らくらくスマートフォン F-52B」が2022年2月24日に発売される。新たに5Gに対応したほか、指紋認証センサーを搭載。サポート体制もさらに強化された本機の使いやすさをレビューした。

5G対応、指紋認証センサー搭載で機能性アップ

従来の携帯電話で使われていた3Gが徐々に停波を迎えつつある現在、お使いのケータイからスマートフォンへと乗り換えようと考えている方は多いだろう。

NTTドコモのシニア向けスマホ「らくらくスマートフォン」シリーズ(FCNT製)は、富士通時代からの累計出荷台数が700万台という隠れた定番シリーズで、シニア層のケータイからスマートフォンへのシフトに適した製品だ。今回取り上げる「F-52B」はその最新機種で、シニア層にも使いやすい操作性はそのままに、新たに5Gに対応したほか、指紋認証センサーを搭載するなど、基本性能が向上。また、サポートについても強化がなされている。

まずは本機のハードウェアから見てみよう。ディスプレイには、前モデル「F-42A」と比べると0.2インチ広くなった、約5.0インチの有機ELディスプレイを採用。解像度も、1,280×720から1,980×1,080のフルHD+表示に精細化された。解像度が高くなったが、文字のサイズは変わらない。また、画面を拡大表示する新機能「おまかせズーム」の搭載により、細かな文字を自在に拡大できる。このほか、ワイヤレスで外部のディスプレイに映像を出力する「かんたん画面出力」機能も搭載されたため、撮りためた写真や動画をテレビなどの画面に映し出すこともできる(Miracast対応テレビかワイヤレスディスプレイアダプターが別途必要)。

なお、「らくらくスマートフォン」シリーズの特徴である、カチッと押し込むようにしてタッチ操作ができる「らくらくタッチパネル」も引き続き搭載している。こちらも、通常の静電容量タイプのタッチパネルに加えて、新開発の感圧センサー「Picoleaf(ピコリーフ)」を組み合わせることで、タッチ認識の精度を高めている。

ディスプレイは約5.0インチの有機EL。ボディの大きさはそのままだが画面が若干大きくなるとともに解像度も上がり、精細さが増した

ディスプレイは約5.0インチの有機EL。ボディの大きさはそのままだが画面が若干大きくなるとともに解像度も上がり、精細さが増した

画面の一部を拡大表示する「おまかせズーム」機能。ユーザーの好みの拡大倍率を学習する機能も備える

画面の一部を拡大表示する「おまかせズーム」機能。ユーザーの好みの拡大倍率を学習する機能も備える

本機のボディサイズは、「F-42A」の70(幅)×143(高さ)×9.3(厚さ)mmのまま変わっていないが、重量は従来モデルの143gから10g重くなった153gとなった。これは、搭載するバッテリーの容量が2,110mAhから3,400mAhに増量されたことが大きく影響している。なお、ボディは、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様をクリアしており、泡タイプのハンドソープでボディを丸洗いできるほか、界面活性剤や次亜塩素酸水、アルコールをボディに直接吹きつけての除菌洗浄も可能だ。

背面のデザインは、「らくらくスマートフォン」シリーズのイメージを継承したもの

背面のデザインは、「らくらくスマートフォン」シリーズのイメージを継承したもの

ボディは、泡タイプのハンドソープでの丸洗いや、アルコールを含む消毒液を吹きつけての除菌洗浄にも対応する

ボディは、泡タイプのハンドソープでの丸洗いや、アルコールを含む消毒液を吹きつけての除菌洗浄にも対応する

ボディ下側面にはUSB Type-Cポートとスピーカーホール、ストラップホールが配置される

ボディ下側面にはUSB Type-Cポートとスピーカーホール、ストラップホールが配置される

ボディ上側面にはヘッドホン端子を配置

ボディ上側面にはヘッドホン端子を配置

ボディ左側面に「+」と「−」の2個のボリュームボタンと電源ボタンを配置。ボリュームの「+」ボタンは長押しでブザーになる

ボディ左側面に「+」と「−」の2個のボリュームボタンと電源ボタンを配置。ボリュームの「+」ボタンは長押しでブザーになる

ボディ右側面にカメラボタンを配置する

ボディ右側面にカメラボタンを配置する

機能面では、FeliCaポートを背面に備えており、各種のタッチ決済サービスを利用できる「おサイフケータイ」を利用できる。また、ディスプレイ下部のホームボタンに、指紋認証センサーが新たに備わり、指のタッチでロック解除ができるようになった。なお、従来モデルから搭載されていたワンセグチューナーやFMラジオチューナーは引き続き搭載されている。

ディスプレイ下に指紋認証センサーを内蔵したホームボタンを備える。ロックの解除はホームボタンを押しつつ指紋を当てて認識させる。プライバシー保護と解除の簡単さという点で、指紋認証センサーの搭載は多くの人にとってよい知らせだろう

ディスプレイ下に指紋認証センサーを内蔵したホームボタンを備える。ロックの解除はホームボタンを押しつつ指紋を当てて認識させる。プライバシー保護と解除の簡単さという点で、指紋認証センサーの搭載は多くの人にとってよい知らせだろう

処理性能を大きく左右するSoCには、クアルコムのエントリー向けSoC「Snapdragon 480」が使われる。このほか、4GBのメモリー、64GBのストレージ、1TBまで対応するストレージ増設用のmiroSDXCメモリーカードスロットを備える(メモリーカードは別売り)。OSは、Android 11だ。

本機が搭載する「Snapdragon 480」は、エントリー向けではあるものの、処理性能、グラフィック性能が向上しており、1年ほど前のミドルクラス機に迫る性能を有する。定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使用したところ、総合スコアは287,572(内訳、CPU:97,104、GPU;66,596、MEM:61,285、UX:62,588)となった。SoCに「Snapdragon 450」を搭載した前モデル「F-42A」のスコアは70,000前後だったので、約4倍のスコア向上ということになる。

実際に操作してみても、歴代のらくらくスマートフォンと比べてもかなりキビキビしている印象。シニア向け端末では、これまであまり処理性能は重視されなかったが、本機ではこの点が大幅に引き上げられている。

AnTuTuベンチマークの計測結果。前モデル「F-41B」と比較して4倍近いスコア向上を果たしている

AnTuTuベンチマークの計測結果。前モデル「F-41B」と比較して4倍近いスコア向上を果たしている

5G通信機能だが、5G対応エリアでは下り最大1.9Gbps、上り最大218Mbpsのデータ通信が行える。5Gの通信エリアが現状の4Gや3Gのように広がるのはまだしばらく先になるだろうが、5G対応機を選んでおけば、今後も長く使い続けることができる。なお、NTTドコモの料金プランは4Gと5Gで価格差はない。

バッテリー容量は3,400mAhで、前モデル「F-42A」の2,110mAhよりも大幅に大容量化された。これにより連続待ち受け時間は従来の約410時間から約510時間へと2割ほど伸びている。シニアユーザーの平均的な利用ペースである1日に1時間以程度の利用で1週間ほどテストしたが、フル充電で7日間バッテリーが持続した。

一般的な操作性の「スマホかんたんモード」も追加。サポート体制も強化。

「らくらくスマートフォン」シリーズのホーム画面は、よく使うアプリなどが大きめのタイル状のアイコンとして並んだ、簡易版の操作画面が特徴となってきた。このホーム画面は、確かにわかりやすいのだが、これに慣れてしまうとほかの製品に移行しにくくなる、一般的な操作画面などがわかりづらく感じるというネガティブな一面もある。そのため、本機では、もうひとつのホーム画面となる「スマホかんたんモード」を搭載している。「スマホかんたんモード」は、Androidスマートフォンで見かけることの多い簡易版の「かんたんモード」と似たUIで、より一般的なAndroidのホーム画面に近い。また、画面のタッチ操作も、押し込まないタイプの普通のスマートフォンと同じものになる。

また、文字入力は、ケータイを意識したUIで、ボタンを押すことで“あ→い→う”、“a→b→c”を切り替えるテンキー入力が初期設定(ケータイ入力)になる。ただし、2回のタッチ操作で文字入力が行える「らくらく2タッチ入力」や、手書き入力、フリック入力、ドコモの技術を使った音声入力にも切り替え可能で、状況に応じて使い分けることができる。

従来からの「標準ホーム」(左画面)に加えて、通常のスマートフォンに近い「スマホかんたんホーム」も搭載する

従来からの「標準ホーム」(左画面)に加えて、通常のスマートフォンに近い「スマホかんたんホーム」も搭載する

文字入力で「ケータイ入力とらくらく2タッチ入力を併用」を選択すると、2回のタッチで文字入力を確定できる「らくらく2タッチ入力」と従来のケータイ入力を併用して使える。このほか、スマートフォンで一般的なフリック入力や、音声入力にも対応する

文字入力で「ケータイ入力とらくらく2タッチ入力を併用」を選択すると、2回のタッチで文字入力を確定できる「らくらく2タッチ入力」と従来のケータイ入力を併用して使える。このほか、スマートフォンで一般的なフリック入力や、音声入力にも対応する

「らくらくスマートフォン」シリーズは手厚いサポートも魅力のひとつだが、その特徴は本機でさらに強化されている。製品パッケージには、スマートフォンを初めて使うという人に向けた本機専用のガイド本が同梱されるほか、困った場合は、状況を理解して解決策を提示するアプリ「サポート診断」で自己解決を手助けしてくれる。さらに、自己解決が難しい場合は、ボタンひとつで発信できるらくらくホンシリーズ専用のコールセンター「らくらくホンセンター」を頼ることも可能だ。さらに、動画でのサポートや、有料ではあるが自宅への出張サポートを行うFCNTのサービス「らくらくコンシェルジュ」も用意されている。

標準カメラに加えてマクロカメラを搭載するデュアルカメラ

本機のメインカメラは、約1,310万画素の標準カメラと、約190万画素のマクロカメラという2基のカメラを搭載しており、カメラアプリで切り替えて使う。AIを使ったシーン認識機能を備えているので基本的にカメラ任せの撮影も可能だ。また、カメラアプリにはGoogleが開発した「Google Lens」が統合されているので、画像検索やQRコードの読み取りもカメラアプリひとつで済む。

標準カメラのほか、接写に使うマクロカメラという2基のカメラを搭載。カメラアプリで切り替えて使う

標準カメラのほか、接写に使うマクロカメラという2基のカメラを搭載。カメラアプリで切り替えて使う

カメラアプリの画面は、大きなアイコンで各機能が表示されておりわかりやすい操作性となっている。

カメラアプリの画面は、大きなアイコンで各機能が表示されておりわかりやすい操作性となっている。

HDRモードに切り替えて、標準カメラで窓から外の景色を撮影。窓の景色と、窓枠の影が両方とも自然に撮影できた

HDRモードに切り替えて、標準カメラで窓から外の景色を撮影。窓の景色と、窓枠の影が両方とも自然に撮影できた

マクロカメラに切り替えて撮影すれば、このような接写撮影も楽しめる

マクロカメラに切り替えて撮影すれば、このような接写撮影も楽しめる

機能や性能の向上にとどまらない、サポートや活用を含めて選びたい

本機は「らくらくホン」シリーズで培われてきた使いやすさはそのままに、スマートフォンとしての基本性能を高め、より幅広いユーザーに受け入れやすい製品に仕上がっていた。サポート体制も手厚く、ガイド本の同梱から、アプリを使った自己診断、さらに有料の出張サポートまで用意されているので、操作などで困ったことがあっても、何らかの解決方法を見いだしやすいはずだ。5Gに対応し、基本スペックも引き上げられているので、長く利用できるのも魅力だろう。

NTTドコモの製品ラインアップで本機と競合するのは、同時に発売されるシニア向けスマートフォンの新シリーズ「あんしんスマホ KY-51B」(京セラ製)だろう。「あんしんスマホ」は、ホームボタンに加えて音声通話やメールの専用ボタンを備えるなど、よりケータイの操作性に近い部分がある。また、6.1インチという大画面を備えるので、視認性も高い。これに対して本機は、ロングランシリーズの安心感という無形の価値に加えて、機能面でもワンセグチューナー搭載といった違いもある。この両機は同じシニア向けだが、狙いが微妙に異なっているので、よく比較して選んでほしい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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